大西康之のレビュー一覧
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リクルートという会社が、どんなことをしているのか。あまり知らなかった。また、江副浩正がどんな仕事をしていたかも知らなかったが、この本は実によくまとまっている。マスコミの報道では、江副浩正のマイナスの部分ばかりの印象操作されているような気もした。常に、新しいビジネスを考案してきたことに、素晴らしいと思った。江副浩正は、紙ビジネスによるGoogleを目指した、つまり紙ビジネスのプラットフォーマーを目指した。
リクルートは、株式時価総額が7兆円を超え、国内企業の中で第10位の規模を有する総合情報産業の企業である。1960年(昭和35年)、大学生向けの広告代理店として創業された。当初は、同窓の森稔の経営する森ビルの屋上にある小屋から始まり、1962年(昭和37年)には「企業への招待」という冊子を発行した。成長するたびに事務所を移転しながら規模を拡大し続けた。また、その本で、一流の経営者に江副浩正がインタビュアーとしてあったことが、大きな財産となった。
しかし、1988年(昭和63年)にリクルート事件が発生し、その後のバブル崩壊や「失われた時代」と呼ばれる困難な時期を迎えることとなった。
江副浩正は、星新一の描いた『服を着たゾウ』のような存在であった。江副浩正は、まるでゾウが「人間とは何か」を理解しないかのように、「経営者とは何か」をあまり理解していなかった。経営とは何か、経営者が何を為すべきかについては、江副浩正は書籍で学び、常に学習と考察を重ね、その都度実践してきた。会社に危機が訪れるたびに、「経営者とは何か」を問い続け、その都度成長していった。必要に迫られて、学び、そこから新しいビジネスを作る。ゼロから1にする仕事を作った。
江副浩正は、次なる時代を動かすものは「もの」ではなく「情報」であると見抜いていた。また、日本を代表する盛田、本田、松下などのカリスマ的リーダーシップに代わるものは、「社員のモチベーション」であると確信した。江副浩正は心理学を経営に取り入れ、社員に対して「こうしろ」と命じるのではなく、「君はどうしたいのか」と問いかける手法を採った。社員は初め戸惑うこともあったが、自らのやりたいことを語るようになり、「だったら君がやりなさい」と決断させるのだった。リクルートには「あなたはどうしたい文化」が根付いていた。
江副浩正は、「誰でもいいから結果を出せる人」を登用した。江副浩正は、合理主義を体現するような人物であった。リクルートの理想は、「来るべき情報化社会の先頭に立つ」ことであり、「情報が人間を熱くする」というスローガンを掲げていた。江副浩正は、会社の成長を支える仕組みを築き上げた。そして、江副浩正の強烈な個性とキャラクターにより創業したリクルートは、江副浩正がいなくなってもその後も一貫して成長を続けた。
リクルートの社訓は「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」である。江副浩正は、「君のアイデアが素晴らしいのはわかった。しかし、それを実現するにはチームが必要だ」と説いた。自分のアイデアを実現させるためには、優秀な仲間を3人集めて仕事をスタートさせることを奨励した。これは、「自分の仕事は自分で作り出す」ことにほかならない。こうした方針のもと、社員は発想の柔軟性を持ち主体的に動き、仕事を楽しむことを重視した。そうして、ビジネスは成功へと導かれていった。
江副浩正は、自身の能力に自信がなかったため、リーダーシップを持った親分肌の池田友之、産業心理学の専門家で学究肌の大沢武志、コピーライターで芸術肌の森村稔といった創業メンバーで会社を作っていった。また、デザインの巨匠・亀倉雄策の支援も加わった。江副浩正は、「なんでも自分が一番」という姿勢だけでは企業は大きくならないと考えていた。
江副浩正は、ドラッガーを師匠と慕っていた。ダイヤモンド社の社長に直接会いにいくシーンは、度胸がある。ドラッガーの「まさに一本の草しか育たなかったところに二本の草を育てるものこそ、人類の福祉に真に貢献するものである」という言葉を重視する。つまり一石2鳥を狙うのだ。
鹿児島の志布志の開発、安比高原の開発などは、一石2鳥以上の効果を狙った。
就職ガイドブックは、ただのフリーという雑誌の販売を作った。それを不動産の分野にも広げ、住宅情報雑誌という新しい情報ネットワークビジネスを作り出した。そして、社員に対して、その自由に働ける環境を作り上げた。いやはや、江副浩正、すごいぜよ。いい勉強をさせていただいた。それにしても、大西康之はいい仕事している。歴史の中でのその人を正しく評価することが大切だ。「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」はいい言葉だ。 -
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ネタバレリクルート創業者の江副浩正の一生を描いた一冊。
0から価値を生み出す姿や尊さに胸が熱くなりつつ、リクルートという会社にも強く惹かれた。
以下、メモ。
自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ
欠乏感を埋めるために、懸命に学び、素直に実行したのです
