【感想・ネタバレ】貧困ビジネスのレビュー

あらすじ

底なしの不況に落ち込んだ今、急増する貧困層を食い物にして儲けるビジネスが跋扈している。「敷金・礼金なし」で貧困層を誘い込み、ほんの数日の家賃滞納で法外な違約金を請求する「ゼロゼロ物件」。多重債務者にニセの養子縁組をさせてさらに借金を重ねさせる「リセット屋」等々。なけなしの金をむしりとり、貧困層をさらなる困窮へと陥れる「貧困ビジネス」は、もはやモラルをかなぐり捨てた、日本経済の末期的症状の象徴だ。気鋭のエコノミストがその実態を生々しくレポート。

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Posted by ブクログ

本書は、所得格差の拡大により増加の一途をたどる低所得層をターゲットにした「貧困ビジネス」の問題を指摘し、その打開のための方策を提示している。

貧困層を取り巻く環境は、90年代後半から2000年代前半の「就職氷河期」以降悪かったわけだが、2008年9月に起きたリーマン・ショックをきっかけにして、より一層深刻化することになる。企業の人員整理、非正社員雇用を増やすなど貧困層はさらに増加している。

そんな貧困層をターゲットにしたのが「貧困ビジネス」である。「貧困ビジネス」にも光と影の部分があるそうだ。バングラデシュのグラミン銀行やマイクロ・クレジットのビジネスのように貧困層からの脱却を手助けするビジネスが光りの部分とすれば、「ゼロゼロ物件」や「リセット屋」、臓器売買や人身売買、二重派遣や「名ばかり管理職」、セックス・ビジネスなど貧困層の弱者を食い物にするのが影の部分だろう。

この「貧困ビジネス」の影の部分に対し、行政は規制強化を行ったりするが、逆に貧困層の生活をさらに追い詰めることになる場合もあるらしい。

筆者は規制強化を行うだけでなく、貧困層の実態を踏まえた柔軟な政策をとることが必要であると指摘した上で、根本的に非正社員を減らし正社員雇用を増やす、さらに賃金の引き上げ等、低所得層を減らすということを行わなければならないと警鐘を鳴らす。

本書の内容について、多くの経済学者が指摘しているように、貧困層を減らし格差是正を行うことが必要な現状を、「貧困ビジネス」という視点から指摘されたことは大変意義のあるように思う。「アベノミクス」でさらなる格差が生まれようとしている今日こそ、本書を読んでもらいたい。

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2015年08月21日

Posted by ブクログ

まさに「食いもの」にされている実態が露わに。
(外国の例だけど)子どもの手足を切断して「物乞い」させるとは酷過ぎる。
■グラミン銀行
■規制強化

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2012年02月25日

Posted by ブクログ

一時期、TVでも良く取り上げられていた貧困ビジネスについて、ホンマでっか!?でも御馴染みの門倉貴史さんが判り易く解説されています。世の中には弱者をカモにして儲けようとする悪徳業者がいるので、その様な業者に騙されない様、気を付けなければなりません。生活保護については本当に考えさせられます。

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2015年04月23日

Posted by ブクログ

○エコノミストでコメンテーターなども努める門倉氏の作品。
○いわゆる低所得者層が生まれる原因と、それを食いものにする(悪徳)ビジネスの実態を紹介したもの。
○本書では、国内外の貧困ビジネスを幅広く紹介している。そのなかには、あまり知られていない臓器売買や人身売買などの超ブラックビジネスもあり、衝撃を受ける。
○少し古い本であるが、現在もあまり変わっていないだろうし、むしろ、さらなる貧困ビジネスが増加しているのだろう。。。。続編を期待したい。

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2014年08月22日

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ネタバレ

貧困ビジネス——。
ニュースなどでなんとなく知っていることだが、からくりを知ると寒気がする。

詐欺における手口やお金の流れのからくり、その手口は、どれも想像の物語のような印象を受けるが、すべて現実社会の話だ。

貧困ビジネスを通し、様々な負の連鎖が産まれ、ことは国内に留まらない。
個人的には、中国産の安い食材の謎の断片を知り、驚愕した。
トウモロコシの芯を粉末にし、工業用染料をまぶしてニセ唐辛子のできあがり!
人毛からアミノ酸抽出できるから醤油作ろう!など、驚きの発想力と応用力をいい方向へ生かして欲しいと強く願うばかりだ。

また、男性向け風俗店で、パンチラを見るのに30秒500円が相場と知り、値段設定もさることながら、30秒単位でも買いたいと思う必死な欲求に笑いがこぼれた。

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2013年01月16日

Posted by ブクログ

参考文献
「官製不況」門倉貴史
「ワーキングプア」
「貧困大国ニッポン」
「セックス格差社会」
「ワーキングプアは自己責任か」
「蟹工船・党生活者」小林多喜二
「下流食い」須田慎一郎
「ルポ 貧困大国アメリカ」堤末果
「臓器は「商品」出口か」出口顕
「労働ダンピング」中野麻美
「ドナービジネス」一橋文哉
「貧困襲来」湯浅誠
「反貧困」

