山岡洋一のレビュー一覧

  • 翻訳とは何か : 職業としての翻訳

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    「海外文学」がどうしても好きになれなかった理由が、冒頭数ページの中に凝縮されていて、目からうろこ。
    著者の、翻訳という自分の仕事に対する情熱や真摯な姿勢が、ストレートで厳しい言葉から伺える。いや、それどころか目を背けたくなるくらいきつい文章が胸に突き刺さってくる。
    翻訳に関わる人だけでなく、文筆業で食べている人にはぜひ一度読んでほしい一冊。

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    2012年08月20日
  • 翻訳とは何か : 職業としての翻訳

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    今は亡き名翻訳者が、翻訳の歴史、翻訳者の生活、翻訳ビジネスなど、総括的に、多面的な観点で翻訳について語った本。
    自分は翻訳を手掛けているが、きっかけは「能力があるので片手間で」程度だったか、自分の態度の甘さを思い知らされた。
    英文和訳と翻訳の違い、翻訳学校の意義、翻訳学校のビジネスについての項は特に興味深く読んだ。

    心に残ったのは、
    翻訳学校に通っても、一流の翻訳家に学べる確率はそう高くはない。ところが、書店に行けば、一流の翻訳家がみな、訳書という形で翻訳のノウハウを示してくれている。自分が本当に尊敬できる翻訳家を選んで訳書と原著を手に入れ、訳書を見ないで原著を翻訳していき、訳書との違いをひ

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    2012年06月03日
  • 自由論

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    他者に危害を与えるような行動以外、国家は制約を与えるベキではないという原則、すなわち他者危害原則を打ち立てた名著。
    現在、この適用をするのは非常に難しくなっているが、この本は名著だと思う。現代に通じる記述が多々あった。

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    2012年02月11日
  • 自由論

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    ネタバレ

    今の日本人にとって、自由とは当たり前の権利で、ごく普通に誰にでも与えられるものだという認識が強いだろう。
    しかし、それは大きな間違いで、私たちは自由についての考ることを放棄し、自ら自由でない状態に拘束してしまっているのかも知れない。

    現代社会の人々には、特に第3章を読んでもらいたい。
    まずは考え、対話しなければ、何も進展はしないのだ。

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    2012年01月18日
  • 新・日本の経営

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    なかなかに読み応えのある本です。

    どんな事柄も捉え方は様々なんだなと改めて感じた。

    「新・日本の経営」

    その名のとおり、終身雇用や年功序列をはじめ、日本の経営について書かれた本です。

    これを読んで思ったことは、自分の考えは、一般的に言われていることに流されていただけだったのかなっていうこと。
    それは、一般に言われていることが間違っていて、この本に書かれていることが正しいというわけではなくて。
    違う捉え方に出会ったことで、そういう考え方もあるのかぁって、物事の見方が広がったというか、そこから新たに自分の考えを見つけていくきっかけになるのかなって言うか、そんな発見ができた本です。

    ・失わ

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    2011年12月22日
  • 新・日本の経営

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    高齢化・人口減少といった社会構造の変化に直面しながらも、多くの日本企業が「失われた10年」の間に、新しいビジネス環境に適合した事業の再設計に成功したことを取り上げています。
    今、日本企業の前には巨大な可能性が広がっていることを、日本企業の過去数十年間の歩みを分析する(前半)とともに、開かれる新興国や東南アジアなどの海外市場の日本の優位性を解説する(後半)ことで、これからの日本企業の進むべき方向を提言します。

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    2011年11月09日
  • 闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

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    Windows NT開発のノンフィクション小説。NT開発なのでだいぶ昔の話だが、現在のソフトウェア開発に通じる話も多く、楽しく読むことができた。当時ソフトウェア開発を行っていた自分としては、この巨大なシステムを闘い抜くチームの話は非常に内容が濃く、衝撃を受けた。主人公デビッドカトラーが、チームリーダーでありながらコーディングもしている姿は、とても共感を感じた。

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    2011年02月19日
  • ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

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    ビジョナリーカンパニー3というよりも原著のタイトルである
    "How the mighty fall"の方に惹かれた。

    繁栄を極めた企業がその後、落ちるということは多々ある。(企業に限らず国もそうであることは歴史が示している。)

    すごいと言われた企業が衰退していく過程には何か特徴があるのではないか?という問いから企画されたのが本書である。

    調査の結果、以下のの5点を経て衰退もしくは倒産することことが分かった。

    1. 成功から生まれる傲慢
    2. 規律なき拡大路線
    3. リスクと問題の否認
    4. 一発逆転の追求
    5. 屈服と凡庸な企業への転落か消滅

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    2019年01月16日
  • 闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

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    いまさら?という感じですが読みました。Windows NTの開発物語ということですが、古さは感じませんでした。今と違うのはスケールだけであり、同じような光景はきっとあちこちで繰り広げられているのでしょう。それは進化がないということを意味するのではなく、進化を凌駕する複雑さの爆発的拡大を意味するのだろうとぼんやり考えてしまいます。
    ということで、ソフトウェア開発に少しでも関わっている人にはおすすめです。

    個人的に興味深かったのは、テストをする人がコードを読み込み、コードの間違いまで含めてバグを報告すると言うことと、100%ではないということの許容の仕方です。私は、テスターさんの役割について、バ

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    2010年05月16日
  • 闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

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    チームワークと聞いて思い浮かべる麗しい姿はどこにもなく、ドラマチックな展開が巻き起こるわけでもなく、ただただ泥臭く立ち向かう描写が続く。だからこそ「月並みな仕事しかできないのは、才能がないからではない。意思に問題があるからだ」という言葉が突き刺さる。

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    2009年11月14日
  • 闘うプログラマー[新装版] ビル・ゲイツの野望を担った男達

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    アメリカ版プロジェクトX
    ・猛烈に働くことの意味とは
    ・不完全な人間が完全を求める
    ・プロジェクトマネジメントに求められること
    ・泳げないやつは溺れるだけ
    ・カトラーのような上司は嫌だけど憧れる
    みんなの意見を聞いていてウィンドウズNTを創れたか?

