あらすじ
汝は何者なり。
2001年6月8日、未曾有の事件は起こった。
大阪府池田市の小学校に刃物を持って侵入した宅間守は
逃げまどう小学一年生と二年生の児童8名を殺害、15名
に重軽傷を負わせた。初公判の日、入廷してきた宅間は
三度口笛を吹いたという。なぜ彼は事件を起こしたのか?
綿密な取材とインタビューで宅間の実像に迫る戦慄の記録!
神はなぜこのような人間を創ったのか?
しかしそれにしても彼の非行の軌跡はどう眺めても異形なものだ。/五歳の時、三輪車で国道の真ん中を走り出し大渋滞を引き起こした事件に始まり、以降様々な出来事を起こし周りの耳目を集め、それ以降彼の人生の軌跡をたどると母親が彼を妊娠した時、何故かしきりにこの子供を堕したいと夫に訴えたというのは何への予感だったのだろうか。(本文より)
「人間」という存在の深淵を
追求した戦慄の記録!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2001年(平成13年)6月8日に起きた附属池田小学校事件の話です。
被告人である宅間守の凶悪さを描いているため、内容はかなりエグイです。
間にその凶悪な人間をフォローする側である臨床心理士と弁護士のインタビューの内容が書かれています。
個人的にはこの臨床心理士と弁護士の話が重要だと思います。
凶悪犯罪を犯した凶悪な人間を弁護するという事はどういう事なのか?臨床心理士は何をしているのか?
そこから何故このような事件が起きてしまったのか注目すべきと思います。
本書は公判時や供述、インタビューの会話をそのまま記述しているので2,3時間で読める内容です。
ただ、宅間被告人の凶悪さがエグイので、見る人が見たら気持ち悪くなるのではないかと思います。
Posted by ブクログ
石原慎太郎の晩年の作品。
人間とは何か、死とは何かを考える上で、宅間守の事件、彼の生涯に興味を持ったのだろう。
担当した臨床心理士、弁護士へのインタビューを元に、著者なりの答えを出そうとしている。
一方で、ここまで狂気に満ちた被告人の心情や行動を、正常の人間が理解することは非常に難しい。昔なら一人称で描いていたと思われる。
Posted by ブクログ
宅間守の事件を扱ったノンフィクションで再現小説となっている部分もある。
元少年Aが全く反省していないのをポーズや言葉でごまかしているが、宅間守は文字通り全く反省していない。
犯行の原因として遺伝的要因などもあげられるが動機は語られない。やるせなさだけが残った。
Posted by ブクログ
もうこの世にいない死刑囚の酷さは言うまでもない。人間は何のために生きているんだろうかという問いかけのように読めた。もともと犯罪に手も染める資質というものはあるらしい。でもそれは生育環境によって発露したりしなかったりする。親の愛情の重要性はもちろんのこと、他人にあたたかい公正を重んじる社会を作らないととんでもないことになるという警鐘にも感じた。臨床心理士と弁護士のインタビューがとても興味深かった。事件ひとつに直接の被害者以外にも被害者がたくさんいることがわかってとても重かった。