大西康之のレビュー一覧
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ネタバレ経営破綻に陥ったJALの再建に挑んだ、経営者稲盛和夫の「最後の闘い」に関する取り組みから稲盛自身の考え、そしてなぜあの短期間でJALが黒字企業になることができたのか、稲盛が築き上げてきた集大成の一部始終が紹介されている本である。
JAL再建においては特に稲盛の「アメーバ経営」と「フィロソフィ」、そして企業再生支援機構による適切な融資、そしてアメーバ経営、フィロソフィによって動いたJAL関係者の3つすべてが機能したことによる見事な再建劇であったことがわかる。
特に「アメーバ経営」と「フィロソフィ」は、まさに稲盛の「動」と「静」を具現化したものである。
「アメーバ経営」によってJALの収支は見 -
ネタバレ 購入済み
気になるプラットフォーム
自分にとってはいい本だと思いました。聞いたことのあるプラットフォーム名の成り立ちや創業者の生い立ちからコロナ以降の最近まで、簡潔に書かれてあり、自分はそれらをまともに知らなかったので、コンパクトにまとまっていていいなと、その整理が着きました。その人たちに共通しているのはコンピュータを学んで、生かして起業しており、先発のトレースをしている企業もありますが、現在エッジなのは音声や顔認識などAI?的な方に挑戦しているのかなと思いました。企業にとって消耗戦であることは、消費者にとってもめまぐるしく、その情報処理には疲れを感じています。また一方で、なぜこれくらいのことで、こんなに収益化できるのか、不思議
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購入済み
商才と時代、倫理観
今なお快進撃を続けるリクルートの基礎を作り上げた江副さんの軌跡を描いた本。当時の時代背景を考えると先見性に優れた経営者だった事がわかる。江副さん本人の凄さは勿論だが、作り上げられた組織風土が今でも残り、売り上げを上げ続けていることがすごい。
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東芝の原子力事業の失敗と、粉飾決算に至るまでの社内模様を描いたドキュメンタリー。本の存在は知らず、会社の上司から勧められて読んだが、事実は小説より奇なりという言葉がピッタリな非常に迫力ある展開の本だった。
登場人物のキャラクターがとにかく強烈で、人間の「欲」「保身癖」「失敗やミスを隠したくなる感情」「サンクコストを受け入れられない習性」などが経営に与える悪影響を身につまされた。
特に、各社員が粉飾を疑いなく「仕事」として認識し大真面目に取り組んだことや、その原因がトップの指示が絶対視される雰囲気だったことには驚きで、「サラリーマン全体主義」の恐ろしさを感じるとともに、自分のような担当者も経営 -
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ネタバレ自分が目的としていた本ではなかった。
池井戸潤の「銀翼のイカロス」を読み、JAL再建の歴史的背景、時系列に沿って展開されていく本にて勉強していたいと思っていたが、残念ながらその目的にぴったりと合う本ではなかった。
しかし、思わぬ収穫があった。
それは「稲盛和夫の哲学」に出会えたことである。
フィロソフィ、アメーバ経営等、名前は知っていたが、その内容は全くと言っていいほど知らなかった。
稲盛和夫がどのような経緯でその手法を編み出していったか、そしてJALの再建に関し、今までの稲盛氏の経験則をどのように活かしていったか、紆余曲折があったかが描かれている。
稲盛氏は拍子抜けするほど当たり前のこと -
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孫正義氏が「大恩人」と言い、スティーブ・ジョブズ氏が「師」と仰ぎ、松下幸之助氏が「教えてもらえ」と部下に指示し、ロバート・ノイス(インテル創業者)の創業間もない頃に手を差し伸べた、凄まじい技術者が日本にいました。シャープを一流企業にのしあげた佐々木正氏です。
真空管が技術の主流の時にトランジスターの有効性に着目し、トランジスターの次の技術として当時の大手電機メーカーが全て尻込みしたMOS(金属酸化膜半導体)の量産技術を確立させ、1970年代の電卓戦争の中で液晶ディスプレー、太陽電池といったその後の日本の半導体産業を牽引する技術を世に送り出すという業績は圧倒的です。
本書冒頭の1977年のシーン -
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巨額の粉飾決算が発覚し、「解体」された東芝のレポ。
切れ者高級官僚の原発推進政策を信じ、盲従したあげく見捨てられた、原子力部門の「黒幕」。
原子力事業の巨額損失を穴埋めするために、自分が立ち上げ優良事業に育て上げた半導体部門を売却させられた社長。
「チャレンジ」と言われ不正会計に手を染める社員。
最後は、早期退職という名の首切りか。
あわれだ。
が、自分がその立場にあったら、と考えさせられる。
「サラリーマン全体主義」世界で生きなければならないサラリーマン、「正規」社員も幸せとは限らない。
WH買収したときは、スゲー、と思ったんだけど・・・ -
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【感想】
日本の総合電機業界の成り立ちから近年の没落までがまとめられている。電力ファミリー、電電ファミリーとして甘やかされてきたが故に、時代の流れや海外企業の動きに対して適切な経営判断をしてこなかったのが敗因。
新規分野においては技術力もビジネスも後塵を拝している状況は厳しい。三菱電機が電機メーカーから機械メーカーへ変化しているのはせめてもの救いか。
消費者としては国内ブランドの家電がなくなっていくのは寂しい。
【目次】
序.日本の電気が負け続ける「本当の理由」
1.東芝 「電力ファミリーの正妻」は解体へ
2.NEC 「電電ファミリーの長兄」も墜落寸前
3.シャープ 台湾・ホンハイ傘下で再浮 -
Posted by ブクログ
★決めつけが物語としての迫力に★おそらく一度も会っていない電力システム社の田窪首席主監を冒頭のエピソードにもってきて、戦犯の一人として糾弾する。一度会いにいって会えなかっただけで接触をやめてしまう誠実さの欠如の裏側で、度胸というか割り切りというかストーリーテリングとしては見事。
経産省の国策に乗っかって、東芝のトップが思考停止して原発パッケージ輸出に邁進したことが問題だと指摘する。東日本大震災の前から、GEやシーメンスは原発は安全コストがかさみすぎプルトニウムの軍事利用も見込めないとして撤退。その時点から国と東芝は原子力オンチであり、震災が原因ではないという。いつも不思議なのだが、国の産業政 -
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電気産業の中の軽電、電子部品からITへ、古き良き 時代のモノ造り大国ニッポンから現在につながるお話し。
素人には専門的過ぎて解らない部分が、若い技術者のタマゴにはホコリを被った技術で判らないかもしれませんが。
革新的な技術によって成功を得る悦びと、その悦びも束の間、更なる技術革新によって追撃される厳しい産業構造。どんな仕事も人の繋がり無しには成し得ないし、人の為に動いてるようで実は回り回って自分に帰ってくるのという真理。(情けは人の為ならず)
古い話にも不変の理りがあるのかな?
そんな事が技術系の仕事に就いた息子に伝わることを願って、嫁がせせっと送る食品の梱包に突っ込みます。