沼田まほかるのレビュー一覧

  • ユリゴコロ
    父親の部屋から、殺人に取り憑かれたような内容の手記を見つけた男の物語

    以下、公式のあらすじ
    -----------------------
    ある一家で見つかった「ユリゴコロ」と題されたノート。それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。
    この一家の過去にいったい何があったのか?絶望的な暗黒...続きを読む
  • ユリゴコロ
    圧倒的に不気味な世界観の手記。
    個人的にはこの手記ブロックだけでも一作品分の面白さがあった。
    サイコパスの心理は本来サイコパスにしか理解出来ないはずだと思うが、そういうサイコパスの思考をサイコパス以外にも腑に落ちるよう絶妙なさじ加減で描かれた心理描写。本当に秀逸で引き込まれた。
    (逆に言えば、その文...続きを読む
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    読み終えた時は衝撃が勝って呆然としていたのに、思い返す度にウルウルきてしまいます。ダメ女のダメな恋愛にうんざりしながら読み進めました。陣治の事は姉と同様「こんな出来た人いないのに…。」と思いつつ、やっぱり自分だったら絶対選ばないな、と。失踪した黒崎の真実はなんとなく予想できていたけど、最後の最後が衝...続きを読む
  • ユリゴコロ
    途中までは星4だったけど最後で星5になった。すごく面白かったなあ。

    殺人の描写がリアルでちょっと怖かったけど、手記を誰が書いたのかの謎解きとか、物語の進み方がわかりやすかった。
    細谷さんが実は産みの母だったところの衝撃がものすごかった。
    感動すらありました。別の作品も読んでみたい
  • ユリゴコロ

    ホラーでミステリでスプラッタ

    ●ユリゴコロという不思議なタイトルからして不穏当なホラー調ミステリである。先の見えない展開に翻弄されつつ、愛の不可解さや勁さの描写に心揺さぶられ、ラストで驚愕する。●凄まじいのはリスカ少女のシーンだ。余りにもスプラッタで読むに耐えられず、斜めに読み飛ばしたが、筆力に圧倒されてまともに読むことができな...続きを読む
  • ユリゴコロ
    突然の殺人の告白。そこから一気に物語にのめり込んだ。


    人が死ぬところを見ることを楽しむ、のめり込む。そんな人間の心情が線密に描かれていて、背後に感じるような怖さがあった。それと同時に物語へと自然に入り込むことができた。


    幾つものヒントが物語の中に散りばめられていて、「あれがそういうこ...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    沼田さん作品は『ユリゴコロ』でハマり、『アミダサマ』、『彼女がその名を知らない鳥たち』に続き、4作目。

    相変わらず、じっとり、ねっとり、だが不思議とクセになる描写。ここは好き嫌い分かれると思うが、今のところ副作用なし。

    ただ、普通のなんてことないシーンですらそう感じてしまうから、中毒にはなってる...続きを読む
  • ユリゴコロ
    グロいわけでもえげつないわけでもないけど
    どろりとしてねっとりまとわりつくような重みを纏った作品。
    どんでん返しもあり、
    ついつい読む手がとまらない。
    暗くて重い作品だけど、
    読み終えるとほんのり温かい希望がじんわり。
    心にずっしりくる一冊。
  • ユリゴコロ
    2011年の作品で、第14回大藪春彦賞受賞。
    本屋大賞にもノミネートされ、
    2017年には吉高由里子主演で映像化もされています。

    ユリゴコロ、という初めて聞くワードのタイトルから
    すでに心を掴まれていました。

    ある一家で見つかったユリゴコロと題された
    4冊のノート。
    そこに綴られていたのは、複数...続きを読む
  • ユリゴコロ
    最初はただのホラー小説かな
    と思いよったけど
    "アナタ"と出会ってから
    人間味が出てきて愛を知っていく
    ちゃんとミステリー要素もある
    おもしろい作品やったと思う

    自分のユリゴコロのために犯しよった殺人を
    最後は子供のために犯す変化が
    捻じ曲がってはいるけど
    一種の愛情なんやろうなと思った
  • 痺れる
    3年くらい前に読んだので、「めちゃくちゃ面白かった」以外のことを覚えてないのだけど……『林檎曼荼羅』の最後の一文にめちゃくちゃ痺れて、そこだけはっきり覚えている
  • 猫鳴り
    う〜ん…ツラい…
    うちは、猫ではないけど、犬が老犬の域に達してる。
    この間、この子の親犬に会いに行ったけど、父親犬は、もうオムツして、ヨボヨボで…
    うちの犬も、後ろ足が弱ってきて、ウンチするとひっくり返ってしまう…
    (後ろ足用ハーネス購入)

    自身の親の時に言われたけど、QOL(Quality of...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    亜沙美の美しさと気持ち悪さに惹かれてしまう。
    正しさとは違う次元にある生々しさと矛盾に満ちた人間の欲。
    ありのままの弱さを見せつけられた時、人は自分が必要とされているという快感に溺れてしまうのか。
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    八年前に別れた黒崎を忘れられない十和子は、淋しさから十五歳上の男・陣治と暮らし始める。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治。彼を激しく嫌悪しながらも離れられない十和子。そんな二人の暮らしを刑事の訪問が脅かす。「黒崎が行方不明だ」と知らされた十和子は、陣治が黒崎を殺したのではないかと疑い始めるが…。
    ...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば

    素晴らしい

    一気に最後まで読んでしまった。やるせない気持ちでいっぱいだけど呼ぶのを止められなかった。
  • 彼女がその名を知らない鳥たち

    ホントにネタバレ

    面白かったけど、最後なんであの人死んじゃう?
    どぎつい表現とかもかえって、読み進む原動力になるけど、最後なんであの人死んじゃう?
    沼田まほかるさんおそらく初めて読んだから、他のもよんでみようと思うけど、最後なんであの人死んじゃう?
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    あか~ん!と叫んでしもたがな。
    こんな凄い本読み忘れていました。
    言いたいことは、山程あるけどやめときます。
    一気に読みました。オススメします!
  • 彼女がその名を知らない鳥たち
    最後の文でミステリーからラブストーリーに変わるみたいな帯見て買ったけどその通りだった。
    映画も見た。最後嗚咽が出るくらい泣いた。
  • 猫鳴り
     裏表紙のあらすじを読み、単純にモンという名前の猫と関わることで人間が成長していく物語なんやろなぁと思っていたのですが、ちょっと想像と違いました。
    (いい意味でです)
     
     自分の勝手な解釈ですが、登場する人間の精神状態を、モンを見たときの感情で分かるように書かれたのではないかと思います。
     モンが...続きを読む
  • 九月が永遠に続けば
    始まりは何の変哲もない年下男を巡る愛憎劇かと思いきや、息子失踪から始まる、ドミノ倒しを見ているような、とんでもないすごい話だ。
    散りばめられた伏線から次々に登場人物怪しく思えるけど、精神疾患扱う話はどうにもこう、後味悪く…。
    でも、不思議と悲観的にならないのはひとえに服部のおかげかと。キモウザオヤジ...続きを読む