堺屋太一のレビュー一覧

  • 全一冊 豊臣秀長 ある補佐役の生涯

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    かなり前に読んだものの、控えめながらも、補佐役として、兄一代で築いた豊臣家のブレーンとして生涯徹した主人公の姿が目に浮かぶような小説でした。成功者には優秀な補佐あり、また、補佐役とはかくありなんという姿が描かれており、主人公のファンになりました。手元に置いてある1冊です。

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    2022年08月14日
  • 全一冊 豊臣秀長 ある補佐役の生涯

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    一流の補佐役小一郎。単に家臣、郎党の少ない羽柴家いや木下家で兄の庇護により功を遂げた人物かと思いきや、秀吉の成功を支えた第一人者と思わせてくれる1冊でした。着眼点含めて素晴らしい。いずれのエピソードもさもありなんというものばかり!

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    2022年07月23日
  • 全一冊 豊臣秀長 ある補佐役の生涯

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    補佐役の生涯はとても興味深い。秀長亡き後、秀吉の変貌ぶりをみると、いかに補佐役が大切か、あらためて思う。

    まったく目立たない、人が嫌がる仕事ばかりを黙ってやる。かと言って、人を妬んだりをしない。自分のやるべきことをしっかりと守る。華やかしい実績を残す人や企業の裏には必ずこんな人が存在する。

    本書は秀長以外に秀吉、信長などの生き様もよく描かれており、とても長い小説だが、歴史に興味がある私は十分に満足できる内容である。

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    2022年01月27日
  • 危機を活かす

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    55年体制の崩壊から、平成初期までの堺屋氏の政治、経済、企業、家計への振り返りです。
    気になった言葉がありましたので並べさせていただきます。
    日米が分かつ日、ワンセット主義、第二の開国
    本書の最後のことばは、こうです。
    今、われわれ日本人にとって大切なことは、目前の危機から逃避することではなく、これを見据えて活用することである。

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    2021年10月03日
  • 組織の盛衰 何が企業の命運を決めるのか

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    「段階の世代」で有名な堺屋太一氏の著作。好きで何回も読んだ本だが改めて再読。読みやすくコンパクトな文庫本だが、組織論の名著だと思う。
    組織の良さの3要素「大きさ」「帰属意識と情報共通性」「目的達成能力」が相互矛盾する難しさがある点。
    組織の死に至る病「機能体の共同体化」「環境への過剰適応」「成功体験への埋没」の3つ。
    これを押さえておくだけでも、組織の健全性を見る目はずいぶん養われるだろう。
    皆さんの所属組織の健全度はどうだろうか?

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    2021年08月07日
  • 歴史からの発想 停滞と拘束からいかに脱するか

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     古い本であるが、とても役に立つ本である。戦国時代にはなぜあれだけ多くのリーダーが存在したのか?それは既成の秩序が崩壊していたことと、既成概念をぶち壊す新しい組織の目的

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    2021年06月11日
  • 組織の盛衰 何が企業の命運を決めるのか

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    企業や役所は、もともと「機能体」として作られた組織だが、組織そのものに、「共同体」化していく契機が埋め込まれているというのは、その通り。下部組織含め、構成員の満足が目的となってしまう。マネジメントは、その揺らぎを感じつつ、「機能体」としての「強さ」を最大限発揮するようにすること(企業なら、最小のコストで最大の利益を上げること)。確かになぁ。

    面白かったのは、組織を動かす上で欠かせない人と、その評価。

    漢の劉邦の言葉から、組織を動かす上では、①現場のトップ(将軍)、②参謀、③補佐役の3種類の人が欠かせないとのこと。③補佐役は、なかなか思いつかない。

    さらに、プロイセンのモルトケの法則を取り

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    2021年02月12日
  • 組織の盛衰 何が企業の命運を決めるのか

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    1.この本を一言で表すと?
    組織が滅ぶ条件、組織が変革する要因について、著者がまとめた本。

