沼田まほかるのレビュー一覧
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沼田まほかるさんは、学生の頃から好きで映画化されたら1人でワクワクしながら見に行った記憶。
第1章から3章までで構成されていてそれぞれ共通するのは、猫と死、生命。
といったところだろうか。
200ページ程の薄い小説だけど、私は動物が大好きだからこれ以上長く書かれても困る。
よく読むイヤミス系小説とはまた違う精神的重さがあって、第3章だけが救いである。
それでも、実家の輪々ちゃん(パピヨン)が年も重ねうまく歩けなくて、白内障であまり見えていなかったりする状況なので、やはり読んでいて辛かった。
小説としてはとても面白い。
解説はサラッとしか普段読まないけれど豊崎由美さんの解説までがこの小説な気がするほど良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ沼田まほかる氏の作品というと、ねっとりとして、人間のいやーな部分をじっくり描くという印象があります。そういう意味ではイヤミスですかね。というかミステリーなのかな?
でも、本作は高校生の息子の失踪とその原因というものがミステリー要素だったのでイヤミスかも。
ちなみに沼田氏は本作がデビュー作(2004)で、第五回ホラー・サスペンス大賞受賞。当時56歳というから、すごいですね。
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で本作。
感想を述べるのはなかなか難しい。
ただ、これだけ複雑に絡み合う登場人物とその背景を少しずつ明らかにするにあたって、そこに混乱が全くなく、自然に内容が頭に入ってくるところは凄いと思います。
主人公佐知子の情事で始まる本作ですが、その相手の犀田、そして佐知子の息子の文彦。佐知子の別れた夫の雄一郎、その現妻の亜沙美、その子どもの冬子。さらに文彦の友人のナズナやカンザキミチコ、ナズナの父の服部、文彦の担任の越智。加えて雄一郎の病院の事務長の大迫や亜沙美の兄の弓男。
登場人物はこれだけに留まりませんが、こうした人物たちを中心に、彼らの過去が少しずつ明らかになり、彼らの隠された関係がはっきりしてきて、物語は進展してゆきます。
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もう一つ感じたのは、表現や文章の滑らかさ。
これまた感覚なのですが、どの作者も良く言えば「くせ」や「特徴」、なんというか一種の「ささくれ」みたいなものがあり、一読者として読んでいて「?」となる文章や表現が一冊に数か所あると感じます。
ところが沼田氏の本作は、そういった引っかかりがなく、なんというか「ツルツル」と読めてしまった感じがします。
際どい性的な描写が大いにも関わらず、大袈裟でもなく、劇的でもなく、しっとりとツルンと読めてしまった感じです。
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ということで久しぶりの沼田作品を鑑賞しました。
表現力が無くて、はからずもネタバレなしの感想になりました。
しかしまあ、なんというか、性・業の深さを見事に描きますね。かつてはやや露悪的なところが鼻をつく印象でしたが、今は結構好きかも、です。
ドロドロな感じが平気な方にはおすすめ出来ますね。 -
Posted by ブクログ
多分中学生のときに1回読んだことある…?
ラストはさすがイヤミス女王。
正直十和子は全く好きになれず、陣治にも好印象は抱けず、もちろん黒崎と水島はクズやし…。始終陰鬱で自分とは縁のない世界だなあと思った。十和子の思い込みの激しさ?が凄すぎて、これが自分の妹なら縁切っとるわ笑
映画はかなり高評価で、陣治が愛情深い男という風に描かれてるみたいだけど、小説ではあまりにその描写が少ない&終盤に急に来た感がある。陣治を愛情深い男として描きたかったならもうちょっとそういう描写を入れるべきだと思うから、小説ではそこが狙いではない気がした。映画では「無償の愛」的なのをテーマにしてるけど、小説はあくまで「長編ミステリ」だし。小説は十和子の不気味さと意地汚さにより焦点を当てているような印象。
個人的には十和子の精神的な病気の面もっと掘り下げてくれると、面白くて好みだったかな。でもそうすると現実味が強く出過ぎちゃうのかも。ラストの突拍子さも含めて、どこかしらに非現実感の漂う小説だった。 -
Posted by ブクログ
幼い頃、近所の公園によく遊びに行った。
わたしにとって公園の3大遊具とは、向かい合って漕ぐ4人乗りのブランコと大きな土管、そして今はほとんど見かけることがなくなってしまった砂場だった。
一緒に遊ぶ友だちがいない日は、砂場でひとり、遊んだ。大きな山を作って、左右から少しずつ掘り進めると、真ん中で右手と左手が触れ合う。それは両方とも自分の手であるにも関わらず、まるで他人の指に触れているような、妙なむず痒さを伴った不思議な感覚だった。誰にもその感触について話すことができない、幼少の頃には分からなかった、少し隠微なものだったのかもしれないと今になって思う。
この9つの短編は、どれもわたしをそれによく似た気持ちにした。
他人には絶対に知られたくない、自分の中にある可笑しみを含んだ劣情が浮かび上がってくるような。
それを再び沈めようと焦り、まるで浴槽で泥酔した愛人を殺すかのように、
何度も
何度も
何度も。