あらすじ
正しいのは会社のリクツか人情か?
新米社労士ヒナコが挑む、本邦初の〈労務ミステリー〉登場。
社労士とは――社会保険労務士(国家資格)の略。労働・社会保険問題から年金まで、クライアント企業のお手伝いをする。
「退職理由を自己都合から解雇に 変えて!」元社員が怒鳴り込んできた。
嫌がらせで異動させられたと言う彼女と会社の主張は平行線、やがて会社の不正が明らかになり……(「五度目の春のヒヨコ」)。
新米社労士の朝倉雛子(26歳、恋人なし)がパワハラ、産休育休、残業代、裁量労働制、労災、解雇、ブラックバイトなどなど、様々な事件で奮闘。
読めば心がほっこり、労務問題の勉強にもなる人気シリーズ第1弾!
解説・吉田伸子
※この電子書籍は2017年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
かけ出し社労士が主人公の短編小説。ミステリーでもあり、専門分野について知ることもでき、読みながら「へぇ〜」「なるほど」「そういうこと!?」「確かになぁ」など様々な感情を一冊で感じさせてくれる。胸熱エピソードなどもあり、大変満足度が高かった。作品を通じて人間関係の難しさに改めて共感する部分が多い。
・オフィス機器:失業保険、しかし真の目的とは
・居酒屋チェーン:疑われたバイトテロと冷たい上司の真実
・IT会社:育休制度と最後に翔んだファーストペンギン
・派遣先:優しい社員の裏の顔そして書類隠しの真犯人
・製菓会社:パワハラ疑惑と労災の真相
・ブランド会社:部門対立と忍び寄る買収案件
Posted by ブクログ
会社や労働の制度をすごく分かりやすく学べる。
しかも小説で。
みんな理由があってその行動をとっているけど
それが噛み合わず労働環境が悪くなってることもあるんだなー。
空に星はなくは
すごく切ないというか虚しいというか。森田さんが早く元気になってほしい。
Posted by ブクログ
新米社労士の雛子さんが活躍する短編集。頭の中で映像が思い浮かぶような、わかりやすい文章でサクサク読み進められました。すっきり終わるハッピーエンドだけでなく、ビターエンドもあり、現実的でおもしろいです。
(池井戸潤さんの『花咲舞が黙ってない』が好きな人には刺さるかも…?)
似た仕事をしているため、業務上のトラブルを思い出してしんどく感じる場面もありました。それでも雛子さんを応援したくなるような内容で、早速続編を読み始めています!
Posted by ブクログ
自分は、社労士になりたくて社労士の資格を取るために、今まさに勉強してる真っ最中。
この本は小説だけど、もし自分が将来社労士になったら、こんな風に奮闘するのかな?って妄想が膨らんだ。
短編だから、読みやすいし、これをきっかけにもっと多くの人に社労士を知ってほしいと思った。
続編も読みたい。
Posted by ブクログ
お仕事小説
社会保険労務士さんのお話。先日、社労士の皆さんが子供たち向けにお話するのを拝見する機会があって興味を持ちました。
初めて知ることが沢山あってとても面白かった
Posted by ブクログ
社労士の目線で書かれる本はほぼないからとてもありがたい。
そしてものすごくリアル。
資格があるから新人でありながら先生であり、
法令を守ることだけが会社を守るわけではないから線引きがほんと難しい。。。
コンサル業務は事務と頭の使い方が全く違うから面白いなあ。
続編も読もうと思う。
Posted by ブクログ
社労士としての成功も失敗もリアルに書かれているので、読後の爽快感はあまりない。しかし、自分が社労士としての立場でクライアントの現場で悩んでいるかのような臨場感を味合うことができる。
米澤穂信が好きな人向けの本。
Posted by ブクログ
ドラマ化希望。お仕事小説。
社労士という難関資格の存在は知っていたが、企業の総務系の仕事以外で、事務所所属の社労士が実際どのような働き方をしているのかは知らなかった。
ストーリーはケーススタディみたいで面白かったが、普段意識していない規則が興味深かった。
うちの会社は総務系の仕事はアウトソーシングだったかな?
普段意識せずに自分の仕事に打ち込めるのは社労士や総務の人達のおかげ。
Posted by ブクログ
今、社労士目指してるところだから読み始めたけど、楽しそうだなっておもった
法律ってすごいよね
知ってたら守れることたくさんある
勉強して、みんなが幸せになるような法律の使い方できるようになりたい
法律ってすごいなぁっておもう
誰が作ったの法律!
