【感想・ネタバレ】チェーザレ(8) 破壊の創造者のレビュー

あらすじ

「なんということだ」「この半島の要ともいえる支柱が、今まさに倒れようとしているのか」――1492年。チェーザレは本国スペインの歴史的勝利・レコンキスタの終結を祝うため花の都フィレンツェへと向かう。だが真の目的は、ロレンツォ・デ・メディチと彼の弟殺害の容疑者ラファエーレ・リアーリオとの同盟を成立させること。メディチ家を襲った悲劇から14年。かつての因縁が選ぶのは新たな平和か、混迷か? ルネッサンス史上最大のミステリー・パッツィ家の陰謀事件の真実を描き出す。500年間隠され続けた真の黒幕とは……。

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やっぱり画がキレイ

どんどん壮大になってくる物語が美しい画で描かれていて、ワクワクしながら読みました。
ロレンツォ・デ・メディチの器の大きさと偉大さが伝わってくるだけに、「半島の要とも言える支柱が今まさに倒れようとしているのか」が重く響きます。

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2022年05月18日

Posted by ブクログ

借りたもの。
戦争の勝利で始まり、次の戦争の予感で終わる巻だった。

遂にイベリア半島でレコンキスタが完了する。イスラーム側の無血開城――ゆえに今に至るまでその美しさを保持している――……これに至るまでも様々なドラマがあるだろうが、描かれないのは致し方なし。
しかし、これは新たな戦いの始まりに過ぎない……
シャルル8世の領土拡大の野心が仄めかされる。長きにわたるフランスの介入、世俗的とも思えるが当時のカトリックの教皇は領主でもあった。複数の都市国家でもあったイタリア半島。
そうした勢力の抗争……戦争の予感がする。

オルシーノ・オルシーニ……哀れだけれどそれ故に卑屈。彼の妻・ジュリアがチェーザレの父・ロドリーゴの愛人という事実を知る衝撃的な展開にみせる手腕。
さらには怪僧・サヴォナローラがチェーザレと接触する怒涛の展開。知識階層、教養人の公用語であるラテン語格言のやりとりに緊張が走る。

…からの怒涛のギャグ展開。
久しぶりに顔を見たフランス団のアンリ……鼻が…曲がってる……ミケランジェロみたいに…
そしてアンジェロが初めての娼館へ。スペイン団のメンバーに嵌められて?ぽっちゃり系のマヌエラの部屋へ。
惣領さんが描く娼館は何処か妖艶で…古代ローマの大浴場を彷彿させた。その雰囲気でマヌエラが語る娼婦としての矜持は気高い。

ロレンツィオの口から語られるパッツィ家の陰謀。
その回想シーンはリアルで、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、ヴェッキオ宮で惨劇があったことを臨場感をもって伝えてくれる。
そして惜しまれる、ロレンツォの死が間近に迫っている不穏な空気で幕を閉じる……

フィレンツェの街並み描写にウキウキしてしまう。

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2022年04月19日

Posted by ブクログ

ヨーロッパ史に疎く、ローマ帝国関連も殆ど知らない訳ですが、勉強も兼ねて、楽しく読んでおります。絵も綺麗で描き込み具合も半端なく、素晴らしいと思います。順調に思えた将来に、暗雲立ち込めそうな気配が濃厚ですが、さてこれからの運命やいかに、ってところですね。

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2016年08月27日

Posted by ブクログ

第8巻。レコンキスタ終結の祝祭、パッツィ家の陰謀事件(回想)、教皇庁とナポリの同盟復活の兆し。

ミラノ・ナポリ・フィレンツェ間の三国同盟によって長らく教皇を牽制してきましたが、その支柱を担ってきたロレンツォの不調によってその基盤が崩れ始めます。史実の部分が暗い過去と混沌とした展開になってきただけに、ピサにいるアンジェロの平和そのものの小休止には救われます。
サヴォナローラ「運命はガラス細工だ。輝く時に砕け散る。」
チェーザレ「運命の女神は臆病者の味方はしない。」

