大西康之のレビュー一覧
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ネタバレ瀬戸英雄
p6 日本の倒産法には、破産法、会社更生法、民事再生法、および会社法の特別清算に関する規定がある
p16 日本における倒産は失敗のリセットでなく、タブーのままだ
p17 債務者のなけなしの財産を奪って無一文にするより、返済可能な水準まで借金をへらして(免責して)事業を継続させたほうが、最終的な債権回収額は大きくなる
p39 早川種三 会社再建の記
p46 4大法律事務所 西村あさひ法律事務所 アンダーソン毛利友常法律事務所、森濵田松本法律事務所、長嶋大野常松法律事務所
p54 株式会社産業再生機構法は5年間の時限立法だったが、カネボウ、ダイエーの事業再生を終えると高木は一年の運用期間を残して2007年にさっさと産業再生機構を精算してしまう
p58 当代きっての倒産弁護士、高木新二郎と瀬戸英雄の運命が激しく交錯する
p87 前原は京都生まれだが、両親は鳥取県の出身で、子供の頃、夏になるとSLにのって墓参りに連れて行かれた。その影響で鉄道をはじめとする乗り物が大好きになった。中学2年のときに、京都家裁の庶務課に務めていた父親が自殺し、その後は母子家庭で育った
p104 融資でも会社にお金は入るが、借り入れが増える。バランスシートを改善するには、返済の必要がない出資が必要なのだ
p148 辻本 あかん。この人たち、本当にJALがなくなっても構わないと思ってはる。JALの取引先には2万社の中小企業があって、そこが血の海になるなんて、想像もつかへんのやろうな
p249 スイス政府はスイス航空を見捨てるつもりはなかった
しかし2001年10月2日、アイルランドのシャノン空港で燃料会社が代金未払を理由に給油を拒否したため1便が欠航。これをきっかけに他の燃料会社も各国で給油を拒否したことでスイス航空はすべての運行を停止するグラウンディングの状態に陥った
p251 窓口札束積み上げ作戦
ジャスコが再建を支援するとわかった瞬間ヤオハンの棚に商品が溢れ、客足がもどった
p252 この実質倒産企業を相手にしたハイリスクハイリターンの融資をDIPファイナンスと呼ぶ
p257 修羅場を経験したことのない者ほど、無用のリスクをに怯えるんだな
p260 かつて昭和恐慌1927年の折、4度目の大蔵大臣に就任した高橋是清が、片面だけ印刷していない200円札を発行し、それを銀行の店頭にやまのように積み上げて、預金者を安心させ事態を沈静化させたのは有名な逸話だ
p262 日本の組織の危機管理は「事故をおこさない」ことに終始しがちだ。太平洋戦争がそうだったように「勝つこと」が前提で、「負けたときに備える人」は「裏切り者」「腰抜け」と罵られる。しかし米欧では「どんなに完璧を期しても失敗はあり得る」と考え、「退路」を確保しておくのがセオリーだ。「負けてもダメージは最少にする」という思考だ
p286 年たけて また超ゆべしと 思ひきや 命なりけり 小夜の中山 (西行)
この歳になって、再び命懸けでこの難所をこえることになるとは
p287 小善は大善に似たり、大善は非情に似たり 林述斎
小さな善行は良いことをしているように見えて大悪につながってしまうこともある。大きな善行は非情にみえることもある
p312 会社更生法の役割は会社を潰すことでなく、蘇らせることだ
p317 この国は敗者に厳しい、受験の就職も組織内での出世も。あらゆる競争が「負けたら終わり」のトーナメント方式で、敗者復活はない。誰もが勝つことよりも負けないことに必死で、リスクを冒さない
倒産法の要諦は敗者復活にある。1952年に米連邦倒産法第10条の制度を日本に移植した会社更生法が生まれてからこの方、高木新二郎や瀬戸英雄や倒産ムラの弁護士たちが目指したのは、まさに敗者復活だった
p323 米欧の経済記者に、あのシーンのことを聞くと、「あの社長がなぜ泣いているのかまったく分からなかった」
経営の世界でもスポーツの世界でも、敗者を晒し者にするのは、日本的あるいはアジア的な習慣だ
p350 稲盛がよく使う人間の分類に、聖人、君子、小人、愚人というのがある 資治通鑑
徳と才を併せ持つのが聖人。徳が才をうわまっているのが君子、才が徳を上回っているのが小人、徳も才もないのが愚人である
すべて兼ね備えた聖人は滅多にいない。まずは君子をめざすべきだ。才は人並みでも徳を積むことはできるから、凡人は努力次第で君子になれる。危ないのは小人だ。なまじ才があるので、私利私欲のために組織を危うくする
p377 新しき計画の成就は、只不撓不屈の一心にあり さらばひたむきに只想え 気高く強く一筋に
中村天風
p397 民主党政権の唯一最大の成果といわれたJAL再生
p401 人生なんて結局は自分次第。前を向いていれば、会社がどうなっても、路頭に迷うってことはない
p402 冨山 今、日本の事業再生業界を引っ張っているのは、元山一證券、元日本長期信用銀行、元日本債券信用銀行の人たちです。潰れるはずはない、といわれていた大手金融機関が消えたのは大事件でしたが、あれで日本の事業再生業界に優秀な人材が流れた
p407 「挑戦できる社会」とは「失敗できる社会」である。倒産という、経営上最大の失敗を経てもなお、会社や人はやり直せる。そんな社会でこそ、人々は勇気をもってチャレンジできるのだ。その勇気に報いるために、倒産に至る過程で複雑に絡み合った利害関係を解きほぐす管財人がいる。
稲盛和夫 最後の闘い -
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あなたは何がやりたいの?
