【感想・ネタバレ】新・堕落論―我欲と天罰―のレビュー

あらすじ

列島を揺るがせた未曾有の震災と、終わりの見えない原発事故への不安。今、この国が立ち直れるか否かは、国民一人ひとりが、人間としてまっとうな物の考え方を取り戻せるかどうかにかかっている。アメリカに追従し、あてがい扶持の平和に甘えつづけた戦後六十五年余、今こそ「平和の毒」と「仮想と虚妄」から脱する時である――深い人間洞察を湛えた痛烈なる「遺書」。

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Posted by ブクログ

題名からして威嚇的。
内容もそれに違わず過激。読みながら叱られているような感覚。
でも、だからこそ読みながら色んな事を考えました。
そして口は悪いけど文体は本当に綺麗。
考えるための本として、素晴らしい一冊でした。
「確たる体系化には遠くとも、それぞれが己の強い実感に依って夢中で何かを模索していたと思います。つまり我々の世代の思考には、たどたどしくてもれっきとした体験と身体性があった。」
この文は仕事で実感してます。先輩方の身体性のある意思には、逆らい難いのに尊敬できる強さがあるなと。
やると決めて、しっかりやろう。

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2012年07月04日

Posted by ブクログ

この著作を読んで、益々、石原新太郎という人間が好きになった。3.11の震災を機に「我欲」という言葉で日本人全体に警鐘を鳴らすものの、言葉の意味を理解するにはこの著書なくして語れないと思う。

やはり戦争を境に日本人が日本人でなくなり、アメリカの妾同然の所業に鉄槌を喰らわせたいと思う同輩にとっては、何度でも読み返したいものである。

核保有については肯定的な持論を展開する石原氏、日本人への自我の目覚めを強く訴える石原氏。更に、本当の男女間の(命がけの)恋愛というものを説く石原氏。

この人亡き後の事を思うと、果たして誰がその思想と行動を継ぐ事ができるのだろうか?

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2012年06月05日

Posted by ブクログ

尊敬する方からお借りしました。
初めて都知事の本ですが、すらすら拝読。

私は頭もよくないし、20代の若僧だけど、もっともっとたくさんの人に、友達に読んで欲しいと思ったので、自分でも購入しました。

確かに核保有論とか、極論だけど、
知っておかなくてはならない現実があること、今は誰も教えてくれなくなってしまった事実を理解するだけでも違うと思う。

海外との仕事をしているからこそ、思ってた日本人のアイデンティティ、自己意識の低さ。

私たち日本人は、誇れる民族だし、もっと堂々と外交をやっていかなくては。民間レベルでも、この血に恥じぬ生き方をしたいと強く思いました。

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2012年05月09日

Posted by ブクログ

東京都知事・石原慎太郎の新書。日本衰退の原因を考察。

読書量がそれほど多くない僕であるが(最近は頑張っている)、高校生大学生に読むべき本は?と問われたら、この一冊を推薦したい。なぜなら「核兵器所有」について真剣に考えるきっかけをもらえる(もちろん他にも学ぶべきことは本著ではたくさんある)からだ。平和平和と謳いながら、北朝鮮中国ロシアなどの核の脅威にさらされているにも関わらず、アメリカが「守ってくれる」という非現実的な考えで、ヒステリックに核を拒否し続けている日本国民。僕自身、これは果たしてどうなのだろうかと自分自身に問うきっかけをもらうことができた。本来ならば小さい頃から考えていかなければいけない問題だろうが、いまの若い人にはそれが欠けている。

石原氏の考えは最もだが、若い人にとっては「(話が固すぎて)かっこわるい、うざったい」となってしまうのかもしれない。総じて年配の方の発言はそういう風にとられがちなので、現役世代の方に仲介してもらう必要もあるかとは思う。だけど色々考えさせられるところはあった。星5つ。