自分よりも優れた者に働いてもらう方法を知る男ここに眠る
じぶんの「こうしたい」を部下に伝えると、命令と服従の関係になってしまう。
だから部下にしつこく「君はどうしたいの?」「それで?」「こういう見方もあるよね」と根気強く聞き、「さすが先生!おっしゃる通り」「君がやってよ、君の言う通りなんだから」と会話して、「評論家」だった社員を「当事者」にかえてしまう
地方出身者で家が貧しく、野望に燃える人材を獲得せよ -
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帯:
日本が誇る破壊的創造者の表裏の顔
要約:
どうやってリクルートができ、どうやって成り上がっていったのかわかる。リクルートの本質は情報の民主化と情報の最適化マッチング。
そして、江副さんが危ない橋を渡っていたのは祖父の教え「法に触れさえしなければどんどんなんでもやってみろ」と江副さんのメンターとなるようなエンジェル投資家がいなかった日本、寂しがり屋に要因がありそうだ。
感想:
まさにフィクションのような実話だった。
日本は資本主義でありながら、世の中は同調圧力に溢れ、社会主義のような精神が残っているというところに悲しさと衝撃的なショックを感じた。
江副さんが生きていたらどこまでの未来が見えていたのか、どの瞬間にどこまで想像したのか聞いてみたい。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」
「会社の主役は一人ひとりの社員」
「法に触れさえしなければどんどんなんでもやってみろ」など
多くの心に響く言葉が詰まっている本だった。
既存の秩序をぶち壊すならず者になれ
自分の理想は自分の力で叶えよ
江副さんは需要と供給の差を見る目にとてつもなく特化した人だと思う。情報の差を埋め、その場を提供する。商流の作り方が見えてくると思う。 -
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今や時価総額10.5兆円、ランキングでも上位に名を連ねる巨大企業リクルートを創り上げた男の生き様について。
その優れた手腕と事業への高い熱量を数多のエピソードとともに紹介している。
特筆すべきはインターネットの隆盛を見定めた「時代の先見性」と良い人材を雇うためなら何でもためらわない「採用狂」の資質。
「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」との彼の言葉はあまりにも有名で、今のリクルートのDNAにも受け継がれている。
創業間もないベンチャー企業が、いかにして東大の優秀な人材を事業に引き込みビジネスマンとして才能を開花させたのか。
東大が生んだ最大のベンチャー企業家として日本を率いる人材の1人であった彼が、表舞台から消すことになったきっかけの「リクルート事件」についても、本書を通すと見方が変わってくる。
江副浩正の壮絶な人生を追体験できる一冊。 -
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【購入した理由】
流山がすごいが面白く、同じ作者の本を探していたところ見つけた。自分が偉人伝が好きなので読んでみようと思い中古で購入。(電子書籍しかなかった)
【感想】
とても面白くあっという間に読み終わった。
シャープという会社は私が物心ついた頃には液晶テレビやMDプレイヤー、ヘルシオなどの一大企業としてしか見てなかったが、電卓戦争や電子レンジなどの素晴らしい技術を持った会社であったことを知った。
また佐々木正さんの『共創』という考えは確かにに日本の技術の競争優位性を崩してしまったと思うが、人類の進歩には大きく貢献していると思った。
国という単位で競いあっている限り戦争も絶えないし、技術の奪い合いとなってしまう。佐々木さんは人類という広い視点で世の中を前に進めようと考えていたのかもしれない。 -
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稲盛和夫によるJAL再建はあれよあれよという間にV字回復を遂げて完了してしまったという印象だったが、大変な苦労、葛藤が当然にあったわけでその内幕を詳細に教えてくれる本書は迫真のドキュメンタリーであり、極上のリーダー論である。腐りきった巨大官僚組織の再建はとてつもない難事業で、カリスマ性と哲学、信念のある稲盛氏でなければ到底無理だっただろう。
稲盛氏の自著はたくさん読んできたが、他者による評伝は氏のパーソナリティ、生き様を客観的に鮮やかに伝えてくれる。若くして創業し従業員たちの人生を背負い始めた時から心と信念を磨き続けてきた80歳稲盛氏のJAL再建は、稀代の名経営者の最後の大仕事であり、日本社会に熱いメッセージを残した。そのメッセージを確かな構成力でまとめ上げた見事な労作。大いに感動し感銘を受けました。
また、稲盛氏は民主党に期待し、物心両面でかなりの支援もしていたわけだが、野党転落、党の解体、特にかわいがっていた前原氏のなれの果てには相当寂しい思いをしただろうと思う。「民主党が天下を取ってもいい加減な政治をすれば、次に修正された自民党が政権を取る。何回か繰り返す間に人類の英知が生まれ、新しい国に変えてくれると思う」という民主党が政権を取る前の自身の発言がいくらかの慰めになるだろうか。