石原慎太郎のレビュー一覧

  • 凶獣

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    附属池田小学校における児童襲撃事件。その犯人である宅間守を石原慎太郎が題材に。どのように描くのか興味があった。狂獣。タイトルにも滲むが、彼は、悪魔として生まれたのか。生い立ちや精神疾患が悪さをしたのか。その観点で事件をえぐる。

    無抵抗な弱者を無差別に殺す人間は、精神疾患だろうが酌量の余地は無い。寧ろ、まともな人間はそんな事しないのだから、そもそも異常者であり、更生の余地に関わらず、裁くべきというのが私感だ。この本で宅間の人間性を掘り下げた所で、その物語の中で心情を理解しても、同情はしない。

    しかし、社会には一定数、こうした獣が生まれてしまう歪がある。宅間は最近の自暴自棄なジョーカーとは経路

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    2022年01月29日
  • 老いてこそ人生

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    1.著者;石原氏は、元政治家・作家・エッセイスト等、多数の肩書を持つマルチ人間です。「太陽の季節」で文学界新人賞と芥川賞を受賞し、文壇デビュー。「太陽の季節」が映画化された際には、“太陽族”という流行語が生まれました。その後、「化石の森」で芸術選奨文部大臣賞受賞、「生還」で平林たい子賞受賞、実弟の石原裕次郎を描いた「弟」は120万部を売上げ、毎日出版文化賞特別賞受賞。政治家時代は、環境庁長官、運輸大臣、東京都知事を歴任。いつまでも若さを失わず、文学・スポーツ・政治とエネルギッシュに活動しました。
    2.本書;「老い」をテーマにしたエッセー。月刊誌「プレジデント」に“肉体の哲学”という題名で連載。

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    2022年01月24日
  • 太陽の季節(新潮文庫)

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    女とは肉体の歓び以外のものではない。友とは取引の相手でしかない……。
    退屈で窮屈な既成の価値や倫理にのびやかに反逆し、若き戦後世代の肉体と性を真正面から描いた「太陽の季節」。最年少で芥川賞を受賞したデビュー作は戦後社会に新鮮な衝撃を与えた。人生の真相を虚無の底に見つめた「灰色の教室」、死に隣接する限界状況を捉えた「処刑の部屋」他、挑戦し挑発する全5編。

    【目次】
    太陽の季節
    灰色の教室
    処刑の部屋
    ヨットと少年
    黒い水

    5編収録。表題の太陽の季節より『ヨットと少年』『黒い水』が良かったと思いました。この本の影響は、なんと髪型にも影響を与えていた!?ようです。当時、石原慎太郎カットなるものが

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    2021年09月20日
  • 日本よ、憚ることなく

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    ネタバレ

    歯に衣着せぬ2人が本を書いたらこうなるという見本みたいな本。
    ・日韓併合は、韓国側が決めた事。ロシアか、日本か。どちらを選ぶかは一目瞭然。日本統治時代は韓国が劇的に豊かになった時代。インフラは整備。教育制度が整備。
    ・ドイツは、敗戦時3つを受け入れさせた。
     ①憲法は自国で作る
     ②教育方針は自国で作る。
     ③小さくても国軍を保持する
    ・日本は憲法改正では無く、自主憲法制定といえば雰囲気ががらっと変わる。

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    2021年06月02日
  • 新解釈 現代語訳 法華経

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    ネタバレ

     いやはや参りました。
     本書を読む前に予習として「NHK 100分 de 名著 法華経(2019年 11月)」を読んで臨んだのですが、新現代語訳で読みやすい字面を追っても、法華経の含蓄まで踏み込んで理解することができません。本書が悪いわけではありません。
     やはり法華経の含蓄に迫るにはそれなりの知識が必要なのですね。おそらくバラモン教などから仏教に続く世界観を理解した上で、世尊の語りを解読していく必要がありますね。

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    2020年08月13日
  • 新・堕落論―我欲と天罰―

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    「新幹線によって旅する窓から眺める田植えをしているお百姓さんの手元は見えはしない。その代わりに我々は一体何を見ることができるのだろうか。そして人はその状況を文明の進歩と呼ぼうとする」

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    2020年05月17日
  • 救急病院

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    石原慎太郎の本は「太陽の季節」と「弟」、「老いてこそ人生」を読みました。言葉遣いにちょっと硬さというか古さを感じますが、救急病院で繰り広げられる命をめぐる戦い、暗部がスピーディーに描かれています。国家プロジェクトに参加するほどの頭脳に恵まれながら、その脳に巣食う病に勝てなかった彼が悲しい。

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    2019年12月31日
  • 太陽の季節(新潮文庫)

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    ネタバレ

    石原慎太郎のデビュー作、芥川賞を受賞したものの、倫理性を巡って揉めたとあるが、そりゃそうだと思った。

    人が持つ闇の部分がエスカレートしていき、行き着くところまで行ってしまう、そんな姿が描かれている。しかしそれは、気狂いというより、誰もが持ちうる闇だと思う。それがまた恐ろしい。

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    2019年01月04日
  • 弟

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    石原裕次郎の一生を兄の目線から綴った一冊。
    昭和の男らしい、豪快な人生が好きなら楽しめると思う。その時代の映画見てるみたいだった。