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2012年02月29日

Posted by ブクログ

報道では、極端な言説で有名な著者だけどキライな人でも耳を傾けられる本だと思います。やはり色々考えている人なんだなと。教育や政治、今の文明、文化への懐疑。問題を信念に照らし合わせて問題だという人が今、この国には少ないと思う。答えを出すところまで、この人任せではいけない。昨今の文明批判の部分なんか共感できたかな。国についてや今のライフスタイルについて今一度再構成する必要がやはりあるのだと思う。

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2017年12月18日

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ネタバレ

日本の戦争、敗戦、その後の発展と昨今の不況。あらゆる日本を見てきた石原慎太郎氏が語る現代の日本とは?
戦後65年余り。その間に得た平和が日本人にもたらしたものとは?本書では今日本で見られる問題を氏独自の視点から指摘、問題提起している。日本を愛するからこそ書ける本ではないだろうか。
少し偏った意見もある気がして人によっては読みにくいかもしれません。

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2013年02月16日

Posted by ブクログ

世界から見た日本という国の独立性、税制を含めた制度のあり方については、同様の危機感を感じています。
普通の国会議員が躊躇する発言を堂々と書くあたりは真骨頂といったところです。

世代論については、残念ながら内容的にいまひとつ。
あなたも若い頃は、最近の若者はと言われた経験を忘れてしまっています。
題認識はある程度理解、共感する方もいると思いますが、その実現の方法論については極論なので厳しいでしょう。
私個人としては、日本人は自分の置かれた状況を客観的に見つめ、
世界のどこに位置するのか?
自分たちが負担すべきものは何か?
一度、考えてみるきっかけになるのではと思います。

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2013年08月10日

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ネタバレ

 健全な精神は健全な肉体にこそ宿るというが、そこで培われた健全な精神こそが、さらに長じて後の人生において衰えた肉体を支えて守るのです。
 これは大脳生理学での脳幹論の原理であって、脳で最重要部分とされる脳幹は充実した人生のために不可欠な怒り、悲しみ、恐怖、発奮努力、そしてその結果の充実感、歓喜といった感情の源泉に他なりません。これらの感情が自然に発露して初めて人間は人間としての平衡の取れた正常な人生を謳歌出来ますが、現代の若者、特に草食動物化したといわれる若者たちは文明の便宜が与える過大な情報を無制限に摂取し、その整理や分析までを情報に頼るという体たらくです。
 それは決して真の教養とか知識ではありえない。そうした他律的な情報に頼り溺れるために青春の特質である思い込みや勘違いでの挫折、失敗を経験しえないのです。<119頁>

                        *

 当節の若者たちの特性の一つは思い違い、勘違いをしなくなったことだそうな。
 彼等はパソコンなどの効用で多くの情報を体得してはいるが、それがかえって仇となって抱えている情報にがんじがらめとなり身動きが出来にくくなってしまっています。大学で教えている何人かの友人が同じ所感を述べていますが、抱えている情報の整理や分析、その評価も結局また情報に頼らざるを得ない。
 ということは、それらの情報はただの情報でしかなく、身体性を欠いているから、つまりただ上っ面のもので、血肉化していないから彼等にとって真の教養とはなりきれない。
 いや逆に身にそわぬ情報によって拘束され、自分が納得する人生を歩むことが出来にくくなる。<150頁>

                        *

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2012年09月06日

Posted by ブクログ

僕らのように「戦争は間違っていた」と教え込まれてきた世代は、戦前にプライドを持っていた石原慎太郎さんのような人間の意見は、本を読まない限りほとんど知ることができない。公共性の高いメディアでさえ、産経を除いて左に傾倒しているからだ。
自身で憲法を作ることをドイツは許されたけど、日本は許されなかった。黄色人種だったからだ。規制緩和の強要にも見られるように、いまだに日本はアメリカに指図されている。安保理。バカにされていることに気づいてすらいないのは、本当に悲しいことだと思う。
自制心とプライドを持とう。民家に絨毯爆撃してきた米軍機と戦った日本兵を、石原さんは目の当たりにした。