夏休みの宿題に気づかないふりしてる小学生じゃないんだから。泣いても笑っても、二学期はやって来る。逃げたってダメだよ。
が笑ったし好きです。
Posted by ブクログ
今の私には受験資格が無いけれど、舞台が整えばいつか試験に挑戦してみたいと思っている社労士のことを少しでも知れたらいいな、と思い手に取った一冊。
新米社労士のヒナコが、日々クライアントからの要望に応えていく中で学び、成長していくお仕事小説です。
お仕事小説でありながら、ミステリー要素も兼ね揃えていて、読んでいて楽しみながら労務の知識を学ぶことが出来ました。
クライアントからの無茶な要望に対し、法律を後ろ盾にして毅然とした態度で向かうヒナコはすごいなぁと思うと同時に、モヤモヤしたまま解決とされてしまう問題もあるのが、実際の現場のリアルさでもあるのかと感じました。
続編2冊もまとめ買いしているので、次作でのヒナコのさらなる成長も楽しみです!
Posted by ブクログ
社労士になった雛子。クライアント企業〜様々な相談が持ち込まれる。無断欠勤からの退職、就業規則、育休、パワハラなどの様々な問題を解決する連作短編集。
社労士は社会保険の計算をしてるのかと思ったら仕事の範囲が広くて驚いた。ストーリー展開とひねりもなかなか良かった。
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社労士受けようかと思って早十数年。雛子のように派遣や非正規で労務の仕事をしている私にはとても興味深いお話でした。今年の試験、今から間に合うかしら。
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通勤電車で読むのにちょうどいいくらいの軽さ。ミステリーの要素があり飽きない。シリーズ二作目の方が評価が高く、個人的にも二作目の方がさらに好き。シリーズで読んで損はないと思う。
Posted by ブクログ
社労士の仕事も良く知らなかったし、労働保険、退職、年次有給、産休育休、非正規雇用、労災、裁量労働制などなど、知らないことも多く、なかなか勉強になった。
社労士は、雛子のように、誰に対しても毅然としていないとできない仕事なのだと思う。
そして、雛子の言うことは正論。個人的には、嫌いじゃないけど、でも正論すぎてそれを煩がる人がいることも、それだけじゃ世の中回らないこともわかる。
派遣社員時代のエピソードもそれを物語っていて、バランスって大事だな、と。
全てがちゃんちゃんと丸く収まらないところもリアリティがあって、スイスイ読めた。
続編も手にしたいと思う。
Posted by ブクログ
印象に残っているのは、育休の話。
いくら法律で守られているからと言って、利益追求を目的として存在する会社側に余力がないと、育休を取るのは難しいというのは心が痛んだ。
法や就業規則だけ整えばいいという話ではないのだと感じた。
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個人的に、余力がある会社で育休を取れた私は恵まれていたと思うが、マミートラックは苦しかった。
やりがいよりも生活が大事というところでなんとか踏ん張ってきたが、自分が荷物になっているという感覚はつらく、自分はここでは役に立てないという確信が退職を決意して、社労士を目指すことを検討している。
資格は手段で、その先に何を実現したいのかが大事だと考える。
ワークシェアリングには興味がある。
日本の未来がより働きやすくなりますように。
Posted by ブクログ
高校時代の親友が社労士を目指して勉強を始めたというので、どんなお仕事なのか小説を通して知りたくて読んだ。多岐にわたる仕事内容(保険料の計算、就業規則の作成、コンサルティング……)がよくわかり、そこにドラマもあるので、お仕事小説として面白かった。明るくほっこり系のお話かと思いきや意外とダークな面も多く、それはそれだけ人々が自分の仕事や生活に精一杯だからであって、そこに切り込んでいかなければならない社労士って大変なんだろうなぁと実感した。雛子の正義感がちょっと空回りしている感があり、社労士という立場とはいえそこまでやっていいのか? と疑問に感じるところが多々あるのと、各話の終わりがいまいちすっきりせず、雛子の関りが結末にうまく結びついていない感じがあるのが気になった。
Posted by ブクログ
▼不勉強で世間知らずだったので、「社労士(社会保険労務士)」という存在や、その仕事役割については何も知りませんでした。その意味では「へ~」に満ち溢れた愉しい本でした。働き方や従業員の保険、などなどのプロフェッショナルを置く余裕がない企業では、社労士んさんが大きな役割を担っているのですね。
▼連作短編。「お仕事物」でありつつ「ライトなエンタメ」というゾーンを狙って、かなり健闘されていると思いました。ただ、当然ながら難しい問題が毎回起こるので、フィクションの力で各話をさわやかな終わり方にする、、、というのはやりきれてはいません。仕方のないことですが。だから問題提起があって、当然ならが構造的な解決にはならず(そりゃそうです。政治家や官僚の皆さんが解決できないのだから)、その上でこの物語の中でフィクションとしてできれば痛快に終わりたい・・・・けれども、割と問題提起で終わっていく、という回も。
▼それなりに小規模な事業体だと、いろいろが理想と現実とはギャップがでかいよなあ・・・育休産休の問題だけでも、キレイゴトでは通らない・・・そんな悩み方をしながら読んでしまいました。その段階で作者側としてはもう、してやったりなんでしょう。
Posted by ブクログ
社労士という仕事を知れた作品!
