原基晶のレビュー一覧

  • チェーザレ(11) 破壊の創造者

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    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックスの11巻。

    ピサ校で、教授資格認定試験に無事合格したメディチ家御曹司ジョヴァンニ。ピサ大司教リアーリオやボルジア家の後ろ盾もあり、晴れて枢機卿となったジョヴァンニは、アンジェロを伴い、ローマの教皇庁へと向かう。アンジェロは、密かにジョヴァンニの周囲の動きを報告するよう、チェーザレ・ボルジアの命を受けていた。

    ローマで、枢機卿であり教皇庁高官でもあるチェーザレの父、ロドリーゴはジョヴァンニを暖かく迎えいれる。アンジェロとジョヴァンニは、チェーザレの妹ルクレツィアと出会い、その愛らしさに魂を奪われる。

    ロドリーゴ・ボルジアは教皇の座を狙っ

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    2015年04月21日
  • チェーザレ(1) 破壊の創造者

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    第1巻。中世イタリアのルネサンス期を生きたチェーザレ・ボルジアの生涯。
    世界史には疎く、塩野七生さんが彼に関する本を書いてるなー程度の知識で読み始めましたがすごく面白いです。フィレンツェ出身の学生アンジェロの視点から、
    サピエンツァ大学ピサ校の学生団の特色とその間で起こっている派閥争いが浮き彫りになります。

    16歳の美しく堂々としたチェーザレ。精巧に描かれた惣領冬実さんの絵柄に惹かれながら、先が楽しみでなりません。

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    2016年01月19日
  • チェーザレ(2) 破壊の創造者

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    こういうマンガがあると日本の様々なカテゴリーでのレベルを問題にする輩もいそうだが、気にせず楽しめば良いかと。
    名前なら誰もが知っている人物を絡ませ関心を引かせるなどフィクションの作り方がうまい。
    作り手は相当の時間と労力がかかるだろうが、読み手もマンガとしては時間を必要としますな。

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    2015年01月25日
  • チェーザレ(11) 破壊の創造者

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    ネタバレ

    ロレンツォ・デ・メディチ死去。
    そしてますます複雑になるイタリア情勢……。

    ロレンツォが死の間際に、ジョヴァンニが教皇となるシーンを夢に見るんだけど、チェーザレを読みながら初めてWikiで史実を確認してみました。
    ジョヴァンニは後の教皇レオ10世だったのね……。

    歴史ものは基本的な展開は厳然たる史実としてあって、書物などからは計り知れない部分をどう描くか、というところがやはり醍醐味だなあと。

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    2015年01月23日
  • チェーザレ(10) 破壊の創造者

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    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くシリーズ10巻。

    教皇インノケンティウス8世の死期が迫る中、教皇を操ってきたジュリアーノ・デッラ・ローヴェレが動き出す。デッラ・ローヴェレがナポリと結ぶことにより、イタリアの平和の要となっていたナポリ・フィレンツェ・ミラノの三国同盟は崩れる。
    イタリア半島を緊張が覆う中、自身も死が迫っていたロレンツォ・デ・メディチの悲願は、息子、ジョヴァンニが枢機卿となること。そのためには、ジョヴァンニはサピエンツァ大学ピサ校の教授資格認定試験に合格する必要があった。試験官の1人として選ばれたのは、すでに教授資格を持つチェーザレ。
    チェーザレもジョヴァンニもそして

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    2014年11月21日
  • チェーザレ(9) 破壊の創造者

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    <「歩み方は人それぞれ---。閣下には閣下の歩み方というものがあります」 >

    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの9巻。

    レコンキスタが終結してお祭りムードだが、ロレンツォ・デ・メディチの健康状態は思わしくない。微妙な均衡を保っていたイタリアの半島の平和は保たれるのか。

    前巻に続き、1492年である。
    この巻では大きな動きというよりも、背景となるエピソードが描き出される。
    イタリア半島内の各勢力がそれぞれの思惑で動き始める。

    チェーザレはアンジェロをジョヴァンニ・ド・メディチの側近に推挙する。
    フィレンツェ出身であり、メディチ家の支援の元に大学に通えたアンジェロに対し

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    2014年10月15日
  • チェーザレ(8) 破壊の創造者

