山岡洋一のレビュー一覧
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ビジョナリー・カンパニーとは、ビジョンを持っている企業、未来志向の企業、先見的な企業であり、業界で卓越した企業、同業他社の間で広く尊敬を集め、大きなインパクトを世界に与えてきた企業と定義されている
そんな企業に必要なのは、いつ、いかなる状況においても不変の理念を持つこと、そして、それに対して一貫性を持つこと、それを基軸にしてやれることは何でもやること、そこにカリスマ指導者だったり才能だったりはいらないと
すごく励まされる内容だ
自分にはカリスマ要素も才能もないけれど、そんな自分にも理念やそれに対する責任を持てば、自分のビジョナリー・カンパニーを創設することができるんだと思えた
反面、この理念をどう設定するかが現状の課題でもある
どんな状況においても、いついかなる時も変えることのない理念
それは個人レベルでは使命ともいえよう
自分はここが圧倒的に薄いと感じる
自分の使命は何だろうなぁ -
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偉大な企業が衰退に至るまでを5段階で分析。その全ての段階が衰退に至る必然に感じられ、小さなボタンの掛け違いが取り返しのつかないことに進んでいくのかと思う。本の詳細にはいくつも唸らされるような記述があるが、その中でも、「不適切な人材と適切な人材の違いでとくに目立つ点の一つは、不適切な人材が自分はこれこれの「肩書き」をもっていると考えるのに対して、適切な人材が自分はこれこれに「責任」を負っていると考えることである。」という点が経験上からも納得度が高い。この不適切な人材が衰退の5段階の第1段階にしており、早い段階でバスから降ろしてあげなくてはいけないと感じる。
以下、備忘しておきたい一文。
・暗闇からの脱出の道は、このように腹立たしいほど頑固な人物、そもそも屈服することができない人物から始まる。強烈な敗北を喫するのはやむをえない。永続する企業や団体なら、その歴史のなかでほぼかならずそういう時期がある。だが、長期にわたって苦闘する価値があるのは価値観と目標があるからであり、これを放棄してはならない。失敗とは外的な状態ではなく、心の状態である。成功とは、倒れても倒れても起き上がる動きを果てしなく続けることである。 -
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ネタバレ真に優れた会社とは何か、を論理的に突き詰めた伝説的ビジネス書。長く売れている本というのはやはり安定して面白い。
結局ビジョナリーカンパニーってのは「長く大当たりをしている会社」なんだよな。そういう意味で「卓越した指導者」というのは必要ないし、むしろ邪魔になってしまう。大事なのは一つの方向に進め続ける『会社の仕組み』なんだ。
それを端的に表したのが「時を告げるのではなく、時計をつくる」というフレーズで、個人的にだいぶ気に入っている。
社会人として生きていると、思っていた以上に内部の争いが多くて辟易する。実際人が人を管理するのは一定数を超えるとだいぶ厳しくなってしまうため、もしビジョナリーカンパニーのような『統一性(思想の立脚点)』があればすごい楽だろう。そして変な方向に行かずにも済む。
今でこそ会社のビジョンやパーパスなんかが注目されるようになったけど、ガワだけ真似るだけじゃ意味がないってことをキチンと学べた。
……自分の会社では全く出来ていないことを悲しく思えたのはナイショだぜ? -
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侵してはならない個人の自由、言論の自由の大切さ、社会が個人に行使する権力の性質と限界について説く。明治日本の自由民権運動にも大きな影響を与えた、自由論の古典的名著。
言論を統制する権力は不当である。その害は人類全体に及び、後の世代も被害を受ける。そして、意見の発表を禁じられた人以上に、意見に反対する人が被害を受ける。その意見が正しい場合、自分の間違いを正す機会を奪われるからである。
「思想と言論の自由」は、人類の知性の健全な発達のために必要である。人は議論と事実によって、自分の誤りを改めることができる。人間の判断に頼ることができるのは、間違いを正すための手段が用意されている時だけである。
