門倉貴史のレビュー一覧
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ネタバレここ最近、新書のヒットを連発している著者の最新作である。若くしてBRICS経済研究所の代表を務める門倉氏の著作の人気の秘密は、分かりやすい解説ながら決して軽くない文章にある。本書は、現在の日本が抱えている経済問題を政策面から解説したものであり、タイトルが示すようにこうした問題から生ずる経済不況は官である政府・行政の失態や不作為によるものであることを厳しく指摘している。建築基準の改定や年金行政など次々と明るみに出る問題に、行政は場当たり的な対応をすることによって問題の本質的な解決を出来ないでいるのである。日本の国際社会におけるプレゼンスが年々徐々に低下していくことに関する懸念を役人は当事者意識が
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07年12月29日180501より更新。
プロ野球選手が会社を設立するわけ、大学教授が講演会報酬を会社宛にするわけ、それは全て副業で得た収入を(自分の所得とするのではなく会社の所得とし、後に従業員分に割り当て、)少しでも多く手に入れるためだ。つまり、節税ということである。
財政学の知識と被るところがある。
違法なビジネスにも触れ、それを営む彼らのビジネスチャンスをつかむうまさを指摘している。
オランダのドラッグの扱いの話は、目から鱗。
支出税という概念は面白い。所得税よりも納得ができるが現実の実行が難しいが、僕も支出税の考えに賛同する。 -
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建築基準法や貸金業法のことなど、私には既知のことも多かったが、官製不況のリスト、としてまとめておさらいするには有益。記述も明快だし。
本書の目新しいところは、年金制度そのものも官製不況の中に含めていること。官だけが悪者というわけではあるまいが、官にできること、すべきことを考える上では、こういう見方もありかもしれない。
誰かの言葉ではないが、政治や行政は、国民を幸福にすることはできないが、不幸にすることはできる。ということなんだと思う。
格差の問題などでは私と意見が違うところもあり、そこでは議論の粗が目に付いた。どう見ても個別というか特殊な事例を出して反対の根拠としたり、と。それでも、この -
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利子の禁止という日本の金融業界の常識では通用しないような項目が存在するイスラム法(シャーリア)。
そんなイスラム教に則っているイスラム金融。
では「どうやってイスラム金融は成り立っているのか?」
この問いに答えられない人はぜひ本書を一読することをおすすめする。
イスラム金融の総資産は2015年には3兆2580億ドルに達すると著者は予測している。
これだけの規模を持つイスラム経済に注目せずにはいられない。
宗教と哲学も含めて中東自体に対する興味がますます強くなってきた。
もっともっとイスラム経済について学んでいきたい、そんなことを思わせてくれる本。 -
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シンクタンク出身で現在エコノミストとして活躍している著者が、主に経済統計の不確かさについて解説する本。2006年。平均所得など、単純に平均を取ったときには上の数値に引っ張られるため、現実よりも大きな値となり実感と異なってしまう。経済統計には重み付けをしているものもあるが、サンプルのとり方にも問題点が多く、必ずしも絶対に信じてよい指標というものではない。新興国のGDP成長率も、その国全域をカバーしているわけではなく、また、地下経済の動きも含まれないことから、本当にこれから発展していくのかを数値だけで判断するのは危険である。数々の指標を多面的に捉えながら実態を把握する必要を強く説いている。シンクタ
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タイトルにつられて購入した本。
ブルーカラーから見て、ホワイトカラーの給料が多すぎるかどうか?という命題だと思って読んだのであるが、そこは結局よくわからんかった。
日本の労働生産性は低いのにかかわらず給料が多すぎるように見えるが、労働性生産性は低くない。。というのが作者の主張だったかのような印象。一部に製造部門(ブルーカラー)と間接部門(ホワイトカラー)の比較の数字もあってホワイトカラーの生産性は低くないという数字もあったが、その根拠もよくわからんかった。
先般、国会で廃案になったホワイトカラーエグゼンプション。
それにしても、すでに日本では、全労働者中、ホワイトカラーの占める割合は5 -
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「夜のオンナ」はいくら稼ぐかというタイトル通り、(明確な定義は無いものの)夜間に働く女性の給与面などから、どの様な働き方があり、それぞれが幾らぐらい稼げるかについて述べている。想像通り、合法非合法含めたあらゆる性産業が中心とはなるものの、夜間営業をする小売の給与面なども比較対象として説明されている。そこには、日本人の就寝時間が徐々に遅くなってきた(23時まで起きている人の割合など)背景があり、女性の社会進出と共に、通常の勤務時間終了後に働く女性も増加してきた事が挙げられる。本書で紹介される、キャバクラをはじめとした夜のビジネス形態それぞれの市場規模などは、情報処理試験でもお馴染みのM/M/1モ
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