門倉貴史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
BRICs経済研究所代表の門倉貴史(1971-)による、ホワイトカラー労働者の労働生産性分析
【構成】
プロローグ 法案提出見送りとなった「ホワイトカラー・エグゼンプション」
第1章 本当に日本の生産性は低いのか
第2章 残業はなぜ増える
第3章 ホワイトカラーの給料はどうやって決まるのか
第4章 日本のホワイトカラーはどこへいくのか
著者は『ワーキングプア』や『派遣のリアル』などの著作で知られているが、本書はホワイトカラー労働者、わけても若年層の労働実態と今後の展望について語られている。
まず、OECD統計に基づいて従来言われていた「日本のホワイトカラーは労働生産性が低い」という主張に対して、購買力平価の算定基準の妥当性、闇労働が統計から除外されている、零細な中小企業の割合が高い点などから、十分な根拠を持たない国際比較であると疑問視している。
つまり、根拠のない「労働生産性が低い」という主張が十分に検証されていないまま、ホワイトカラーの労働生産性を高めるために、「失われた10年」のリストラ後に数の減った社員に対して「サービス残業」が強いられている構造となっている。
さらに、中小企業のホワイトカラーは景気の上昇局面にあっても賃金抑制が行われ、日本ではの労働力の流動性が低いために、転職による賃金上昇という選択肢も難しい状況にある。
グローバリゼーションが進めば、過去半世紀以上にわたって維持されてきた戦後日本企業の雇用・労働の枠組みは解体され国内のみならず国際的な労働力流動性が高まっていくことは必至であろう。それに対応するため、ホワイトカラーは会社に依存するのではなく自ら「エンプロイアビリティ」を高める努力をする必要があるし、企業や政府も労働時間を減らして彼らが自己研鑽を行う時間を与えるべきだという著者の主張は肯ける。
同様のテーマを扱った森岡孝二『貧困化するホワイトカラー』(ちくま新書)が「ホワイトカラーの非正規化」を中心にややアカデミックな議論が展開されていたが、本書はもう少し漠然としたホワイトカラーのアウトプットと賃金の関係が取り上げられているため、よりキャッチーな内容だと言える。 -
Posted by ブクログ
アンダーグラウンドな仕事が御題かと思ったのですが、脱税もとい節税の話も結構有り。まぁ天引きなサラリーマンにとっては参考程度な話でしたが、ヤフオクの収入に税金が現状かかっていない(つーか申告している人がほぼいない)のが「確かに」と思ってしまったり。ダークサイドな仕事がもうかるカラクリの話が多いので、福本系の漫画が好きな自分は楽しめました。残念なのは、最後に税金のあり方について「所得税」でなく「支出税」にするべきと自論を展開しているのですが、ちょっと強引な口調で論拠もイマイチだったところ。ま、これには目をつぶってまた続編でも期待することにします。
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Posted by ブクログ
「貧困層をターゲットにしていて、かつ貧困からの脱却に資することなく、貧困を固定化するビジネス」である「貧困ビジネス」を取り上げている。ゼロゼロ物件、闇金融、日雇い派遣にいたるまで、様々な貧困層をターゲットにしたビジネスが解説されている。
それほど深い考察が加えられているわけでもなく、抜本的な解決策が明示されているわけでもない。しかも、貧困ビジネスの中でも比較的新しい現象だけを取り上げていると思われ、昔からあるドヤ街や港湾労働者の問題などにはほとんど触れられていない。そういう意味では、最近の新聞から貧困ビジネスに関するものを寄せ集めてきただけという印象もある。
風俗産業を扱った部分などは、データの根拠がはっきりせず、筆者の独自調査による部分が大きいく、どこまで信頼できるのかわからないなど、問題点も多いが、新書で手軽に読める本なので、興味のある人が軽く目を通す分にはいいと思う。