あらすじ
永遠にかみ合わない議論、ヘイトスピーチ、ネットでの炎上。その根底にあるのは「具体=わかりやすさ」の弊害と、「抽象=知性」の危機。動物にはない人間の知性を支える頭脳的活動を「具体」と「抽象」という視点から検証。具体的言説と抽象的言説のズレを四コマ漫画とシンプル図解で表現。【目次】●序章 抽象化なくして生きられない ●第1章 数と言葉 ●第2章 デフォルメ ●第3章 精神世界と物理世界 ●第4章 法則とパターン認識 ●第5章 関係性と構造 ●第6章 往復運動 ●第7章 相対的 ●第8章 本質 ●第9章 自由度 ●第10章 価値観 ●第11章 量と質 ●第12章 二者択一と二項対立 ●第13章 ベクトル ●第14章 アナロジー ●第15章 階層 ●第16章 バイアス ●第17章 理想と現実 ●第18章 マジックミラー ●第19章 一方通行 ●第20章 共通と相違 ●終章 抽象化だけでは生きにくい
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Posted by ブクログ
具体化、抽象化について分かりやすくまとめられた本。特にビジネスマンは必読かと。自分は1度読んだだけではきちんと理解できず、再読が必要だった。自分は抽象化が苦手というのはよくわかった。
・抽象化=複数のものをまとめて、一つのものとして扱う。数や言葉が抽象化の代表例。
・抽象と具体は、抽象を頂点としたピラミッド型。階層上位が持っている性質を下位が引き継ぐ。(魚の特徴は鮪も鰹も引き継ぎ、鮪の特徴は本マグロもキハダマグロも引き継ぐ)
・目的と手段も、目的=抽象的、手段=具体的。
・どのレベルの話をしているかの視点を合わせないと、話がかみ合いにくい。
・ビジネスでは変革期や上流の仕事は抽象度の高い視点(少人数で作る。コンセプトや全体構成の決定)、安定期や下流の仕事は具体的な視点(大人数で作る。個別の具体策)が必要。
・上流で必要なのは個人の創造性、下流で必要なのは大人数が動きやすい効率性や秩序、管理、チームワークなど。
・仕事を頼んだり頼まれたりする時は、相手の好む抽象度・自由度の大きさを考慮する必要あり。
丸投げと感じるか、好きにできるチャンスと感じるか。
・大きな方向性や将来のビジョンを決定する上で必要なのは抽象化能力。方向性が決まっていると場当たり的に対応する必要がなく無駄が無くなり整合性が取れる。
・具体レベルでデザインや機能を真似ることはパクリだが、アナロジー(類推)は抽象レベルのものまねで、斬新なアイデアになり得る。一見遠い世界のものを抽象レベルで結びつけることが創造的な発想の基本。
・抽象度の高い概念は、見える人にしか見えないマジックミラー。抽象化できる人は具体化もできるが、具体的にしか見れない人には抽象概念は理解できない。また一度上がったら(抽象概念を理解したら)簡単には降りられない。
Posted by ブクログ
実体のない抽象についてこんなに言語化できてわかりやすい説明できる人いるんだ。今まで自分は具体でしかいきてなかったな。だから上司の指示が変わるたびに「?」ってなったり、「前はこう言ってたのに?!」ということが起きてた理由がよくわかった。自分に足りてなかったこと、ヒントがもらえました。たまに辛辣なことをさらりというのもなんだか嬉しくなって読み進めていました。
「おわりに」の最後の節、思わずニヤッとしてしまった。抽象化できた自分がいることが嬉しい。
Posted by ブクログ
難しそうなテーマだが、読みやすく、内容も非常に分かりやすくまとめられている。
理系科目の勉強は、まさに具体と抽象の往復だと思った。
物事を考えるときの物差しとして、具体か抽象かという視点で考えたことがなかったため、確かに、なるほどと納得させられる内容が多かった。新鮮だった。
Posted by ブクログ
面白かった
具体と抽象の両方が大切で、それを行き来することで進んでいくことがある
