沼田まほかるのレビュー一覧
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二度は読まないが、作者の他の作品はきっとこれから読んでしまう。
直接的な表現や性の残虐性というものが苦手なので気が狂うかと思ったが、先を読みたくなったのはストーリーや文章力の勝ち。
えげつない描写は本当にきついが、なぜか下品さは感じられなかった。
初めは異常で鬱陶しかった服部が、作中で1番まともであたたかい存在に思えるとは…
亜沙美を「魔性の女」と表現するのはしっくりこない。彼女は意識的に主導権を握りながら誘惑したりはしないだろう。
彼女はただ美しく妖艶だったのではなく、人の加虐性を煽るような何かを持ってしまっていた。そしてトラウマを乗り越えるための反動か、加虐を受け入れてしまう心と身体を -
Posted by ブクログ
ネタバレ沼田まほかる氏の作品はこれで二作品目。
以前『九月が永遠に続けば』(2005)を読み、そのつるつるとした(喉ごし、ならぬ)「読みごし」に偉く感心したのでした。
で、今回の作品『彼女がその名を知らない鳥たち』(2006)、作風は相変わらずのいやーな感じ。前回の作品対比だとミステリー感は弱まりましたが、むずがゆい感覚はむしろパワーアップ。何とも言えない読後感でありました。
因みに10年ほど前に読んで以来の再読となりました。
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で、内容ですが、何とも言いづらい笑
藤田香織氏の解説では、メインのキャラクター二人を、いみじくも『愛せない男と共感できない女』と表現。
そう、本作は、かつ -
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沼田まほかる作品は「アミダサマ」「ユリゴコロ」「猫鳴り」に続いて4作目。
本作はホラー的要素は薄いものの、ファンタジー感というかフィクション感が低く、人間的ドロドロがリアルで、身の回りにいくらでも転がってそうな、そういう意味での怖さがあった。
驚くべきは、この作品が沼田先生56歳のデビュー作だということだ。
恋心が自らを蝕んでいく(恋に恋しているようなバカではなく、自制的にも見える文彦でさえ!)思春期の苦しみや、愛と救いと赦しと肉欲と支配欲の渾然一体となった理性と本能のせめぎ合いや、そんなテーマを50代で描く、そのこと自体が良い意味で普通じゃない。
登場する大人たちは、全員が全員、真っ白で -
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沼田まほかるさんは、学生の頃から好きで映画化されたら1人でワクワクしながら見に行った記憶。
第1章から3章までで構成されていてそれぞれ共通するのは、猫と死、生命。
といったところだろうか。
200ページ程の薄い小説だけど、私は動物が大好きだからこれ以上長く書かれても困る。
よく読むイヤミス系小説とはまた違う精神的重さがあって、第3章だけが救いである。
それでも、実家の輪々ちゃん(パピヨン)が年も重ねうまく歩けなくて、白内障であまり見えていなかったりする状況なので、やはり読んでいて辛かった。
小説としてはとても面白い。
解説はサラッとしか普段読まないけれど豊崎由美さんの解説までがこの小説な -
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ネタバレ沼田まほかる氏の作品というと、ねっとりとして、人間のいやーな部分をじっくり描くという印象があります。そういう意味ではイヤミスですかね。というかミステリーなのかな?
でも、本作は高校生の息子の失踪とその原因というものがミステリー要素だったのでイヤミスかも。
ちなみに沼田氏は本作がデビュー作(2004)で、第五回ホラー・サスペンス大賞受賞。当時56歳というから、すごいですね。
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で本作。
感想を述べるのはなかなか難しい。
ただ、これだけ複雑に絡み合う登場人物とその背景を少しずつ明らかにするにあたって、そこに混乱が全くなく、自然に内容が頭に入ってくるところは凄いと思います。
主人公佐