細谷功のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ビジネス雑誌の書評を見て気になり読んでみた。
タイトルのキャッチーさと淡々とした中身にはギャップを感じたものの、抽象化・その思考法についてスムーズに理解できた。
図や具体例も多く使用されていてとっつきやすく、分かりやすい。
世界中の情報に簡単にアクセスできるようになり「世界は拡大」。一方、ネットニュースやYoutubeなどカスタマイズされた情報に触れることが増加。結果、視野が狭窄しているという。抽象度に関する視野狭窄化とは、関係性の理解喪失でもある。
時代が激変し、生成AIの汎用化など「知識力」のアドバンテージが薄れ、「思考力」の価値が高まっている。その思考力を可視化するのは難しく、実際に日本の教育現場でもその評価基準の設定に苦労している。発想の転換が必要。
特に印象に残っているのは、「抽象化とは”線を引くこと"」というフレーズ。大きく分けると、①区別と②関連付け。
この線引きにより、世界では多くの矛盾が生じ、それが戦争にも繋がっていると著者は例示している。
国家も線引きの一つ。それによって「味方」と「敵」を作り出している。つまり、抽象化という能力は人類を発展させてきた一方、ストレスや悩み、矛盾の根本原因にもなってしまっている。
面白い例として、抽象レベルのポリシーを明確にもった上司と、それを理解せず具体指示だけに触れ、「上司の命令がコロコロ変わる」と嘆く部下のコミュニケーションギャップというのが有った。確かに、部下が上司の「ポリシー」を知る機会は少ない。
実世界には多くの「グレー」が存在する。コロナや原子力エネルギーも、「安全か危険か」の0次的発想では前に進むことはできない。いずれもゼロリスクなど不可能。その発想から脱却する責務が、メディアにも政治家にも、そして国民一人ひとりにもある。それが国の思考力の豊かさに繋がると思う。
肌感覚として、この点は若い世代の方が優れているように感じる。
この本を読んで自分だけが抽象的思考力を高めても、世の中の問題は解決しない。むしろ、悩みやストレスの原因をより多く作ってしまうかもしれない。
それでも、この著者の「論理的思考力」系の本が多くベストセラーになっているということは、それだけ世界はより良い方向に進んでいるということ。
そう信じて、抽象化の思考力を自分は高めていきたい。日本の教育も、0次元、1次元を超えた学習の機会を増やしてほしい。 -
Posted by ブクログ
地頭力は天性のものだと思っていたけれど、鍛えられるらしい。地頭が良い人が羨ましいと思っていたので読みました。
まんがでわかる。というだけあって読みやすいけど、むちゃくちゃ深掘りはされていない印象。深掘りされると読みにくいだろうけど。
覚えておきたいことは以下。
・地頭力のない人がかかる病気はないない病
今ある情報でできることを考える
・結論から考え、65点主義を持ち、スピード重視、限られた時間と情報で最善の答えを出す
・時間のない依頼はその場で最終的な成果物のイメージを出す。答えを出そうとせずに質問を引き出す
・思い込みの激しい人はそれに気づいていない
・俯瞰する。何をやるかと同時に何をやらないかを考慮したものが、俯瞰して全体から考えたもの
・エレベータートークで鍛える
最初に全体像を共有する。進捗は全体として何点か言う。相手にどうして欲しいか言う。
-
Posted by ブクログ
・「問題発見力」の概念や、昨今重要視される理由、「問題解決力」との対比
・組織におけるボトルネックは「問題解決力」ではなく「問題発見力」になりつつある
・「問題発見力」があるのは、非常識・型にはまらない・問題児なタイプの人。「問題解決力」とは相反する特性。
女性活躍が進んでいる企業はそうでない企業より業績好調、という海外の調査結果があるそうですが、本書の「問題発見力」からその理由を説明できそうだなと思いました。
企業内での女性というのは多数派である男性と比較で相対的に「非常識で型破りで問題児」でしょうから、女性が多い=問題発見力が高い=業績好調という理屈が通りそうじゃないですか。
アラフォーワーママの私、大学を卒業してから20年程、男性とほとんど同じ仕事をしてきましたが、現代はやっぱりまだ「男性の、男性による、男性のための社会(会社)」であるなぁと肩身の狭い思いがあります。
