石原慎太郎のレビュー一覧
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附属池田小学校における児童襲撃事件。その犯人である宅間守を石原慎太郎が題材に。どのように描くのか興味があった。狂獣。タイトルにも滲むが、彼は、悪魔として生まれたのか。生い立ちや精神疾患が悪さをしたのか。その観点で事件をえぐる。
無抵抗な弱者を無差別に殺す人間は、精神疾患だろうが酌量の余地は無い。寧ろ、まともな人間はそんな事しないのだから、そもそも異常者であり、更生の余地に関わらず、裁くべきというのが私感だ。この本で宅間の人間性を掘り下げた所で、その物語の中で心情を理解しても、同情はしない。
しかし、社会には一定数、こうした獣が生まれてしまう歪がある。宅間は最近の自暴自棄なジョーカーとは経路 -
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1.著者;石原氏は、元政治家・作家・エッセイスト等、多数の肩書を持つマルチ人間です。「太陽の季節」で文学界新人賞と芥川賞を受賞し、文壇デビュー。「太陽の季節」が映画化された際には、“太陽族”という流行語が生まれました。その後、「化石の森」で芸術選奨文部大臣賞受賞、「生還」で平林たい子賞受賞、実弟の石原裕次郎を描いた「弟」は120万部を売上げ、毎日出版文化賞特別賞受賞。政治家時代は、環境庁長官、運輸大臣、東京都知事を歴任。いつまでも若さを失わず、文学・スポーツ・政治とエネルギッシュに活動しました。
2.本書;「老い」をテーマにしたエッセー。月刊誌「プレジデント」に“肉体の哲学”という題名で連載。 -
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女とは肉体の歓び以外のものではない。友とは取引の相手でしかない……。
退屈で窮屈な既成の価値や倫理にのびやかに反逆し、若き戦後世代の肉体と性を真正面から描いた「太陽の季節」。最年少で芥川賞を受賞したデビュー作は戦後社会に新鮮な衝撃を与えた。人生の真相を虚無の底に見つめた「灰色の教室」、死に隣接する限界状況を捉えた「処刑の部屋」他、挑戦し挑発する全5編。
【目次】
太陽の季節
灰色の教室
処刑の部屋
ヨットと少年
黒い水
5編収録。表題の太陽の季節より『ヨットと少年』『黒い水』が良かったと思いました。この本の影響は、なんと髪型にも影響を与えていた!?ようです。当時、石原慎太郎カットなるものが -
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石原慎太郎がご託を並べ、男とは何たるかを語ります。男であろうとするのって何と面倒くさいこと。男女に通じる人間としてのあり方と考えることができないんだろうか。
だから、ここの部分だけは彼にもこういう見方ができるのかと、ちょっといいなと思った。
――先頭を切って走り込んでくる連中は半ばプロみたいなもので、いつも一応、その時間にはゴールラインまで行って出迎えメダルをかけてやりはするが、とんでもない記録が出たならともかく彼等を眺めてもさしたる感動はないな。逆に制限時間の七時間をかろうじて切って走り込む、というよりは多くはよたよたと歩くに近い姿でゴールインしてくる連中が、その後着替えのホールで座り込み、 -
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石原裕次郎さんと言えば、父母世代の有名人で、私にとっては、太陽に吠えろのボスや西部警察で偉そうな顔しているおじさんであった。一方の作者の石原慎太郎さんは、国会議員から東京都知事になって言いたい放題の人と言うイメージであった。
この作品を読んで、この兄弟の歩んだ道について知ることができた。すごく恵まれた家に生まれ、如何にも金持ちの長男と次男が進みそうな、まるで小説のような人生だと。しかしそれが現実に起こったこと、本当の兄弟の人生とは、なかなか信じがたいほどの人生だと感じた。
小学生の頃に太陽に吠えろごっこなどしていた私も、今では裕次郎さんが亡くなられた歳を過ぎている。今回、慎太郎さんの初期の -
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沖ノ鳥島視察、尖閣列島との関わりについての総括を読みたくて購入。しかし書いてあったのはすでにメディアで彼が話している表面的なことだけ。裏話的なことを期待していたのだが、ページが足らなかったらしい。
ほかのトピックにしてもそうだ。横田軍民共用化、オリンピック誘致、築地の移転。これらも記述が足らなかった。
慎太郎氏が語り、編集協力という形で、作られた本なのだと思う。本人がしっかり書いていれば、もう少し内省的になったのではないだろうか。とにかく偉そうで、反省がなく、他社をあざけってばかり。これが慎太郎節といえばその通りなんだが、もう少し深めて欲しかった。
可能であれば、私自身が彼に取材したい。 -
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