こう社員に問い・任せたリクルート創業者 江副浩正。
日本株式会社の人事部として、日本の新卒中途採用の情報の流れを作った。
モノづくり大国で、情報産業を立ち上げるというゼロからイチを成し遂げる。
AWSのようなデータセンター構想を個人パソコン、スマホ普及前に構想する先見の明を持ち時流の先を行った。
しかし、リクルート事件で社会的に抹殺。
大きくなった新興企業の創業者として、自ら近寄っていった政治の濁流に乗り込まれる。
今となっては、違法か合法かよりも「高次元のモラル」が欠けていたとも言える。それを指南する指導者が回りにいなかったとも言える。
ダイナミズムという言葉がぴったりの江副浩正の半生であり、それを自叙伝ではなし得ない形で表したのが本書。
おもろかった。こんな人がこの先の、日本に出てくるだろうか?出てくるべきか?考えさせらる。 -
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ネタバレリクルート創業者江副浩正の生涯を追った1冊。
東大在学中に就職情報誌を作ったことからできた会社がいかに急成長を遂げ、いかにリクルート事件に辿り着いてしまったのか。
心理学を学んだ江副が、高度成長期の企業の中では珍しく、社員に「君は何がやりたいの?」「面白い!じゃあ君がやってよ」とやる気を起こさせる姿はまさにベンチャー企業!
グーグルの38年前に検索機能を構想していたり、インターネットの将来を予想していた先見性にも驚かされる。
まさにジェットコースターのような人生。
生まれる時代が早すぎたんだろうな。
日本にもこんな経営者がいたのに、私も含めて知らない日本人が多いと思う。
でも家庭人としては尊敬できないから⭐︎マイナス1。 -
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ネタバレ事実は面白い!起業家やビジネスのダイナミズムをリアルに感じられることができる名著。
リクルートや江副さんに関する初めての本。
印象に残ったのは以下の部分:
・壮絶な子供時代(母が3回変わり、父は昔の男性って感じ)
・大学時代からお金を稼ぐことに秀でた才能
・どこにも就職せずリクルート立ち上げここまで大きくした
・経営を学ぶ機会も先輩も上司もいなかったのでドラッカーの本に付箋をたくさん貼って経営を実践を通して学んで行った
・最初は大学内の新聞広告からスタート
・学生向けの情報誌「企業への招待」、初号こそ苦労したがその後は企業への問い合わせが増え、有名企業がこぞって出稿
・こんな昔から「データイズマネー、データを持つものが強い」の考え方
・トヨタの出稿を取るためにトヨタ課的なものまで作って現地に人を貼り付けた
・ダイヤモンドの参入で社長に出さないでくれと直談判→結局最終的にリクルートはシェア一位を獲得
・ジェフベゾスとの交わり
・超合理主義で仕事を進める
・個人の尊重、を一つに掲げて、大学に行けない優秀な高卒生、腰かけ入社としてあまり採用されない女子大学生を優秀なら採用してた
・女帝と呼ばれのちに3代目社長となる河野栄子
・カリスマ性がないと認識していた江副さんは福利厚生に金をかけた
・カリスマ性がないと思っていたからこそ、社員のモチベーションをひきだすために「どうしたいの?」を聞いていた。コーチングアプローチに近い。不平不満の「評論家」社員を「当事者」に変えてしまう
・大沢さんの「心理学的経営」
・待ち時間が嫌い、同時に2-3のことをやらないと嫌
・志布志の土地を購入。石油備蓄構想があり、地価の値上がりを見込んでのこと。建前は社員のための保養所。チームビルディングの先駆け。当時500人、何やってるかわからないが発生し始めていた。顔が知れると知恵を交換し合うようになった。
・小集団に分けてそれぞれに事業責任を持たせるプロフィットセンターを導入。平成になるとその数は1600にも。社員皆経営者主義
・早稲田の入山さん取材で「リクルートには内発的動機がある。外発的動機は報酬や昇進、内発的動機はやりたい、楽しみたいとうちから出てくるもの」
・安比のリゾート開発、スキー場としてのブランド化
・都内に不動産を買おうとしてて情報がないことに気づく。徒歩十分と書いてあり実際歩いたら30分、これはじゅうぶんと読むんだよ言われるくらい不動産業は売り手優位、悪徳、情報の精度も悪かった。ここから生まれたのが住宅情報雑誌、スーモの前身