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    2018年08月16日
  • 男の粋な生き方

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    石原慎太郎がご託を並べ、男とは何たるかを語ります。男であろうとするのって何と面倒くさいこと。男女に通じる人間としてのあり方と考えることができないんだろうか。
    だから、ここの部分だけは彼にもこういう見方ができるのかと、ちょっといいなと思った。
    ――先頭を切って走り込んでくる連中は半ばプロみたいなもので、いつも一応、その時間にはゴールラインまで行って出迎えメダルをかけてやりはするが、とんでもない記録が出たならともかく彼等を眺めてもさしたる感動はないな。逆に制限時間の七時間をかろうじて切って走り込む、というよりは多くはよたよたと歩くに近い姿でゴールインしてくる連中が、その後着替えのホールで座り込み、

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    2018年08月12日
  • 弟

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    石原裕次郎さんと言えば、父母世代の有名人で、私にとっては、太陽に吠えろのボスや西部警察で偉そうな顔しているおじさんであった。一方の作者の石原慎太郎さんは、国会議員から東京都知事になって言いたい放題の人と言うイメージであった。

    この作品を読んで、この兄弟の歩んだ道について知ることができた。すごく恵まれた家に生まれ、如何にも金持ちの長男と次男が進みそうな、まるで小説のような人生だと。しかしそれが現実に起こったこと、本当の兄弟の人生とは、なかなか信じがたいほどの人生だと感じた。

    小学生の頃に太陽に吠えろごっこなどしていた私も、今では裕次郎さんが亡くなられた歳を過ぎている。今回、慎太郎さんの初期の

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    2018年04月09日
  • 新・堕落論―我欲と天罰―

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    だいぶ前に読んだ石原慎太郎の文章。NOといえる日本から続く右派的意見に一部納得できたが、詳しい無いようはほとんど覚えていない。あまり読み返す価値もないか。

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    2018年01月12日
  • 凶獣

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    もうこの世にいない死刑囚の酷さは言うまでもない。人間は何のために生きているんだろうかという問いかけのように読めた。もともと犯罪に手も染める資質というものはあるらしい。でもそれは生育環境によって発露したりしなかったりする。親の愛情の重要性はもちろんのこと、他人にあたたかい公正を重んじる社会を作らないととんでもないことになるという警鐘にも感じた。臨床心理士と弁護士のインタビューがとても興味深かった。事件ひとつに直接の被害者以外にも被害者がたくさんいることがわかってとても重かった。

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    2017年12月24日
  • 太陽の季節(新潮文庫)

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    最期まで読んだら、読んだことあったかなぁと思った。気持ち的にはわかるようなわからないような。でも面白かったな。

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    2017年12月18日
  • 真の指導者とは

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    読者層を広げたくて、攻撃的でなく万人受けするタイトルにしたんだろうな。中身もリーダー像論を展開しつつ、筆者の政治主張の普及目的のための本に感じる。憧れるリーダー像というよりは、今後の日本に必要なリーダーを示している。

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    2017年12月15日
  • 凶獣

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    2001年6月8日、大阪教育大学教育学部附属小学校に出刃包丁を持った宅間守が押し入り、児童八名が死亡、教員を含む十五名が重軽傷を負った事件の真相に迫る取材とインタビューの記録。

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    2017年11月26日
  • 東京革命 わが都政の回顧録

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    沖ノ鳥島視察、尖閣列島との関わりについての総括を読みたくて購入。しかし書いてあったのはすでにメディアで彼が話している表面的なことだけ。裏話的なことを期待していたのだが、ページが足らなかったらしい。
    ほかのトピックにしてもそうだ。横田軍民共用化、オリンピック誘致、築地の移転。これらも記述が足らなかった。
    慎太郎氏が語り、編集協力という形で、作られた本なのだと思う。本人がしっかり書いていれば、もう少し内省的になったのではないだろうか。とにかく偉そうで、反省がなく、他社をあざけってばかり。これが慎太郎節といえばその通りなんだが、もう少し深めて欲しかった。
    可能であれば、私自身が彼に取材したい。

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    2017年09月20日
  • 「YES」と言わせる日本(小学館新書)

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    亀井静香は今無所属なのか。悪夢の民主党政権で亀井静香が閣内で踏ん張ってくれなかったらもっと大変なことになっていたね。二人とも最後のご奉公を期待しています。

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    2017年07月09日
  • 新・堕落論―我欲と天罰―

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    石原慎太郎 著「新・堕落論」2011.7発行、「2011.3.11」の後の著者の存念が書かれています。平和の毒、仮想と虚妄の2つの章立てです。ルース・ベネディクト「菊と刀」にある「恥を嫌い、清廉を好み、日本刀に表象される自己犠牲による献身を美徳として奉じた日本人の姿」は殆ど消滅したと書かれてますが、残っているし、また、残したいと思っています! 最近、築地の豊洲移転問題でまた政治の場・マスコミに登場の石原慎太郎氏、自ら、「菊と刀」の精神、恥ずかしくない態度で処していただきたいです。

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    2017年02月17日
  • 太陽の季節(新潮文庫)

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    もはや古典なのだが、描かれている学生による性暴力的”事件”は、まさに現代の今、発生しているものと同じ。。。

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    2016年10月19日