堺屋太一のレビュー一覧

  • 組織の盛衰 何が企業の命運を決めるのか

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    豊臣政権、日本帝国軍、石炭産業のみっつの事例をもとに①成功体験への埋没。②機能体の共同体化、③旧環境への過剰適応という組織の死に至る病を検証。

    組織の共同化による情報の秘匿、意思決定の硬直化、不適材不適所の発生。滅びの美学。
    そういうのは仕組みや、兵站を考えずに、精神主義に基づく人力だけで乗り切ろうとする日本的メンタリティに脈々と息づいているように思う。
    (要はこういうのは官僚制の逆機能の一言で要約される)

    日本海軍は対馬沖戦の成功体験にしがみつき、兵站(ロジスティクス)をおろそかにしたため、二か月のうち10日しか作戦海域に出られないというお粗末さ。
    こういう戦う前に負けが決まった体制、仕

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    2012年08月25日
  • 体制維新――大阪都

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    大阪府と大阪市の二元行政の弊害は明らかだと感じる。大阪都構想の議論とは別に、犯罪率、生活保護費用、教育レベルの低さなど大阪市そのものの問題も顕在化しており、もう既存の政治の枠組みの中では大阪市の改革は無理なんだろう。
    水道やその他の公共サービスの二元政策の無駄に疑問の余地は無い。
    大阪市(および大阪市の役人)が大阪市のことのみを考えるのはある意味当然ではあるが、その大阪市が大阪府全体を顧みず、口ばかりの”連携”を繰り返す当時の平松市長の反論は弱い。
    大阪市の区と東京の区が全くことなる行政体で、大阪市の区長は選挙で選ばれず市長の任命だったとは知らなかった。
    ダム建設中止の件は中止の理由が弱く(筆

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    2013年04月09日
  • 日本とは何か

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    なぜ日本は戦後、高度経済成長ができたのか
    などという問いに対して、歴史の一場面(幕末とか明治時代)から
    説明するのではなく、日本の気候や地理的な要因から”日本人”が
    いかに形成されていったか、を明らかにしようとしている。

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    2012年06月11日
  • 体制維新――大阪都

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    大阪府と大阪市の二重行政・二元行政を解消するために掲げた「大阪都構想」について、橋下徹氏自らがその構想の内容を語っている。
    氏は政治と行政の役割分担を明確に著している。政治は勘と情、行政は理性と論理で行うものだと語り、政治家は方向性を示し、公務員はその選択肢を示すことが役割だとしている。この両者の役割の違いはよく解る。そして、政治と行政が両輪として機能することが地方自治にとって重要だとも思う。
    一方で、大阪都構想のメリットばかりが列挙され、デメリットが全くないかのような論述になっている感は否めない。例えば、大阪都構想では「大阪市を解体し、8~9の特別自治区を作る」としているが、当然ながら区議会

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    2013年06月19日
  • 歴史からの発想 停滞と拘束からいかに脱するか

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    1980年代に資源・エネルギー枯渇問題が浮上し、高度経済成長後の停滞しそうな日本を前にして、歴史上の人物からその突破のカギを論じた一冊。織田信長の天才ぶりと、しかし成長することによってのみ内部の軋轢を封じ込めていた織田軍の顛末は、結局信長死後、一気に霧散したという面からして、結局は3分の1の英雄(秀吉、家康)であったと評価。また、武将を雑草人間と作物人間に分け、体制(耕作者)の言うこと聞いて伸びるか、リスクしょいまくりながら好き放題伸びるか、まさに我々を想起しながら読み進めました。もちろん後者ね(笑) たまたま実家で手にした1冊ですが、おもろい。

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    2012年04月08日
  • 鬼と人と 下巻 信長と光秀

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    天下を治めるのは、型破りな行動を引き起こす覇気と気迫か。それとも、感情を抑え、礼式を尊び、格式を重んじる品位か。歴史上の謀反事件として最も名高い本能寺の変を題材にとったこの小説は、個々の事件における信長と光秀両者の内面を浮き彫りにし、主従の心の葛藤を鮮やかに描き出した。初の独白形式で迫る歴史巨編小説。

    この小説では、信長と光秀が、同じ事件、同じ光景を互いに独白するというユニークな形式となっている。物語は、天正10年3月14日信濃浪合にて、武田勝頼の首を確認するところから始まる。以後、過去を回想しながら、本能寺の変、山崎の戦いまで進む。

    単行本は1989年の刊行ということもあり、部分的に

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    2012年02月20日
  • 鬼と人と 上巻 信長と光秀

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    天下を治めるのは、型破りな行動を引き起こす覇気と気迫か。それとも、感情を抑え、礼式を尊び、格式を重んじる品位か。歴史上の謀反事件として最も名高い本能寺の変を題材にとったこの小説は、個々の事件における信長と光秀両者の内面を浮き彫りにし、主従の心の葛藤を鮮やかに描き出した。初の独白形式で迫る歴史巨編小説。

    この小説では、信長と光秀が、同じ事件、同じ光景を互いに独白するというユニークな形式となっている。物語は、天正10年3月14日信濃浪合にて、武田勝頼の首を確認するところから始まる。以後、過去を回想しながら、本能寺の変、山崎の戦いまで進む。

    単行本は1989年の刊行ということもあり、部分的に

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    2012年02月20日
  • 鬼と人と 上巻 信長と光秀

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    織田信長と明智光秀、相対するふたりの思考や心理描写が上手く表現された小説です。特に信長の描写はお見事!人間味を残しつつ、彼の個性が上手く書かれていると思います。

