沼田まほかるのレビュー一覧

  • ユリゴコロ

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    思ってた以上に面白かった。結構グロい表現もあったけど。
    なかなか数奇な人生に引き込まれた。ただ、一旦秘密が語られると、あら、そんな終わりなの?とちょっと拍子抜け。
    でも、その後、ちゃんと回収してスッキリというか、全く予想外で驚きました。小説ならではの謎解き。
    途中、主人公の狂気が少々理解できなかったけど、それ以外は読み応えもあり、大変面白かったです。

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    2025年10月15日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    全体を通して、仄暗くて逃げ場のないような雰囲気が漂っていた。これは「どうしようもない女」を愛してしまった不器用な男の、歪で真っすぐな純愛の物語だったと思う。
    15歳年上の冴えない男・陣治に支えられながら暮らす十和子。心の奥底では8年前に別れた恋人を引きずり続け、元恋人に似た既婚男性と出会ってしまったことで、どうしようもなく惹かれていく。情事に溺れる十和子と、彼女を手放すことなく愛し続ける陣治。どちらの関係にも歪さがあって、読みながらずっと不穏な気持ちがつきまとった。

    ただ、その不快さに蓋をするのではなく、人が心の奥に隠している弱さや欲望が容赦なく描かれているからこそ、途中から強く引き込まれて

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    2025年09月28日
  • 九月が永遠に続けば

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    ネタバレ

    「女は、あるいは男も、ある年齢になると、醒めた目で相手の実像を見つめながら恋に溺れるということが可能になるらしい」

    沼田まほかるさんの小説に出てくる女は、インモラルで変わり者ばっか。
    と思ってるけど、実際は人間の汚い内心が包み隠さず書かれているせいで、すごく感傷的で意地汚い人間たちに見えるだけで、自分にも共通する部分があるから目を逸らしているだけなのか。

    情景や感情描写が丁寧でリアルだからか、なぜかミステリー要素は薄いだろうと思いながら読んでいて、終わりにかけて1転2転する展開にびっくり!ミスリードも上手いし、伏線回収も確実でわかりやすく、総じてすごく読み応えがあった。

    このあと文彦と亜

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    2025年07月13日
  • ユリゴコロ

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    恐ろしげな導入部分からしっかり心を掴まれた。手記の内容がとにかく面白く、先を読みたい主人公に共感した。結末では導入部からは予想もつかない気持ちに持っていかれていて、見事なストーリー展開に脱帽。

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    2025年06月24日
  • ユリゴコロ

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    実家で見つけたノートに記された生々しい告白文。読み進めていく中でゾワっとする感覚を感じると同時にだんだんと、こうなのでは?という予想が思い浮かんでいたのに、ページを捲る手が止まらなかった。

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    2025年05月29日
  • ユリゴコロ

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    ★4.4
    実家の押し入れにあった、古びたノート。
    綴られていたのは、凄惨な「殺人の記録」だった。
    誰の手記なのか。妄想か、過去の記憶か。
    生きている意味が「誰かを殺すこと」でしかなった者の独白は、やがて家族をも揺るがしていく。


    ”サイコパス”という単語は、安直に「感情なき存在」を指し示す流行語だ。いつしか専門用語としてではなく、異常者を表す”ラベル”として市民権を得た。
    しかし本書はそれに寄りかからず、その奥を見つめる。
    人を殺す衝動に、こんなにも静かな詩のような語りがあることに、戸惑いながらも引き込まれていく。

    これは異常性の見世物ではない。
    “殺人衝動を持って生まれてしまった者”の感

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    2025年05月23日
  • ユリゴコロ

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    不意に読もうと思って読んでみた!
    父親が隠し持っていた殺人犯の手記を偶然見つけ秘密を探っていく。
    母親が亡くなり、父親が癌になり、婚約者が失踪。
    こんな不幸が重なった挙句の手記。
    どーにかなってしまいそう。
    最後の辺りで
    えっ⁈
    ってなるんだけど…
    これが本当の愛なのかなぁ…

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    2025年05月19日
  • 九月が永遠に続けば

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    濃密で、何か混沌とした暗さを持った小説ですね。
    それでも、先を読まずには居られませんでした。
    最後の、服部さんに対して見せた佐知子の仕草は何だったのかな?

