石原慎太郎のレビュー一覧

  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    題名からして威嚇的。
    内容もそれに違わず過激。読みながら叱られているような感覚。
    でも、だからこそ読みながら色んな事を考えました。
    そして口は悪いけど文体は本当に綺麗。
    考えるための本として、素晴らしい一冊でした。
    「確たる体系化には遠くとも、それぞれが己の強い実感に依って夢中で何かを模索していたと...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    この著作を読んで、益々、石原新太郎という人間が好きになった。3.11の震災を機に「我欲」という言葉で日本人全体に警鐘を鳴らすものの、言葉の意味を理解するにはこの著書なくして語れないと思う。

    やはり戦争を境に日本人が日本人でなくなり、アメリカの妾同然の所業に鉄槌を喰らわせたいと思う同輩にとっては、何...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    尊敬する方からお借りしました。
    初めて都知事の本ですが、すらすら拝読。

    私は頭もよくないし、20代の若僧だけど、もっともっとたくさんの人に、友達に読んで欲しいと思ったので、自分でも購入しました。

    確かに核保有論とか、極論だけど、
    知っておかなくてはならない現実があること、今は誰も教えてくれなくな...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    東京都知事・石原慎太郎の新書。日本衰退の原因を考察。

    読書量がそれほど多くない僕であるが(最近は頑張っている)、高校生大学生に読むべき本は?と問われたら、この一冊を推薦したい。なぜなら「核兵器所有」について真剣に考えるきっかけをもらえる(もちろん他にも学ぶべきことは本著ではたくさんある)からだ。平...続きを読む
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    真正のアプレゲール。
    倫理への反逆と若者特有の気だるさ、放埓の日々を見事に描いてる。
    自身の趣味のヨットのネタが満載の短編もあるよ。
  • 真の指導者とは
    実は、石原慎太郎の著書は初めて。
    よかった。
    なんか、あるべき姿、理想の姿、こうじゃなきゃダメってことを理路整然と指摘してくれた。

    良書です。
  • 真の指導者とは
    タイトルからは石原さんのあるべきリーダー像とは?が記されているかと思いきや、ある程度はあたっているものの歴史上の人物から見たリーダーたるべき理想像から始まって、現在の政治・社会に対する提言までいろいろ記載されています。石原さんの博学さを思い知らされるとともに、参考文献ものっているので石原さん思想のル...続きを読む
  • 法華経を生きる
    「石原氏の石原氏による石原氏のための」法華経解釈。氏は、とある新興宗教の教祖に帰依したようだが、自身で「信者が一人しかいない石原教の教祖」と述べているくらいだからそういう趣旨の本なのだろう。 おっさんは「法華経」のことは全くわからないのでこの本の解釈が学問的に正しいかどうかはわからない。しかし、氏が...続きを読む
  • 亀裂
    「?馬鹿な、勝手にしやがれ?彼はそうした自覚を自分に許したくはなかった。」

    紹介本と異なり私の手元にあるのは外箱付きの70年発行の文藝春秋社刊。

    そう中上健次も大江健三郎も、そして石原慎太郎も初期がいい。

    特に都知事にならずにずっと書いて欲しかった私は、文庫とかで読んだくせに昔の単行本を探して...続きを読む
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    社会現象まきおこした。ブーム。ブーム。太陽族。上からひんしゅく。下から喝采。50年経って。都知事。慎太郎節。ニッポン石原家一色。「芥川賞?現代作家?」「あんなのブンガクじゃない。」ビルの上から今でも吠えてる。どうしてそういう言い方なの?どうしてすぐそうなの?アナタほんとはどんな方?これ読めばわかる。...続きを読む
  • わが人生の時の時(新潮文庫)
    政治家としても文学者としても高く評価する気にはなれないんだけど、時代を生き抜いて生き抜いて死んでいった1人のおっちゃんとしては、親しみに似た気持ちが彼に対してあるのを自覚する。ひたすらチャーミングなんだよなこの本に出てくる石原慎太郎というおっさんは。「海蛇がホテルの部屋に出たらウケるよなーただし俺の...続きを読む
  • 天才
    一人称で語られる田中角栄の半生。

    自信に満ち溢れていた前半から、ロッキード事件で失速し徐々に弱さを見せ始める後半からの語りの変化に、寂しいような哀しいようななんとも言えない切なさを感じた。
    最期のシーンは、静かな余韻が残る。
  • 天才
    政治家には先の見通し、先見性こそが何よりも大切なので、未開の土地、あるいは傾きかけている業界、企業に目をつけ、その将来の可能性を見越して政治の力でそれに梃入れし、それを育て再生もさせるという仕事こそ政治の本分。
  • 天才
    ロッキード事件での失脚により、表舞台から消えていった稀代の政治家『田中角栄』
    その田中氏の半生を一人称語りで描いた本著。

    後書にもあった通り、石原慎太郎は本著を執筆するに至って、改めて田中氏にまつわる様々な情報を集めた結果、改めて田中氏のことを『天才である』と語っていました。

    類稀な先見の明によ...続きを読む
  • 老いてこそ人生
    石原慎太郎という知性と遊びと頑固さを備えた男が老いをどう捉えてるのか興味を持った。
    前半は老いに関して誰でも老いる。
    でも体は鍛えるという内容。
    大ケガをした時の心境。
    酒と人生。喧嘩っ早い自分に親父はもう年だから。と諌める周囲。周りの老い。
    老いてますます盛んかと思いきや、冷静に老いることを見つめ...続きを読む
  • 絶筆
    政治家としての石原慎太郎は好きではなかったが、作家としての彼は、なかなかのストーリーテラーだ。短編だけど、全て読みごたえがあった。
    傲慢さのかけらもなく、文章はみずみずしい。
    不思議な印象。
    死に近付く心の有り様は、死は完璧な所有ということ。
    死、そんなものなどありはしない。ただこの俺だけが死んでい...続きを読む
  • 天才
    一人称視点の語りは独特で、惹き込まれるものがあった。テーマも政治ととっつきにくいが、魅せ方が上手ですんなりと入ってくる。田中角栄を知るには打ってつけ
  • 天才
    石原慎太郎の田中角栄を語った物かと思ったら、ずっと一人称で語られるためか一気に引き込まれた。時代が違うから比べられないとは思うけど、今この時代に田中角栄がいたら、どんな政治をしたんだろう。ロッキード事件がなければ、今の日本はどうなっていたんだろう。今の何でもかんでも批判され、許容されない息苦しい世の...続きを読む
  • わが人生の時の時(新潮文庫)
    死を間近にしたときに意識される生の感覚。まるで白黒写真の黒と白の関係のようだ。黒だけでは(そしてもちろん白だけでも)だめ。では、この短編集には描かれていない、死がちらつかない時の生は石原慎太郎にとってどういったものなのだろうか? と気になってくる。志賀直哉「城の崎にて」、村上春樹「蛍」との対比も面白...続きを読む
  • 海の家族
    5つの短編。石原慎太郎の本はこういう感じなんだ。5つの短編、すべて哀愁がはびこる暗い作品。日常の普通のストーリーなのがめちゃくちゃ共感できるのが印象的。