大西康之のレビュー一覧

  • 東芝解体 電機メーカーが消える日

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    国に甘えていた構図の電電ファミリーと電力ファミリー関連事業が国際競争力を失ったのではなく、もとより無いということがよく理解できた。
    しかし、ではどうしろと?というと難しい。要は強みのある分野かつ市場拡大が見込まれる分野への集中投資、というのが答えなのだろうが、どこもそれを一生懸命やってきた。そして大抵裏目に出ている。
    経営者の戦略的判断の質、というしかないのだろうか。

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    2019年04月23日
  • ロケット・ササキ―ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正―(新潮文庫)

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    シャープの電卓をナンバーワンの地位に引き上げ、その後も半導体、液晶などの最先端の技術に挑戦し、会社の成長に大きく貢献した佐々木正氏の評伝である。日本のみならず海外を含むその人脈は瞠目に値する。その代表がスティーブ・ジョブズ氏であり、孫正義氏である。その人脈はひとりシャープのみならず他者、特に若い人達の育成のために活用された。佐々木がシャープ経営の第一線を退いてからはシャープの迷走が始まり、現在はご承知の通りの有り様である。この本から得られる教訓のひとつは、会社経営にあっては好調時の品目のみに捉われることなく、常に次世代の品目開発に注力すべきことである。また、特に印象深かったことは、超一流経営者

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    2019年04月10日
  • ロケット・ササキ―ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正―(新潮文庫)

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    馬鹿なマスコミの努力ですっかり自信をなくしてしまったかのような今の日本だが、今のニッポンだってきっとたくさん偉人はいる。誇れ、我が祖国を。

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    2019年04月08日
  • 東芝 原子力敗戦

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    原子力発電を日本に導入したのは正力松太郎と中曽根康弘であり、"発電だけが目的で成立し得ない原発のコストだが、英政府は「軍需との両目的なら採算がとれる」と考えた。日本政府も同じだっただろう。"とあるが、
    GEとウエスティング・ハウジング(WH)が原子力潜水艦の原子炉の開発競争をして WHが勝ちGEが負けたので開発費を回収するため、日本やスウェーデンなどの同盟国に売りつけたのだと別の人が書いていた。その意味で原発は「軍事だけで採算が取れないプルトニウム生産・原子炉ビジネスのコストを発電との両目的なら採算がとれる」という表現が正しいだろう。
    東芝社内のサラリーマン全体主義は日本の

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    2019年03月10日
  • 東芝 原子力敗戦

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    90年代後半から現在に至る東芝の内部崩壊を描いたノンフィクション。そこに至るには様々な経緯や偶然の重なりがあるわけだが、シャープの内幕を描いた本などと通底するのは社長を頂点とする大組織内出世と実績作りの虚構さの凄まじさである。よく言われる大企業の"内向き姿勢"がこれほどまでに強烈に作用している事例はないように思うが、シャープもほぼほぼ同じ展開なので、どの大組織にも通じることなのかもしれない。

    またもう一つの観点は、外国企業のM&Aの難しさである。この本では東芝によるウエスチングハウスのM&Aの内幕が生々しく描かれているが、これもまた大企業あるあるである。基本的には内部的な

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    2019年01月04日
  • 東芝解体 電機メーカーが消える日

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    東芝をはじめ各電機メーカーの歴史を紐解き、過去の失敗をつまびらかにしている。
    過渡期にある今、経営者はどう進むべきか。過去から学ぶべきだ。そして技術者はやはり技術を追求すべきだと感じた。

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    2018年12月15日
  • 会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから

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    この本を読んで、今後、パナソニック製品を絶対買いたくないと思った。

    松下幸之助の創業精神は、もう残っていないのだから。

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    2018年11月28日
  • 東芝解体 電機メーカーが消える日

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    "日本の電機産業が歩んできた道をメーカー別に振り返り、好調とは言えない各社の現状を分析した本。本書を読んでいると、あたかも当事者から聞いたようなコメントがいくつかちりばめられているが、著者は取材で得た情報なのだろうか?あとがきには、取材によるもだと記載がある。
    本書をそのまま受け入れれば、もはや技術大国という名は返上しなくてはならないかもしれない。アジアのコンペチターの方が、技術力でも販売力でも上を歩いている。
    しかし、こうした現状で敗北が決まったわけではない。優秀な人材があまたある我が国のエンジニアの知恵を結集すれば、活路は見いだせないはずはない。
    だが、世界でビジネスを戦うには、

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    2018年11月25日
  • 会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから

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    ・第三者割当増資は文字通り増資を引き受けた第三者が経営に対して大きな発言権を持つことになる。公募増資ができないところまで市場からの信用を棄損した段階で第三者割当増資に至るのが通常のパターンである
    ・「京セラがすごいのは徹底する力です。普通の会社はどんなにルールを作っても、どこかで「それくらい、いいじゃないか」という例外を作ってしまう。例外を1つ作ると、ルールはあっという間に形骸化していくんですよね。しかも組織の上に行くほど、例外が増える。下に厳しく言っても、上はなあなあなわけです」
    ・人減らしというのは”麻薬”だ。まとまった人数を減らすと固定費が軽くなって、一時的に業績が回復したように見える。

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    2018年11月04日
  • 会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから

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    "日本の技術者の底力を感じられる本。確かに会社が消えることで、多くの人が困るし今までの仕事とは別の仕事を探さざるを得ない。
    ただ、一部の技術者や営業マンは自らの強みを生かして活路を切り開いていく。そんな矜持を持つ人たちも取材している。
    会社をつぶしてしまった経営者ばかりではなくね。
    三洋電機の社風をいまさらながら知ることができた。こんな社風の会社がまた日本に生まれてきてほしいと願わずにはいられない。"

