山岡洋一のレビュー一覧
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偉大な企業はなぜ偉大なのか?を大きく7つの要素で説明した1冊。
分析対象企業は米国の株式市場より11社が明確な基準で選出されており、これらを膨大な労力をかけて研究した結果がまとめられている。
誰をバスに乗せるかが重要、とはよく聞くが、行き先(ビジョン)を決めることよりも先であるというのは意外な点だった。強烈なリーダーシップを持ったリーダーがビジョンを明確に定め個の力で集団を導いていく、だけでは長期に渡る「偉大な企業」を作ることは到底できないということなのだろう。
とはいえ、どれも成功要因としては理解はできるものの、実践が難しいものばかり(偉大な企業になり得る成功要因なので当たり前だが)。
実務 -
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400ページ近い大著であるが、ビジネス書でもあり、誰でも知っている大企業を例に挙げているので、また訳も良いのだろうが、サクッと読める。ビジョナリーカンパニーの定義として業界で卓越した企業、私たちが暮らす社会に消えることのない足跡を残しているなど、があげられているが、長い間、繁栄している企業と考えられる。いわゆる100年企業というものだろうか。それらの共通した項目をあらわしたものである。「ビジョナリーカンパニーになるためには、基本理念がなくてはならない。また進歩への意欲を常に維持しなかればならない。そして、基本理念を維持し、進歩を促すように、全ての要素に一貫性がとれた組織でなければならない」と、
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ほんやくWebzineで公開されている、追悼10周年の企画で初めて著者の山岡さんについて知りました。
そこから辿るように、山岡さんが手掛けられていた翻訳通信なども拝見し、とても感銘を受けたのは翻訳というものに対する山岡さんの並々ならぬ情熱でした。
本書が、出版から20年経っていても、今なお後進の翻訳者の方々に影響を与え続けていることは、驚きでありながらも納得させられます。
翻訳業界を取り巻く厳しい現実を認めながらも、翻訳という仕事の魅力を少しも疑わず全力を注ぐ姿勢は、仕事(もっと広義で捉えるならば、自分が信じるもの)との向き合い方を教えてくれます。
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「人材は最重要の資産ではない。適切な人材こそがもっとも重要な資産なのだ。」という一文に心がスッキリした。労働力不足やら働き方改革やらで、従業員が優遇される傾向にあるが、無条件に人財扱いされるわけがないと思う。
「従業員の動機付けは、弾み車を押し続けることで、みんなが確認できるような実績を示せれば十分」といった趣旨のことが書かれていたが、これも適切な人材を集めているからこそだと思う。少し前に読んだ「V字回復の経営」という別の書籍には、従業員の意識改革に力を注いだり戦略的に仲間を増やしながら成功に導く様子が描かれており、対極的な内容で非常に興味深かった。
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ネタバレビジョナリー・カンパニーの傾向の1つとして「カルトではないがカルト『のようだ』」と書かれた文章を見た際は、思わず笑ってしまった(カルトは悪い意味ではなく、事実として忠誠心などを表す表現)。
本書でも述べられているように、だからといって個人崇拝のカルト会社を作れという訳でなく、基本理念を熱心に維持するしっかりした仕組みを持った組織を作ることが企業には求められていると書かれている。
P&Gで働く友人にこの本に書かれたP&Gの具体例をいくつか話すと非常に話が弾んだ。どうやら現在も基本理念を維持する仕組み作りは徹底しているようだった。 -
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シンプルで読みやすい。
章ごと一つだけテーマを扱っていてその具体例を上げているので分かりやすい構成。
本書は偉大な会社に共通する性質から、成功の法則を導くことを目指している。
会社を題材にしているが、個人の生き方に当てはめることが出来るため、経営者で無くとも読む価値のある一冊だと思った。
自分のことで言えば、明確でシンプルなビジョンがないまま、流行や勧められたことに手を出すから、自分の行動には持続性が無いんだなぁと実感した。
言葉にすると恥ずかしいが実際そうだったので仕方ない。
流行や勧められたものでも、ビジョンに合っているかどうかなど考えていなかった。
自分の人生で何を達成するのか、それ -
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【要点】
本書は、世界の偉大な11社を徹底分析し、
良い(Good)企業 から 偉大な(Great)企業
へ飛躍するための7つの法則(①~⑦)につい
て説明されている。
①第五水準のリーダーシップ(★が第五水準)
・有能な個人
(スキルが高い人)
・組織に寄与する個人
(他の人と協力できる人)
・有能な管理者
(ヒト・モノ・カネを組織化して
効率的・効果的に成果を出す人)
・有能な経営者
(ビジョンへの支持し、組織を刺
激し動かす人)
★偉大な経営者
(謙虚さ・意思の強さの2面性を
持ち合わせている人)
②適切な人を選抜→行先(目標)を決める -
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1955年から日本の企業を分析し、ボストン・コンサルティングの初代日本代表も務めた著者が、1958年に発表した「日本の経営」に続き、高度経済成長や日本製造業の世界的な台頭、そしてバブル崩壊による不況を経た2004年に、改めて日本的経営の持つ特質とその強みを分析した一冊。
著者は、「終身雇用・年功序列・企業内労働組合」が日本的経営の特質であることを踏まえつつ、そうした特質が古く改善すべきものとされ、株主が企業の支配者であると考えるアメリカ式経営がもてはやされる昨今の日本の企業経営に対して、警鐘を鳴らす。
幾つもの定量的なデータから、アメリカ式経営は決して成功しているとは言えないこと、日本のよう -
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翻訳の歴史からはじまり、翻訳業界の実態、問題点まで厳しく書いた本。語学力を生かした仕事がしたい、小説は書けないけど翻訳ならできるだろう…多くの翻訳学習者が抱いている甘い考えを容赦なく切り捨てている。
翻訳は原著を深く理解し、日本語で表現する仕事。
英語の読解力について
第一段階→文法知識に基づき文章の構造を解析し、単語の意味を辞書で調べながら読む段階。学校教育で学ぶ英文和訳のレベル。
第二段階→外国語であることを意識せず、文章構造を意識しなくても自然と内容を理解できる段階。辞書がなくとも単語の意味が文章から推測できるため、辞書なしでいくらでも読み進められる。
第三段階→英文の内容を深く理解し -
Posted by ブクログ
* 当たり前なのだけど、みんな価値観が違うというのを最確認できた。
** 読む前は NT 開発時のデスマの話ぐらいしかイメージがなかったのだけど、登場するエンジニアの価値観の多様さに驚かされた。漠然と MS であればスキルが高いエンジニアがいるのだから、それなりにまとまっているのかと思っていたのだけど、スキルが高い以外は全く共通点がなく、まとまりがあるようにも見えなかった。
** 自分の周りにもいろんな価値観の人がいるわけで、それはあたり前のことなんだと再認識できた。
* アメリカでも一部は無茶苦茶働くという話は聞いたことがあったが、その実例を見ることが出来た。
* 別に難しいことは書いてない