石原慎太郎のレビュー一覧

  • 歴史の十字路に立って 戦後七十年の回顧
    総理大臣になろうと思って国会議員になり、東京都知事を4期つとめた石原慎太郎氏。文学と政治の二刀流を見事にこなされました。その心の奥底に巣くう「存念」はこの本でどれくらい吐き出されたことでしょう!今年84歳、まだまだ元気な男の半生記です。2015.6発行の作品です。
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    昭和32年8月発行。他の方々の評価は比較的低いものが多いようであるも、その時代背景に照らして想像するに当時としてはかなり刺激的な内容であろうと思う。
    当時作者が置かれていた環境というのは、一般人とはかけ離れた金銭的、物質的に恵まれた環境であったことが容易に想像できる。だからこそこのような小説の世界感...続きを読む
  • 歴史の十字路に立って 戦後七十年の回顧
    いろんな歴史の十字路に立ったんだなぁ、慎太郎さん。

    慎太郎さんのように国益を考えてキッパリ・バッサリ言ってのけられる政治家は少ない。他の人が言えばマスコミからさんざん叩かれて大変なことになるけど、慎太郎さんは、そのつど跳ね返してきた。

    さすがにもうご高齢だから、あまり無理もできないかと思うけど、...続きを読む
  • 歴史の十字路に立って 戦後七十年の回顧
    石原慎太郎氏の自伝であり、今の日本社会へのモノ申す本。今、社会の中堅年代となっている私たち、そして、その次の世代たちへ継承してほしい、理解しておいてほしい、知っておいて欲しいと考えておられる超長編メッセージ。

    地球という大海原に浮かぶ幾多の船の中で、たまたま、日本号という船に乗り合わせた私たちに、...続きを読む
  • わが人生の時の時(新潮文庫)
    氏の政治思想をどう考えるかはいったんカッコの中に入れるとして、描かれた多数の情景のイメージがもたらす甘美さ、それをもたらす日本語表現の巧さは、やっぱり評価されるべきものという印象を持った。特に氏が傾倒するヨットの経験を通じた海での様々な航海体験や、その中での自然の脅威などの表現は、氏でなければ書けな...続きを読む
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    昭和30年代の文学作品に新風を巻き起こした作品。

    実は戦後60年の歴史を勉強するまで、漠然としか知らなかった太陽族と
    その言葉が生み出されるきっかけとなった「太陽の季節」

    僕は当然ながらあの時代を生きてはいない。
    でも戦後10年経った日本で、
    石原慎太郎の処女作「太陽の季節」で描かれた主人公たち...続きを読む
  • わが人生の時の時(新潮文庫)
    ほとんどが海とお化けにまつわる話。意外なことに著者はオカルト好きらしい。ゲイと戦争の話も出て来たり、石原慎太郎の本質を掴むにはいい本かもしれない。
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    日本の戦争、敗戦、その後の発展と昨今の不況。あらゆる日本を見てきた石原慎太郎氏が語る現代の日本とは?
    戦後65年余り。その間に得た平和が日本人にもたらしたものとは?本書では今日本で見られる問題を氏独自の視点から指摘、問題提起している。日本を愛するからこそ書ける本ではないだろうか。
    少し偏った意見もあ...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    世界から見た日本という国の独立性、税制を含めた制度のあり方については、同様の危機感を感じています。
    普通の国会議員が躊躇する発言を堂々と書くあたりは真骨頂といったところです。