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2011年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
底なしの不況に落ち込んだ今、急増する貧困層を食い物にして儲けるビジネスが跋扈している。
「敷金・礼金なし」で貧困層を誘い込み、ほんの数日の家賃滞納で法外な違約金を請求する「ゼロゼロ物件」。
多重債務者にニセの養子縁組をさせてさらに借金を重ねさせる「リセット屋」等々。
なけなしの金をむしりとり、貧困層をさらなる困窮へと陥れる「貧困ビジネス」は、もはやモラルをかなぐり捨てた、日本経済の末期的症状の象徴だ。
気鋭のエコノミストがその実態を生々しくレポート。

[ 目次 ]
第1章 食いものにされるワーキングプア
第2章 世界中に蔓延する「貧困ビジネス」
第3章 ますます悲惨な非正規雇用の実態
第4章 「安全」より「安さ」を選ぶしかない人たち
第5章 台頭する貧困対応型セックス・ビジネス
第6章 「規制強化」は貧困層を救うのか

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年06月05日

Posted by ブクログ

格差がますます進行する社会は今や、富裕層より貧困層の市場規模の方が大きい。
その市場を狙い撃ちする貧困ビジネスは、貧困層を更なる貧困に陥れる。

平易な語り口で非常に読みやすいが、内容はもうこの世で生きていくことに絶望するような、現実に今進行している格差社会のシステムを描き出していく。

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2010年09月01日

Posted by ブクログ

大学教授だからかわかりやすかった。
物乞いをさせるために残酷なこともさせるということに、悲しみと驚きを覚えた。
淡々と語られる事実に、さて知ったからにはどうすればいいのかと言われている気がした。

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2010年06月25日

Posted by ブクログ

貧困にあえぐひとをさらに苦しめる「貧困ビジネス」の現状について書かれている。今の日本は、アメリカの後追いの流れに乗って、中流の人ですら貧困に転落する可能性が出てきた。
この本に書いてあることは人ごとではなく、明日は我が身・・とならないとも限りません。

もうアメリカの後追いなんて止めましょう。

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2010年06月08日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれ購読しました。
15年ほど前の本ながら、現在にも通じる内容で、
とても勉強になりました。
貧困ビジネスが巨大市場であり、
社会の歪みを利用したビジネスモデルであり、
社会の底辺に根ざした構造であることが、
より一層解決を困難にしていることを
理解することができました。

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2022年08月17日

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昨今の社会情勢の中で、日本でも低所得者層、貧困層が拡大している。こうした社会的弱者をターゲットにしたビジネスの中には、救済、援助を目的とするものもあるが、ほとんどは搾取しようというものであり、非合法のビジネスとは呼べないものも数多く存在する。本書では、こうしたビジネスの実態を紹介することで、問題提起している。

こうしたビジネスや犯罪は、マスメディアでも取り上げられることがあるのである程度想像はしていたが、正直自分に直接関係があるという実感がなかった。だが、ゼロゼロ物件の話など、すぐ近くに存在していることを認識させられた。

これからの社会を考える上で、貧困層の拡大は対岸の火事ではない。自分には無関係の話とせず、何が起きているのかを知っておく必要があるだろう。そういう意味で、割と気軽に読める(テーマは軽くないが)本書はお薦めできる。

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2019年01月03日

Posted by ブクログ

概略を知ることができる良書。
ここに書かれているさまざまな貧困ビジネスをさらに詳しく知るためのガイドブックなんかがあればよかったかな、と。

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2018年11月24日

Posted by ブクログ



ホンマでっかTVでお馴染みの門倉氏による一冊。
彼のアンダーグラウンド経済は、中々に面白い。本作は貧困ビジネスについて。
ゼロゼロ物件、名義貸し、闇金、臓器売買...
乾いた雑巾から搾り取る。
無いところから金を生む。年々新たな法政策、改正策、出来りゃいたちごっこで、新たなビジネスモデルが生まれるわけだ。
市場主義経済である以上、格差は必定な気もするが。
本作が出されたのは2008年。もう10年も前か。派遣切りや商工ローン問題、サブプライムローンの余波がもろだった頃。
生活保護不正受給問題なんてのも一時、メディアを賑わせてたな。
さて、社会的弱者というものの定義は何なのか。また、そこに至るまでの責任はどこにあるのか。
だからと言って、共産主義じゃ崩壊するわな。
昨今じゃ働き方も実に多様になってきわけで、ノマドなんてのもあったり。
成人年齢も18引き下がり、さて、10年後にはどんな社会になっているのでしょうか。

