あらすじ
一九七五年、現役通産官僚が描いた近未来小説『油断!』で華々しく作家デビューをした堺屋太一。その後、『団塊の世代』『知価革命』『組織の盛衰』『先見後顧』などの未来小説や評論等を通じ、次々と時代や歴史を独特の視点から、政治、経済、経営、組織、日本人の特性を鋭く見つめ、発信してきた。特に『知価革命』は、工業社会が終焉を迎え、知恵に価値を見出す時代が来ることを予見し、大ベストセラーになった。本書では、著者の作品群のなかから、「これぞ堺屋太一の見方」という箇所を抜粋、著者にとっての初めての箴言集である。「インフレは経済問題だが、デフレは社会問題だ」「組織人は組織の利益を社会の利益と錯覚する」「知価の価格は主観的な気分と判断によって変動する」「統計の数字で実感を否定すべきではない」「大きな政府は強い官僚を、小さな政府は弱い官僚を生む」など、発表から時を経ても、指摘の鋭さに錆は見えない。時代を見る指針となる一冊。
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Posted by ブクログ
堺屋太一のエッセンスが詰まっている。
「インフレは経済問題、デフレは社会問題」「知識は客観的、倫理は主観的な方が良い」など、はっと気付かされる箇所があったので、益としたい。
官僚出身、異色の知識人
堺屋太一先生の小説、評論(主に歴史もの)は多数既読です。官僚出身で著名になってから政府閣僚まで務められた体制側の知識人でありながら、独特の歴史観察と深い人間洞察に基づく斬新かつシニカルな文章、フレーズにただ驚かされるばかりでした。まさに本書はそれら文章、フレーズを集大成したもので、感激し楽しく読ませて頂いております。残念ながら先生は故人となってしまわれましたが、執筆、編集物が今も新たに出版されているのは素晴らしい事だと思います。ありがとうございました。