    2.よかった点を3~5つ
    ・「共同体」と「機能体」(p107)
    →この定義が本書の中で重要。

    ・軍隊の二つの定義(p47)
    →自己完結性は知らなかったので、興味を持った。

    ・「機能体の共同体化」(p170)
    →とても理解しやすく納得できる。共同体化は「正論」で誤魔化されやすいと思う。

    ・環境への過剰適応(p187)
    →常に変化を受け入れることが重要だと思う。

    ・組織の欠陥を隠す予算不足と人材論(p212)
    →自分はいつもヒト不足を言っていたので考えを改めたい。

    2.参考にならなかった所(つっ

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    2019年08月22日
  • 歴史からの発想 停滞と拘束からいかに脱するか

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    ネタバレ

    日経ビジネス人文庫は過去に読んだことがあるけれど,それに比べて随分骨太な本(過去の本が悪いわけではない)。著者の堺屋太一氏は知ってはいたけれど,こんな歴史への眼差しがある方とは存じ上げなかった。
    単純に持ち上げるわけでもなく,貶めるわけでもない。どこまでも冷静で客観的。「勝てる組織」について書いているのに,最後では「それに属する人々に幸福をもたらすかどうかはわからない」と言い切ってしまうくらい。
    ここにはヒントは書かれているけれど,経緯だけではなく,最終的な答えすら書かれていない。自分でどうするかを考えることを促される。本書を読む価値のひとつに、歴史について書かれているのに現代の時代性を知るヒ

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    2019年08月14日
  • 全一冊 豊臣秀長 ある補佐役の生涯

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    豊臣秀吉の弟で、たぐいまれな補佐役だった豊臣秀長に光を当てた作品。分冊文庫もあるけど1冊版を買ったら760ページ以上で片手で持って読むのもしんどい(笑)、ポケットにも入らない(笑)。長くて重い本だったけど面白かった(^^

    大河ドラマ「秀吉」の原作にもなっているだけに読んでいても登場人物が竹中直人だったり、高嶋政伸に見えてきます。

    強力なリーダーや指導者に優秀な補佐役。軍師より参謀に近いと言えますが、この物語での秀長の立ち位置は参謀よりやはり補佐役が似合っている感じです。

    じゃ、完全に補佐役かと言うと、むしろ最近のリーダーシップのひとつとして挙げられるようになった「サーバントリーダーシップ

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    2019年06月08日
  • 油断!

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    フィクションとしての面白さ以上に、はたしてこれを絵空事としておけるのかという恐怖を感じる。
    50年近く前の情報と時代背景に基づいた小説であるため、エネルギー環境は劇的に変化している。
    石油への依存は依然として高いものの、その供給元は中東のみのかつてに比べると、アメリカを含めて多様化している。
    しかし、はたしてその多様化した石油供給に何か安全性を求める根拠があるのだろうか。
    エネルギーの一部を原子力に頼る政策もあったが、そのエネルギー体制は、震災とともに崩壊してしまった。
    地球環境の変化を考えると、化石燃料の利用の再検討が迫られている。
    この10年ほどの間に、私たちは、その経験から私たちの生活を

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    2019年05月04日
  • 平成三十年 (上) 何もしなかった日本

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    今週月曜日(2019.4.1)にとうとう新元号が発表されましたね、1130からの発表、仕事中でしたがYutubeで見てしまいました。「令和」と聞いてしっくりこないのは、平成の発表があった時も同じだったように思います。

    さて、平成6年頃に単行本で、通産省官僚・経済企画庁長官も務めたこともある、堺屋太一によって書かれた経済予測小節です。社会人になって数年ほど経過したころに、平成30年にもなると、日本はこうなって(衰退して)しまうのか、と思いながら読みましたが、まだまだ先のことで、他人事のように思って読んだのを覚えています。

    あれから20年以上経って、気づいてみれば、平成30年は終わってしまい、

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    2019年04月06日
  • 体制維新――大阪都

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    正直、東京に住んでいると、大阪都構想が実現すると何がよくなるのかピンとこなかったんですけど、これを読んで非常によく理解できた。
    主張されていることはごくごくシンプルなんですよね。
    中央が号令かけて地方を画一的に統制し、恣意的に分配するやり方はもう時代に合わない。
    地域地域で、最適な形を自ら選択できるようにすることで活力を生む。
    シンプルかつ真っ当な考え方です。

