石原慎太郎のレビュー一覧
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私にとって石原裕次郎は「太陽にほえろ」の「ボス」という印象が圧倒的に強く、昭和の大スターであったことがなんとなくわかったのはずいぶん後だった。本書ではその大スターの兄だからこそ知りえる弟裕次郎の幼少期から、その死までのエピソードと著者自身の心情がたっぷり記されている。ちょっとオカルティックな話もあり、石原慎太郎、裕次郎兄弟もそのような体験をしていたところは特に興味深かった。本来裕次郎のファンは現在60~70代くらいの人が多いのだろうけど、その下の「太陽にほえろ」や「西部警察」世代の人たちにとっても十分楽しめる本だと思う。あと、人の好みが多様化、細分化した現代においては、老若男女が熱中するような
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ネタバレ政治家でもある石原慎太郎がどんな純愛小説を書くんだろう、と興味しんしんで手に取った。
知人が亡くなり久しぶりに集まった辰野と昔の仲間たち。
仲間たちの憧れのチェリスト西条久美子と辰野は20年ぶりの再会を果たす。
20年前愛しあっていながら、突然辰野の前から姿を消してしまった久美子。
その理由と彼女の苦しかった思いを知り、若い彼女がいながらもう一度久美子を選んだ辰野。
ハッピーエンドで終わるのかと思いきや、悲しみの結末に。
ヨットレースやポーカーなど作者の若かりし頃の道楽が伺えて、その辺りは昭和を感じた。
大人の男女の恋愛を教えられた気がした。 -
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その主張思想などの是非は別として、まずとてつもなく読みづらい。おなじみの「です・ます」「だ・である」さらには砕けた口語体のアトランダムな混在は言わずもがな、形容の重曹や論旨の飛躍は年を追う(老う)ごとに酷くなり、この書にて集体し極まった。かねてから「三島もそうなんだよな・・」と感じていたが、ついにあることに思い至った。石原慎太郎の三島由紀夫エピゴーネン願望説だ。文体が同じなのではなく、当初は文士としての憧憬であったものが、その文体、続きその主義思想までをもコピーしたとしたら。そう考えた瞬間石原の言説、行動が瞬時に理解できてしまった。たぶんに感覚的ではあるが、その物言いから漂うなんとなくのホモセ
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64点。困った時には決まって船の話を出して話題を変えるらしい、石原慎太郎の掌編集。20世紀日本文学を代表する作品ともいわれている。
情景描写が見事だと思う反面、これもまた海の話ー?と飽きてきた。筆者にとって大きな出来事だっていうのはわかったけど。
人生の時の時。自分の死をどう考えるかは哲学上でも大きな問題で、ハイデガーは「死に臨む存在」という表現をつかうが、石原慎太郎も死をどう意識するかがその人の生を決定すると考えている。
しかし、自分は死に対してそのような感覚は毫厘もなくて、そこに関してはサルトルの、死は「私の可能性」などではなく、死は私のすべての可能性を無にするまったく不条理な偶発事、とい -
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【読書その60】久しぶりの小説。専門書やビジネス書だけではなく、小説を読むことで想像力や感性を育むことができるというアドバイスを受け、以前から読んでみたいと思っていた現東京都知事の石原慎太郎氏の著書を読む。石原氏は大学の先輩にあたるが、本書を在学中に発表したというのは知らなかった。内容が内容なだけに今のタイミングで読むべきではなかったような内容だったが、その表現力にはすごいものを感じた。発表当時も賛否両論だったそうだが、在学中にこれを書いたというのは本当に衝撃的。やはり昭和30年代当時の時代にこの内容を出したことは相当の反響があったのだろう。
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