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2012年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本書は、震災後、石原現東京都知事が東日本大震災を日本国民への「天罰」と称したように、現代の堕落した日本を憂う内容となっています。すなわち、

・以下は、日本人という民族の本質的な堕落としか言えないものである。
-あてがわれた「平和の毒」に冒され、あてがい扶持の憲法による徒な権利の主張と国防を含めた責任の放棄、そして教育の歪みが、国民の自我(物欲、金銭欲、性欲)を野放図に育て、人間相互の絆を壊した。
-恥を嫌い、清廉を好み、自己犠牲による献身という日本人の美徳は消滅した。
-アメリカに現在まで間接統治された日本は、アメリカの「妾」であり、日本は日本自身の重要な決定を自らの判断で決めてこなかった。これは、国家の堕落であり、国家官僚と政治家の責任である。(その結果、横田基地は今に至るまで広い排他的飛行区域と共に戦勝記念品として存在しており、日本の先端技術も収奪されている)

・「核の傘」というのは幻であり、自衛のための核を保有する意思を持つべきである。さもなければ尖閣のような領土問題で日本は軍事的圧力に屈しざるを得ない。
・ゆとり教育は間違いで、「父母に孝に」「兄弟に友に夫婦相和し」「朋友相信じ」「一旦緩急あれば義勇公に奉じ」といった基本道徳も含めた生きるための規範を「刷り込み教育」で覚えこませるべき。
・高福祉低負担は幻想であり、現在の国家財政を見れば、増税だと何でも拒否する甘えた国民体質を正し、それにへつらう政治を変革し、消費税増税などの税制改革を断行すべき。
・日本の経済再生施策として、多大に買い込んだアメリカ国債を担保に基金を作り、5%以上の利回りがあり得るプロジェクトに投資すべき(例:天然資源豊富なシベリアの開発)・
・若者の無気力、弱劣化を克服すべく、高校卒業と同時に1年間軍役などの公的な義務に就かせるべき。

・インターネット等の膨大な情報の氾濫に溺れることで、画一的な発想、行動しか出来ず、自分が納得する人生を歩むことが出来にくくなっている。本気の恋愛をすることも少なくなった(根源的情念なき恋愛)。ただただ欲望を増加させ、ヴァーチャル的な暴力や死に感覚を麻痺させる。

⇒このような堕落からの脱却のためには、まずは行えばすぐにやってのけること(核保有に関する可能性を誇示するためのシミュレーション、若者を正すための労役の義務化、財政再建のための税制抜本改革など)で国民を啓発し、いたずらな我欲の抑制に繋げる。それが、震災復興と超克のための基本的な地盤作りに必要である。

【感想】:その意見に賛同するかどうかは別として、命を賭してもやりたいこと、やるべきことが中々見つからない今日において、世界、日本、そして日本人というものがどのような立ち位置に置かれているのか、その認識の下で何をどうすべきなのか、考え、公で大いに議論したらよいと思います。NHKの「坂の上の雲」や映画「山本五十六」を年始に見ましたが、そこで描かれているのは、戦争に一喜一憂する国民の姿でした。マスコミが戦争を煽る姿も別にありましたが、大事なことは国家の出来事、存亡に一人ひとりが思いを馳せるという姿勢であろうと思いました。

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2012年05月14日

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戦後の我欲に満ちた日本。堕落した日本。読んでいて心地良いものではなかったが、受け入れるべき事実も確かにあったと思う。著者の痛切な思いが伝わってきた。今後の日本を担う若い世代は目を通す価値が十分ある。

