門倉貴史のレビュー一覧
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昨今の社会情勢の中で、日本でも低所得者層、貧困層が拡大している。こうした社会的弱者をターゲットにしたビジネスの中には、救済、援助を目的とするものもあるが、ほとんどは搾取しようというものであり、非合法のビジネスとは呼べないものも数多く存在する。本書では、こうしたビジネスの実態を紹介することで、問題提起している。
こうしたビジネスや犯罪は、マスメディアでも取り上げられることがあるのである程度想像はしていたが、正直自分に直接関係があるという実感がなかった。だが、ゼロゼロ物件の話など、すぐ近くに存在していることを認識させられた。
これからの社会を考える上で、貧困層の拡大は対岸の火事ではない。自分に -
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ここ最近、新書のヒットを連発している著者の最新作である。
若くしてBRICS経済研究所の代表を務める門倉氏の著作の人気の秘密は、分かりやすい解説ながら決して軽くない文章にある。
本書は、現在の日本が抱えている経済問題を政策面から解説したものであり、タイトルが示すようにこうした問題から生ずる経済不況は官である政府・行政の失態や不作為によるものであることを厳しく指摘している。建築基準の改定や年金行政など次々と明るみに出る問題に、行政は場当たり的な対応をすることによって問題の本質的な解決を出来ないでいるのである。日本の国際社会におけるプレゼンスが年々徐々に低下していくことに関する懸念を役人は当事者 -
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ホンマでっかTVでお馴染みの門倉氏による一冊。
彼のアンダーグラウンド経済は、中々に面白い。本作は貧困ビジネスについて。
ゼロゼロ物件、名義貸し、闇金、臓器売買...
乾いた雑巾から搾り取る。
無いところから金を生む。年々新たな法政策、改正策、出来りゃいたちごっこで、新たなビジネスモデルが生まれるわけだ。
市場主義経済である以上、格差は必定な気もするが。
本作が出されたのは2008年。もう10年も前か。派遣切りや商工ローン問題、サブプライムローンの余波がもろだった頃。
生活保護不正受給問題なんてのも一時、メディアを賑わせてたな。
さて、社会的弱者というものの定義は何なのか。また、そこに至る -
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最近よく聞く「貧困ビジネス」。
本書では、その貧困ビジネスの具体的な例が紹介されている。
非正規雇用の話はニュースなどでよく聞いたけれど、「敷金ゼロ、家賃ゼロ」のカラクリや「二重派遣」といったものは初めて聞いて勉強になった。
また、貧困を食いものにするビジネスもあれば、反対に貧困を救うためのビジネスもある。
その代表的なものがバングラデシュのグラミン銀行である。
(本書が上梓されてから8年経つが現在はどうなっているのだろうか)
そして、寄付も貧困を救うことが出来る。
日本ではあまり寄付の文化がないけれど、今後ビジネスとしてでも寄付に対するハードルが下がることを期待したい。
まだ貧困層の存在を実 -
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ネタバレ統計をそのまま鵜呑みにするのではなく、どうやて計測されているのか、一度落ち着いて考えてみる、というもの。
とりわけ「実感」とずれている場合、「平均」という言葉に惑わされているパターンが多いとのこと。
例えば、分布が正規分布でない場合はここに当てはまる。しかし単純に計算して平均を算出すると、実態と乖離した数値がはじき出される。
また、言葉の定義が確認されないまま、情報をキャッチしていることもうかがえる。
つまりコミュニケーションの問題でもあるように感じる。
一つ一つ精査することは無理だが、「どうも変だ」というところを感じるものには、確認が必要ということ。
保険会社が交通事故での死亡者が事故 -