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    <半島の要となっていた支柱が揺らぐ >

    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックスの第8巻。

    ついに激動の1492年が幕を開ける。
    レコンキスタが終結し、スペインはキリスト教国となる。各地で祝杯が挙げられるが、さてこれがユダヤ教徒をはじめとする異教徒や改宗者にとってはどういう意味を持つのか。徐々に生粋のキリスト教徒以外を排除する不穏な動きが始まる。
    チェーザレはピサ大司教ラファエーレとともに、フィレンツェ・メディチ家での祝祭に参加する。メディチ家とラファエーレの間には、14年前の大事件によるしこりがあった。パッツィ家の陰謀事件と呼ばれるもので、その際、メディチ家当主ロレンツォの

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    2014年09月12日
  • チェーザレ(7) 破壊の創造者

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    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンス期を描くコミックスの7巻。

    1492年は、コンクラーベ(教皇選)、レコンキスタ((キリスト教勢力による)再征服運動)終焉、そしてコロンブス出航の年である。物語はこの山へ向かっていく。
    この巻の舞台はその前年、1491年の降誕祭。いわば、嵐の前夜である。

    チェーザレは在学中のピサで、メディチ家の子息、ピサ大司教のリアーリオとともに、降誕祭のミサに臨む。同じ頃、チェーザレの父・ロドリーゴもローマでミサに臨む。

    夜半のミサを終え、ピサ大聖堂で佇むチェーザレの前には、200年前、遠征中に病に倒れて命尽きたドイツ人皇帝・ハインリヒVII世の墓があった。
    聖堂内

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    2014年07月29日
  • チェーザレ(10) 破壊の創造者

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    読み応えがある。
    第一部完結といった趣か。

    アンジェロの成長ぶりと変わらなさが微笑ましい。
    チェーザレは、これからどうなっていくのか。
    どこまで描くのか。
    期待大。

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    2014年05月14日
  • チェーザレ(6) 破壊の創造者

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    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの6巻。

    学生を2つに分けた模擬戦。チェーザレ率いる以南軍が勝利する。その祝賀会の喧噪の陰で、チェーザレを狙う密偵2人の正体が明らかになる。
    メディチ家の縁で大学進学が叶ったものの、チェーザレに惹きつけられているアンジェロは、その場に居合わせる。身近で意外な人物がチェーザレを付け狙っていたことを知ってショックを受け、また、チェーザレをかばって深傷を負う。

    密偵は命を落とす。傍らで”Agnus Dei”を唱えるチェーザレ。

    実力者ロレンツォ・デ・メディチは体調が思わしくなく、一方で次期教皇選も近い。
    チェーザレの幼少期も描かれ、彼が逃れら

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    2014年05月06日
  • チェーザレ(5) 破壊の創造者

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    <重装備か軽装備か。騎馬戦は今も昔も血湧き肉躍るもの。>

    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くシリーズの第5巻。

    前巻(4巻)の祭のシーンからの続きである。
    平民の装いをし、庶民生活を垣間見て楽しむチェーザレだが、そんな彼を刺客が付け狙っていた。刺客に気づいておびき出し、口を割らせて黒幕の正体を暴こうとするチェーザレ。捕まったかに見えた刺客は手に武器を隠し持っていた。
    チェーザレを守ろうとする側近のユダヤ人ミゲルと、「臣下」の立場を思いやるということがないチェーザレの噛み合わないやりとりが苦笑を誘う。

    この巻のもう1つの見せ場は学生を2つに分けて行われる「模擬戦」である。
    学生た

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    2014年03月09日
  • チェーザレ(4) 破壊の創造者

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    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンス期を描くコミックの4巻目。

    初巻は幕開けだから説明的なセリフが多いなぁと思っていたが、4巻になってもセリフは長目である。
    チェーザレは、メディチ家・ピサ大司教をバックアップし、来るべき教皇選での父への2票を確実にしようとする。一方で反対勢力であるドメニコ会の敵意を買う。
    ストーリーはぐいぐいと進むわけではないが、徐々にチェーザレが権謀術数を弄し始めていくというところか。
    この巻でルクレツィア登場。11歳だがさぞかし美しく育つだろうという美少女である。4年前、チェーザレとルクレツィアが初めて出会う回想シーンも挟まれる。
    側近・ミゲルはチェーザレに心酔してい

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    2014年01月31日
  • チェーザレ(1) 破壊の創造者

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    チェーザレ・ボルジア、全く知らなかったす。ダヴィンチはいわずもがな、メディチとかも名前くらいは聞いたことあったけど、正直、主人公のことは…あらためて知らないことが多すぎて、情けない気分になったりはするけど、裏を返せば、まだまだ未知の世界が広がってるってポジティブに考えたりして。漫画自体は、ちょっと表情が乏しい感じがするけど、背景も含めて丁寧に描かれてて、物語の展開させ方は良い感じ。とりあえず3巻まで読んだけど、この先の展開も気になります。

