堺屋太一のレビュー一覧
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ネタバレ豊臣政権、日本帝国軍、石炭産業のみっつの事例をもとに①成功体験への埋没。②機能体の共同体化、③旧環境への過剰適応という組織の死に至る病を検証。
組織の共同化による情報の秘匿、意思決定の硬直化、不適材不適所の発生。滅びの美学。
そういうのは仕組みや、兵站を考えずに、精神主義に基づく人力だけで乗り切ろうとする日本的メンタリティに脈々と息づいているように思う。
(要はこういうのは官僚制の逆機能の一言で要約される)
日本海軍は対馬沖戦の成功体験にしがみつき、兵站(ロジスティクス)をおろそかにしたため、二か月のうち10日しか作戦海域に出られないというお粗末さ。
こういう戦う前に負けが決まった体制、仕 -
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大阪府と大阪市の二元行政の弊害は明らかだと感じる。大阪都構想の議論とは別に、犯罪率、生活保護費用、教育レベルの低さなど大阪市そのものの問題も顕在化しており、もう既存の政治の枠組みの中では大阪市の改革は無理なんだろう。
水道やその他の公共サービスの二元政策の無駄に疑問の余地は無い。
大阪市(および大阪市の役人)が大阪市のことのみを考えるのはある意味当然ではあるが、その大阪市が大阪府全体を顧みず、口ばかりの”連携”を繰り返す当時の平松市長の反論は弱い。
大阪市の区と東京の区が全くことなる行政体で、大阪市の区長は選挙で選ばれず市長の任命だったとは知らなかった。
ダム建設中止の件は中止の理由が弱く(筆 -
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ネタバレ大阪府と大阪市の二重行政・二元行政を解消するために掲げた「大阪都構想」について、橋下徹氏自らがその構想の内容を語っている。
氏は政治と行政の役割分担を明確に著している。政治は勘と情、行政は理性と論理で行うものだと語り、政治家は方向性を示し、公務員はその選択肢を示すことが役割だとしている。この両者の役割の違いはよく解る。そして、政治と行政が両輪として機能することが地方自治にとって重要だとも思う。
一方で、大阪都構想のメリットばかりが列挙され、デメリットが全くないかのような論述になっている感は否めない。例えば、大阪都構想では「大阪市を解体し、8~9の特別自治区を作る」としているが、当然ながら区議会 -
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ネタバレ1980年代に資源・エネルギー枯渇問題が浮上し、高度経済成長後の停滞しそうな日本を前にして、歴史上の人物からその突破のカギを論じた一冊。織田信長の天才ぶりと、しかし成長することによってのみ内部の軋轢を封じ込めていた織田軍の顛末は、結局信長死後、一気に霧散したという面からして、結局は3分の1の英雄(秀吉、家康)であったと評価。また、武将を雑草人間と作物人間に分け、体制(耕作者)の言うこと聞いて伸びるか、リスクしょいまくりながら好き放題伸びるか、まさに我々を想起しながら読み進めました。もちろん後者ね(笑) たまたま実家で手にした1冊ですが、おもろい。
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天下を治めるのは、型破りな行動を引き起こす覇気と気迫か。それとも、感情を抑え、礼式を尊び、格式を重んじる品位か。歴史上の謀反事件として最も名高い本能寺の変を題材にとったこの小説は、個々の事件における信長と光秀両者の内面を浮き彫りにし、主従の心の葛藤を鮮やかに描き出した。初の独白形式で迫る歴史巨編小説。
この小説では、信長と光秀が、同じ事件、同じ光景を互いに独白するというユニークな形式となっている。物語は、天正10年3月14日信濃浪合にて、武田勝頼の首を確認するところから始まる。以後、過去を回想しながら、本能寺の変、山崎の戦いまで進む。
単行本は1989年の刊行ということもあり、部分的に -
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天下を治めるのは、型破りな行動を引き起こす覇気と気迫か。それとも、感情を抑え、礼式を尊び、格式を重んじる品位か。歴史上の謀反事件として最も名高い本能寺の変を題材にとったこの小説は、個々の事件における信長と光秀両者の内面を浮き彫りにし、主従の心の葛藤を鮮やかに描き出した。初の独白形式で迫る歴史巨編小説。
この小説では、信長と光秀が、同じ事件、同じ光景を互いに独白するというユニークな形式となっている。物語は、天正10年3月14日信濃浪合にて、武田勝頼の首を確認するところから始まる。以後、過去を回想しながら、本能寺の変、山崎の戦いまで進む。
単行本は1989年の刊行ということもあり、部分的に -
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ネタバレ小田原、北条攻めの説明が印象深かった。
上杉謙信も関東遠征で、小田原城攻めを行っているが、堅固な包囲網の前に籠城戦が長期に渡ってしまい、兵糧不足などで結果として失敗・撤退することになる。
その対比として豊臣秀吉が率いる20万前後の大軍勢で、再び小田原城攻めが行われるが、ご存じの通り北条氏を屈服させ、天下取りを実現する戦となった。
戦術・個々の兵の強さでいえば上杉謙信の方が、秀吉に勝っていたと推察される。
しかし謙信と秀吉の決定的な違いが簿記経理技術の発達と適用だという。主計官を置き、必要な物資・兵糧を前線へ供給する専門部隊を、秀吉が置いたこと。このことが長期籠城戦を可能にし、天下の名城 -
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堺屋太一さんが、日本の文化や慣習(思考や信念、考え方、といった方がいいのかな)がどのように出来上がってきたかを、古くは聖徳太子にさかのぼって、日本の代表的な12人のエピソードを紹介することで振り返る内容です。
なぜ日本は無宗教(厳密に言うとそうではないですが、何でもありなところ)となったのか?
日本人のビジネスマンにいわゆる会社人間が多いのはなぜか?
官僚主導の国になってきたのはなぜなのか?
そんなようなことが人を追いながら描かれています。
今日本は転換期ということをよく言われていますが、またこの12人に加わるような大きな価値転換が来るのかな。
1億人総中流という時代は、もはや終わってしまった