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2018年04月01日

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この本の発刊が2009年。景気はここ10年で様変わりしたけど、こういう煽り系の本は10年後に読むのが面白い☀️

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2018年02月25日

Posted by ブクログ

最近よく聞く「貧困ビジネス」。
本書では、その貧困ビジネスの具体的な例が紹介されている。
非正規雇用の話はニュースなどでよく聞いたけれど、「敷金ゼロ、家賃ゼロ」のカラクリや「二重派遣」といったものは初めて聞いて勉強になった。
また、貧困を食いものにするビジネスもあれば、反対に貧困を救うためのビジネスもある。
その代表的なものがバングラデシュのグラミン銀行である。
(本書が上梓されてから8年経つが現在はどうなっているのだろうか)
そして、寄付も貧困を救うことが出来る。
日本ではあまり寄付の文化がないけれど、今後ビジネスとしてでも寄付に対するハードルが下がることを期待したい。
まだ貧困層の存在を実感として感じることがないけれど、それは確実に存在し、あざとい考えを持った人たちがそこに群がり搾取する。
それらの事実はニュースでしか目にしないが、貧困層以外の人々が「貧困ビジネス」の闇の存在を認識し、他人事と一蹴せず、関心を持つことも貧困ビジネスを減らすことに少しは繋がるのではないかと思う。

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2016年12月01日

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海外と比べたら日本の貧困事情はマシだと思うが、日本も苦しんでる人が多いのだと感じた。人生お金だけではないが、お金は大切だ。

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2016年09月19日

Posted by ブクログ

ゼロゼロ物件、ネカフェ難民、多重債務者、二重派遣、ドナービジネス
なるほど。門倉先生、わかりやすかった!

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2015年08月28日

Posted by ブクログ

出版から数年経過していてすでにその内容も報道特集などでクローズアップされている内容とダブル印象で目新しいものが少なかったのが残念。おそらく出版当初に読めばなんて残酷なビジネスなんだ・・って驚いたんだろうなあ。
今話題のBOPビジネスと対で知っておきたい闇の部分をざっと知ることができる。といっても、この数年でこの内容も多少様変わりしたりバージョンアップしたりしている印象を受ける。ゼロゼロ物件の次は違法なシェアハウスだったり・・
紹介してくれている内容はいいんだけど、解決策が行政が悪い!に終始している印象を受けるのもどうかな・・って思う。結局需要と供給があるからこのビジネスが成り立つわけであって。。。すぐに解決できる内容ではないけれど、やっぱり教育という部分も大きいんだろうなあ。

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2013年08月04日

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貧困ビジネスについて網羅しているものの、すでに出版から4年以上たっていること、光の部分の紹介や提言がないことが残念。

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2013年04月04日

Posted by ブクログ

「貧困層をターゲットにしていて、かつ貧困からの脱却に資することなく、貧困を固定化するビジネス」である「貧困ビジネス」を取り上げている。ゼロゼロ物件、闇金融、日雇い派遣にいたるまで、様々な貧困層をターゲットにしたビジネスが解説されている。

それほど深い考察が加えられているわけでもなく、抜本的な解決策が明示されているわけでもない。しかも、貧困ビジネスの中でも比較的新しい現象だけを取り上げていると思われ、昔からあるドヤ街や港湾労働者の問題などにはほとんど触れられていない。そういう意味では、最近の新聞から貧困ビジネスに関するものを寄せ集めてきただけという印象もある。

風俗産業を扱った部分などは、データの根拠がはっきりせず、筆者の独自調査による部分が大きいく、どこまで信頼できるのかわからないなど、問題点も多いが、新書で手軽に読める本なので、興味のある人が軽く目を通す分にはいいと思う。

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2011年07月07日

Posted by ブクログ

ワーキングプアだの格差社会だのと言われて久しく、一社会人として社会で起きていることを知りたくて読破。

印象に残ったのは、年収2000万円以上の富裕層は年収150万円以下の貧困層の10分の一程度しかいないこと。そして富裕層の消費市場よりも貧困層の消費市場の方が規模が大きいということ。

あとはだいたいどこかで聞いた話の寄せ集めだけど、日本社会の現状を整理することができた。

実感はないが、世の中では私なんかよりはるかに経済的に苦しい立場にある人が沢山いる。

いろいろ考えさせられる。

100322

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2010年03月30日

Posted by ブクログ

想像通りの、また想像以上の紹介がそこにはあった。
とくに印象深かったのは、頭髪醤油、ぞっとする。
働かなきゃ。

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2009年11月04日

Posted by ブクログ

【著者はこんなひと】

エコノミスト

【だいたいこんな本】
(本書より)
今の日本でひそかに展開されている様々な「貧困ビジネス」について、
その実態を詳しく紹介するとともに、「貧困ビジネス」拡大に伴って生じる問題を
どのように解決していけばいいかを考えていく本です


