【感想・ネタバレ】ホワイトカラーは給料ドロボーか?のレビュー

あらすじ

大企業(従業員数千人以上)の〇六年度の平均大卒初任給二一・五万円、課長職の月給五二・九万円――果たしてもらいすぎなのか? 統計データから見るホワイトカラーの実力。

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Posted by ブクログ

[ 内容 ]
日本のホワイトカラーの労働生産性は、本当に低いのか?
メディアなどでよく報じられる労働生産性の国際比較によれば、OECD(経済協力開発機構)加盟三〇カ国中一九位、主要先進七カ国(G7)のなかでは最下位となる。
しかしこれは、ブルーカラーも含めた労働者全体の労働生産性であって、ホワイトカラーの生産性だけを抜き出したデータは存在しない。
本書では、入手可能なすべてのデータをもとに、あらゆる角度から日本のホワイトカラーの実力を論じる。

[ 目次 ]
プロローグ 法案提出見送りとなった「ホワイトカラー・エグゼンプション」(全就業者の過半を占めるに至ったホワイトカラー 労働改革によって正社員ホワイトカラーは締め付けられるのか? ほか)
第1章 本当に日本の生産性は低いのか(日本の労働生産性はG7ではビリ? 日本の労働生産性は実はそれほど低くない ほか)
第2章 残業はなぜ増える(ホワイトカラーの労働生産性は一部の優秀な社員によって支えられている 統計上、労働時間は短くなっているが… ほか)
第3章 ホワイトカラーの給料はどうやって決まるのか(給与は限界生産性の水準に決まる お金は欲しいが働くのは嫌う労働者 ほか)
第4章 日本のホワイトカラーはどこへいくのか(要素価格均等化定理とは グローバリゼーションの光と影 ほか)

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[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月08日

Posted by ブクログ

タイトルにつられて購入した本。

ブルーカラーから見て、ホワイトカラーの給料が多すぎるかどうか?という命題だと思って読んだのであるが、そこは結局よくわからんかった。

日本の労働生産性は低いのにかかわらず給料が多すぎるように見えるが、労働性生産性は低くない。。というのが作者の主張だったかのような印象。一部に製造部門(ブルーカラー)と間接部門(ホワイトカラー)の比較の数字もあってホワイトカラーの生産性は低くないという数字もあったが、その根拠もよくわからんかった。

先般、国会で廃案になったホワイトカラーエグゼンプション。

それにしても、すでに日本では、全労働者中、ホワイトカラーの占める割合は50%になってしまっているんだとか。もっともホワイトカラーといってはいるが、グレーカラーといわれる領域もあって、その定義方法に問題もありそうですがね。

今に始まったことではないが、ホワイトカラーでは、個々の労働生産性のバラツキが非常に大きい。もちろん、職種によって生産性の数字というか評価の尺度は一概に決め付けられない点が多々あるので、時代の趨勢というか、企業が国際競争力をつけていく為にはそういう面をきっちり評価していく(所得格差はますます広がっていく)方向にいくしかないんでしょうね。

(2007/9/15)

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

ホワイトカラーの生産性はそれほど低くない(=全体としては給料ドロボーではない)が、生産性のバラツキはある(=給料ドロボーはいる)ので、バラツキの解消が必要という主張。
一方で、ホワイトカラーエグゼンプションの導入は早計と見る。まだ成果の評価基準が確立されておらず、労働市場の流動性も低いからだ。
この本は2007年発行で、その後、ホワイトカラーエグゼンプションは限定的に導入されたが、日本の現状は変わっていないと思う。

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2019年12月21日

Posted by ブクログ

ホワイトカラーについて知りたくて読書。

エンプロイアビリティという言葉を初めて知る。

僕は2000年社会人デビューなので景気のいい日本を知らない。学生時代の同級生でも卒業後、1度も転職していないのは公務員やマスコミ、民間企業の教師とほんの一部の業種の人に限られている。

本書でホワイトカラーが50パーセントを超えたとあるが、そそもそもホワイトカラーの概念がよく理解できていない。

労働人口が減少する日本で、今後、景気回復、持続的な経済成長をするためには、マクロ的に労働人口を増やしつつ、大量に抜けた団塊世代の分の給料を若い世代に振り分ける必要があり、派遣や契約社員の割合も減らしていった方がいい。今の韓国のような状況になる前に。

昭和10年代くらいの東京は世界の都市の中でも転職率が高い都市だったそうだ。終身雇用的な制度は、労働者に安心感を与え、将来への展望と希望を抱かせる意味では重要な制度でもある。同時に、エンプロイアビリティの高めることを積極的に支援し、転職を促すような会社がもっとあってもいいと思う。どのような働き方がいいかは労働者が選択すればいいし。

成功の定義が個々で異なるように、幸せの定義も異なる。これからの日本は、戦後生まれの職縁社会から会社に属さなくてもフリーランスでも働ける社会へ変わっていくのだろうか。そうするとホワイトカラーという言葉は完全に死語になると思った。

読書時間:約1時間

本書はバンコクのエリートサンブックスで購入しています。

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2014年03月10日

Posted by ブクログ

BRICs経済研究所代表の門倉貴史(1971-)による、ホワイトカラー労働者の労働生産性分析

【構成】
プロローグ 法案提出見送りとなった「ホワイトカラー・エグゼンプション」
第1章 本当に日本の生産性は低いのか
第2章 残業はなぜ増える
第3章 ホワイトカラーの給料はどうやって決まるのか
第4章 日本のホワイトカラーはどこへいくのか