企業や労働者の社会保険や労働に関する課題を解決する仕事。
作品を読んで、興味が湧きました!
それぞれヒナコの成長物語でした!
Posted by ブクログ
面白くはあるのだけど、読んでて仕事って嫌だなって思ってしまった。
私もずーっと総務系で働いてきて、この話に出てくることは、まああるよなぁと感じるくらい現実的ではあるけれど、正直お腹いっぱいな感じで、憂鬱になるからもう読みたくないな。
Posted by ブクログ
自身も主人公と同じ勤務社労士だから、私ならこのご相談にどう対応するだろうかと考えながら読みました。
まだ新人だからこそのヒナコちゃんの正義感も懐かしく思いつつ、経験を積みながら成長していく姿が見られて私も初心を忘れずにいたいと思いました。
Posted by ブクログ
社労士という仕事を知る目的で読んだ。
小説としての面白さはもうひと頑張りといった印象だったが、勤務社労士の働き方は学べた。
事業主と労働者の板挟み、しかも部外者だから口を挟む程度も難しい。やりがいより難しさを感じた。
Posted by ブクログ
社会保険労務士をテーマにしたお仕事小説。
中々、実際に起こりうる事象をテーマにしてあり分かりやすかった。
社労士はあくまで企業のサポートなので、アドバイスはできるが、指示は出来ない。
労災隠し、サービス残業(残業代不払い)等、実際問題としてあるし、各種法律や制度はあっても中小企業が対応できるかは別の話。
その辺りを実際に上手く物語に組み込めていたと思う。
Posted by ブクログ
社労士としての立場の線引きが難しい。クライアントだけど、ダメなことはダメと伝えるひなこはすごい。ただそのおかげで理不尽な目にあいがち。最後はほっとした。
Posted by ブクログ
自分に関係してることなのに、
あまりにも知らないことが多くて驚いた。
やりがいとか、誰かのためで搾取されがちな世の中だから
自分の身は自分で守らねば、、笑
働く人の権利や時間とか
なんか色々考えちゃった。
一章一章が短めなのと、
登場人物もまた変わるので読みやすかった。
寝る前のちょっとした読書にいい感じ。
Posted by ブクログ
社労士をテーマのお仕事小説に興味を持って。
本屋さんになかったので、3作目を読んでからの一作目。
お仕事や会社の課題にはなるほどなあと思う部分はありつつ、ひなこさんの強引さにちょっと引いてしまう部分があった。
三作目では感じなかったし、ここが新人っぽさと考えるとめっちゃ良く寝られてるなあと感じた。
Posted by ブクログ
65点:「派遣でしょ。ずっといるわけじゃない」
社労士はふつう主役にはなりにくい。会社対労働者の構図を作ったらふつう主役は労働者側で社労士は会社の手先ポジションになっちゃうから。ただ当たり前だけど労働者も一枚岩じゃなくて、正社員、派遣、パート、アルバイトと契約が分かれてるが故に弱い立場の人を軽くみることが多々あり(自覚してなく悪気があるわけでもないから厄介)その狭間に社労士の良心が輝く場がある。会社員は読むべき。
Posted by ブクログ
新米社労士(社会保険労務士)・朝倉雛子(26歳、恋人なし)のお話。続編が出た新聞広告を見て興味を惹かれ、最初の巻から買ってみた。
有給休暇、解雇、裁量労働、育児休業、年末調整、パワハラ、労災、超勤手当…。ここに出てくる内容は、大企業だろうと中小企業だろうと人事担当者なら知っておかねばならないことのように思えるけど、法の解釈や運用にいささか自信がない時にはプロに聞くということも必要なんだろうな。
よくありがちな労務問題がうまいこと物語に仕立てあげられていてまずまず面白く読めたが、わざわざミステリーっぽくすることもなかったように思った。
実際に労務問題が起こった時の企業の現場はこんなに簡単には済まない、物凄く凄まじい修羅場だということを付け加えておこう。