【感想・ネタバレ】チェーザレ(6) 破壊の創造者のレビュー

あらすじ

「チェーザレ様 私が死んだらチェーザレ様の手で葬儀を挙げてくださいますか」「おまえは死なない」「死なせはしない」広場では模擬戦の祝勝会が開かれていた。学生時代最後の思い出に仲間と興じるチェーザレ。その頃アンジェロは真犯人の痕跡を見つける。夜の闇は潜伏者たちの影を隠すのか、それともかすかな月明かりが真実を照らすのか。そして、友との間を永遠に分かつ一撃が振り下ろされた。

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Posted by ブクログ

5巻が表のバイオレンスなら、6巻は裏のバイオレンス。そうなると、政治や権謀術数が複雑に絡み合い…となるので、卒業後のチェーザレを取り巻く世界を垣間見ることができました。

で、中盤以降は「絆」の醸成と確認。前者はアンジェロ、後者はミゲル。アンジェロがスペイン語を学ぶことで、より強い結びつきができていくであろうことを予感させておいて、ミゲルと絆を深めてきた過程を見せるという流れ。生意気な物言いであることは百も承知で言わせていただきましょう。さすがプロ! こうやってストーリーを展開させていくのかーと膝を打った次第です。

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2011年06月21日

購入済み

ふと考えされられる

引き込まれるストーリー展開と人の多面性が描かれていて、画も素晴らしいです。
この時代のイタリアで貴族であること、平民であること、嫡子であること、庶子であること、ちょっと考えさせられます…

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2022年05月10日

Posted by ブクログ

借りたもの。
工房放火事件の犯人の判明と裏切りというショッキングな展開。
チェーザレ、アンジェロらの洞察と推理、駆け引きが緊張感を増す。その舞台となる場所が、今までの豪華絢爛な建造物ではなく、石造りの簡素な物置の描写も細かくて、そちらにも目が行ってしまう……
ボルジア家の面々が内に秘める泥沼な人間関係が仄めかされる。チェーザレの弟ホアンの嫌味、妹ルクレツィアとの教育係でもあるジュリアは父ロドリーゴの愛人。ルクレツィアの愛くるしい顔に秘める打算的な一面……
そんな中、チェーザレは本当に信頼できる人間を傍に置いている。
腹を割って話すミゲルとアンジェロ。天然でチェーザレを支えているアンジェロのフォローもしているミゲル。

兄の死後、ボルジアを支える一人としてだけでなく後継としての重責を負い、政治的な面にも関わっていくことになるチェーザレ。
クリスマスのミサに挑む司教としてのチェーザレ。
神の子が人の子として世に遣わされた事を祝うクリスマス…
チェーザレの神の恩寵はこの世に何を成すために遣わされたのだろうか……

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2022年04月24日

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第6巻。工場放火犯の判明、アンジェロの負傷、チェーザレとミゲルの幼少期回想。

冷静沈着で時に冷徹な表情を見せるチェーザレですが、アンジェロに対する年相応の無邪気さや優しさには人間らしさを感じて安心してしまう。
若きチェーザレにのしかかる期待と重責。庶子ゆえの制限は横暴にも感じられる力によって撥ね退けられていく。幼い頃からチェーザレの傍にいるミゲルは、降誕祭を前にチェーザレの立場を想い複雑な心境をのぞかせる。これから政治的な動きが忙しなくなってきそう。

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2016年01月22日

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※後半ちょっとネタバレありです。
なんていうか、ほんとに構成が上手な作家さんだなあと。画面の魅せ方も心得てるし、ここまでチェーザレ・ボルジアの人間性に踏み込んでいくのか、とも思った1冊。
51話の最後のページ、山岸涼子(日出る処の天子)っぽいなあと思った。チェーザレの表情が厩戸王子と重なったからなんだけど、ミゲルが自分と同じ人間としての目線でのチェーザレを思っていく過程も、ちょっと似ている気がする。
私がチェーザレに出会ったのは塩野七生さんの作品でなんだけど、あの人の書くチェーザレは完全にヒーローだからなあ。惣領さんのこの目線は今までのチェーザレものにはない高さだと思う。今までの時代考証への真摯さを思えば、そういう描き方をするのもごく当然だろうと思うんだけど。今までは物語の展開に重点を置いていたと思うので、ここまで引き込んでからそういうものもきちんと描いてくれるその姿勢が嬉しいし、力量に感動する。
子供の頃の回想シーン、お互いに気遣いあう小さなチェーザレとミゲルに胸が痛くなった。けなげでひどく人を思いやって、やわらかい心を持っているんだけどそれは持って生まれた性質だというだけではなく、環境がそれを彼に強いたのであり、おとなにさせているということ。
まあ、子供のほうが空気読むし求められている自分を察して演技するものだけどね。演技は後でひずみがでるので、つらいよね。だから、押さえ込んでいるつらさを共有できるともだちを得たことは良かったな、と物語なのに本当にそう思ってしまった。
続きが非常に楽しみです。ほんと。毎年チェーザレのために秋と春が楽しみになってる。