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2012年04月10日

Posted by ブクログ

大学生の頃に読んだ坂口安吾の『堕落論』も再読。東日本大震災後の今、再読したことが意味深かった。『新・堕落論』とあるが、坂口安吾と石原慎太郎の”堕落”の意味と結果は違うものと思う。坂口安吾は堕落してしまう人間の弱さを認め、そこからの救いを模索する。石原慎太郎は、現代の節操の無い我欲の塊の堕落した日本人を嘆き、再生を願う。堕落、衰退、強欲、空虚を打ち払い、誇りと価値を取り戻すその責任を、本書が一番言いたい事だと思う。

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2012年03月28日

Posted by ブクログ

一章 平和の毒
二章 仮想と虚妄
の二部構成になっている。前半は主に戦後~現在の日本政治の堕落について、後半は携帯やテレビなどによって本質を欠いた人間性へ堕ちてしまった若者についての石原氏なりの分析と打開策が書かれている。


[一章]日米同盟に関する現状、核によって成り立つ各国の力関係が端的に書かれており、日本が如何に「国家」として危機的状況にあるかがひしひしと伝わってきた。核について、外交にとっては副次的なものでしかないと思っていたが、石原氏は核保有こそが国際社会で物を言うと強く主張している。マックス・ヴェーバー著「職業としての政治」を同時に読んでいて、ここでも「国家の定義づけは物理的暴力の行使があって初めて可能」と書いてあり、正直驚きつつも、認識を改めさせられた。

[二章]あいたたたたーという感じ。彼が危惧する若者の典型に自分もすっぽり当てはまってしまっている。自分の中に"芯"がないのがずっと悩みだが、本書での示唆は解決のヒントになるような気がした。是非もう一度読もうと思う。

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2012年02月15日

Posted by ブクログ

前半部分は日本の問題の根本に言及されていて、歴史認識を要因とする堕落という点が深く胸に刻まれた。長老様はやっぱはんぱねえ。

ただ、後半はじいさまの時代の羨望と今の時代への愚痴にしか読めなかった。
グローバルやITの時代への変化をただの否定としてしか見ないのではあまり役に立たない。
大事なのは自己認識に加えて、変化にどう対応していくかだと思う。そのへんはお前らが考えろってことか。
賛否両方ある本だけど読んで良かった。

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2012年01月30日

Posted by ブクログ

私自身も昭和七年生まれのまさに後期高齢者の一人ですが、戦争の敗戦の記憶は未だにまざまざと体の内に収われています。警戒警報が鳴って下校の途中早くも到来した艦載機の機銃掃射に遭い、折から収穫期に近く背丈の伸びた麦畑の畝に飛び込んで逃れ、逃げまどう私たちがまだ背丈も伸びぬ子供と知りながら手軽な狩りのつもりで掃射してきた敵のパイロットは、怖々仰ぎ眺めればこれまた成年にも満たぬ若者でした。そして私の学友の一人は足に被弾し一生の不具ともなりました。
さらにその先、近くの森までたどりつこうと走る最中、また新しい爆音が迫り今度は芋畑の中で、身を隠すにも畝の浅い畑では覚悟して身を伏せながら機銃掃射を待ったが不思議に弾が来ない。恐る恐る顔を挙げて確かめれば頭上を褐色の胴体に白い縁取りの日の丸を描いた友軍機でした。
敵機を追う日本機を確かめた時の、ふるいつきたいような感動が忘れられない。あれは身にしみて感じ取った国家というものの実感でした。