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2016年01月23日

Posted by ブクログ

1492年スペインでレコンキスタが終結。
祝祭の為訪れたフィレンツェで語られるパッツィ家陰謀事件。
国と国、人と人の思惑が絡み合う激動のヨーロッパ史が綴られています。
1492年ってコロンブスだけじゃなかったんですね。

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2010年11月11日

Posted by ブクログ

美麗なイラストと資料と検証に裏打ちされた骨太なストーリが◎。
漫画をあまり読まなくなってしまいましたが、その中でも続きが待ち遠しい数少ない漫画の一つ。
巻末の解説がありがたや~で☆五つ

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2010年11月01日

Posted by ブクログ

前巻が出てから1年強という長~~いお休みがあり、満を持して・・・・という感じでようやく発売されたこの第8巻。  今回も実に美しく、そして読み応えがありました。  KiKi の心の恋人(?)チェーザレ様は美しくも大人びた美青年からあっという間に脱皮し、表舞台に出る直前の助走期間の 男 になっていました。  なんというふてぶてしさ!!  そしてなんという鮮やかさ!!  さて、一応 KiKi は高校時代に「世界史」を専攻していたはずなんだけど「レコンキスタ」こそは記憶にあったものの、「パッツィ家の陰謀」っていうのは正直、知らなかったなぁ・・・・・ ^^;  今号の巻末の解説でじっくりとお勉強させてもらっちゃいました。  なんでも「ルネッサンス時代の研究をしている人ならば誰もが知っているような有名な事件」とのこと。  KiKi はそれなりに「ルネッサンス絡み」の本を読んできたつもりだったんだけど、まだまだダメですねぇ・・・・・。  まぁ、うっすらと、イル・マニーフィコが若かりし頃に反メディチ派に襲われた云々っていう話があったのは覚えていたんですけど、あれが「パッツィ家の陰謀」だったんですねぇ。

この時代のイタリアってあまりにも複雑でよくわからないんですよね~。  権謀術数の花盛り~っていう感じで・・・・・。  ついでに群雄割拠でグチャグチャだし・・・・・。  でも、そういう時代だったからこそチェーザレみたいな早熟の天才(?)が生まれる土壌があったと理解すべきなんでしょうね。

(全文はブログにて)

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2010年10月26日

Posted by ブクログ

週刊モーニング連載作品を加筆修正して単行本化してるせいか、刊行ペースは遅い。でも、待つ甲斐があるビジュアルの美しさ。そして、イタリアルネサンスの歴史を多少なりともかじっている読者にとっては、ルネサンス期の歴史に名を残した人物たちが繰り広げる華麗な歴史絵巻であるだけでなく、リアルな政治軍事経済文化のドラマを堪能できる作品でもある。超絶美形で若くて才気にあふれるチェーザレ様と、ミゲルをはじめとするスペイン団+アンジェロの仲間達もとっても魅力的。

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2010年10月22日

Posted by ブクログ

<半島の要となっていた支柱が揺らぐ >

チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックスの第8巻。

ついに激動の1492年が幕を開ける。
レコンキスタが終結し、スペインはキリスト教国となる。各地で祝杯が挙げられるが、さてこれがユダヤ教徒をはじめとする異教徒や改宗者にとってはどういう意味を持つのか。徐々に生粋のキリスト教徒以外を排除する不穏な動きが始まる。
チェーザレはピサ大司教ラファエーレとともに、フィレンツェ・メディチ家での祝祭に参加する。メディチ家とラファエーレの間には、14年前の大事件によるしこりがあった。パッツィ家の陰謀事件と呼ばれるもので、その際、メディチ家当主ロレンツォの弟は命を落とし、ラファエーレは無実であったのだが陰謀の首謀者一派と疑われ、拘禁されて厳しい尋問を受けた。その後、この事件は内乱状態を引き起こす。ロレンツォは策謀をもって争いを何とか収め、名実共にピサの統治者となる。
ラファエーレはこの事件の黒幕、ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレと姻戚関係を結んでいたが、1492年の頃には、徐々に、ボルジア派に近寄りつつあった。
ある意味、メディチ家の祝祭は、ラファエーレとロレンツォの和解の場であった。その席で、ラファエーレは国を揺るがしかねぬジュリアーノの野望についての情報をもらす。
しかし、そのとき、この間の半島の平和を守る要であったロレンツォは病に蝕まれつつあった。

