山岡洋一のレビュー一覧
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前々から「読まなくては」と思っていた本です。
ようやく読みました。
自分が想像していた内容とは違っていましたが、会社のあり方を考える上で、参考になりました。
とはいえ、ビジョナリー・カンパニーへの道は、なかなか厳しくて険しく、そして遠そうだということもわかりました。
個人的に気になったのは、この本の内容が、本当に成功の法則といえるのかどうか、という点です。
巻末に、この点に関する補足がありましたが、説明になっているような、いないような…。
この辺り(再現性の立証の難しさ)が、経営学の難しさなのかも、と改めて思いました。
とはいえ、会社の経営を考える上で、よい本であることは間違いないと思います。 -
Posted by ブクログ
名を残すような偉大な企業で居続ける要素の本
いい感じでまとめられている、企業版の7つの習慣と言った感じか
①誰をバスに乗せるか②最後にかならず勝つ③単純明快な戦略④人ではなくシステムを管理⑤はずみ車と悪循環
BHAG①時を告げるのではなく時計を作る②ANDの才能③基本理念④基本理念を維持し進歩を促す
①誰をバスに乗せるか
行動を引き出すためでなく、報酬によりバスに乗り続けてもらう。疑問があれば採用しない。人を入れ替える。最高の人材は問題ではなく機会に当てる。
②最後にかならず勝つ
質問によって指導、強制ではなく対話と論争、批判ではなく解剖、情報を無視できなくする
③単純明快な戦略
世界一、情熱を持てる、経済的原動力、の3つが揃ったものに集中投資する
④人ではなくシステムを管理
枠組みの中での自由と規律の文化、規律を守る人たち・責任を果たすために努力を惜しまない人、規律を押し付けない、選択集中の概念を守る
⑤はずみ車と悪循環の違い
準備して発破する、現実を直視、選択集中、規律を持つ、適切な技術選択、動機づけに力を使わない、実績により説得、一貫性を保つ -
Posted by ブクログ
全体主義を理解するためには、第2次世界大戦を理解する必要があるし、それを理解するためには第1次世界大戦とその起源、そして2つの大戦の間の時代を理解する必要がある。
ベルサイユ講和条約の交渉にイギリス代表の一人としてたずさわり、その講和条件がドイツの経済的・社会的な破壊、そして全体主義的な社会につながりうることを指摘したケインズ。
「説得論集」は、そのケインズが、第1次世界大戦と第2次世界大戦の間に書いた時事的な評論などをあつめたもので、デフレーション、金本位への復帰などなどのテーマについて、「節約」重視のディスコース、自由放任主義的なイデオロギーなどなど、当時の常識と戦い続ける姿がここにある。
今、読めばある意味当たり前のことを主張しているのだが、それは後知恵というもので、ケインズの主張は当時の常識とは全く違うらしくなかなかその政策提言は採用されない。それでも、精力的に「説得」を続け、世界とイギリスの経済的安定と社会的公正、そして平和のために情熱的に語り続けている。
大きな時代の流れの中で、あきらめずに政治家や経済学者、官僚、メディア、大衆を「説得」しつづけたケインズ。
その姿に感銘をうけた。
これを読むと、ケインズは経済学者というより、政治経済、金融の実務家に近く、そして世の中がよく見えている政治経済活動家といった印象がしてくる。
もしかすると、「一般理論」も経済学的にしっかりとした本を書かないと自分の主張が影響力のあるエリートに伝わらないと思って書いたんじゃないかと思った。なぜなら、この「説得論集」(31年出版)のエッセイのなかに、その後に「一般理論」(36年出版)で書かれる基本ロジックはすでにあるからだ。
どのエッセイも興味深いが、なかでも、当時の自由主義的な経済思想の起源を哲学的にほりおこしつつ、それが経済の自然な秩序であるように捉えられたのは、歴史的な偶然によるものでしかないことを示した「自由放任の終わり」は読み応えがあった。