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2012年01月21日

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石原慎太郞(1932~2022年)は、一橋大法学部卒、作家・政治家。大学在学中にデビュー作『太陽の季節』で芥川賞を受賞し、「太陽族」が生まれる契機となったほか、弟の石原裕次郎は同作品の映画化によりデビューした。1968年から政界に転じ、参議院議員(1期)、衆議院議員(通算9期)、その間、環境庁長官、運輸大臣、日本維新の会代表、共同代表、次世代の党最高顧問を歴任。また、1999~2012年には東京都知事(当選4回)を務めた。2022年2月1日逝去(89歳)。
本書は、「日本堕落論 このままでは日本は沈む」(「文藝春秋」2010年12月号)と「仮想と虚妄の時代 援助交際と純愛」(同2005年5月号)に大幅加筆・改稿し、2011年7月に出版されたものである。
私は、本書の出版直後に入手し通読していたが、先日石原氏が死去したことから、今般書棚から引っ張り出し、(通読したときに線を引いた箇所を)飛ばし読みしてみた。
まず、石原氏は、2011年3月の東日本大震災直後に「天罰」と発言して批判を浴び、本書の序章でもそれについて触れ、「・・・一部の人々の誤解と顰蹙を買いましたが、その折りの発言は、ことの大きさにたじろぎ国家としてこれをどう受け止めるかを思ってのことでしたが。」、「直接の被害を受けた方々にとっては胸にも刺さる言葉と感じてお詫びしましたが、しかしなおあの言葉が表象するように・・・」と書いているのだが、何と弁解しようと、「天罰」という言葉を使う必然性は全くなく、到底受け入れることはできない。(根本的に反省していないことは、本書の副題に「天罰」という言葉を使っているのを見てもわかる)
本書の内容については、石原氏が語っているのは、第1章で日本及び日本人の真の自立の必要性(そのための、憲法の修正や核兵器の保有)、第2章で人間の真の関わりの重要性(IT技術の進歩等による人間関係の希薄化への危惧)であるが、私は、基本的には国際協調主義、多様性重視のスタンス(いわゆる「リベラル」)ながら、それでも、現実論として国益をどう守るか、また、テクノロジーの進歩(AIや生命工学等)と人間性の維持をいかにして両立させるのかなどには強い関心を持っており、そうした観点からは、同意できる部分もある。
どんな本にしても、(自然科学などを扱ったものでもなければ)著者の主張を自分の中で咀嚼すればよい(する必要がある)のだが、そのようなスタンスで向き合うなら、本書も一読する意味のある一冊と言えるだろう。
(2011年8月了)

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

「新幹線によって旅する窓から眺める田植えをしているお百姓さんの手元は見えはしない。その代わりに我々は一体何を見ることができるのだろうか。そして人はその状況を文明の進歩と呼ぼうとする」

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2020年05月17日

Posted by ブクログ

だいぶ前に読んだ石原慎太郎の文章。NOといえる日本から続く右派的意見に一部納得できたが、詳しい無いようはほとんど覚えていない。あまり読み返す価値もないか。

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2018年01月12日

Posted by ブクログ

石原慎太郎 著「新・堕落論」2011.7発行、「2011.3.11」の後の著者の存念が書かれています。平和の毒、仮想と虚妄の2つの章立てです。ルース・ベネディクト「菊と刀」にある「恥を嫌い、清廉を好み、日本刀に表象される自己犠牲による献身を美徳として奉じた日本人の姿」は殆ど消滅したと書かれてますが、残っているし、また、残したいと思っています! 最近、築地の豊洲移転問題でまた政治の場・マスコミに登場の石原慎太郎氏、自ら、「菊と刀」の精神、恥ずかしくない態度で処していただきたいです。

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2017年02月17日

Posted by ブクログ

その主張思想などの是非は別として、まずとてつもなく読みづらい。おなじみの「です・ます」「だ・である」さらには砕けた口語体のアトランダムな混在は言わずもがな、形容の重曹や論旨の飛躍は年を追う(老う)ごとに酷くなり、この書にて集体し極まった。かねてから「三島もそうなんだよな・・」と感じていたが、ついにあることに思い至った。石原慎太郎の三島由紀夫エピゴーネン願望説だ。文体が同じなのではなく、当初は文士としての憧憬であったものが、その文体、続きその主義思想までをもコピーしたとしたら。そう考えた瞬間石原の言説、行動が瞬時に理解できてしまった。たぶんに感覚的ではあるが、その物言いから漂うなんとなくのホモセクシャル感、その臭いもこの説の証左たりと確信してしまうほどに。