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    2018年11月04日
  • 会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから

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    三洋電機がパナソニックに吸収され、サンヨーブランドが消えた。そして全世界で10万人いた三洋電機の社員はちりじりになった。なぜ三洋電機が無くなってしまったのか、そしてその後の社員達はどうしたのか。これは三洋電機だけの道ではないな。パナソニック、ソニー、シャープもその危険性がある。日本の製造業全てにいえるのかもしれない。産業構造が変わってしまった。

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    2018年10月20日
  • 東芝解体 電機メーカーが消える日

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    刺激的なタイトルの通り、

    内容もなかなか刺激的。


    日経新聞で長く取材を続けて来た筆者からみた日本型総合電機の衰退の歴史が綴られている。


    東芝、シャープ、NEC、ソニー、パナソニック、日立、三菱電機、富士通


    どの会社にも至極手厳しい論調で、

    評価されてるのは唯一三菱電機だけ。


    筆者の指摘はよく言われていることで、

    バブル崩壊や、アジアメーカーの台頭、東電、NTTとのファミリービジネスの崩壊などの事業環境の変化に対し、適切な事業のリストラクチャリングが出来なかったこと。

    どの会社も技術へのこだわりや社内政治にしがみついてしまい、気がついた時には後の祭りになっているというパタ

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    2018年09月18日
  • 東芝解体 電機メーカーが消える日

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    日本の電機メーカーの多くは、電電公社から仕事をもらっていた電電ファミリーと、電力会社から仕事をもらっていた電力ファミリーに属する。通信、電力が自由化され、そのような下請け的な仕事が減ってきたところに、グローバル競争、新興国の台頭の大きな波を受け、起業として凋落していった。本書では、大きな時代の変化に対応できなかった経営者たちの姿を、太平洋戦争での敗戦の原因となった指導者たちの姿と照らし合わせながら描いたという。
    過去の成功モデルから離れられず、市場の変化に対応するより、社内の抗争に力を注ぐ姿は確かに多くの日本企業にみられたものだとは思うが、はたして日本だけに特有なものだろうか?IBMなど欧米の

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    2018年09月14日
  • 東芝解体 電機メーカーが消える日

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    東芝やシャープなどを含む
    8つの電気系企業について

    どのような経営で
    国際競争力を失ってきたか
    経営者が変わってなにをしたか

    事実がまとまった形で書かれていて
    わかりやすいので
    読んでみてもいいかんじ

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    2018年05月03日
  • 会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから

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    他人事とは思えないです。サンヨーから西松屋に移った技術者の話もありましたが、
    私の友人にも某電機メーカーから西松屋に移った人がいて、たぶんその彼もたぶんこうだったんだろうなぁと思いを至らせています。

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    2018年04月21日
  • 東芝 原子力敗戦

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    何のために生きるのか?
    幻想の上に成り立つ社会。
    今はまだ、怒りにとらわれないよう
    気をつけよう。

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    2018年02月13日
  • 稲盛和夫 最後の闘い

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    2010年2月誰もが尻込みした破綻したJALの会長を引き受けた稲盛さん。そして脅威とも言えるスピードで再生を果たした。本書はその過程を描いたものである。

    稲盛さんのすごみは伝わるけれども、JAL再生にはもっといろいろなことがあったはずなので、もう少し多数の人に踏み込んで取材をして書かれていればという印象を持った。あくまで印象だけれども。

    稲盛さんは、JALを立て直すことで、あのJALでもできたのだから俺たちにも、と日本中の企業が奮い立ってくれると思ったという。だから引き受けたと。フィロソフィとアメーバ経営をやれば日本の企業は立ち直ると。
    残念ながら経営の建て直しはできたが、その結果は期待し

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    2017年12月30日
  • 東芝 原子力敗戦

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    これが事実だとすれば随分ひどい話だ。株主からの責任追及は当然として、刑事責任は追及されないのだろうか。

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    2017年09月29日
  • 稲盛和夫 最後の闘い

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    JALを再生することが、日本の企業を再生させる。
    そんな信念のもとに JAL再生に取り組んだ 稲盛和夫。

    年長けて またこゆべしと思ひきや 命なりけり 小夜の中山
    新古今集 西行

    『計画は一流、言い訳は超一流』のJALなのだ。

    『全従業員の物心両面の幸福を追求する』
    と堂々と言う 稲盛和夫。

    資金注入とリストラだけでは 再建できない。
    漢方薬的な治療。
    フィロソフィとアメーバの両輪。
    それまでは、安全を理由にコスト感覚がなかった。

    私心がないゆえに 育てることができる。
    辛抱強い バカがいい。
    とにかく、再建した 稲盛和夫の手腕は すばらしい。

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    2017年09月22日
  • 東芝解体 電機メーカーが消える日

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    東芝をはじめとした日本を代表する電機メーカーの凋落を、その会社の体質やグローバル化との関係から痛烈に批判する。

    東電をはじめとした電力と、電電公社の通信の庇護下にあったせいで競争力と気概を失ってしまい、その2つが自由化された時に大ダメージを受ける、というのは正鵠を得ている。
    ノキアやシーメンスなどを引き合いに出して、潮流が変わっているにも関わらず、プライドやサンクコストに邪魔されて利益を出せない事業に固執して損失を拡大していくというのも残念でならない。

    個人的にはシャープが鴻海の傘下に入ったのは大正解だと思うし、韓国台湾中国のメーカーを格下に見る国民や官僚の意識は百害あって一利なしだと思う

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    2017年06月17日