石原慎太郎のレビュー一覧
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偉人が死を前に何を考えていたか。死を前にしているからこそ取り繕っていない表現であるように感じた。他者の考えが垣間見える興味深い作品だと思う。「死はつまらない」という言葉が印象的。これまでの人生で数多くの心身が震える刺激的な日々だったであろうことが伺える。自分は死を前にして何を思うだろうか。数年前にこ...続きを読むPosted by ブクログ
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この頃、女性による、男性の男性性を否定するような本ばかり読んでいたので、もうちょっと偏りなく幅広いジャンルの本を読まなければと思っていたところ、この本が目に留まりました。まずタイトルを見て、おぉ!私だって死ぬ前に「私という女の生涯」っていう本を出して死にたいわ、と思いました(誰も読まないだろうけど笑...続きを読むPosted by ブクログ
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先般亡くなった石原慎太郎氏のショートエッセイ集。
さまざまなストーリーが語られるが背景がスキューバだったりスポーツカーの運転だったりするところでかなり浮世離れしていて石原慎太郎ならでは、と感じる。
全編通してあふれるのは氏の感性とそれを着実に写し取る表現力だ。
最後の一編、「虹」は実弟の石原...続きを読むPosted by ブクログ -
芥川賞選定に際して井上靖が、こんな青年現代に沢山いるに違いない、と述べたらしいが、内面に爆発的な負の感情を秘めた青年はそれこそ数え切れないほどいるだろう。そのエネルギーを拳闘に注ぐことは出来なかったのか。男運に恵まれない英子と出逢ってしまったがために、その捌け口を誤った方向にもっていかれたのかもしれ...続きを読むPosted by ブクログ
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平成27年は大東亜戦争の敗戦から70年。サンフランシスコ条約発効後、日本は独立を回復したことになっているが、それは虚構ではなかったか――。
こう主張する石原慎太郎氏は、少年時代の戦争の記憶、日本人としての敗戦の屈辱感を原体験とし、以後の自身の人生を戦後日本社会と重ねながら伴走してきた。衝撃のデビュ...続きを読むPosted by ブクログ