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2015年02月14日

Posted by ブクログ

日本を強く思う心、他国に毅然と立ち向かう姿勢には、強い共感を抱きます。
石原氏の過去の実体験もかなり興味深いです。
賛否両論分かれる意見もあるかとは思いますが、そもそもここまで明確に意見を述べている政治家が少ないので、大変貴重な存在だと思います。

一つ難があるとすれば、文章がいちいち長くて難しいことでしょうか。
難しめの小説や論文などを読み慣れている人にとっては気にならないかもしれませんが、慣れていないと「あれ?この文章の主語って結局なんだっけ」となる場面がありそうです。※一つの「文」が半ページ続くことが多々ある。

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2012年08月16日

Posted by ブクログ

著者の物欲を始めとする我欲が日本を間違った方向に持って行っているというのは間違ってはいないと思う。
ただ、我欲をコントロールすることも政治の一つの役割なはず。

今の日本は儲けることを是とせず、ある意味社会主義に限りなく近づいていることに停滞感を脱出できない理由があると思う。弱者と救う仕組みは必要だが、そこにばかり注力しては活力をなくすということを政治家は理解して欲しい。票に繋がらないから取り組まないのだろうけど。。。

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2012年05月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

石原慎太郎の真髄がこの本を読めばわかる。我々日本人の我欲というものが、この国を滅ぼしかねないと痛切に感じた。
核保有など、あまりにも極端な話もあったが、これから、日本が軍事力を増強して外交面で力を発揮していかなくてはいけないことは一面的に見て正しいことだと思う。
正しいと思う。著者も言ってるが、遺書のつもりで書いた本作品、胸に刻みたい。

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2012年05月16日

Posted by ブクログ

石原氏の本を初めて読みます。どうだろ?
前半は面白く「石原節」が出ていたが、後半は失速した感じ…。また石原さんの本を読みます。

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2012年03月22日

Posted by ブクログ

そもそも堕落論を読んだことがないので、踏まえるべきことが踏まえきれていないかもしれませんが。。。
内容はいろんなテーマについて、数ページづつ石原さんの思うところがつづられています。読みやすいといえば読みやすいが、深くは掘り下げていないので、聞いたことある話も多々。急いだ感が否めませんね。

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2012年03月04日

Posted by ブクログ

石原都知事の本は久しぶりです。

この内容を危険だ、右翼的だなどと言ってしまうのは簡単かもしれませんが、戦後からここまでを著者の視点で捉え、現状に警鐘を鳴らすという意味で、読んでよかったかなというところです。

個人的には、複数の連載を元に加筆した内容になっていますので大変読みにくかったと感じたことと、都知事という立場からもう少し具体的な政策や解決策、施策などを提案していただきたかったところがやや残念です。

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2012年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでみて、納得できる部分と、わかってないなという部分と、極論すぎるだろという部分とがいろいろあり、まぁ、そういう本だし著者が著者だからそれはおいておく。

ただ、致命的なのが、どの世代がどの問題に対してどれだけ責任があり、問題を解決していかなければならないのかが書かれていないので、曖昧すぎるのだ。

私はいわゆる団塊ジュニア世代。大学入学時にはバブル景気は終わっていて、2000年代の就職氷河期なる言葉が出るまでは就職内定率が最低だった年に社会に出た。高度成長やバブル景気の美味しさは経験していないし、ITバブルによって若年起業家になるには年寄り過ぎた。

で、戦後の「堕落した世の中」にしたのは著者を始めたとした現在年金受給世代となっているであろう方々とその少し上の世代からであろうし、また、高度経済成長を一番堪能したのもその世代だろう働いていたはずだから。

団塊世代は学生運動していた世代になるのかな?

