水生大海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
地下鉄の痴漢事件に端を発する、3家族の崩壊物語
以下、公式のあらすじ
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地下鉄の”ある事件”を機に母性が暴走する
蜂須賀恵理子は、悲嘆に暮れている。自慢の息子が痴漢行為を咎められ、逃げようとして地下鉄に轢かれ、死んだのだ。冤罪だと信じる恵理子は、亡き息子のSNSにのめり込み、事件の真相を探ろうと奔走する。
夏川美夏は、激怒している。高校生の娘が電車内で痴漢を捕まえたが、被害には長い間遭っていたというのだ。美しい娘には芸能界で活躍してほしい。週刊誌記者に身辺を嗅ぎ回られ、美夏は苛立つ。
高奈琴絵は、幸せの絶頂から突き落とされる。不妊治療の末 -
Posted by ブクログ
お仕事日常の謎のミステリーですね。
「社労士のヒナコ」シリーズの3冊目です。
やまだ社労士事務所に勤める朝倉雛子は、四年目になる。
かなり経験値がましたとは言え、コロナ禍で新たな問題も出てくる。
雛子は、独立を視野に入れているが、世の中は理屈通りにはいかない。またまた、苦戦の連続だが、持ち前の感の良さと好奇心で懸案の問題の裏にあるなぞを解き明かす。
五話の短篇連作。
いずれも癖のあるキャラクターが出てきて、雛子を悩ませる。
社会保険労務士の仕事の複雑さを、丁寧に綴るのは、さすがですね。理屈っぽくならないように、事案の謎を絡めて、読みやすい文章を駆使されています。
やまだ社労士事務所の面々の、 -
Posted by ブクログ
社労士の仕事も良く知らなかったし、労働保険、退職、年次有給、産休育休、非正規雇用、労災、裁量労働制などなど、知らないことも多く、なかなか勉強になった。
社労士は、雛子のように、誰に対しても毅然としていないとできない仕事なのだと思う。
そして、雛子の言うことは正論。個人的には、嫌いじゃないけど、でも正論すぎてそれを煩がる人がいることも、それだけじゃ世の中回らないこともわかる。
派遣社員時代のエピソードもそれを物語っていて、バランスって大事だな、と。
全てがちゃんちゃんと丸く収まらないところもリアリティがあって、スイスイ読めた。
続編も手にしたいと思う。