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    2013年12月13日
  • チェーザレ(2) 破壊の創造者

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    「それではご自分は優れた指導者に成りうる自信がおありですか?」「それは私が決めるべきことではない。神が決めることだ」

    チェーザレ・ボルジアを軸に、ルネッサンスを描くコミックの2巻。
    冒頭の引用は怖いもの知らずの天然少年アンジェロの問いにチェーザレが答えたもの。
    暴君か、はたまた類い稀な指導者か。型にはまらぬチェーザレの人となりが徐々に明らかになっていく。
    教皇の死を目前にして、ボルジア家、メディチ家、ローヴェレ家、それぞれの思惑が絡み合う。腹の探り合い、謀略の数々。覇権を得るのはどの勢力なのか。
    クリストファー・コロンブス、レオナルド・ダ・ヴィンチといった魅力的な人物も続々登場し、物語のこの

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    2013年12月04日
  • チェーザレ(1) 破壊の創造者

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    <「カエサル」という名を持つ男。>

    新聞広告で知り、書評で興味を持ったコミック。
    チェーザレ・ボルジアを描いた作品である。チェーザレはラテン語ではカエサル。古代ローマ帝国の礎を築いた英雄と同じ名を持つ男は、その偉大さもまた受け継ぐのか。
    ルネサンス期の壮大なドラマが美麗な絵で繰り広げられる。

    自分が知ったのは最近なのだが、1巻刊行は2006年、すでに10巻まで出ている。
    「破壊の創造者」というパンチの効いたサブタイトルがよい。
    1巻では、石工の家に生まれた学業優秀な青年・アンジェロが狂言回しとなり、この時代のピサの大学へと読者を誘う。
    この巻は導入で説明的セリフも多い。
    出身地ごとに形成さ

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    2013年11月04日
  • チェーザレ(10) 破壊の創造者

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    ジョヴァンニ・ド・メディチの学位試験。
    俗物化した聖職者たちを教義に反さないよう正当化する論述、それが試されるみたいですね。
    物は言いようであり、教会の権威を保つには必要な話術。
    最終試験に相応しいです。
    そしてジョヴァンニは枢機卿となり、アンジェロの就職先も決まり、チェーザレには権謀術策を巡らす、血生臭い波乱の日々が…待ってるはず。
    今巻で第一部完結といった具合ですが、もちろんまだ続くんだよね? ?

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    2013年10月12日
  • チェーザレ(9) 破壊の創造者

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    15世紀末のイタリア。
    金欲・色欲・物欲にまみれた聖職者たちの権力闘争劇です。
    イタリア半島国家間のパワーバランスが崩壊し、教皇選も間近。
    何やらきな臭い、波乱の予感を残し次巻に続きます。
    時代考証はしっかりしているし、作画は重厚で堅実。
    少し盛り上がりに欠けるのかなと思ってましたが、まだ物語は序盤だったということみたいです。

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    2013年09月29日
  • チェーザレ(10) 破壊の創造者

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    9巻発売から約一年。ようやく出ました!

    どっしりと重厚で、隅々まで美しく。
    まるで絵画付きの歴史書を読んでいるかのよう。
    サラサラと読める漫画ではありませんが、読後には深い満足感が。

    チェーザレの青年期、この巻にて終わりというところでしょうか?
    次巻以降は権謀術数渦巻くローマ編突入ですね。

    11巻の発売を、気長に待つとします^^

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    2013年05月03日
  • チェーザレ(9) 破壊の創造者

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    描き込みが素晴らしい。
    建築に装束に調度品、よくぞこれだけいつも描けるものだ。

    どろどろの政治闘争が、するすると読めてしまう。
    淡々とした画面、絵と台詞でそれぞれで魅せる場面の緩急が上手い。

    いよいよチェーザレの下を離れることになるのか。
    ダヴィンチとミケランジェロの登場も気になる。

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    2013年04月18日
  • チェーザレ(10) 破壊の創造者

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    9巻から1年かけてようやくの10巻。作者いわく、これで序章が終了とのこと(確かにチェーザレここまで何にもしてない)。連載開始から8年かけて序章ということは、終わりはまだながい。。
    それだけの時間をかけて制作されているだけあって精緻に組み立てられた世界観、展開はすばらしい。9巻では違和感あった作画も、盛り返すどころか相当クオリティを上げている。
    ジョヴァンニ・デ・メディチの教授資格認定試験も終わり、次巻からはローマに舞台を移す。教皇選が本格的に展開され、チェーザレも活躍するはず。

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    2013年04月09日