数年前に、ハイエクにはまったときに、ケインズ=ハイエク論争を読んで、どっちかというと一見保守的で「自由放任」の代表イデオローグにみえるハイエクの議論のほうに現代的なラジカルさを感じ共感したのだが、今、あらためて考えると、あの論争はあんまり「論争」になっていなかったんだな〜。
多分、ケインズは、あんまり学問的に経済理論を深めることには興味なくて、なんとか現実社会を変えていく活動に集中していたのだと思う。もちろん、ハイエクも純粋学問世界にいるわけでなく、44年に「隷属への道」を書くように全体主義と戦っていたわけだが、その活動は、より内面的な思索にベクトルは向いていたのだと思う。
なお、この本は「説得論集」の抄訳となっているようで、第1次世界大戦後の講和条件に関する時事評論は訳されていないようで、残念。
ちなみに、ケインズの「一般理論」は、大学時代にゼミで注釈まで含めて、一文づつ丁寧に読んで、1年間、議論し続けたもの。もしかすると、わたしが人生で一番丁寧に読み込んだ本かもしれない。
現在の興味である「全体主義」を理解するときに、再び、ケインズに戻ってきて、その文章を当時の歴史的な流れのなかに位置付けながら読むとそのリアリティがひしひしと伝わってくる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレビジョナリー・カンパニー1と2で取り上げられたエクセレントカンパニーのうち、
衰退した企業を取り上げて法則を導きだした本。
偉大な企業には法則があり、衰退する企業にも法則がある、というお話。
昔よんだ時はつまらなかったけど、今は面白く読めるという不思議。
◯衰退の5段階_人材採用と教育
企業や事業成長とともに育った人は、「意図的な人材育成」の必要性が理解できない。
結果的に、人が足りないというよりも、変革してくれる人材がいないという問題にぶちあたる。
これが組織衰退のメカニズムである。
売上はすべてを癒す。それは間違っていない。しかし売上を上げたり、事業を急拡大させているなかで変革してくれる人材の採用・教育を忘れてはいけない。
○衰退の五段階とは
第一段階:成功から生まれる傲慢
第二段階:規律なき拡大路線
第三段階:リスクと問題の否認
第四段階:一発逆転策の追求
第五段階:屈服と凡庸な企業への転落か消滅
○第一段階:成功から生まれる傲慢
・主要な弾み車の無視
・本業への熱意と回転が不足すると危険
┗ 指導者が外部にある脅威や冒険、機会に関心を奪われ、主要な弾み車を無視するようになる
・指導者の学習意欲の低下
○第二段階:規律なき拡大路線
・組織の利害より個人の利害を優先
・主要なポストのうち、適切な人材が配置されているものの比率の低下
○第三段階:リスクと問題の否認
・指導者は悪いデータを小さくみせ、良いデータを強調し、曖昧なデーター都合よく解釈する
・組織再編への固執は意味がない。問題解決のための組織再編は解決にならない。
┗ 組織再編やリストラを行うと、生産的なことをしていると思うがそれは大いなる錯覚。悪い兆候に対して組織再編を戦略や戦術に使っているようでは、否認の段階にはいってる可能性が高い。組織再編の戦略は、幹部が外的な条件ではなく、社内政治に注意を払うようになる
○第四段階:リスクと問題の否認
・「ゲームを変える」買収、新戦略への一貫性のない飛躍、興奮を呼ぶ技術革新など、劇的で大きな動きによって素早く突破口を開こうとする傾向
・救世主のような指導者への期待
・新しい計画、新しい文化、新しい戦略という新しい体制を象徴する言葉として、「革命」や「抜本的」変化といった言葉が使われはじめたら危険
・業績より売り込みの優先をするようになったら終わり。業績はすべてに優先され、売り込みは二の次で良いはず
○金言