    世代論については、残念ながら内容的にいまひとつ。
    あなたも若い頃は、最近の若者はと言われた経験を忘れてしまっています。
    ...続きを読む
  • 永遠なれ、日本
    「人間には生まれながらにして基本的人権がある」というルソーの天賦人権説がありますが、これは守ってくれる国家があって成り立つものです。共同体とか「公」というものがあって人間の権利とか自由は成り立つものです。(中曽根康弘)
    そんな当たり前のことが解っていない今の日本人。自由と我侭の区別もできない。。。。...続きを読む
  • 真の指導者とは
    詳しい歴史の解説やあまり知らされていない歴史の裏舞台などから指導者としての生き方や生きざまを詳しく解説してくれている。
    その他、色々な視点で指導者のあるべき姿を示してくれている。
    最後に「存在」と「時間」という「哲学」論で指導者論を締めくくっている。
    著者である石原慎太郎氏の魅力、指導者としての魅力...続きを読む
  • 国家なる幻影(上) わが政治への反回想
    今をときめく、暴走老人石原慎太郎の政治家時代についてを記載。約10年前に書かれた作品だが、この時から既に尖閣諸島をはじめとする領土問題について危機感を抱いている。尖閣諸島購入発言も、彼なら言ってもおかしく無いな、と思った。日本の政治は微妙であることを作家であるだけあり、達筆に描く。10年前も今も、政...続きを読む
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    こんな高校生、大学生が世代を代表しているとしたら、そんな世の中には住みたくない。
    あまりにも暴力的で自分勝手。

    価値観がドライとは言え、他人の評価を気にしたり、他人に影響を与えようとする部分もあり、人間的。

    突然回想に入ることが多く、面喰らう

    最後の一篇を除き、ほぼ80Pで、作られた感をこんな...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
     健全な精神は健全な肉体にこそ宿るというが、そこで培われた健全な精神こそが、さらに長じて後の人生において衰えた肉体を支えて守るのです。
     これは大脳生理学での脳幹論の原理であって、脳で最重要部分とされる脳幹は充実した人生のために不可欠な怒り、悲しみ、恐怖、発奮努力、そしてその結果の充実感、歓喜といっ...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    僕らのように「戦争は間違っていた」と教え込まれてきた世代は、戦前にプライドを持っていた石原慎太郎さんのような人間の意見は、本を読まない限りほとんど知ることができない。公共性の高いメディアでさえ、産経を除いて左に傾倒しているからだ。
    自身で憲法を作ることをドイツは許されたけど、日本は許されなかった。黄...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    本書は、震災後、石原現東京都知事が東日本大震災を日本国民への「天罰」と称したように、現代の堕落した日本を憂う内容となっています。すなわち、

    ・以下は、日本人という民族の本質的な堕落としか言えないものである。
    -あてがわれた「平和の毒」に冒され、あてがい扶持の憲法による徒な権利の主張と国防を含めた責...続きを読む
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    戦後の我欲に満ちた日本。堕落した日本。読んでいて心地良いものではなかったが、受け入れるべき事実も確かにあったと思う。著者の痛切な思いが伝わってきた。今後の日本を担う若い世代は目を通す価値が十分ある。
  • 新・堕落論―我欲と天罰―
    大学生の頃に読んだ坂口安吾の『堕落論』も再読。東日本大震災後の今、再読したことが意味深かった。『新・堕落論』とあるが、坂口安吾と石原慎太郎の”堕落”の意味と結果は違うものと思う。坂口安吾は堕落してしまう人間の弱さを認め、そこからの救いを模索する。石原慎太郎は、現代の節操の無い我欲の塊の堕落した日本人...続きを読む
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    表題の「太陽の季節」を含む短編集。
    太陽の季節もそうだけど、図太くまっすぐな直線を猪突猛進で生きている主人公が、図太くまっすぐだけど、多くの人の道、道徳から外れているから、最終的には崖底に落ちていくんだけど、崖底に落ちる時も、崖があるのがわかっていても、そこにも猪突猛進で突っ込んでいき、案の定落ちて...続きを読む
  • 太陽の季節(新潮文庫)
    友情と言うことにせよ、彼等は仲間同士で大層仲は良かったが、それは決して昔の高等学校の生徒たちに見られたあのお人好しの友情とはおよそかけ離れたものなのだ。彼等の示す友情はいかなる場合にも自分の犠牲を伴うことはなかった。その下には必ず、きっちり計算された貸借対照表がある筈だ。何時までたっても赤字の欄しか...続きを読む