古い時代、支配者は国民の意思とは無関係に権力を握っており、国民と利害が対立した。そして、自由とは「支配者による圧政からの保護」を意味した。その後、国家の行政を動かす役職に国民の代表がつく方が良いと考えられるようになると、一時的な支配者を選挙で選ぶ方法が求められるようになった。
「国民の意思」とは、現実には多数派の意思である。このため国民の一部を抑圧するよう望む場合がある。これは権力の乱用の一種であり、いまでは政治について考える時、この「多数派の専制」は、社会が警戒すべき悪の1つとされている。
社会が個人に干渉する時、それが正当かどうかを決めるのは、次のような原則である。
・人間が個人としてであれ、集団としてであれ、誰かの行動の自由に干渉するのが正当だといえるのは、自衛を目的とする場合だけである。
・文明社会で個人に対して力を行使するのが正当だといえるのはただ1つ、他人に危害が及ぶのを防ぐことを目的とする場合だけである。 -
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【メモ】
第5章
商品の真の価格と名目価格、労働価格と貨幣価格
人が豊かだとか貧しいとかいうとき、どれだけものを手に入れる力があるのかを意味する
↓
どれだけの量の他人の労働を支配可能か
※分業の確立に伴い自分の労働で生産可能なのはごく一部となる(他人の労働の成果)
労働力→ ←労働力
労働力→ モノ ⇆ モノ ←労働力
労働力→ 交換 ←労働力
(支配・購入出来る労働力の量)
Ⅱ
労働が真の尺度
"労働"こそが当初の対価、本来の通貨
(唯一普遍的)かつ(唯一正確)
※世界の全ての富は元来、労働により獲得
×金 ×銀 ではない
トマス・ホッブス『リヴァイアサン』
富の所有=購買力(富の大小は購買力に比例)
(変動しない)
真の価格:労働に対して支払われる生活必需品と利便品の量
(変動する)
名目価格=金銭の量
商品 ー (労働量) (通貨)
⇅ 一定 ⇅ 不安定
商品 ー (労働量) (通過)
労働だけは価値が変化しない=最終的な比較手段
※ 地代 ー(穀物)安定
ー(金・銀)不安定
商品の種類・時期は場所の違いを超え比較可能
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偉大な企業はなぜ偉大なのか?を大きく7つの要素で説明した1冊。
分析対象企業は米国の株式市場より11社が明確な基準で選出されており、これらを膨大な労力をかけて研究した結果がまとめられている。
誰をバスに乗せるかが重要、とはよく聞くが、行き先(ビジョン)を決めることよりも先であるというのは意外な点だった。強烈なリーダーシップを持ったリーダーがビジョンを明確に定め個の力で集団を導いていく、だけでは長期に渡る「偉大な企業」を作ることは到底できないということなのだろう。
とはいえ、どれも成功要因としては理解はできるものの、実践が難しいものばかり(偉大な企業になり得る成功要因なので当たり前だが)。
実務に引き寄せる上では巻末のFAQコーナーが役に立つ。 -
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ほんやくWebzineで公開されている、追悼10周年の企画で初めて著者の山岡さんについて知りました。
そこから辿るように、山岡さんが手掛けられていた翻訳通信なども拝見し、とても感銘を受けたのは翻訳というものに対する山岡さんの並々ならぬ情熱でした。
本書が、出版から20年経っていても、今なお後進の翻訳者の方々に影響を与え続けていることは、驚きでありながらも納得させられます。
翻訳業界を取り巻く厳しい現実を認めながらも、翻訳という仕事の魅力を少しも疑わず全力を注ぐ姿勢は、仕事(もっと広義で捉えるならば、自分が信じるもの)との向き合い方を教えてくれます。
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1955年から日本の企業を分析し、ボストン・コンサルティングの初代日本代表も務めた著者が、1958年に発表した「日本の経営」に続き、高度経済成長や日本製造業の世界的な台頭、そしてバブル崩壊による不況を経た2004年に、改めて日本的経営の持つ特質とその強みを分析した一冊。
著者は、「終身雇用・年功序列・企業内労働組合」が日本的経営の特質であることを踏まえつつ、そうした特質が古く改善すべきものとされ、株主が企業の支配者であると考えるアメリカ式経営がもてはやされる昨今の日本の企業経営に対して、警鐘を鳴らす。