 著者は『ワーキングプア』や『派遣のリアル』などの著作で知られているが、本書はホワイトカラー労働者、わけても若年層の労働実態と今後の展望について語られている。

 まず、OECD統計に基づいて従来言われていた「日本のホワイトカラーは労働生産性が低い」という主張に対して、購買力平価の算定基準の妥当性、闇労働が統計から除外されている、零細な中小企業の割合が高い点などから、十分な根拠を持たない国際比較であると疑問視している。
 つまり、根拠のない「労働生産性が低い」という主張が十分に検証されていないまま、ホワイトカラーの労働生産性を高めるために、「失われた10年」のリストラ後に数の減った社員に対して「サービス残業」が強いられている構造となっている。
 さらに、中小企業のホワイトカラーは景気の上昇局面にあっても賃金抑制が行われ、日本ではの労働力の流動性が低いために、転職による賃金上昇という選択肢も難しい状況にある。

 グローバリゼーションが進めば、過去半世紀以上にわたって維持されてきた戦後日本企業の雇用・労働の枠組みは解体され国内のみならず国際的な労働力流動性が高まっていくことは必至であろう。それに対応するため、ホワイトカラーは会社に依存するのではなく自ら「エンプロイアビリティ」を高める努力をする必要があるし、企業や政府も労働時間を減らして彼らが自己研鑽を行う時間を与えるべきだという著者の主張は肯ける。

 同様のテーマを扱った森岡孝二『貧困化するホワイトカラー』(ちくま新書)が「ホワイトカラーの非正規化」を中心にややアカデミックな議論が展開されていたが、本書はもう少し漠然としたホワイトカラーのアウトプットと賃金の関係が取り上げられているため、よりキャッチーな内容だと言える。

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2012年02月18日

Posted by ブクログ

久々に経済の本、そして今テレビ出演もされている門倉さんの本ということで気になって読んでみた。
ホワイトカラー・エグゼンプションの導入の是非や、終身雇用や年功序列の制度が破綻しかけていく今後において、ホワイトカラーのあり方について述べられている。後者は、企業に頼らずに自己啓発し、エンプロイアビリティを高めていくことがその人本人、そして世の中においても重要である。

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2012年02月17日

Posted by ブクログ

統計を駆使して日本におけるホワイトカラーの実態を解説。ちょっと難しい本だったかな。論文みたいな内容。
数字の取り方によっては決して日本のホワイトカラーは高いお金をもらってるわけじゃないとのこと。2007年の比較的景気のいいころの本なので、2011年の今は状況はもっと変わっているかな。

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2011年12月25日

Posted by ブクログ

「日本のホワイトカラーにとっては、平均的な労働生産性の改善よりも、個々の労働生産性のバラツキの改善が必要である」
だそうだ。

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2011年11月05日

Posted by ブクログ

結論として、給料ドロボーなのか否なのかわからなかった。

終身雇用制が崩壊した今、一人一人が自分の能力を客観的に把握し、目標とする能力とのギャップを埋めていくことが大事であり、また、企業も、個人が転職してもやっていける能力を身につけさせていく事が当然の義務である。

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2010年12月18日

Posted by ブクログ

「日本のホワイトカラーは生産が低い」
最近そんな言葉をよく聞くが、それは本当のことなのだろうか?
実際の統計数値や著者の推定値を基に、ホワイトカラーの生産性を検討する。

予想以上にがっつり、経済学の本。
どれをどうやって何を計算して……等の説明がしっかりしてあって、それをいちいち考えていくと、最初に何の話をしてたのか、すぐに忘れてしまいました。
著者自身の推定値もよく使われていて、その信頼度がどれくらいか分からなくて、しかも説明されたらもっと分からないだろうという予測がつく。

ホワイトカラーの生産性は本当に低いと言えるのか、そもそも低いと言われている根拠は何なのか、他国のホワイトカラーの生産性はどうなのか、ホワイトカラーの給料はどうやって決まるのか、ホワイトカラーはこれからどうなっていくのか。
色んな事を言っていたので、一言で説明するのは難しい。その上、話の流れ自体をあまり覚えていない。
個人的には、二度読まないとよく分からない本だと思います。

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2010年12月18日

Posted by ブクログ

ホワイトカラーもそろそろ、いくつかに区分けしていかないと!
ホワイトプランとWホワイトがあるようにホワイトカラーとWホワイトカラーのように。
ト、2008.2.18

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

これも格差社会と関連する書籍です。
ホワイトカラーエグゼンプション問題
を考える上で最適の1冊です。
是非。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

自分の今の仕事と、それに対する報酬とを考えた時に、ドキッとするタイトル。ホワイトカラーなんて一言に言っても、全く仕事が異なるため、正確な比較なんて不可能。ホワイトカラーの生産性が低くても成り立っている背景には、非正規従業員の低賃金の活躍があるからです。そうした日正規従業員がいつまでたっても、低賃金から抜け出せず、いくつになってもワーキングプアー。それが遺伝していく恐ろしい世の中である。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

多くのデータを軸にして論じられている日本経済論。表題はひとつのきっかけに過ぎず、現代の日本社会の動きを経済学の観念をもとに分析している。

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2009年10月04日

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