堺屋太一のレビュー一覧
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本が出たと聞いてびっくり、まだ意欲的にご活躍されているのですね。堺屋太一氏の日本論かと思えば、(そうなのだが)小説仕立てで読みやすい。他の人にもおすすめ。
数年後の日本を官僚をしている主人公、大学生の息子、現役引退している父の三世代の目線で捉え、話は進む。著者が考える日本がこうなれば良いな論。今の政治じゃなかなか難しいなと現実とのギャップを感じるが、立ち上がり引っ張っていく人がいれば、やってやれないことは無いと思うのだけれどもね。
官僚たちの仕事、こうして政治は動くのか等政治の裏側がイメージできた点でも勉強になった一冊。
【学・共感】
天国を創った日本人は天国から落ちまいとしてみなしがみ -
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読み終わった印象としては、信長の思想を肯定的に、光秀の思想を否定的に捉えているという印象です。
しかし、信長の思想を肯定的に考えることは、果たして正しいのだろうか。信長には、光秀のような人が必要であり、光秀にとっても信長のような人が必要だったのではないか。結局は、信長も光秀も、自分の思想に固執して、身を滅ぼしたのではないかと思いました。
仮に信長が天下統一したとしても、泰平の世を築くことはできなかったと思います。第二、第三の明智光秀の反乱を招き、世の中は乱れたのではないかと想像しました。強烈な信長のリーダーシップにより、一時的には、世の中を安定させることはできでも、長期間世の中を安定させる -
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橋下さんが日頃から言っている大阪都構想についての内容や、なぜそうすることが大事かということが書かれている。最近大阪維新の会の活動を耳にしないが、基本的には橋下さんの考え方には全面賛成で、むしろやっとこういう人が現れたかという感じ。
どの政治家も、できるできないといったレベルの議論ばかりしていて、話が進まないことが多いが、橋下さんの言っているように、できやすくするための仕組みや体制を整えることがまず大事だということは、昔からよく思っていた。基本的に橋下さんの言うことに反対の人間というのは、話の内容が理解できていない人か、ミクロの視点でしかものごとを見ていない人かメディアに煽られている人のどれかな -
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1985年当時、ベストセラーになった本です。
「知価社会」「やさしい情知」という概念がとてもおもしろかったです。
「知価」とは知恵と価値を合わせた造語で、知恵に値段が付き、それが消費されていく社会を「知価社会」と言っています。
例えば、工業化社会での鉄の価値は、需要と供給のバランスによりその値段は上がったり下がったりするけど、決して価値が「0(ゼロ)」にはなりません。
一方、知恵や知識自体に価値がある場合は、それが消費され陳腐化すると価値が「0(ゼロ)」になります。
例えばネクタイなど、流行のデザインが販売当時に1万円の価値があったとして、流行が去った後、それが2千円まで価値が下がっ -
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ネタバレ橋本さんが、堺屋太一さんと共同で「大阪都構想」について、書いた本です。
著書の中で、いくつか印象に残っている部分を紹介します。
・本当の改革とは、人事の交代や政策の変更ではなく、体制(システム)を変えること
・国は国の仕事に専念して、日本の国際的プレゼンスを高めることに注力する
・都市間競争を促し、都市が世界と勝負をする
・トップに必要なのは組織マネジメント。組織が機能するように仕事の割り振り、役割分担を決めること
・政治マネジメントで最も重要なのは、議論を尽くすべき問題は徹底的に議論し、既に判断に機が熟したされるものは思い切って判断を下すこと
いろいろ賛否両論もありますが、個人 -
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橋下現大阪市長、前大阪府知事の大阪都構想についての説明を、橋下徹と堺屋太一との対談で挟む構成になっている。堺屋さんが元々橋下さんをバックアップし、道州制などにも賛成の立場だと思うので、問題提起の対談→解決に関する論説→論説を補強する対談、という形となっていい構成だと思う。単に対談をまとめるだけよりもよほど工夫も感じられていい。
元大阪市民(=大阪府民)として、気が付いていなかったが、二重行政の弊害はあるんだろうなと思う。
この本が出た後、維新の会を結党して国政選挙に打って出た橋下氏。
国からも変えなくてはという意識であったのかと思うが、今こそ都構想に集中してもいいのではないかと思う。小選挙 -
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1960年に通産省入省、1964年から1970年に開催された万国博覧会を手がけ、183日間に6422万人を導入した万博の記録を破った、2010年上海万博でも日本産業館のオーガナイザーを果たした著者による一冊。
万博を横目に大暴れしていた兄ちゃん姉ちゃん(当時)も、その頃の空気感に、今、改めて触れる一冊になるのではないかと思いますw。
国策と競争、行政、知識人、文化人、芸術家・・・が大きな祭りに飲み込まれ、光を放っていくドラマが克明に、かつオーガナイザーとしての冷静な視線にもとづき描かれているという点で大変な良書といえます。
そうしたイベントのコアづくりを超えてなお、人を楽しませたい、意思