沼田まほかるのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
冷蔵庫に閉じ込められていた「ミハル」
その「コエ」に呼び寄せられた悠人と、近所の寺の院主。
何度も出てくる阿弥陀の話、無神論者の私にはしっくりこなかった。
でもそれに嫌悪感や反発心を抱く事は無かった。
「コエ」「喉が切り裂かれたもの」「ミミ」
このあたりが曖昧でもやっとした。
ミハルがなぜ周りを不幸にしてゆくのかも謎。
死なせたくないものを死なせない力だけではダメだったのか。
その存在自体が不吉だから、村が陰鬱なものになっていったのか。
「リツコ」という存在の救い。
物語の最後に新しく宿る命。
希望かと思えば、一抹の不安にも感じる。
なにしろモヤモヤする本だった。
ただ、ハマり出すと読 -
Posted by ブクログ
純粋さは罪なのか?
という話だと思う、多分。
帯で「最恐!」と謳っていたからちょっとびびっていたのだけれど、怖いというよりは「気持ち悪い」が勝った読後感。
産業処理場の冷蔵庫に閉じ込められていた、ミハルという純粋さの化身みたいな女の子が寺に拾われてから、村には悪意が満ち、位相がずれたみたいに人々がおかしくなっていく。
その描写は確かにぞっとするものがある。
特に寺の住職の母親の変わりようには、読みながら頭の中で「えーっ…」と愕然とせずにはいられなかった。
でも、やっぱり怖いというよりは、そのぬめっと湿るような描写が気持ち悪くて仕方ない。
詳細さのせいなのか、何なのか…
『猫鳴り』もそうだったと -
Posted by ブクログ
背景に仏教。
冷蔵庫に閉じ込められた寡黙な幼女と拾われた猫。
ホラー要素がきっちりと揃った上に
あの沼田まほかるさん独特の
どうしようもなく弱くて醜い人間たちの交錯。
旅先での夜のお供に選んじゃいました。
毎回思うんですが
ねとっとした人を描くのが上手ですよね。
憎悪に満ちた悪役や
計算高い裏切り者を描く作家は多かれど
反射的に嫌悪感を抱かせるし
顔ごと背けたくなるみじめさを漂わせているのに
ものすごく気になる登場人物を読者に憑かせる。
その腕前は本当に見事です。
ストーリーそのものは
もうちょっとホラー街道をひた走るか
どうせなら醜悪を極めるかの
どちらかに寄った方がよかったのかなあと。 -
Posted by 読むコレ
うわぁ...これは凹むなぁ...。登場人物の全てがデフォルメした
人の弱さ、狡さ、穢さ、不器用さを持ち合わせ...etcを
撒き散らかしてくれます。活字なのに読んでいて、
精神的に参るような臭いを放ってます...。
こりゃ...重たい。
なのに目を逸らすことなくページを捲り続けるのは...
何か救いが待っているから...という期待と、
この嫌悪感は人間の放つものだから...自分も
持っているものだからやめられないのか...。
淡く持った救いに対する期待にこの結末で
迎えられたら...凹みます(笑)。
黒い...黒すぎる!湊かなえの比じゃねぇっす。 -
ネタバレ 購入済み
沼田作品2作目
半分ぐらい読んだところで、中々、話が進まないためとばし読みしてしまう。
途中オチに気付いてからはトントン拍子。
ユリゴコロについで沼田作品2作目という事でオチがわかってしまったのと登場人物の誰も好きになれなかった事から割りと苦痛時間が長かったかな。 -
購入済み
少女漫画なら名作かもしれません
映画のPR「あなたの優しさには容赦がありません」に誘われて原作を読んでみました。
作者のご都合主義には容赦がありませんでした。
少女漫画なら名作なのかもしれませんね。