【感想・ネタバレ】歴史の十字路に立って 戦後七十年の回顧のレビュー

あらすじ

平成27年は大東亜戦争の敗戦から70年。サンフランシスコ条約発効後、日本は独立を回復したことになっているが、それは虚構ではなかったか――。こう主張する石原慎太郎氏は、少年時代の戦争の記憶、日本人としての敗戦の屈辱感を原体験とし、以後の自身の人生を戦後日本社会と重ねながら伴走してきた。衝撃のデビュー作『太陽の季節』ではピュリティという青春の価値を大人たちに叩きつけた。また青年作家としてベトナム戦争を取材した際には「日本の亡国」という危機感を抱き、「祖国のイメイジ回復」を掲げて国政の場に飛び込んだ。爾来、石原氏は日本の政治風土の中で特異な存在として、直言、行動を続ける。東京都知事就任、そして再び国政に復帰して政界引退を表明するまで、圧倒的な存在感を発揮してきた。その石原氏に、戦後70年を迎えようとする日本はどのように映っているか。作家、政治家として時代と格闘してきた著者の書き下ろし自叙伝。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

平成27年は大東亜戦争の敗戦から70年。サンフランシスコ条約発効後、日本は独立を回復したことになっているが、それは虚構ではなかったか――。

こう主張する石原慎太郎氏は、少年時代の戦争の記憶、日本人としての敗戦の屈辱感を原体験とし、以後の自身の人生を戦後日本社会と重ねながら伴走してきた。衝撃のデビュー作『太陽の季節』ではピュリティという青春の価値を大人たちに叩きつけた。また青年作家としてベトナム戦争を取材した際には「日本の亡国」という危機感を抱き、「祖国のイメイジ回復」を掲げて国政の場に飛び込んだ。

爾来、石原氏は日本の政治風土の中で特異な存在として、直言、行動を続ける。東京都知事就任、そして再び国政に復帰して政界引退を表明するまで、圧倒的な存在感を発揮してきた。その石原氏に、戦後70年を迎えようとする日本はどのように映っているか。

作家、政治家として時代と格闘してきた著者の書き下ろし自叙伝。

0
2015年07月24日

Posted by ブクログ

政治的な立場については、賛否相半ばするが、ひとりの人間として、ひとりの男として、そしてひとりの愛国者として、石原慎太郎という人物に、深い敬愛の念を抱かされた。
著者は終章で福沢諭吉の言葉をふたつ引用している。
「立国は公にあらず、私なり」そして「独立の心無き者国を思うこと深切ならず」
まさにこの言葉を体現した人物が石原慎太郎という男であることを、力の籠ったこの回顧録が立証している。
印象的なエピソードが盛りだくさんで読んでいて全篇飽きさせないが、自らの備忘録としてふたつの箇所だけ引用しておきたい。

ひとつはレイモン・アロンから著者が直接聞いた言葉。
現代の若者に同情する。彼らは青春を青春としてとらえる大事な切っ掛けを、肉体的にも精神的にも持っていない。その第一は戦争だ。命の危険にさらされる極限的な状況がなくなってしまった。第二は戦争のあとの平和で、貧困がなくなってしまった。物をほしいとか、何かをしたいという願望、貧困こそが青春の必然的条件なのにそれがなくなってしまった。第三は、死に物狂いでぶつかって、血反吐を吐いても闘うような偉大な思想がなくなってしまった、と。

もうひとつは、靖国問題についての著者の深い認識。長くなるが肝に銘じておきたいので、引用しておく。
「靖国」問題は、日本人にとってはその「垂直の情念」をどう認識するかということであゆ。根本を言えばこの感覚を抜きにして何を論じても意味はないのだ。愛国心であれ、国靖かれという思いであれ、それらは今、水平的に日本に存在しているわけではない。長い歴史のなかで連綿と紡がれてきた日本人の意識の総和としてある。礎として斃れていった死者の存在抜きに、今生きている我々の価値観だけで国家民族の命運を決してはなるまいに。その慮りと畏怖が今の日本人にはなく、ある種の畏れの感覚を失うことがいかに致命的なことかを逆に今の日本は体現しつつある。
こういう認識を持った政治家が、どれだけいるのだろうか。
石原慎太郎亡き今、暗然たる思いを禁じ得ない。

0
2026年03月16日

Posted by ブクログ

総理大臣になろうと思って国会議員になり、東京都知事を4期つとめた石原慎太郎氏。文学と政治の二刀流を見事にこなされました。その心の奥底に巣くう「存念」はこの本でどれくらい吐き出されたことでしょう!今年84歳、まだまだ元気な男の半生記です。2015.6発行の作品です。

0
2016年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いろんな歴史の十字路に立ったんだなぁ、慎太郎さん。

慎太郎さんのように国益を考えてキッパリ・バッサリ言ってのけられる政治家は少ない。他の人が言えばマスコミからさんざん叩かれて大変なことになるけど、慎太郎さんは、そのつど跳ね返してきた。

さすがにもうご高齢だから、あまり無理もできないかと思うけど、足腰弱ってもズケズケ口達者な慎太郎さんでいてほしい。まだまだ死んでもらっちゃ困ります。内外様々な圧力によって手も足も縮こまってしまっていた日本人に「しっかりしろ!」とカツを入れてくれてくれる人が今は必要だから。

ところどころに弟の裕次郎さんのことが書かれていて、ちょっと嬉しかった。

0
2015年11月15日

Posted by ブクログ

石原慎太郎氏の自伝であり、今の日本社会へのモノ申す本。今、社会の中堅年代となっている私たち、そして、その次の世代たちへ継承してほしい、理解しておいてほしい、知っておいて欲しいと考えておられる超長編メッセージ。

地球という大海原に浮かぶ幾多の船の中で、たまたま、日本号という船に乗り合わせた私たちに、座礁せず、他の船と航路を譲り合うのか、戦いを挑んででも我が道を行くのか、どの風をつかみ、どんな速度で走り続けるのかを考えなさいよ、と言われているように感じたのだ。今年のキーワード「戦後七十年」が含まれているため、今年は特にブーム的に読まれるのかもしれないけれど、思うところあってこの本を手にとる人が続いて欲しいと思う、そんな本だ。

0
2015年09月13日

「ノンフィクション」ランキング