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    2009年10月04日
  • 翻訳とは何か : 職業としての翻訳

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    実務翻訳を志す人は、必ず読んでおいたほうがいい本。かなり厳しいことが書いてあるけど、翻訳者になる前に厳しい現実を知っておいたほうがいいんじゃないかと・・・。

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    2009年10月04日
  • 国富論(上) 国の豊かさの本質と原因についての研究

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    学生時代になんとなく習った気がするけど、よく思い出せない代表例がアダム・スミス『国富論』であろう。国富論といえば「神の見えざる手」という表現が有名であり、マーケットメカニズムよって国民が欲するあらゆるサービスが提供されるので、国家の権限は治安維持や国防、司法に限定すべきであるといった新自由主義的文脈に援用されることが多い。

    しかし、アダム・スミスはそんなことは一言も言っていない。自由放任主義によって個人の利己的な行動が市場の調整機能によって全体の経済を豊かにするという内容は出てくるものの、むしろ主題にしているのは道徳経済論という理性や責任に基づいた経済活動の重要性である。

    そしてこのような

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    2025年10月06日
  • ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則

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    グッドな会社とグレートな会社を比較分析し、その違いを述べた本。25年前に出されて本であり、研究の対象となっている企業や情報は古いのだが、出された数々の結論は、今でも適用できると思われる。「弾み車」の考え方が肝といえる。参考になった。

    「「人材こそがもっとも重要な資産だ」という格言は間違っていた。人材が最重要の資産なのではない。適切な人材こそがもっとも重要な資産なのだ」p19
    「中核事業で世界一になれないのであれば、中核事業が飛躍の基礎になることは絶対にありえない」p19
    「革命や、劇的な改革や、痛みを伴う大リストラに取り組む指導者は、ほぼ例外なく偉大な企業への飛躍を達成できない。偉大な企業へ

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    2025年09月15日
  • ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則

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    エッセンスだけを捉えるなら簡単だけど、読み込んで理解しようとするととても大変。骨太な本。

    1章で概ね主張は完結している気がする。
    そのあとは、主張を盤石にするための膨大な具体例を用いた議論。

    単に色々な企業のことが知れるのは面白い。
    でも読み切るには気合いと覚悟が必要。

    本棚には置いておいて、気になったときに読み返したい

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    2025年08月15日
  • ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則

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    行動指針とそれらからくるものが一致しているか。ここからズレた際に修正できるか。短期の利益があり自身からズレてる場合元に戻せるか。
    MVVを元に判断、思考伝えるということはする。

    Valueを再度読み直す。

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    2025年07月21日
  • ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則

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    事業の原点という表現が相応しいと思う。
    特に、企業が大事にする企業の社会的意義や、トレンドよりも、その企業が大事にする価値観をいかに深掘りするかがポイント、という言葉が刺さった。
    昨今、タイパ、コスパという言葉が流行り、ある一つの基準よりその企業が生産性において、どの程度優れているかが問われる時代となった。しかし、飛躍した企業は、それはあくまで手段の一つとして考え、成し遂げたい世界観に熱狂するという。

    そのような集団には普通の会社では勝てない。
    飛躍するべくして飛躍した会社の最高の要素が凝縮された一冊。

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    2025年06月24日
  • ビジョナリー・カンパニー3 衰退の五段階

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    ②まではエクセレントカンパニーを対象に考察していたように記憶しているけど、この本は企業の衰退がテーマ。

    個人的に一番印象に残ったのは、
    「下り坂の企業の経営陣」と「上り坂の企業の経営陣」の比較。
    ただ、これはその渦中で内部にいる人ではないと判別できなさそうなことが多く、第三者の投資家としてはその兆候に気づくのは難しいかなと思った

    また、この本が対象としている衰退企業の多くは、衰退の過程で外部からCEOを招聘しているという結果も興味深かった

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    2025年05月30日
  • 国富論(下) 国の豊かさの本質と原因についての研究

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    下巻では、国家の防衛費や司法費、公共に関して、また財政収入、とくに税に関連することについて語られる。加えて『国富論』の解説では、これまでの内容の流れや本書の著者アダム・スミスの経歴が端的にまとめられている。

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    2025年05月11日
  • 国富論(中) 国の豊かさの本質と原因についての研究

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    中巻では主にマクロ経済に関して語っている。ローマ帝国崩壊後のヨーロッパ、いくつかの植民地の言及、重商主義、重農主義の批判、貿易収支、通商条約など、国家の政策にかかわることを他国と比較しながら考察する。

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    2025年05月04日