    それと、政治と行政の役割分担について。
    政治家はビジョンと方針を示し、行政は実務が回るよう細部を組み上げる。
    お互いが衝突する際は、とことん議論を尽くす。
    これもまたシンプルかつ真っ当。

    そして、組織マネジメントの大切さ。
    政治家は

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    2019年01月06日
  • 体制維新――大阪都

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    大阪都構想のことがよくわかります。
    堺屋氏が書いている 一章「大阪の衰退、日本の衰退」で大阪都構想の必要性が明快に書かれています。ここだけ読めば本質はわかると思います。

    対談部分は同じことの繰り返しな感じがしたので読み飛ばしてもよいでしょう。
    橋下氏の執筆部分は具体例、府知事時代の体験話もあり面白かったですが、あらゆる反対意見に反論・論破しようとしているので、本として冗長な部分が多いかと思います。

    政治と行政の役割分担についてよくわかり勉強になりました。

    大阪都構想は日本全体の構造的問題を指摘しているので大阪府民以外も読んで役に立つと思います。

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    2018年12月30日
  • 体制維新――大阪都

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    大阪都構想と聞いたことはあるものの、中身をしっかり知ろうとしたことかなかったので、この本を通じて、体制という地味だけど抜本的な改革かできる仕組みの話、政治と行政の違い、大阪市とその他の市町村のアンバランスさが詳しく分かった。

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    2018年11月28日
  • 体制維新――大阪都

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    橋下知事(当時)と堺屋太一による大阪都構想を始めとする体制改革についての考えを書いた本。今まで漠然としかわかっていなかった橋下氏の考え方がよくわかった。考えには全く同意であり、官僚機構の特徴をよく理解していると思う。同じような内容が何カ所かに出てきており、冗長な感じはある。
    「新聞は、もっと話し合いをしろ、議論を尽くせと書きます。もちろん議論すべき問題は議論を尽くすべきだと思います。しかし権力の再配置に関しては、話し合いでは絶対に決着がつきません」p74
    「あれだけ「市町村別(試験の)結果の公表をしたら過度な競争が生じる、不当な学校序列が生じる」と主張していた文科省や教育委員会、そして有識者

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    2018年11月12日
  • 地上最大の行事 万国博覧会

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    堺屋太一氏が、通産官僚時代に大きく関わった大阪万博を中心に、万博について書いたもの。開催までの経緯と苦労がよくわかった。
    「人間は好きに働き、知恵と感覚を研ぎ澄ますべきだ」p40
    「(黒くすすで汚れた街大阪)大阪人は自ら「煙の都」と称し、空が煙で曇って見えるのを「大阪の繁栄の証」として自慢していたものだ」p67
    「国がいくつかの選択肢の中から三里塚を選んだ理由の一つは、この地域に400ヘクタールを超える国有地・下総御料牧場が広がっていたからであった。国はこの国有地に、取得した民有地をくっつけて空港を造ろうとしたわけだが、この戦略は結果的に大きな反対運動を引き起こすことになった。国有地を広げて、

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    2018年10月27日
  • 体制維新――大阪都

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    大阪都構想を述べた書。日本に東京以外にも引っ張っていくエンジンを!という発想は分かる。器を変えなくては、システムを変えなくては、そうでなくては政策だけでは革新ができない。

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    2018年10月20日
  • 地上最大の行事 万国博覧会

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    失敗した事業の責任者は、ただ一人だが、成功した事業の功労者は、限りなく多い、と言う。 偉くない人(経産省の一介の官僚)が巨いなる企て(万国博覧会)、を実行。そして、大成功(入場者数 6422万人)、その物語であります。

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    2018年08月29日
  • 鬼と人と 下巻 信長と光秀

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    光秀が本能寺の変をおこすに至った感情の機微が綿密に描かれていて面白い。天才信長と普通の人であった光秀の対比が見事。

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    2017年11月26日