石原慎太郎のレビュー一覧

  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    一章 平和の毒
    二章 仮想と虚妄
    の二部構成になっている。前半は主に戦後~現在の日本政治の堕落について、後半は携帯やテレビなどによって本質を欠いた人間性へ堕ちてしまった若者についての石原氏なりの分析と打開策が書かれている。


    [一章]日米同盟に関する現状、核によって成り立つ各国の力関係が端的に書か...続きを読む
  • 老いてこそ人生
    「人間は30になると突然走りだすものです。」
    丁度僕自身が、30で最近なぜだかジョギングを始めていたので、この本の始まりにはドキッとさせられた。そして自分では、はっきりと意識してないジョギングを始めた理由を言い当てられた気にもさせられる。ここで書かれている「老い」は、肉体的なピークを18-24、5才...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    前半部分は日本の問題の根本に言及されていて、歴史認識を要因とする堕落という点が深く胸に刻まれた。長老様はやっぱはんぱねえ。

    ただ、後半はじいさまの時代の羨望と今の時代への愚痴にしか読めなかった。
    グローバルやITの時代への変化をただの否定としてしか見ないのではあまり役に立たない。
    大事なのは自己認...続きを読む
  • 太陽の季節
    やっぱり面白い。
    「典型的な青春」がストレートに、嫌味なく、描かれている。
    ストーリーとしても、結末まで目を離せない展開が好き。

    他に収録されている「処刑の部屋」や「乾いた花」などなど、
    どれも古さは感じるにも関わらず、実に刺激的である。

    ちなみに、「青春」という概念そのものが古いのだから、
    ...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    私自身も昭和七年生まれのまさに後期高齢者の一人ですが、戦争の敗戦の記憶は未だにまざまざと体の内に収われています。警戒警報が鳴って下校の途中早くも到来した艦載機の機銃掃射に遭い、折から収穫期に近く背丈の伸びた麦畑の畝に飛び込んで逃れ、逃げまどう私たちがまだ背丈も伸びぬ子供と知りながら手軽な狩りのつもり...続きを読む
  • 真の指導者とは
    この人の本はじめて。
    偶然にも今日読んだ福田和也の著書からの引用もあって、本の中身も人の器量のこととか書いてあって似通っているとこもあった。

    この本も海外含め歴史の先人から学ぶことが多い。
  • 私の好きな日本人
    [ 内容 ]
    「『歴史』の原理を踏まえ、それぞれの感性に応じて眺めれば、過去の歴史を形作ってきた先人たちの中に数多くの自分自身の分身を見つけることが出来る」(「人生の原典」より)。
    混迷の時代を生き抜く知恵は、わが民族の歴史や日本人らしさを再認識することにこそ隠されている。
    初めて明かされるエピソー...続きを読む
  • 太陽の季節
    この人の数々の言動と、この文章をどう結び付けてよいのか‥
    あの人が本当にこれを書いたのかと驚愕、ちょっと、いえかなり嫉妬しました。才能があることは憧れでもあり憎たらしくもあります。
  • 僕は結婚しない
    頭のいい人の文章は違います。
    都知事になって傲慢さが目立ちますが、芥川賞(1956年)をとっただけのことはあります。

    スケベ男が色恋情事を経験しますが、最後にかわいい理由で結婚しないことを決意します。
    男の人なら、かなり共感できる内容です。
    女の人は、少々バカ男の考えに苛立ちを感じるかもし...続きを読む
  • 私の好きな日本人
    この本では石原慎太郎が好きな日本人として、歴史上の人物から無名な人まで10人紹介されています。10人の人物についての文章を通して、石原慎太郎さんが何を考え、何を美しいと感じるか、何に感嘆するかなどが少しは分かる気がします。
    内容自体も十分面白いのですが、文章自体を楽しむだけでも価値がありました。硬く...続きを読む
  • 私の好きな日本人
    いかなる人間も、それぞれが属している国家や民族の歴史に、その人生を規制されぬ訳にはいかない。それは人間社会という共同体のしからししめる原理に他ならない。
  • 弟

    大学関連でごたごたがあったのでアレですが、小説家としての石原慎太郎は結構好きです。裕次郎さんの作品を観たことはなくても、彼のカリスマ性とその生き方を身内視点という不思議な側面から垣間見ることができます。
  • 法華経を生きる
    うう。重い。ガッツリ。装丁もマッチして。あの石のブロック。手をのばしても届かなそう。”法華経を生きる”とは何ぞや。そう何回か脳みそでなぞってからゆっくり開いて読み始めた。ボクは熱心な信仰家でもなければ新興宗教の使者でもなんでもないが。石原慎太郎さんもその中でそんな風に言っていた箇所があってつい吹き出...続きを読む
  • 弟

    昭和のヒーロー、石原裕次郎と、その兄、慎太郎の物語。石原慎太郎都知事が少年時代から闘病生活のときがどんなであったか、まで独白しています。
  • 「私」という男の生涯
    あまりの自分自慢の連続で、途中で読みたくなくなった。
    自己顕示欲の強い人だとは感じていたが、ここまでとは…
    文書としては面白い本かもしれないが、人としては好きにはなれないですね
    政治家として作家としてと功績を残されているのに、わざわざこんな本出さなければ良かったのにと感じました。
    家族や登場人物はど...続きを読む
  • 凶獣
    宅間守の事件を扱ったノンフィクションで再現小説となっている部分もある。
    元少年Aが全く反省していないのをポーズや言葉でごまかしているが、宅間守は文字通り全く反省していない。
    犯行の原因として遺伝的要因などもあげられるが動機は語られない。やるせなさだけが残った。
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    タツヤとエイコと、誰?な作者の解説が、最適なテンポで綴られる。
    内容はあまり好きではないけど、文体を操る力がすごいと感じた。急なディズニー展開はロマンチックなはずなのに、セリフの雑さでちょっと笑える感じ。
  • 新解釈 現代語訳 法華経
    直木賞作家の言葉のチョイスは素晴らしい。かつて法華経を解説した本を出していた著者が、最晩年に再度取り組んで、発刊されたのが『法華経』の現代語翻訳とは興味深いです。
    少し残念なのはいくつか原文の読み違えもあります。出版社がもう少し正確に校閲して欲しかったです。
  • 死者との対話
    自己を見つめて対話する内容や小説だったが、他の本ですでに読んだ内容も多かった。
    それにしても豪快な生き方に、ちょっとひかれた。
  • 天才
    都知事の印象が強すぎる石原氏の遺作。
    角栄の自伝かと思いきや、作者の創作。もちろん、歴史的な事実は踏襲してるのでしょう。
    ただ、ロッキードの件はどうなんでしょう?同書では、嵌められた、やってないと一貫して主張してますが、司法としては有罪判決がでています。
    これは筆者である石原氏の想いを、代弁さしたの...続きを読む