狭くする必要なんてないんでしょうけど「お邪魔しててごめんなさいね」という気持ちが未だに残っている私です。
けれど本書を読んで「女性」という特性にこういう活用方法があるのだと知ることができ、会社(社会)に居場所がある気がして、嬉しく思いました。
-
Posted by ブクログ
ネタバレp12 デジタル技術は私達を便利な生活んいいざなうと同時に、すぐ先のことしか考えなくなるという形で、わたした地の視野を狭めつつあります。
もうひとつ事象の関係性という抽象概念をみにくくする
地図や時刻表、あるいは新聞では、各地点、各電車、各記事がどのように関連しつながっているか
p37 デジタル化によって私達の生活は、いつでもどこでもなんでもだれでもといういわばever化してしまった
p54 人は見えるものばかりを追いかける
p60 私達は見えるものつまり、いまあるものとか既に起こってしまったことに対しては簡単にコメントできるのですが、見えないものについて語るのは相当意識しないとできないのです
知識 見えるもの 思考 みえないもの
p64 スマホ+アプリがもたらした2つの視野狭窄
物理的、抽象的
p72 人間の見えるものに惑わされる性質
p73 見えるものは過去の投影 誰の目にも見え、正解があり不確実性がない
逆に未来は正解もなく不確実性が高い想像力や創造力の世界
p74 ベンチャー企業 未来を語る 伝統のある大企業 前例や過去の成功体験に生きる
p76 あるものからの発想 賢者の視点から物申すので賢そうにみえる 後出しジャンケン
ないものからの発想 常にまだ起こっていない未来に向けてリスクをとった発言をし、そして行動をおこす データもエビデンスもない
p86 言葉というのは同等のものをまとめて一つに扱うという抽象化の考え方と表裏一体
p104 抽象化とは2通りに線を引くこと(境界線をひく、関連付ける)
p117 動物はイマコココレの世界 つまり現在、現地、具体的な世界でしか生きられない。
p120 朝令暮改 実はその時点での最新情報に基づいて ベストの判断をすることだ かもしれない
p128 世の中を割り切ってどこかで二分することで、多くの事象をシンプルに当てはめることができるようになる反面、単純化による歪が生じてしまう
言葉というコミュニケーションツールによって、私達はf飛躍的に自分たちの考えを共有することになったわけですが、同時に同じ数だけの誤解も生み出すことになりました。所詮言葉というのは抽象化の産物なので、人によって解釈が異なるという抽象化の根本的な特徴をひきずることになるのです
p137 0次元 正誤、白黒、善悪、勝ち負け、敵味方 2値的
1次元 比較と優劣の世界観 数値的
N次元 複数の視点で多面的にみる 多値的
無限次元 常に柔軟に対象を観察する 無限の視点
p171
確証バイアス
生存者バイアス
サンクコスト
ハロー効果
ダニングクルーガー効果 できない人ほど自信満々でできると思っている
自己奉仕バイアス 自分の成功は自分の努力のたまものであるが、自分の失敗は他人や環境のせいであるというバイアス
非対称性のバイアス
他人のことは十把一絡げに一般化して考えるのに、自分は他人と違う特殊な存在だと思う
他人の言い訳はしょうもないと思うのに、じぶんはしゃあしゃあと同じような言い訳をする
私達は自分が特殊だと思うバイアスは強烈です。そしてさらに悪いことに、その痔核がないのが最大の問題点です。だからそれを他人から指摘されると、猛烈に反論したく成るのです
部分と全体のバイアス
p183 人は往々にして自分が見えている範囲が全体だと勝手に思い込み、それを無意識的に相手と同じ前提条件のもとに考えているのだと誤解してします
p185 要するに人間は、自分中心でしか物事を考えられないということ、そして自分のみているほんの一部分を全体だと思いこんでしまうことです
p196 私達は自分自身の専門家だから。自分自身のことは至近距離で見ているわけですから、ある意味視野が狭くなって当然といえます
p214 無知の無知の世界観
真ん中に既知、その外に既知の未知がある。そのそとに未知の未知があるが眼中になり
無知の知
既知があり、その外に既知の未知があり、その外に未知の未知があると気づいている