大西康之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読むのにかかった日数:1日
臨場感のあるドキュメンタリーで、ページ数も少なくするする読めました。
特に前半の市長選の様子は圧巻!
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つくばエクスプレスが出来て、わずか30分ほどで秋葉原駅に到着可能となった利便性も申し分ない流山。
これから子供を産みたい、でも仕事も今まで通り続けたい。
そう考えている私は、果たしてどんな政策を行っているのか気になりこの本を手に取りました。
書籍を読んでいて一番惹かれたのは、流山市には市政としては異質なマーケティング課が存在することです。
この課はアメリカで街づくりを徹底的に学んだ井崎市長肝入りの課。
日本の自治体で唯一の課だそうです。
発足当初にマー -
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ちょうど仕事で流山おおたかの森に行く機会があって、ちょっと街に興味を持っていた。流山市は、ほかにも本が出ているくらい、街づくりの成功事例として注目されている。
この本を読んで感じたのは、大きな転換点である「つくばエクスプレス」開通はもちろん重要だったと思うが、それだけでここまで注目される街づくりに発展したわけではないこと。行政に民間の思想を取り入れたアプローチや、地域を盛り上げていこうとする個人・企業の存在があって、そこに感化された人々が次の変化を起こしていくという循環ができたのは理想的だなと思った。
あとがきで筆者も書いているが、何か特別な施策を行ったとか、すごい景勝地があったとかそうい -
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流山市民です。自分の住む流山市に関する本が売れているということで興味を持ち、本書を購入しました。
良かった点としては、普段から利用している流山市の施設や鉄道が、過去どのような歴史や人々の努力で作られたかが分かることです。つくばエクスプレスの駅の誘致から、ショッピンングモール、物流センターなど身近なものがどのようにして作られたかを知ると、少しこの街への愛が増しました。つくばエクスプレスの開通は確かに幸運でしたが、その幸運を逃さずに多くの人々がそれぞれの場所で努力した結果、今の人口増加に繋がっていることがよく分かりました。
ただし、流山市にお住まいでなく、市政や都市開発に興味がない方にとっては -
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バブル期以降の街づくりは、可処分所得の多いDINKS(共働き子なし)がターゲットだった。
それだと住民の高齢化に伴い街も衰退する。
そもそもDINKSは街に思い入れがないため、廃れた街は見捨てて出て行ってしまう。
(いまの日本の多くの街でこの現象が起きているように感じる)
そこで、流山市ではDEWKS(共働き子持ち)をターゲットに据えた。
こどもがいると余程のことがない限り出て行かないし、次世代にもつながるのだろう。
この本を読むと、(実際はそんなことないが)流山がとてもすごい街に思えてくる。
「6年連続人口増加率全国トップ」は事実かもしれない。
しかし自分の実感としては、かなり誇張して -
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ネタバレシャープ技術担当専務→副社長の佐々木力さんについての本。
カシオとの電卓戦争でシャープの陣頭指揮を執り、のちに電子工学の父とも呼ばれた人物。
戦時中の殺人電波の研究、電卓戦争の話、アポロ計画に携わりロケットササキと呼ばれるまでになった話、孫正義やジョブズとのエピソード、内容が濃くて面白かった。
以下は備忘録がてらメモ。
アスキー創業者でパソコンの天才と呼ばれた、西和彦さんから、
カリフォルニア大学バークレー校に面白い日本人がいると聞き、のちのソフトバンク孫正義に会いに来た。
その際、スティーブ・ジョブズにも出会った。
早川電機(現シャープ)に移籍して2年した際、電卓「CS-31A」を3 -
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関西からは、流山はひどく遠いところにある。どういう土地なのか、イメージが湧きづらいのだが、この本が描くイメージはビビッドだ。
街クリエーターやイベンターの手柄話ではないのが良い。ジャーナリズムの専門家であり、住民・当事者でもある筆者の自分事としての熱量が伝わってくる。
生き生きとした街を維持するのは、行政と住民のコンビネーション、ビジョンがうまく繋がって回ることが必要だということがわかる。
ただ、流山も、今は良いかもしれないが、全ての世代、全ての生業にとって、幸せな街なのか、今後もそうあり続けるのかどうか。今のインフラ・アセット、住民はやがて変性していく。CITYは時間的に連続した実体だ。その -
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<目次>
第1章 保育の楽園を生んだ奇跡
第2章 ヒューストンからやってきた市長~井崎美治物語
第3章 市議になるなら流山~近藤みほ
第4章 「母になるなら、流山市。」~流山改造計画
第5章 「千葉のニコタマ」はこうして出来上がった
第6章 起業するなら流山~和菓子店の女主人は31歳
第7章 流山は1日にしてならず~角栄を口説いた男・秋元大吉郎
第8章 野菜買うなら流山~有機農法の鉄人・小野内裕治
第9章 天才サッカー少年が球団社長になるまで~流山FC・安芸銀治
第10章 東京ドーム30個分の「EC神殿」が1万人を雇用する
<内容>
近年すこぶる評判の高い流山市。千葉県以 -
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ネタバレ官僚的で腐敗した巨大組織を根本から立て直すために必要な思想と行動が凝縮されている。
・まずはリーダーのマインドから。1日3時間の研修を月に17回開催(全て内製)。稲盛はそこで「利他の心を大切に」「嘘をつくな」「人をだますな」といった精神論を話し続けた。少しずつ、言い訳ばかり上手かった幹部に、責任感が芽生え始める。最終的にはJALの3万2000人を変えた。
・従業員の幸福追求を目指すため、組合とも本気でぶつかる。
・利益と安全。両方を追求する。シーソーの支点を持ち上げる。
・アメーバとフィロソフィは車の両輪。アメーバは仕組み、フィロソフィは考え方。 -
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会社更生法を適用されたJALの再生に、「晩節を汚すからやめておけ」と周囲に言われながらも奮闘した稲盛和夫の経営者人生最後の闘いを描いたドキュメント。大西康之氏は企業もののドキュメンタリーの名手として私が愛好する作家さんであり、最近は『起業の天才!―江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』がベストセラーになっています。稲盛和夫の考え方や行動指針がJAL再生という壮大なテーマの中で具体的に描かれており、特に大企業においてこれからリーダーを目指す人にとっては非常に参考になる内容と思いました。
稲盛和夫を言い表しているのは、エピローグにある以下の部分だと思います。
”20代から80代まで「静」