登場人物の年齢を見て、改めて驚く。チェーザレ、17歳。老人のように見えるロレンツォは43歳である。中味の濃い一生であるとともに、今と比べれば相当早熟である。

チェーザレを守って怪我をしたアンジェロはピサに残る。傷も癒え、街は祝祭ムード。悪友に快気祝いとして娼館に連れ込まれる。乳母のマリアが知ったら卒倒しそうな気もするが、はてさてこうした「通過儀礼」は本当に当時の若者にはよくあることだったのか、また娼館の様子もこのようであったのか。このシリーズのことだから、かなり調べてはいるのだろうけれど。

チェーザレと反メディチの僧が街の一角で出会い、言葉を交わす。このやりとりのラテン語格言がなかなかかっこいい。

僧:「fortuna vitrea est; tum cum splendet frangitur(運命は硝子細工だ。輝くときに砕け散る。)」
チェーザレ「fortes fortuna juvat(運命の女神は臆病者の味方はしない)」



歴史にifはないとはいうが、この巻を読んでいると、少しの違いで結果がまったく変わっていたことはありうるのではないかと思えてくる。
パッツィ事件の際にロレンツォ・デ・メディチが命を落としていたら、あるいは逆に、彼がもっと長生きであったら、半島の勢力分布はかなり変わっていたのではないか。

さまざまな人々のさまざまな野望が絡み合いながら、1492年の暦は巡る。
チェーザレは最終的にはこの覇権争いに勝たない。その結末は動かせないが、さて、チェーザレの人物像が、これまで描かれてきたように英雄性を秘めた大きなものなのか、それとも一般的なイメージのように冷酷で残虐なのか、あるいはそれすらも併せ持つのか。
もう少し、チェーザレの目から見るこの時代を共に旅してみよう。


*最後の場面に象徴的に出てくる彫像は、ピサ大聖堂の説教壇の(推定)ヘラクレスと思われる。ジョヴァンニ・ピサーノの作。製作は1302年~1310年頃。あれ、というか、これ、前巻のピサの大聖堂の描写に、絵が出ていたかもしれない。やっぱりそろそろ大人買いしようかなぁ・・・(←まだ買っていなかったのです(^^;))。

*ハインリヒVII世の墓が破壊された顛末(7巻参照)はまだ出てこなかった。次巻以降か。

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2014年09月12日

Posted by ブクログ

イタリア・ルネッサンス期の若き指導者チェーザレ・ボルジアを主人公に中世イタリアの歴史を綴った作品。日頃日本人が抱いている「イタリア」という陽気な国の歴史の裏側を惣領冬実節でねっとり描いてて読み応え充分。ヨーロッパの歴史については、周辺国の知識もないと若干難しいけれど、興味ある人は楽しめると思います。

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2012年03月09日

Posted by ブクログ

(2010/11/13)おおお、新刊が出ていた!アンジェロがマヌエロに襲われてるシーンがすごい。(笑)

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2010年11月14日

Posted by ブクログ

巻末の解説まで面白い。一次資料に基づいてストーリー紡いでるところとか凝ったイラストとか、そりゃ読むのにも時間かかる。

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2010年11月14日

Posted by ブクログ

レコンキスタの終結し、教皇選挙が順調に進んでいたボルジアだったが、ローヴェレがナポリと同盟を組み、ナポリ票を獲得しようと動き出す。
中盤にパッツィ家反乱のストーリーがある。

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2010年10月27日

Posted by ブクログ

ようやく8巻まできました。一気に話が複雑になり、訳わからない状態になってます。この時代背景をどこかで勉強しないと。

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2011年07月17日

Posted by ブクログ

読むのに時間がかかった。
あの頃の聖職者は陰謀のことばかり考えていたのかなあ、と。
チェーザレとサヴォナローラのやりとりが格好いい。

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2010年10月23日

Posted by ブクログ

教科書にも出てくるメディチ家、その最大の(?)大物ロレンツォ。
正直に言ってその魅力をこの巻が上手く説明できているとは思えないので★3つ。
しかし歴史を知った気にさせてくれるマンガですな。

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2015年01月31日

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