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    2012年02月05日
  • 体制維新――大阪都

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    大阪都構想の概要、その目的がよくわかる。また、橋下元大阪府知事の政治家としての行動指針も窺い知ることができる。

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    2014年01月15日
  • 堺屋太一の見方

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    堺屋太一のエッセンスが詰まっている。

    「インフレは経済問題、デフレは社会問題」「知識は客観的、倫理は主観的な方が良い」など、はっと気付かされる箇所があったので、益としたい。

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    2011年12月14日
  • 日本とは何か

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    面白かった。お上に逆らわない、宗教観に薄い、驚嘆に値する外国文化、技術の模倣力などの日本人の特徴を形成した理由について聖徳太子の時代まで遡って論説する。

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    2011年09月28日
  • 日本を創った12人

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    堺屋さんの本は好きです。
    この本は、日本人の考え方の原点が分かりやすく解説されていて面白かったです。
    歴史の好きな人やアイデンティティ、日本人論に興味がある人にオススメ。
    (芳崎)

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    2011年06月23日
  • 平成三十年 (上) 何もしなかった日本

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    平成30年、2018年を描いた小説。

    政治の停滞により、円安、インフレの続く日本。

    その中で改革に燃える政治家とそれに巻き込まれていく官僚の話。


    やっぱこうなるよね。

    って言うのが素直な感想です。

    国債額は積み上がり、金利は上昇、円安によって物価は上昇し、格差は拡大。

    こんな日本にしたくない。

    危機感を再燃させてくれた1冊でした。

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    2011年03月15日
  • 歴史からの発想 停滞と拘束からいかに脱するか

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    小田原、北条攻めの説明が印象深かった。

    上杉謙信も関東遠征で、小田原城攻めを行っているが、堅固な包囲網の前に籠城戦が長期に渡ってしまい、兵糧不足などで結果として失敗・撤退することになる。

    その対比として豊臣秀吉が率いる20万前後の大軍勢で、再び小田原城攻めが行われるが、ご存じの通り北条氏を屈服させ、天下取りを実現する戦となった。

    戦術・個々の兵の強さでいえば上杉謙信の方が、秀吉に勝っていたと推察される。

    しかし謙信と秀吉の決定的な違いが簿記経理技術の発達と適用だという。主計官を置き、必要な物資・兵糧を前線へ供給する専門部隊を、秀吉が置いたこと。このことが長期籠城戦を可能にし、天下の名城

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    2011年01月23日
  • 歴史からの発想 停滞と拘束からいかに脱するか

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    歴史は人が紡ぐ物。未来なんて正確に予測できないが、不変なる人間性に立脚した観察、つまり「歴史は繰り返す」部分があることを認識し、そこに焦点をあてた良書。個人的にはスタッフの役割の考察はなるほどと思った。決してナンバー1を目指さず、主君の目的達成のために"What"ではなく"How"を追求する、その役割を自己規定し貫徹する覚悟、意識したい。

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    2010年10月11日
  • 日本を創った12人

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    本書で取り上げる12人は以下の通り。

    聖徳太子/光源氏/源頼朝/織田信長/石田三成/徳川家康/石田梅岩/大久保利通/渋沢栄一/マッカーサー/池田勇人/松下幸之助

    中には架空の人(光源氏)や外国人なども混ざっていますが、
    日本人の性格や文化や社会の特徴と言われるものが作り上げられていく過程で重要な役割を担っていた人たちばかりです。
    日本人は細かいことにうるさいとか、笑ってばかりとか、無宗教とかいろんなことが指摘されますが、それの所以を知っている人はとても少ないと思います。その意味で、知的好奇心を満たしてくれる非常に面白い書籍でした。

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    2010年04月05日
  • 日本を創った12人

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    堺屋太一さんが、日本の文化や慣習(思考や信念、考え方、といった方がいいのかな)がどのように出来上がってきたかを、古くは聖徳太子にさかのぼって、日本の代表的な12人のエピソードを紹介することで振り返る内容です。
    なぜ日本は無宗教(厳密に言うとそうではないですが、何でもありなところ)となったのか?
    日本人のビジネスマンにいわゆる会社人間が多いのはなぜか?
    官僚主導の国になってきたのはなぜなのか?
    そんなようなことが人を追いながら描かれています。
    今日本は転換期ということをよく言われていますが、またこの12人に加わるような大きな価値転換が来るのかな。
    1億人総中流という時代は、もはや終わってしまった

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    2009年10月04日
  • 日本を創った12人

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    日本人の国民性を象徴的な人な影響で読み解くという試み。なるほどというところが結構あって面白い。堺屋太一の経済からの視点も新鮮。

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    2009年10月04日
  • 鬼と人と 上巻 信長と光秀

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    天下を治めるのは、方破りな行動を引き起こす「覇気」と「気迫」か?それとも、感情を抑え、礼式を尊び、格式を重んじる「品格」か?歴史上の謀反事件として最も名高い「本能寺の変」に題材をとった、この小説は、個々の事件における信長と光秀両者の内面を浮き彫りにし、主従の心の葛藤を鮮やかに描き出した。なぜ、忠臣は天才的主君を討ったのか。初の独白形式で迫る歴史巨編!

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    2010年02月25日
  • 鬼と人と 上巻 信長と光秀

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    信長の余りにも抜きん出た独創性と、光秀の哀れなまでの凡人さが鮮やかに対比された秀作。お互いに配慮しているのに、それぞれの個性がすれ違わせているのがなんとも哀しい。

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    2009年10月04日