沼田まほかるのレビュー一覧
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ネタバレ沼田さんは、猫がゴロゴロと喉を鳴らす音を「猫鳴り」と書いている。猫とともに知る生きることと死ぬこと。
迷い猫「モン」と暮らした日々を三部に分けている。
いつも胸の奥深くにある、確かに分身と思える自分の心、それを暗く厳しく、日常生活の中で見つめる作者の目はここでも健在だ。
その中に沈んでいる、生きていく日々の悲しみややるせなさ、孤独感が重くにじんでいる作品が、薄い本の中で充実している。
特に三部の「モン」との別れは、胸を締め付けられる。
沼田さんの作品を読むと、生きることにまっすぐに向かう強さと、書いているテーマの重さに読むのが苦しくなることがあるが、情に流されない乾いた筆致がこの作品では、 -
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前に一度読もうと手に取ったが置いてあった、ユリゴコロの不思議な雰囲気に惹かれて読み直すことにした。
佐和子は離婚してから8年、一人息子と二人暮らしだった。夫からは時々気にかけているような電話が来る。失効していた運転免許を取り直すために教習所に行ったが、そこでであった教官は、夫が電話で話していた、娘の冬子が付き合っているという犀田だった。
そのうち彼とラブホテルに行く仲になる。
息子の文彦は高校三年生で、近所の同級生のナズナと親しくしていた。ナズナの家は父親だけで、喫茶店を開いていた。文彦と二人で時間があると手伝ったりしていた。
寒い夜、文彦がごみを捨てに行ったままふっといなくなった。寒い夜 -
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ネタバレずっと気になっていたが読めていなかった作品。
ミステリー系を普段読まないこともあり、展開が新鮮で本当に面白かった。
実の母親の人生の告白とも言える、これまでの殺人を鮮明に記録した手記を読んでしまう主人公という入りで自分も同時に手記を盗み見ている感覚になりドキドキしながら読んだ。弟や父との関係もすごく好きで掛け合いも良かった。
その手記の気味悪さが故に、最後の展開を全く予想出来なかった。
途中主人公が、自分にも殺人者の血が流れていると悦にも浸っているような感覚になりながら事を起こそうとした時は、そんなオチかとも思ったが最後に全部もっていかれた。ミステリー系ハマりそう。 -
Posted by ブクログ
著者の沼田まほかるさんの作品を読むのは2作品目。前回読んだユリゴコロも素晴らしいと思ったが、こちらは自分の感覚的にはもっと深いというか、怖い、気味が悪いなどの感覚を超越していて、読んでいる間終始緊張感で身体が強張る感じがあった。
本書のストーリーや結末は読み手によって様々な捉え方があると思うが、それは置いておいてまずもって著者の文章力に圧倒され続けた。日本語ってこんな繊細な表現方法があるんだと思わず感嘆してしまう言葉回し、才能の塊すぎる…!
著者のWikipediaを見ると、僧侶の経歴があるとのことでなんだか納得。著者の人生観、思考が表れているからこその表現力なのかなと。
“泡沫”“刹那的”