携帯を多用する若者といってもどれくらいから切っているのかもわからないし不明瞭。

世代批判するならターゲットを明確にしてほしいものだ。

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2012年02月05日

Posted by ブクログ

石原氏の本は実は初めて。
テレビでも会見やインタビューの一部しか拝見したことがないので何ともいえないのだが、嫌いではない。好きにもなれんかな・・・

評価微妙です。
年配者が若者に「最近の若いもんは・・・」的な愚痴っぽい、あるいは説教っぽい本に思えるし、一方、共感できる部分も多々あった。

公立高校において近代史現代史を必須に。
これはいいね。全国の高校でそうするべきだ。

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2012年01月23日

Posted by ブクログ

@yonda4
僕は石原慎太郎は好きではない。

ズバズバと物言う姿は強いリーダーシップを感じるし、アメリカに対して「NOと言える日本」なんてのことを言えるのも他の政治家にはいない。


その強さがあるからか、時々見せる世間ズレがものすごい違和感を感じさせる。


例えば、東日本大震災の時の「天罰発言」。
これは氏が日本人の堕落に対して、常々思っていることから出た発言のよう。
この発言、氏が考えていることを垣間見るためにも本を読むことにした。



内容はと言うと、日本人がなぜ戦後、ここまで堕落してしまったのだろう?

と言うもの。
大東亜戦争で米国に負けて、GHQによる占領。そして、他国により押し付けられた日本国憲法。
日本は米国の従属国だ。


確かに。この辺は僕も共感する部分が多い。

話は国防にも及び、以前に起きた「尖閣諸島問題」にも触れている。

日本で有事が起きた際に米国は日米安全保障条約を機能させるのか?

機能しません。

なんで日本のために米国が血を流さなければならないんだよ!って言うのが米軍の見解。


そりゃそうだ。


日本の周りには中国、北朝鮮、ロシアと油断できない相手が多い中、よく考えずに平和だー、と言って、自己の権利を主張するだけの日本人は堕落している!


目の前にある、金銭欲、物欲を追っかけて、一つの目的に向かう為に国民が一丸となる日本はどこに行ったんだ?


こういう論調。


ただ、この堕落論、一貫性が全くない。

石原慎太郎が知事をする東京都は日本一、世界屈指の物欲、金銭欲が蠢いている都市。堕落し切った都市。

でも、仮にこの都市が堕落を止め出したら経済が間違いなく停滞するよね。
今日の日本の繁栄って言うのは堕落の上に成り立っている。

原発について。
氏は原発は必要と言っているけど、原発も堕落の一部ではないかと僕は考える。
原子力と言う、何万年にも負の遺産を残してしまうものを現代の人間のエゴのために稼働させるのは、どう考えても堕落だろ?
何千年後の人間が、何で何千年前の人間の核廃棄物を管理しなくちゃいけないんだ?そもそもできるの?

堕落、堕落ってなら原発廃止になるでしょ?


それと東京五輪誘致も勝つ見込みがないのに何で頑なに誘致しようとしているんだろう?
これは書かれていないけど。
そりゃ、身近で五輪が見られるのは嬉しいだろう。
でもまだ時期じゃないよね。
巨額の税金を投入してやることか?
何かの欲に取り憑かれてるんじゃない?


と、これだけでも疑問が湧いてくる。

氏の主張には賛成しかねるところではある。
ただ、僕も含めて日本人は確かに堕落していると思う。


少しでも自分の行動を律することをしていかないと!

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2012年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前に読んだ「真の指導者とは」よりももっと慎太郎節が強く濃く炸裂。

前半は日本の平和ボケをこき下ろし、後半はバーチャル世界など技術革新によって失ったものを、敢えて言うと「年寄り」の視点からモノ申している。それが悪いとか古臭いとかじゃなくって、著者なりの時代経験と職業経験があるからこそここまで痛快に一刀両断出来るのだなあと思った。

文章だけ読めば何だかミもフタもないようにとれなくもないが、国を想うがゆえの遺言ともとれる一冊。言い過ぎか。

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2013年01月21日

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