沼田まほかるのレビュー一覧

  • 痺れる
    沼田まほかるにしか出せない空気感がある。本著は短編集だから、短いストーリーテラーの中での、独特な視点、言葉選び、固有名詞が織り成す世界観が尚更そう感じさせる。その独特な感性の中で、少し奇妙な物語9編。静かな冬の電車に相応しい、ジワリとした読み応え。
  • 九月が永遠に続けば

    「エロくて怖くて鼻血が出ました」というルミネのポップにつられて買ったものの、「グロさと歪みで爪が痛くなりました」

    どうでもいいが、ルミネの書店員のフィーリングと、ちょっと合わない。
  • アミダサマ
    巻末の解説に、この本は曼荼羅だとあり、ああそうかとも思うが、観念世界のストーリーは常識で理解しようとすれば、紐解けぬ疑問の連鎖に訳が分からなくなり、更にはそれが詩的に表現され、一層現実感を失い、夢の世界を泳ぐような感覚になる。それが曼荼羅なのだろうか。理屈で読もうとしてはいけないのだろう。奇妙な疾走...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    誰も救われないなあ。犀田も冬子も気の毒だし、カンザキミチコも最後で越智先生から酷いこと言われるし・・。前半は引き込まれる感じで読み進めたが、後半は少し無理があったような気がする。
  • 猫鳴り
    人と猫の生。藤治と信枝に動物を飼うという選択肢を与えさせたモン。信枝もモンも最後までしっかりと前だけを見つめて生き尽くしたんだろうな。
    私自身も犬と猫と両方飼っているが、その時の瞬間を想像しただけで、鼻の奥がツーンとなるくらいに切ない。もう彼女たちと6年住んでいるが、ペットとしてではなくて、本当に家...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    人間の中に潜む闇、醜さ
    どうしようもなくそれは広がるし、時に魅力的にもなる。

    最初は読んでいてイライラしました。
    でも読むことをやめられなかった。
    自分にも、周りにも、必ず多面的な自分自身がいるのだと。

    自分の感情が、とにかく揺さぶられました。
    揺さぶられている間に、判明していく事実。
    最初から...続きを読む
  • 痺れる
    短編はほとんど読まないのですが、沼田まほかるさんの小説が読みたくてチャレンジしました。
    流石です。
    特に「沼毛虫」の世界観に引き込まれました。
  • アミダサマ
    2018年、27冊目は、久しぶりの、沼田まほかる。

    産廃処理場の、廃冷蔵庫の中で発見された幼女、ミハル。発見したのは、近くの寺の僧、浄鑑と、東京でサラリーマンをする、工藤悠人。浄鑑と悠人はミハルによって呼び寄せられるようにして、その場に居合わせることとなった。その後、悠人の目から逃れるように、寺に...続きを読む
  • 猫鳴り
    作者はきっと生き物を飼ってたんだろうな。
    すごくリアルだった。
    私自身、子供の頃からいつも生き物と過ごしてきたので、今までのことが色々頭に浮かんだ。
    死ぬ時だってドラマみたいに突然コテって死ぬ訳じゃない。そのことを作者はよく知ってる。
    もっと生々しいのだ。そして不思議なくらい飼い主と通じてる。

    ...続きを読む
  • 痺れる
    短編集ながら、ザワザワとした感じは相変わらず。ブラックユーモア色の強いテンガロンハットとヤモリが気に入りました。
  • 猫鳴り
    猫を取り巻く心の描写も、命消えゆく猫の描写も、生々しすぎて目を背けたくなる。が、最後には温かい気持ちになれる。また読み直したいときがくる気がしている。
  • アミダサマ
    ホラーとの帯でしたが、特に怖くない。読みやすいは読みやすい。
    しかし、律子が結局なんだったのかわからんままではないか!
  • アミダサマ
    人間のドロドロした、いや~な小説を読みたいと思って手元の本から手にしたんですが、どちらかというとホラーな感じでした。私が求めていたのとはちょっと違ういや~な感じだったんで挫折するかなと思ったんですが最後まで読んでました。ミハルや悠人の存在をどういうふうにとらえていいのか、いまひとつ消化できないまま終...続きを読む
  • アミダサマ
    最初はミハルの「力」の全貌がよくわからなかったけれど、理解した時にはゾッとしました。純真すぎるがゆえに、この世の理を捻じ曲げる・・・。哀れだと思うのに、同じくらい、いやそれ以上に恐ろしく、不気味な存在・・・。

    解説で、プロローグを「救済と読むか、無限の業苦と読むかで、印象は全く違ったものになると思...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    沼田まほかるさんのデビュー作。
    文章力はこのデビュー作からすごいし、おぞましい描写は「さすが沼田まほかる、本当に容赦ないな・・・」という感じですが、物語の展開やキャラクターの言動が唐突だったり、くどかったりして、物語に入り込みにくい所も。特に関西弁のおじさん、服部は浮いているように感じたなぁ(それな...続きを読む
  • 猫鳴り
    どこで見たのか、暗い、後味の悪いってイメージだったが、全然違った。(全く、どこで見たのか?) 2章の出だしで、一瞬「えっ!」ってなって、3章の老いていく2人(?)に何とも言えない、でも、誰しも受け入れないといけないラストへ・・うーん切ない。
  • 猫鳴り
    あらすじを読んで「温かくて泣ける、いいお話かな?」と思っていたのですが、違いました。そんな生易しいものじゃなくて、良くも悪くもリアリティがあると言うか・・・。
    物事を美化しない書き方は、時に重く暗い気分にさせられますが、その分真実味がありますね。

    第三部で飼い主が猫を看取るまでの様子も、日々の記録...続きを読む
  • 痺れる
    「ユリゴコロ」に続き二冊目のまほかる作品。短編集なら気軽に読めるかと思ったら甘かった。「林檎曼荼羅」~「沼毛虫」まではイヤミスな展開が続き、これはしんどいと思っていたら「テンガロンハット」~「普通じゃない」は一転しブラックユーモア調。続く「クモキリソウ」は「ユリゴコロ」にも通ずる愛の物語。ラストの「...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    平穏な暮らしなどどこにもない。

    一見、平穏に見える毎日にも落とし穴が潜んでおり、その穴は、黒く、暗く、永遠の底なし沼。

    何が真実か、まやかしか。

    それぞれが抱える事情も、立ち位置が変われば、別の顔が見えてくる。


    不穏で不可思議、陰惨な事柄が続き、読んでいる間、座りが悪いというか、とらえどこ...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    ドロドロだけど良かったら読む?と知人が貸してくれました。自分ではたぶん選ばない作品をこういう風に時たま読むのは楽しいです。泥沼のサスペンス調の救いのない話というのは裏表紙の粗筋からも読み取れるくらい起承転結の転くらいまでの展開がネタバレされており、そんなんでいいのかしらんと思いつつ読み始めたところ、...続きを読む