沼田まほかるのレビュー一覧

  • ユリゴコロ

    ひどく残酷で,おそろしい話のはずなのに,なぜかラストは綺麗に感じてしまう。

    細谷さんの,無償の愛を超えた,残酷なまでの愛情。
    人を殺してでも,守りたいもの。

    おそろしい「ユリゴコロ」は,歪んではいるものの,唯一無二の「オヤゴコロ」に生まれ変わったのかもしれない。
  • ユリゴコロ
    最初は、若干気分悪かったけど、中盤からは一気読み。

    気分悪いって感じるのは文章力の巧さで、それでも引き込まれていく構成力。
    ラストは、なんだか全て納得し、多分ベストな終わり方かなと思いました。

    初めて読む作者でしたが、他の作品も読んでみたい!

  • ユリゴコロ
    表題のノート4冊に記された殺人犯の手記を中心に、ストーリーが展開していく…という設定に惹かれて一気読み。

    ノートの序盤は残酷な描写から始まるが、読み進めて行くたびに真実が明らかになったり、無機質だったものが感情的に移り変わったり、前半と後半の変化も見応えがあった。

    ラストは『そうきたか!』とミス...続きを読む
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    私にとって沼田まほかる初読作品。
    主人公の十和子と、同棲人の陣治の関西弁のセリフが、関西人である私をストーリーへ深く導いてくれた。

    しかしながら、序盤〜中盤までは、どの登場人物にも感情移入が出来ず、結末も読めず、しんどかったが、終盤のスピード感のある展開、特に陣治の十和子に対する不器用で無償の愛が...続きを読む
  • ユリゴコロ
    簡単に言えば社会不適合者との共依存なんだろうけど、共依存以上の何かがある
    全員に共感できる部分と絶対共感できない部分とがあって、なんとも言えない読後感
  • 猫鳴り
    全く猫派じゃない自分だが、沼田さんの作品だったからという理由だけで読んだ。
    お腹の子を亡くした後に出会った猫のモン。
    夫婦が空気のような存在になる時間の経過のように、モンが最後の時を静かに迎える描写が良かった。
    読後に我が家の2階の窓からふと、目の前の駐車場を見ると、愛車の下から黒猫の足だけが見えて...続きを読む
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    八年前に別れた恋人・黒崎の影を引きずる十和子。新しく出会った男・水島にも黒崎の影を重ねる。水島との待ち合わせでいつも頭上に飛ぶカラス。作中に「なぜカラスばかりなのだろう、他の鳥はどこへ行ったのだろう?」といった一文が出てくるが、これがタイトル「彼女がその名を知らない鳥たち」につながっていると思う。十...続きを読む
  • ユリゴコロ
    前半は読んでて凄い気分が沈んだ。
    ノートの作者がやっぱり頭がおかしくて、それを読んでる自分もどこかおかしいんじゃないかって感覚になった。
    ただ読み進めていくうちにその感覚がだんだん愛みたいな暖かい感覚に変わってて、でも心地よい愛ってのとはまた違ってて不思議な感覚だった。
    ラストは、まさかこれは…?っ...続きを読む
  • ユリゴコロ
    個人的にダークなサイコでどんよりとした雰囲気の終始深い色味のミステリー
    まぁ簡単に言えばイヤミスは大好物です。
    映像化作品も拝見しましたがこれは文章で読むべきだなぁと思いました。
    確かに文章である分、おどろおどろしい描写がどうしても頻繁に出てきてしまうので人を選ぶ作品ではあると思います。
    更にはとこ...続きを読む
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    ゾワゾワした。
    こんな愛の表現の仕方、伝え方、受け取り方があるのか、と思わされた。それも愛、これも愛…。
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    愛で人は狂うもの。狂わせる愛はまやかしの愛。
    人は愛で救うもの。救う愛は捨て身や献身、それでは足りないくらいの愛だった。