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    2025年04月27日
  • ユリゴコロ

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    殺人に取り憑かれた女が残したノート。それを読んでしまう息子。徐々に明らかになる真相。ドロドロとした不快感が続く。しかしラスト10ページで一転。暗黒から深い愛に。読んで良かった。

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    2025年04月27日
  • ユリゴコロ

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    ずっと気になっていたが、グロい描写とか気持ち悪いのは嫌だなぁと敬遠していたが、意を決して読む。

    結果、面白い。

    グロ描写も大して気にならない。
    圧倒的にお話が面白い。

    構成が巧い。
    読み始めと読み終わりで印象が全然違う。
    最後まで先が気になる。

    グロに怯んで読まずにいたが、読んで良かった。

    星は4つ。4.0とする。

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    2025年04月09日
  • ユリゴコロ

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    ネタバレ

    不運続きの主人公。末期がんの父親の押し入れから、「ユリゴコロ」というノートを見つける。そこには連続殺人犯の手記がつづられていた…

    手記と現実パートがかわるがわる出てきて、先が気になって引き込まれます。
    残酷な運命が家族を襲い…… 

    終末のサプライズと片のつけ方にはじんわりとした余韻がありました。
    生まれながらの快楽殺人者が、愛を知り、自分のしたことを自覚し、最後を選ぶお話。
    でも罪もない人を殺してきた過去はなくせないから……
    人間はぐちゃぐちゃで矛盾しているもの、と思っていきていくしかない。
    人生は割り切れないもの。
    主人公たちに幸せになってほしいです。

    リーダビリティが高く、新しい価値

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    2025年04月02日
  • ユリゴコロ

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    ネタバレ

    『ユリゴコロ』を読み終えた今、私の心は複雑な感情で満ちています。最初のページをめくった瞬間から、沼田まほかるの巧みな筆致に引き込まれ、気がつけば一気に読み終えていました。

    物語の序盤で描かれる残酷な殺人の描写に戸惑いを覚えながらも、主人公の亮介と共に真実を追い求める過程に強く惹きつけられました。「ユリゴコロ」というタイトルの意味するものが徐々に明らかになっていく展開は、まるで謎解きのようで、ページをめくる手が止まりませんでした。

    特に印象的だったのは、後半の予想外の展開です。当初は暗く重苦しい雰囲気だった物語が、徐々に愛の物語へと変化していく様は衝撃的でした。殺人者の内面に潜む愛情や、家族

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    2025年03月26日
  • ユリゴコロ

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    小さい頃から読んでて、漫画も映画も見てて。それでもたまに返したくなる作品。ページ数も少ないから読みやすい。

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    2025年03月24日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    読み終わったあと、衝撃でしばらくぼーっとしてしまった。
    登場人物に誰1人共感はできなかったけど、痛々しいほどの感情の激しさが切なくもある。
    これが究極の愛なのかなあ。

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    2025年02月18日
  • 痺れる

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    ネタバレ

    私は何を読まされてるんだ…?て気持ちになる薄気味悪く官能的な短編集。結構好きだった!全部狂気を孕んでてじっとり怖い。作者は男性が嫌いなのかしら。キモい男がいっぱい出てくる。

    ↓特に好きな話、印象に残った話

    「林檎曼荼羅」
    呆けたおばあちゃんの懐かしくも心温まる思い出話なのかと思いきや衝撃的な過去…風呂場のシーン怖すぎるて!

    「テンガロンハット」
    イケメンでも得体の知れない人って怖い。

    「普通じゃない」
    苦手な人をふいに殺そうと思う主人公(えぇ…)。最後その場にいた人たちには超ホラーなのに読者はクスッと笑える展開に。

    「エトワール」
    前に一回別のアンソロジーに収録されてて読んでたはずな

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    2025年02月15日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    ネタバレ

    陣治がずっと優しくて、陣治に対して十和子がひどく罵る場面は胸が痛かった。
    けど、十和子にとって陣治は大切な人であったのだと十和子の少しの行動からわかっていた。
    最初謎がわかるまで十和子目線でしか描かれていないので、陣治が黒崎を殺しの犯人でないことをすごく祈った。でも、反面陣治が良い人であればあるほど辛いので陣治が犯人であることもバランスがとれていいかもしれないと思っていたが、結局陣治は十和子をとても愛していて、十和子のためにすべてを捧げていたんだとわかり、またとても悲しくなった。
    陣治の人生や、陣治のことを考えるとやりきれない気持ちになった。

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    2025年01月25日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    なんというか...読み終わった後小さなため息がでてしばらく放心状態
    人間の欲、歪み、純粋さ、愛、とにかくリアルな描写に嫌悪感を感じつつも引き込まれた。ミステリーというより歪んだ恋愛小説みたいな重さがある

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    2025年01月08日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    ネタバレ

    陣治の愛が深過ぎて、究極過ぎて、なんだかすごいものを見た感じがした。
    だけど十和子は違う人を求めてしまう。でも、陣治かは離れられないし、逃れられない。
    切なくなった。

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    2024年12月20日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    いやはや、なんともドロドロとしたお話し。

    タイトルの美しさからは想像もつかない闇な話し。

    ずっと薄暗闇で読んでるような、陰鬱でいて最後まで何が起きてるか分からない謎めいた、読み始めたら止まらない一冊。

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    2024年09月08日
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

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    一つのことをいろんな角度から表現する
    慣れないうちはまわりくどく感じる
    それが人間臭さに繋がって
    好きな作家かも

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    2024年08月18日