沼田まほかるのレビュー一覧
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順風満帆な生活を送っていた亮介。
彼女の千絵が失踪したことを皮切りに不幸が連鎖する(父の病、母の交通事故死)。
実家に帰った日、父の書斎の押し入れの中で見つけたのは謎の茶封筒。中には『ユリゴコロ』と書かれた4冊のノートが。それは狂気に満ちた殺人の告白文だった…
人を殺めることでしか自分を満たせない者の人生を追体験できる本作。今まで行ってきた殺人の数々を綴った告白文に一切共感できなくて安心してます。
一方で殺人でしか自分を満たせない者が愛する人や子供に向ける愛情の形には興味を持って読み進めました。
脳が理解を拒んでいるのか何度も文字が滑って内容がスッと頭に入ってこない箇所もありました。
殺人の -
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全体を通して、仄暗くて逃げ場のないような雰囲気が漂っていた。これは「どうしようもない女」を愛してしまった不器用な男の、歪で真っすぐな純愛の物語だったと思う。
15歳年上の冴えない男・陣治に支えられながら暮らす十和子。心の奥底では8年前に別れた恋人を引きずり続け、元恋人に似た既婚男性と出会ってしまったことで、どうしようもなく惹かれていく。情事に溺れる十和子と、彼女を手放すことなく愛し続ける陣治。どちらの関係にも歪さがあって、読みながらずっと不穏な気持ちがつきまとった。
ただ、その不快さに蓋をするのではなく、人が心の奥に隠している弱さや欲望が容赦なく描かれているからこそ、途中から強く引き込まれて -
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ネタバレ「女は、あるいは男も、ある年齢になると、醒めた目で相手の実像を見つめながら恋に溺れるということが可能になるらしい」
沼田まほかるさんの小説に出てくる女は、インモラルで変わり者ばっか。
と思ってるけど、実際は人間の汚い内心が包み隠さず書かれているせいで、すごく感傷的で意地汚い人間たちに見えるだけで、自分にも共通する部分があるから目を逸らしているだけなのか。
情景や感情描写が丁寧でリアルだからか、なぜかミステリー要素は薄いだろうと思いながら読んでいて、終わりにかけて1転2転する展開にびっくり!ミスリードも上手いし、伏線回収も確実でわかりやすく、総じてすごく読み応えがあった。
このあと文彦と亜 -
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★4.4
実家の押し入れにあった、古びたノート。
綴られていたのは凄惨な「殺人の記録」だった。
誰の手記なのか、妄想か、過去の記憶か。
生きている意味が「誰かを殺すこと」でしかなった者の独白は、やがて家族をも揺るがしていく。
”サイコパス”という単語は、いつしか専門用語としてではなく、安直に「感情なき存在」を指し示す流行語になった。異常者を表す”ラベル”として市民権を得た。
しかし本書はそれに寄りかからず、その奥を見つめる。
人を殺す衝動に、こんなにも静かな詩のような語りがあることに、戸惑いながらも引き込まれていく。
これは異常性の見世物ではない。
“殺人衝動を持って生まれてしまった者” -
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ネタバレ不運続きの主人公。末期がんの父親の押し入れから、「ユリゴコロ」というノートを見つける。そこには連続殺人犯の手記がつづられていた…
手記と現実パートがかわるがわる出てきて、先が気になって引き込まれます。
残酷な運命が家族を襲い……
終末のサプライズと片のつけ方にはじんわりとした余韻がありました。
生まれながらの快楽殺人者が、愛を知り、自分のしたことを自覚し、最後を選ぶお話。
でも罪もない人を殺してきた過去はなくせないから……
人間はぐちゃぐちゃで矛盾しているもの、と思っていきていくしかない。
人生は割り切れないもの。
主人公たちに幸せになってほしいです。
リーダビリティが高く、新しい価値 -
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ネタバレ私は何を読まされてるんだ…?て気持ちになる薄気味悪く官能的な短編集。結構好きだった!全部狂気を孕んでてじっとり怖い。作者は男性が嫌いなのかしら。キモい男がいっぱい出てくる。
↓特に好きな話、印象に残った話
「林檎曼荼羅」
呆けたおばあちゃんの懐かしくも心温まる思い出話なのかと思いきや衝撃的な過去…風呂場のシーン怖すぎるて!
「テンガロンハット」
イケメンでも得体の知れない人って怖い。
「普通じゃない」
苦手な人をふいに殺そうと思う主人公(えぇ…)。最後その場にいた人たちには超ホラーなのに読者はクスッと笑える展開に。
「エトワール」
前に一回別のアンソロジーに収録されてて読んでたはずな -
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ネタバレ陣治がずっと優しくて、陣治に対して十和子がひどく罵る場面は胸が痛かった。
けど、十和子にとって陣治は大切な人であったのだと十和子の少しの行動からわかっていた。
最初謎がわかるまで十和子目線でしか描かれていないので、陣治が黒崎を殺しの犯人でないことをすごく祈った。でも、反面陣治が良い人であればあるほど辛いので陣治が犯人であることもバランスがとれていいかもしれないと思っていたが、結局陣治は十和子をとても愛していて、十和子のためにすべてを捧げていたんだとわかり、またとても悲しくなった。
陣治の人生や、陣治のことを考えるとやりきれない気持ちになった。