幾つもの定量的なデータから、アメリカ式経営は決して成功しているとは言えないこと、日本のように文化や歴史的背景が欧米とは異なる国においては日本的経営が合致しているのであり、無理やりにアメリカ式経営を導入する必要がないことを明らかにしていく。
昨今の日本の企業経営を巡る環境変化としてプラスなのは、金融ビッグバン制度の導入による財務会計の変化(連結会計やキャッシュフロー計算書の開示義務、時価会計による適切なBS評価等)くらいであり、社外取締役の導入によるコーポレートガバナンスの変化や、成果主義の過度な導入、高齢化社会による労働力不足を積極的な移民導入によって解決しようすることの危険性など、具体的なテーマも多く、学びの多い1冊だった。 -
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翻訳の歴史からはじまり、翻訳業界の実態、問題点まで厳しく書いた本。語学力を生かした仕事がしたい、小説は書けないけど翻訳ならできるだろう…多くの翻訳学習者が抱いている甘い考えを容赦なく切り捨てている。
翻訳は原著を深く理解し、日本語で表現する仕事。
英語の読解力について
第一段階→文法知識に基づき文章の構造を解析し、単語の意味を辞書で調べながら読む段階。学校教育で学ぶ英文和訳のレベル。
第二段階→外国語であることを意識せず、文章構造を意識しなくても自然と内容を理解できる段階。辞書がなくとも単語の意味が文章から推測できるため、辞書なしでいくらでも読み進められる。
第三段階→英文の内容を深く理解し、文章の構造や英語と日本語の違いを意識しながら、表現できる段階。
翻訳を学習する際は、最低でも第二段階まで達していなければならず、第二段階の目安として英語の本を百冊(!)程度は読んでいなければならない。
翻訳学習者のほとんどは「得意な語学を活かして〜」と言いながら第二段階に達している人はほとんどおらず、第一段階すらままならない人もいる、ということを指摘している。
半端な気持ちで翻訳者を目指すべきではないことを痛感させられる本。 -
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* 当たり前なのだけど、みんな価値観が違うというのを最確認できた。
** 読む前は NT 開発時のデスマの話ぐらいしかイメージがなかったのだけど、登場するエンジニアの価値観の多様さに驚かされた。漠然と MS であればスキルが高いエンジニアがいるのだから、それなりにまとまっているのかと思っていたのだけど、スキルが高い以外は全く共通点がなく、まとまりがあるようにも見えなかった。
** 自分の周りにもいろんな価値観の人がいるわけで、それはあたり前のことなんだと再認識できた。
* アメリカでも一部は無茶苦茶働くという話は聞いたことがあったが、その実例を見ることが出来た。
* 別に難しいことは書いてないのだけど、普段より読むのに時間がかかった。つい、考えこんでしまう内容だったのかもしれない。 -
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今は亡き名翻訳者が、翻訳の歴史、翻訳者の生活、翻訳ビジネスなど、総括的に、多面的な観点で翻訳について語った本。
自分は翻訳を手掛けているが、きっかけは「能力があるので片手間で」程度だったか、自分の態度の甘さを思い知らされた。
英文和訳と翻訳の違い、翻訳学校の意義、翻訳学校のビジネスについての項は特に興味深く読んだ。
心に残ったのは、
翻訳学校に通っても、一流の翻訳家に学べる確率はそう高くはない。ところが、書店に行けば、一流の翻訳家がみな、訳書という形で翻訳のノウハウを示してくれている。自分が本当に尊敬できる翻訳家を選んで訳書と原著を手に入れ、訳書を見ないで原著を翻訳していき、訳書との違いをひとつづつ確認していけばいい。この方法なら、翻訳学校で教えていない翻訳家からも、亡くなっていて学べる機会がないはずの翻訳家からも学べる。無料で添削を受けられる。一流の翻訳を真似ることができる。
そして、これを書いた名翻訳者の山岡洋一氏も、今は亡き人となってしまったのかと感慨深く思った。
全体的に厳しいことをたくさん書いており、痛烈な批判も多いが、実際に接した方によると、山岡氏はとても温厚で、日本の翻訳業界の向上に努めようとされていたそうである。今は亡き人となってしまい、本当に残念。