・偉大な企業は壊滅的な破局にぶつかったときですら、回復して以前より強くなる能力をもっている
・偉大な企業は決して屈服しない、戦術を変え続ける
・偉大な企業を築くというアイディアを決して放棄しないことこそ、偉大な企業を築く
・自分の企業文化を特徴づける原則を大切にする
・損失を受け入れ、痛みに耐え、一時的に自由を失う意思をもたなければならない。だが、いずれかならず勝利するとの確信は決して放棄してはならない
・リーダー1人が会社を成長させたり立ち直らせる事はできる訳ではないが、リーダー1人によって会社を潰す事が出来る
・真に偉大な人物は好奇心と学習意欲を特徴としている
・最優先事項はビジョンではなく、もっと基本的な活動
┗ 主要ポストに適切な人材を配置、収益性の回復、顧客本位など
・企業はイノベーション不足より、リスクを取りすぎて転落するほうが圧倒的に多い
・本業への熱意と回転が不足すると危険
○まとめ
・はずみ車を無視するな
→「どの回転もそれまでの努力によるものであり、努力の積み重ねによって加速度的に回転が速まって行く。1000回転、10000回転、100000回転になり、重量のある弾み車が飛ぶように回って止めようがないほどの勢いになる。」勢いに乗ったら、勢いを保ち続けろ。回転が早くなったらチャンス。捨てるな。100000回転までいける事業は超少ない
・平時からやるべきことをやり、危機においてもブレるな
・リスクは少なくできるのであれば少なくしろ。ハイリスクをとればハイリターンがあるなんて言葉を浅はかに理解するな。潰れるぞ
偉大な企業は確かに大きな賭けを行う。しかし、喫水線以下に大穴を開けかねない賭けは避けている。
データが曖昧、矛盾している状態でハイリスクの賭けの決定を行う場合は3つの問をたてろ。
1.良い結果になったときに何が得られるのか
2.極めて悪い結果になったときにどのような打撃をうけるのか
3.その打撃に耐えられるのか、本当に耐えられるのか -
Posted by ブクログ
ビジョナリーカンパニーの3冊目で、偉大な会社がいかに衰退するか、というフォースの暗黒面を描いたもの。
なんで、やっぱり、前2作にあった元気が出る感は、さすがに少ない。
「そうだよなー」と思う事も多いが、そもそも「偉大な会社」でもないのに、衰退することを考えるのもリアリティは低いな。
というのは、「普通の会社」の衰退パターンと「偉大な会社」の衰退パターンは違うんだと思うんですね。
とまあ、ぶつぶつ文句いっているけど、このシリーズ特有の対照ケースとの比較をうまく使った調査設計やデータ分析など、方法論的な洗練と、それをすごくわかりやすい伝える語り口は健在で、思わず引き込まれてしまう。
ビジョナリーカンパニーの4つめのプロジェクトは現在進行中のようで、そちらは、衰退する話しではなく、「波乱の環境のなかで成功を納めるためには何が必要か」という元気が出る話しみたいなんで、期待したい。 -
Posted by ブクログ
偉大な企業が衰退した要因について前著2作品の結果から調査を行い、5つの段階を経て衰退していくことを書いた一冊。
今作は衰退について書かれており、 前著2作品での適切な人材や第五水準のリーダーシップやBHAGを守れずに衰退していく企業が多いと読んでいて感じました。
奢りや傲慢からくる慢心、根拠のない賭けに出るなど
後継者の選択は外部からの招聘については前著2作品とも共通するところがある。
そして、第4段階までいくとパニックから反射的にとってはいけない行動をするという心理は非常に興味深いものがありました。
ただ第五段階にまで到達していなければ堅実に経営を行うことで逆転することは可能で、IBMやニューコアなどの事例をもとに紹介されていました。
厳格に現実と向き合うというストックデールの逆説にも通じる部分が衰退してきた時にも必要であると感じました。
そして、前著二作品の考えに綻びが出てきた時衰退の歯車が回り出すのではないかとも本書を読んで感じました。