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2010年09月20日

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今号で再びこの時代の庶子というのがどういう存在であったのかを思い知らされました。  考えてみると不思議ですよね~。  日本ではどちらかと言えば殿様の血を残すことに重点が置かれ、いわゆる側室を持つことが支配者階級であれば言わば常識であったのに、海の向こうでは逆に正式な婚姻を経ていない男女間に生まれた者であれば、仮にそれがそこそこの立場の人であったとしても「人としての存在そのもの」が認められないとは・・・・・・。  確かにミゲルが言うとおり「それが教義」であり、その教義をベースにした信仰生活を否定しない以上「それがお前たちが望んだ世界」と言われてしまっても仕方ない・・・・とは思うけれど、何だか複雑な気分です。

もっとも KiKi がキリスト教という宗教をどこかで胡散臭いと感じるのはまさにそういう部分なんですけどね。  「あの当時は○○だった」とか反省するのはいいとしても、やはり「愛」を語る宗教の割には「愛のなんたるか?」みたいな部分に関しては首を傾げることが多いような気がしてしかたない・・・・・とでも言いましょうか。  KiKi は別にキリスト教の信者の方々を胡散臭いとは思わないけれど、宗教として見た時、KiKi 自身は信じられないと言うか、逆に聞きたくなってしまうのですよ。  「あなた方が言う愛って何??」ってね ^^;

ま、それはさておき、例の工場の放火犯がはっきりした今号。  わかってみるとあまりにも悲しい結末でした。  フィオレンティーナの中にそんな人たちがいたこと自体は、ジョヴァンニにとっては辛い話でもまあ KiKi にとってはある種どうでもいいことなんだけど、ロベルトやドラギニャッツォがそれに手を出した動機があまりにも悲しいなぁ・・・・・と。

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2010年09月13日

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ついに刺客の正体が明らかになります。ジョヴァンニの腹心ドラギニャッツォ。人が、自分の利害で簡単に主を裏切る姿がリアルです。ドラギニャッツォが中心人物とわかったとき、アンジェロが重傷を負い、チェーザレの屋敷で手当を受けます。チェーザレが見舞いいにアランチャ(オレンジ)をもってきて、アンジェロをはおいしそうにかぶりつきます。当時イタリアではオレンジは珍しかったんですね。初めて知りました。

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2010年04月30日

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初っ端から、チェーザレの肉体美(上半身)がカラーで拝め
裏切者が明らかになるドッキドキの展開に、
ちびチェー&ミケがたいそう可愛く、
シレンツィオに大人ホアンも登場で色男も更に充実
巻末解説もしっかり、
大変お買い得な一冊。


それにつけても、チェーザレ未だ15歳…絶対サバ読んでるだろ!
時代が違うとはいえ大人っぽすぎる…若くても30歳くらいの風格かと…

シレンツィオ辺りの政争がらみの話になるとまた意味が分からなくなる事も多いのだけど、今回は放火犯&チェーザレを狙う暗殺者の正体などの謎解きがあったり、チェーザレたちの幼少期の回想であったり分かりやすく面白い話が満載でいつも以上に面白かったです。
そして、登場人物のそれぞれの心情も複雑で簡単には読めなかったりしてそれもまた面白い。これからにもワクワクしますね。

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2010年02月18日

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アンジェロが巻き込まれ重体。
彼の善意すら利用するチェーザレ。
見かねたミゲルもチェーザレに意見するなど、
人間関係も揺れ模様。