・余談:鉄道殉職者の妻の働き口のために作られたのがキヨスク
・当時の経団連会長の稲山氏から「ものづくりをしないリクルートは虚業」と言われる(その後経団連加入自体は認められる)
・1984というジョージオーウェルの小説
・情報自由化を見越しNTTの対抗馬となる企業立ち上げが始まる。稲盛さんなど錚々たる経済界の有名人が集まり江副さんも初期メンバーで会合には参画。しかしソニーの盛田さんにまだ早いと第二レイヤーの投資企業に回される
・敵の敵は味方的にNTTとの協業を開始。回線のまた貸し業。
・採用コピー、企業人より起業人
・当時から情報に価値を置いていた江副さんはすごい
・IT新規ビジネス開発のため東大工学部が必要と考えた。当時NTTや新日鐵に行く人が多い中人事部長は東大近くの寿司屋2階を3ヶ月貸し切って座敷でくどくを繰り返し、落ちそうな学生は江副さんが出てきて最後の1推し
・スティーブ・ジョブズがペプシの事業部長だったジョンスカリーを口説いた「いつまで砂糖水を売るつもりなのか、自分と一緒に世界を変えよう」
・即戦力採用のためMBA社費留学中の学生を現地で一本釣り
・AWSのようなクラウドコンピューティングのビジネスを誰よりも早く構想し、スーパーコンピュータにも多額の投資をする。paypalの何年も前に、ファイテルというベゾスが新卒入社したオンライン決済のベンチャーに出資し、と明らかに産業の第三の波を捉えていた江副さんは、第二の波(産業革命後の工業化社会)に留まる日本では明らかに異端児。情報化社会という第三の波に乗り切れなかった日本の敗北はここから始まっていた。
・情報産業と不動産にしか興味がなくなり取締役会でも政治家や高級官僚の話ばかり。1億2億のコストカットについて喧喧諤々と議論をする他の幹部を小馬鹿にする態度。
・政治家に高い酒ではなく安比で取れたサツマイモやトウモロコシを一筆添えて贈っていた。その感覚で新たに「リクルートコスモスの株」を配ってしまっていた。上場目前で自分の株は譲渡できないので、安定株主として過去に売った近しい経営者から一部買い戻しそれを政治家や秘書83人に配りこれが還流株と言って問題になった。
・経営者仲間で女性を連れて行った沖縄旅行が週刊誌にスキャンダルとして出る
・当時あまりまだインサイダーの線引きがあやふやだった。企業の人事情報が無限に入ってくるプラットフォームになったリクルートは本来神の見えざる手のところが神の視座を手に入れた状態。自社の努力で集めた情報を使って儲けて何が悪いという発想でどんどんダークサイドに堕ちていく
・朝日が記事にした。直接的に言葉は使わなくとも「未公開株」「川崎市助役」「売却益一億円」と一面に報じ他紙も追随。株を譲渡された日経新聞の会長も辞任に追い込まれた。江副さんの周りでは脅迫も起こり不穏な空気に包まれていた。
・当時の日本ではエンジェル投資家というものが存在しなかった。江副さんに助言をくれる人はいなかった -
Posted by ブクログ
ネタバレリクルートを創業した江副さんのストーリー。企業はどう経営するとどのような人が集まり、どのように考えればどのように傾いていくのかがわかった一冊だった。自分以外の人間を信用し、任せて、大きくしていくことで、社員ひとりひとりそれぞれが経営者のような会社を作った江副さんだったが、バブルの中不動産売買にのみこまれ、政治家と深く関係を築いていき、いつしかその隙間に人間の黒い欲望や思惑が入り込んでいって最後には自分を壊してしまった人。先見の明があり未来を見据えていたロマンある人で、さらにそれに周りの人を巻き込んで仲間を増やす、人の天才だった人。世代が違うので、生きていたらどんな人だったか、動いているところを見てみたい人だと思う。ダイエーの中内氏が崩れゆくリクルートを、江副さんの思いごと引き継ぐ場面は、とても胸に込み上げるものがあった。わたしも本気で仕事しなければと、思った。
この本の中の場面描写はどれほど正確かわからないけれど、本物のように感じる、その取材力はすさまじいものだと思う。 -
Posted by ブクログ
読むのにかかった日数:1日
臨場感のあるドキュメンタリーで、ページ数も少なくするする読めました。
特に前半の市長選の様子は圧巻!
