沼田まほかるのレビュー一覧
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読後
しばらくぼーっとしていた。
次の日も次の日も猫鳴りの事が思い浮かび、ぼーっとしていた。
感動した、というのとは、ちょっと違う。
心をわしずかみにされて、
つかまれたまま、はなしてくれない。
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私はいつも、
今の自分の状況や、気持ち、過去の出来事、その出来事への想い、
を重ねて物語を読んでしまう。
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第一章の信枝の気持ち
第二章の行雄の気持ち
第三章の藤治の気持ち
三人の気持ちに私の気持ちが重なり、
一つ一つのシーンの細かい描写が、私の過去のシーンと未来のシーンと重なり、
苦しくなる。
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「猫鳴り」
しっくりくる名前だと思う。
私はネコを飼っていて、
ネコがゴロゴロと喉を鳴らす、
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Posted by ブクログ
ネタバレ『林檎曼荼羅』
認知症を患う女性のモノローグ。部屋を片付けながら思い出す家族との想い出、敬愛していた姑との間に起こった出来事。
『レイピスト』
既婚男性と不倫する女性があるときレイプされる。2度も中絶させているにもかかわらず膣内射精にこだわる交際相手と、外出しをしたレイプ犯。
『ヤモリ』
田舎暮らしの女性の家に都会から来た若者が転がりこんできた。草刈りを条件に若者を寝泊まりさせることにした彼女には心境の変化が訪れる。
『沼毛虫』
寄生虫系怪異と庭師とお嬢さん。
『テンガロンハット』
親切ななんでも屋かと思っていたら、勝手に次々と自宅に手を加えられ…。
『TAKO』
映画館で痴漢行為を受けた女性 -
Posted by ブクログ
ネタバレ間違いなく「モン」(猫)が主役の物語。
「犬派?」「猫派?」と聞かれれば迷うことなく「犬派」と答えます。
犬は何匹か飼ってきましたが、猫は飼ったことがありません。
飼ったことがない以前に人生で何度触れただろう?という感じです。
決してキライという訳ではなく、私には縁が無かったと言うのが正しいかも知れません。
そんな私が猫と縁を持ってしまったのが、本作「猫鳴り」です。
読み終えるまで正直こんなにはまるとは思っていませんでした。
3部構成で描かれるのはまさに「モン」の一生で、いかに生き、いかに死ぬかの物語。
決して心温まる優しい物語ではありません。
何せ、物語は生まれたばかりの子 -
ネタバレ 購入済み
酷
ひどく残酷で,おそろしい話のはずなのに,なぜかラストは綺麗に感じてしまう。
細谷さんの,無償の愛を超えた,残酷なまでの愛情。
人を殺してでも,守りたいもの。
おそろしい「ユリゴコロ」は,歪んではいるものの,唯一無二の「オヤゴコロ」に生まれ変わったのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
沼田まほかるさんは三作目。傑作「ユリゴコロ」の作風がぴったり来ていた。
次に勢い込んで読んだ「9月が永遠に続けば」はその暗さに圧倒された、楽には生きられないにしても、自分で招いた不幸までも何か運命のように襲ってきて、その上不意の事故、おぞましい性癖、忌みごと、怖くやり切れなない思いでもう読むのは止めようかと思った。
ところがそんな毒に染まったのか、この本をふと手に取り、チラッと読んで、また取り込まれた。「悪は伝染する」とか「毒はじわじわ伝わる」とかあり来たりの言葉を、言い訳めいて思い出だしながら読んだのだが、面白いシーンは短く終わってしまった。私は迂闊にも短編集だと気がつかなかった。
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Posted by ブクログ
この人の本は毎度のことながら、読みながらグッと息がつまり。2、3分たって、はぁーーーー、、、、で、また、グッと息止めて、また数分後、、、だはぁーーの繰り返し。
読みながら、
あ、は!、う!、え!?、あぁーぁ。あ、だ!!!、ンンンンどぁ。がぁ、は!ぇ、どぅ、あ!
っていうね。うん。そうなんだわ。そうなのさ。なんとも言えないのよ。あの感じ。手のひらにドサっと見えない何か乗せられたんだけど、その得体の知れないものがなんか冷たいような?ドロっとしていてそれでいて、ふわぁーと動き始めたような感覚。わかるかなぁ。わかんないだろうなぁ。
ホント、沼田まほかるの本はどれもそんな感じ。多分触るとそういう感