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2009年10月04日

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中世。キリスト教。庶子。貴族。庶民。異教徒。とても生きづらそう。チェーザレとミゲルの結びつきが救われる。

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2023年04月09日

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チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックの6巻。

学生を2つに分けた模擬戦。チェーザレ率いる以南軍が勝利する。その祝賀会の喧噪の陰で、チェーザレを狙う密偵2人の正体が明らかになる。
メディチ家の縁で大学進学が叶ったものの、チェーザレに惹きつけられているアンジェロは、その場に居合わせる。身近で意外な人物がチェーザレを付け狙っていたことを知ってショックを受け、また、チェーザレをかばって深傷を負う。

密偵は命を落とす。傍らで”Agnus Dei”を唱えるチェーザレ。

実力者ロレンツォ・デ・メディチは体調が思わしくなく、一方で次期教皇選も近い。
チェーザレの幼少期も描かれ、彼が逃れられぬレールの上を歩いてきたのであろうことが窺える。
学位も取得済みのチェーザレが大学を離れる日も遠くない。
どうやらアンジェロはチェーザレに付いていくのではないかと思われる。


*”Agnus Dei”は「神の子羊」の意。
ここでチェーザレが唱えていたのは以下。

Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem.
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi, dona eis requiem sempiternam.

これは死者のためのミサで唱えるもののようです。
通常の祈祷文の場合、上記のdona eis requiem(「彼らに安らぎを与え給え」)の部分がmiserere nobis(「われらをあわれみ給え」)、dona eis requiem sempiternam(「彼らに永遠の安らぎを与え給え」)の部分が dona nobis pacem(「われらに平安を与え給え」)になります。
これを読んでいて、高校合唱部の頃、パレストリーナ(チェーザレよりは後の時代の作曲家ですが)のミサ・ブレヴィスなど(そういえばグレゴリオ聖歌なんかもあったような)を歌ったのを思い出したのですが、そうか、あれはラテン語だったよなぁと今頃思ったり(^^;)。

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2014年05月06日

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色んな人物の心のひだが見えてくる。
幼き頃と変わらずチェーザレの傍らで見守るミゲル。
静かな心の葛藤が見え隠れ。
にしても!!
裏切り者はあいつかぁ!!!

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2010年04月09日

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1,2巻は退屈だったが、だんだん面白くなってきた。ちびチェーザレ・ちびミゲルの愛らしさに★1つ追加。

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2010年01月17日

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「私のために労したことが好意の表れだとしたら
   こうして成果を得ること自体 
   奴にとって本望と言えるのではないのか 

   たとえ それで命を失ったとしてもな」

「すまなかった

今回のことで何の関係もないお前を巻き込み
結果このような目に遭わせてしまった
改めて侘びを言うすまなかった・・・」


冷酷と優しさ交じり合いチェーザレでした。

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2009年10月04日

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騎馬試合の後、命を狙われるチェーザレ。
アンジェロは相変わらずのほほんとしてますが〜内通者のわかる苦さ。
丁寧な絵を見るだけでも楽しい。
歴史上有名な大人達の悪党面がすごみあります。
進み方はやや遅いので、どんだけかかるんだろうと先がちょっと心配になります。

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2009年10月07日

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何度も読んだ『ボーイフレンド』。

これは惣領冬美の最新作、渾身作かもしれない。

興味深いチェーザレとミゲルの関係に加えて、アンジェロの存在感も大きい。世界史に疎いのでしっかりした下調べの上に書かれたこうした作品はうれしい。

読み応え充分。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

5巻の少しやんちゃなチェーザレの印象から一変・・・前半は急転直下の暗躍と裏切りの展開です。
チェーザレもアンジェロに関ることで少し考えるところがあるようです。
後半の幼少期のチェーザレとミケロットはとにかく可愛いです♡

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

また背景がきっちり書き込まれるようになった。歴史の勉強モードに入りました。脇役について調べたくなります。

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2011年07月17日

Posted by ブクログ

アンジェロはどう失望していくのか、それとも信じ続けていくのか、ミゲルの如く。
ミゲルはこのマンガのある意味主役かと思うな。

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2015年01月29日

Posted by ブクログ

チェーザレを狙うフィオレンティーナの間者をやっと始末するが、意外な結末だった。
中盤以降はボルジア家内の話。

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2010年08月23日

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