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つくばエクスプレスが出来て、わずか30分ほどで秋葉原駅に到着可能となった利便性も申し分ない流山。
これから子供を産みたい、でも仕事も今まで通り続けたい。
そう考えている私は、果たしてどんな政策を行っているのか気になりこの本を手に取りました。
書籍を読んでいて一番惹かれたのは、流山市には市政としては異質なマーケティング課が存在することです。
この課はアメリカで街づくりを徹底的に学んだ井崎市長肝入りの課。
日本の自治体で唯一の課だそうです。
発足当初にマーケティング課を起こすことについては、「行政が金儲けをたくらむなんて」と反対の声も多かったそうです。
既得権に真っ向から立ち向かう姿勢には心打たれるものがありました。
市政に携わる職員の方の活躍以外にも、流山の制度や土地を活かして自ら動こうとする人々の様子が多く描かれていました。
本音を言えば人口増加率向上を達成するために行った施策についてもっと掘り下げたり数値的なデータを見たかったという思いもあります。
しかし限りなく『人』にフォーカスしたところが、流山市の力強い面のアピールに一役買っているのかなとも思いました。
文末のあとがきにある通り、「自ら機会を作り出す」人を後押しし、そのサポートを受け力強く踏み出していく人々が作り上げた結果が、今の流山市なのだと感じます。
行政を「自分一人が声を上げても何も変わらない」と他人事にするのではなく、当事者の一人として行動していくこと。
その大切さについて、改めて考えることが出来る書籍でした。 -
Posted by ブクログ
ちょうど仕事で流山おおたかの森に行く機会があって、ちょっと街に興味を持っていた。流山市は、ほかにも本が出ているくらい、街づくりの成功事例として注目されている。
この本を読んで感じたのは、大きな転換点である「つくばエクスプレス」開通はもちろん重要だったと思うが、それだけでここまで注目される街づくりに発展したわけではないこと。行政に民間の思想を取り入れたアプローチや、地域を盛り上げていこうとする個人・企業の存在があって、そこに感化された人々が次の変化を起こしていくという循環ができたのは理想的だなと思った。
あとがきで筆者も書いているが、何か特別な施策を行ったとか、すごい景勝地があったとかそういうものではなく、市民を巻き込んでやるべきことをやって変化を起こした、ということに尽きるんだけど、それが簡単ではない。
画一的な大手チェーンに頼らない、可能性を引き出す街づくりは今後も重要になると思う。 -
Posted by ブクログ
流山市民です。自分の住む流山市に関する本が売れているということで興味を持ち、本書を購入しました。
良かった点としては、普段から利用している流山市の施設や鉄道が、過去どのような歴史や人々の努力で作られたかが分かることです。つくばエクスプレスの駅の誘致から、ショッピンングモール、物流センターなど身近なものがどのようにして作られたかを知ると、少しこの街への愛が増しました。つくばエクスプレスの開通は確かに幸運でしたが、その幸運を逃さずに多くの人々がそれぞれの場所で努力した結果、今の人口増加に繋がっていることがよく分かりました。
ただし、流山市にお住まいでなく、市政や都市開発に興味がない方にとっては、そこまで楽しく読めるかは分かりません。また、自分は子どもが居ないので分かりませんが、子育て支援に関する施策に事実と異なる点があるという他の方のコメントが少し気になりました。
総評としては、情報が新しく流山市に住む人にとってはとても身近で、楽しめる本になっていると思います!そうでない方も、市政や都市開発に興味のある方は楽しめると思います!
一市民として、これからの流山の発展を願っています。