石原慎太郎のレビュー一覧

  • 男の業の物語
    今年亡くなった石原慎太郎氏の著書。様々な男の生き様を石原氏の独特の筆致で描く一冊。いい歳の取り方をしたいと思う。
  • 死という最後の未来
    「とにかく最後まで探究したい、戦いたい」石原氏と「そのまま受け入れる、流される」という曽野氏。全く逆の考え方の二人の対談。「死」「老い」、二人の信仰している宗教の話など多岐にわたる話で面白かった。
  • 老いてこそ人生
    慎太郎さんが亡くなってから4人の息子がTVに出ていました。
    父を語る4人の息子の笑顔がすんごく良くて。

    ここ数年自分の体に対して衰えと落ち込みを、ずっと考えていて何気に読んだこの本で「ああ慎太郎さんもそうだったんだぁ」と妙に安どしてしまったと同時に自分の3人のこどももいろんな目で父親である自分を見...続きを読む
  • 天才
    天才が天才を描いた1冊。晩年しか知らない氏だけど、今太閤なんてもてはやされたのはわかる気がする。いつの時代も永田町は魑魅魍魎や牛頭馬頭のうごめく世界なんだろうけど、50年にひとりの逸材だったんだろうなぁ。失意の晩年になってしまったことが悔やまれるが、時代が変わっていたのかな、寵児だったころからは。
  • 天才
    石原氏は、田中角栄がきっと大好き。
    あとがきで自分が彼を批判した事も書いているが、でもきっと、政治家として人間として、田中角栄を好きなのだと感じさせられる。
    リアルタイムでは知らない政治家ではあるが、著者に誘導されて田中角栄を魅力的に思う自分がいる。
    『自ら反りみて縮くんば千万人といえども吾れ往かん...続きを読む
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    出版当時は相当に話題となり、太陽族なる人々が現れるほどだったようだが、もしここ数年でこれが出版されていたらと考えると、おそらく相当な批判に晒されることだろうと思う。

     本書後半部の主人公の行動、言動は特に気持ち悪く感じ、到底受け入れられるものではなかった。
    だがその一方で肉体的、精神的に抑圧されい...続きを読む
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    元東京都知事・石原慎太郎氏の、作家時代の代表的短編が収録されています。
    石原慎太郎氏は、昭和生まれとして初めての芥川賞受賞作家です。

    この頃、文筆に載せるべき共通した思想が無いが、相次いで現れた作家陣を『第三の新人』と呼称していました。
    石原慎太郎氏は世代としては『第三の新人』と被るのですが、その...続きを読む
  • 太陽の季節
    第1回文學界新人賞受賞作にして、第34回芥川賞受賞作。

    表題作の「太陽の季節」を含め、「処刑の部屋」、「完全な遊戯」、「乾いた花」とどれも退廃的な若者の姿が描かれている(「ファンキー・ジャンプ」は、内容がよく分からず途中で読み止めてしまったため不明)。

    表題作「太陽の季節」は津川竜哉と英子のbo...続きを読む
  • ある漢の生涯 安藤昇伝
    漢の駆け抜けた軌跡。
    知っていれば選択肢の一つになるだろうし駆け抜けるとはどういうことか知ることかわかるんじゃないかな。
  • 老いてこそ生き甲斐
    石原慎太郎らしい主張の老いについてのエッセイ。親しい友人の死は悲しいけれど「俺はまだ生きている」という思いも抱くというのは若造にはわからない心境ですね。
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    今月の文藝春秋に載っていた名作。評者も未完成ながら形破りの大作と評しており、社会への衝撃が実感できる。ボクサーの龍哉が湘南で英子を弄ぶ非倫理的な構成だが、愛をどう扱っていいかわからない初々しさ故の粗暴さや、非日常の開放感に溢れた舞台としての新鮮さは悲劇的かつ後味の悪い結末をも引っくり返す青年期特有の...続きを読む
  • 天才
    2月1日、芥川賞作家で東京都知事等を務めた石原慎太郎氏が逝去された。享年91歳。

    その波乱万丈の人生を報じるニュースを見ながら、一度はその著書を読んでみようかと思い手に取った。

    「天才」--田中角栄元総理大臣について、かつてはその金権体質を追及もした著者が、田中氏になり切ってその生涯を語る形をと...続きを読む
  • エゴの力
    人間の価値と言うのは、それぞれの人間が誰とも違うと言うことです
    己の表示であるエゴを躊躇せずに率直に示すことでこそ、それぞれの人生を拓けてくる
    松下幸之助:経営成功するための原則は経営の哲学、経営理念や志だ
    山縣有朋と西郷隆盛の相違は、欧米の視察で培った見識の相違
    死は人間にとって最後の未来である
    ...続きを読む
  • 太陽の季節
    著者が死去され、氏の枕言葉となる代表作の太陽の季節を読んでみたいと思い読んでみた。
    放埒な若者の生き様を辛辣、反抗的に描かれ60数年経っても輝きを失ってない様に感じた。
    文藝春秋今年1月号に氏の手記が掲載されていた。一橋大学の同級生西村という人に薦められ書いた原稿用紙100枚程の小説が受賞し、その同...続きを読む
  • 天才

    石原慎太郎が田中角栄の一人称で書く「小説」

    不勉強で歴史の流れはピンとこないことが多く、調べながら読んだのだけど、終盤の脳梗塞後は、小説家石原慎太郎の力量だなぁと思いながら読みました。
    これは小説。

    だけど石原慎太郎と田中角栄は根本が少し似てるのではと感じます。
    だからきっと違和感なく田中角栄...続きを読む
  • 天才
    石原慎太郎が描く田中角栄。当時の金権政治がリアルに角栄一人称で描かれる。先見性、剛腕ぶりが興味深い中で人間味溢れるところがあるが、これを見るとロッキード事件はアメリカの虚構ということになるが、真実はわからない。
  • 天才

     議員立法を30以上成立させ、54歳で総理総裁。日中国交正常化や日本列島改造、アメリカに依存しない石油外交などを成し遂げた政治家としての功績は言うまでもない。しかし、それよりも後世に語られたのは田中角栄という懐の深い人物像だ。本書では角栄の人物に纏わる逸話が多く引用されている。そうした意味でも田中...続きを読む
  • 天才
    読んだ時期が時期だったので、もし今、田中角栄が健在だったら、このコロナ禍にどのように対応するのか想像が膨らんだ。金権政治の是非は兎も角、これほどの政治的センスと懐の大きさを併せ持った政治家は今後現れないのではなかろうか。

    金や賄賂への考え方、用意周到な根回し、10年後20年後を見据える大局観など、...続きを読む
  • 天才
    石原慎太郎が完全に田中角栄に乗り移っている。その作家としての才能に、むしろ天才的なものを感じた。

    いま、田中角栄ほど愛国心を抱いて政治家をやっている国会議員はいるだろうか。金をばら撒いても、それが愛国心に基づくもので、国民の生活を守りたいという意志からくるものであれば、誰も文句は言わないのではない...続きを読む
  • 老いてこそ人生
    見城徹が書かせたという三部作、弟と政治、そして老いについてが本作。太陽の季節で荒々しく、若さを表現した石原慎太郎が老いを語る。老いとは、肉体の衰えであり、自然と肉体や病気の話が増える。それが鬱陶しいではなく、素直に自分自身が迎えることになる高齢の姿を想像し得る助言として読むことができる。言葉に嘘、混...続きを読む