【読んでみて、こう思いました】

いろいろな実態が挙げられていますが
中でも
「臓器密売」の話と「中国の頭髪醤油」の話が衝撃的でした

他には「家出少女が売春をさせられるまでの流れ」といった
フローチャートが出てくるような
ちょっとびっくりする本となっています。

なんだかフィクションのような話ばかりですが
全てノンフィクションかと思うと
ちょっと気分が落ち込む本です・・・。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

特に目新しい情報はなく、テレビの情報番組の内容をまとめた内容。では、それに対してどう対処するかが大切だと思うが、そこが書いてない新書って多いような気がする。

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2012年03月26日

Posted by ブクログ

 貧困ビジネスとは、貧困層をメインターゲットにしつつ、短期的な利益を追求するビジネス。(合法、グレーゾーン、非合法を含む)
著者のコラムをよくニュースサイトで見ていて、一度著作を読んでみたいと思い購入。

 読んでいて思ったこと。まず合法のものから。
 貧困層でかなりのボリュームを占めているのが、非正規、派遣の人たち。企業側は、この市場を無視できなくなって、低価格、低品質の商品を供給するようになった。薄利多売のビジネス。なんか自分で自分のクビを絞めているような・・・。だって、彼らの中には企業が若手の採用を渋った結果生まれてきたものも多いのでは?中高年の給料を下げたり、働かない奴をクビにしたりして、ちゃんと若者にお金がまわるようにしていれば、こうならなかったのでは?それで、若者の車離れとか、旅行離れとか言われてもねぇ・・・。
 で、今年また同じように若者を閉め出そうとしてない?以前、説明会にいったときに「日本のために、一緒に日本を良くしよう」とか言っていた某社、新卒採用辞めてるし・・・。傾いてる会社に入れてもらうのも微妙だけどさ。でも若者を閉め出しておいて、「日本を良くしよう」なんて言われても・・・。

 グレーゾーンのもの。
 ここで重要なのは、この類のものを厳しく取り締まるのは、本当に貧困層の利益なるのかということ。むしろ逆に規制緩和すべきなのではないかということ。例えば、グレーゾーン金利。これを厳しく取り締まった結果、何が起こったか。銀行が貸してくれなくて、こういう所に頼っていた中小企業や信用力のない人は、お金がまわらなくなってしまった。正規ルートが無理で、闇金に頼るようなった人も多いらしい。規制を強化した結果、正規にビジネスをやって税金納めている人が困るようになって、非合法の人が潤うようになってしまった。
物事を表面的にしか捉えていないから、こんなことになる。

 非合法のもの。
 もちろん、問答無用でアウトなんだけど。微妙だなと感じたのは、臓器売買とか。富裕層が、貧困層から臓器を買うわけだが、富裕層は、例えば、自分の子どもを助けたい。貧困層は、例えば、2つある腎臓のうち1つなら死なないから、これを売って貧困から脱出したい。と利害は一致している。でも非合法なんで、貧困層に全然お金が渡らないとか、子どもを誘拐するとかそういうことが起こる。これって、厳しく取り締まったところで、両者のニーズはなくならない気がする。むしろある程度は認めて、貧困層にしっかりお金が渡るようにした方がいいのかもと少し思ってしまった。
 一番良いのは、再生医療が発達して、他人から臓器をもらわなくて良くなって、社会が整って、貧困層にもちゃんと仕事が与えられることだとは思うけれど。

 最後に、貧困ビジネスの中にも数は少ないが、貧困層を貧困から脱出するきっかけを与えるようなものもある。
 マイクロクレジットやビッグイシューなんかがそう。重要なのは、ちゃんと両者に利益が出ていること。人を助けたいという想いは、とても素晴らしいのだけど、やはりボランティア精神だけでは、息切れしてしまう。だから、ちゃんとビジネスにするというのは大事なことだと思う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ちょっと著書の門倉さんの人気が先行していて内容がそこまで深いとはいかなかった。しかし、内容は面白かったとは思う。『貧困ビジネス』の定義は『貧困層をターゲットにしていて、かつ貧困からの脱却に資することなく、貧困を固定化するビジネス』だそうだ。もはや貧困層の市場は富裕層の市場よりも規模が大きいのである。そして、その具体例は面白かった。敷金礼金をゼロにして家賃を払えなくなったら違約金を巻き上げる『ゼロゼロ物件。』他にも貧困者の保証人になって金を巻き上げる、ニセの養子縁組で融資を引き出すビジネスetc例は挙げれば枚挙に暇はない。しかし、中盤から序盤にかけては『貧困ビジネス』から著者の私見にかわっていて内容としてはお粗末だったと思う。(何様だ?俺。www)

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2009年10月04日

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