    十和子が自分のようでつらかった。
    現実を見ず、近しい人の悪いところを並べ立てて被害者ヅラをしている姿が。
    でも本人が辛いと感じているものも本物だった。

    病んでいることは辛いこ...続きを読む
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    じんじもキモいけど、メンがヘラってる主人公もイカレテテ大概だなーと読み進めていたら、ラスト!!!
    ドロドロじとっとした気持ち悪さから一気に解放された。

    イライラしながら一緒にいる気持ちはちょっとわかる。
    じんじと元旦那が被ってみえた。
    十和子とは理由や方法は違うが外の世界へ出たがった自分。
    想って...続きを読む
  • 痺れる
    イヤミスで有名、沼田まほかるさん初読み短編集、どの作品はいずれもクオリティが高く、山椒系のしびれ大好きな私にはぴったりなビリビリする後味な読後いいかも。
  • 痺れる
    不倫、愛、性犯罪、そんなものを凝縮した短編集。‬

    色んな意味で怖い。
    ‪集中しては結末にハッと肩の力が抜けたり、最後の一行にギュッと心を掴まれたり。‬
    ‪繰り返す悪夢みたいに重い題材が続き苦しい気持ちになる。だがブラックユーモアもあり、これはオチまでの遊びを楽しむ作品だと気付いてからは気楽に読めた...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    読んで気分のいいものではない、気が滅入るような出来事が続く。子供の失踪、浮気相手の事故死、別れた夫の娘の自殺未遂、個々の出来事は探せばいくらでもあるだろうけれど、こう不幸な出来事が重なるというのも珍しい。
    前に一度読もうと手に取ったが置いてあった、「ユリゴコロ」の不思議な雰囲気に惹かれて読み直すこと...続きを読む
  • 猫鳴り
    沼田さんは、猫がゴロゴロと喉を鳴らす音を「猫鳴り」と書いている。

    迷い猫「モン」と暮らした日々を三部に分けている。
    いつも胸の奥深くにある、確かに一人の分身と思える自分の心、それを暗く厳しく、日常生活の中で見つめる作者の目はここでも健在だ。
    その中に沈んでいる、生きていく日々の悲しみややるせなさ、...続きを読む
  • 痺れる
    沼田まほかるさんは三作目。傑作「ユリゴコロ」の作風がぴったり来ていた。

    次に勢い込んで読んだ「9月が永遠に続けば」はその暗さに圧倒された、楽には生きられないにしても、自分で招いた不幸までも何か運命のように襲ってきて、その上不意の事故、おぞましい性癖、忌みごと、怖くやり切れなない思いでもう読むのは...続きを読む
  • 猫鳴り
    一匹の猫を中心とした三者三様の物語です。

    当初、読み始めたとき、これは群像劇なのかなと思っていました。第二部をしばらく読み進めて、同じ猫の話かと気づきました。ただ第二部ではメインの猫ではないですが。

    第一部で出てきたサブキャラと第二部のサブキャラが同一人物であるって言うのもそこで気が付いたり。
    ...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    登場人物、話の内容の歪みや薄暗さが、現実味がないようであるような気がしたのは、最近ニュース見てても変な事件が多いせいだと思う。

    みんながみんな、綺麗な顔して利己的で、結局主人公目線で1番薄汚く不器用に描写されてた隣人が1番良心的だった気がする。

    登場人物いっぱい出てきたけど割りとみんなキャラたっ...続きを読む
  • 痺れる
    この人の本は毎度のことながら、読みながらグッと息がつまり。2、3分たって、はぁーーーー、、、、で、また、グッと息止めて、また数分後、、、だはぁーーの繰り返し。

    読みながら、
    あ、は!、う!、え!?、あぁーぁ。あ、だ!!!、ンンンンどぁ。がぁ、は!ぇ、どぅ、あ!

    っていうね。うん。そうなんだわ。そ...続きを読む