この本を読んだおかげで、子供に何故勉強が必要か?と問われた時に少しはまともな回答が出来る気がした
本の最後にでてきた「動物の親子は「教科書なんか読んでいる間にエサをとる実践訓練をすればいいのに」と思っていることでしょう」という一文が心に残った。
Posted by ブクログ
抽象化はもともと大好きだし、抽象化レベルの合わなさから会話が噛み合わないことも度々あるから理解してたけど、
仕事において抽象と具体を行き来して自由度を楽しめるのか、それとも具体的な指示がないといけないのか、依頼する側される側双方でタイプを認識して業務をすることで仕事の可否が決まるというのは盲点だった
確かに考え直すと、上下関係なく具体タイプとは仕事の指示の方向性がいつも合わない
抽象化できても相手に伝わらなければ意味がないし、何より私は具体レベルに物事を深める方が苦手
両方武器にしてせっかくの得意をもっと強くしないと
Posted by ブクログ
抽象の世界と具体の世界があるということを、すっきりと説明されて、目から鱗でした。
国語と数学をなぜ学ぶ必要があるのかという子どもからの問いに対する、答えの一つも示されている。
読みやすいものの、本書だけでは抽象の世界にたどり着けない。別にトレーニングが必要と思う。
Posted by ブクログ
具体と抽象の反復が大事ということについて、4コマ漫画を多く入れながらコンパクトにまとめてあり、読みやすい本である。
内容について本質をじっくり理解するのは難しいかもしれないが、抽象というテーマを具体的に紹介しているためわかりやすい。
これを何度か読むことで、同様の本を読むための入り口としては大変優れている。
Posted by ブクログ
例え話がうまくできるようになりたい
具体と抽象の役割を初めて知った
おばあちゃんからの電話に対する
小さい子供の返答(具体的すぎ)と
大人の返答(相手がすんなり理解できる抽象度)
の例がなるほどと思う。
Posted by ブクログ
具体と抽象、その言葉はコンサルタント時代に何十回も話にあがりました。
どうすれば抽象化できるか?という行き来の方法というよりかは、
具体と抽象が存在することでの難しさ(コミュニケーションなど)、それぞれの利点、扱い方などを書いていました。
これを読んですぐに抽象化ができた!とはならないと思いますが、向き合い方、捉え方を学ぶことができると思います。
私も以前、経営者同士の話は、何を言ってるのかまったく理解できないけど、お互いに共感し合ってる様をよく見ていました。単語の意味はわかっても文章としてなかなか理解できない。これはまさに、私が具体の世界で生き、経営者は抽象化の世界で話をしているため、それが起きてるのだと理解しました。
この本の感想を抽象と具体で書くのを意識しましたが、行き来するのはやはり難しいなと思いました。
Posted by ブクログ
大学生や若い人にはいいのかもしれない。あるいは、文系の人にはいいのかもしれない。理系出身の人である程度仕事をしている人には、具体と抽象って大げさな言葉を使うほどの話でもないよねって感じはするかもしれない。
Posted by ブクログ
抽象度をあわせないと議論がかみ合わない
具体はわかりやすいが汎用性がない
抽象度の高い話はその抽象レベルにない人間には全く理解できないが、わかった人にとっては理解しやすく後戻りできない
Posted by ブクログ
具体と抽象を行ったり来たりするとあるが、意識して使い分けること。抽象化の能力がなければ人は発達して来れなかった。両方を「意識」することから始めようと思った。
Posted by ブクログ
気づきが多かった本でした。よく言語化出来ない人が俯瞰してとか、高い次元のレイヤーでとか、解像度を高くとか言ったりしますが、お互いの目的や立場が違うことで疎通が出来ていなくて、起こっている現象(こういう言葉が横行する原因)なのだと分かりました。
どちらが悪いとかということではないと思いますし、この違いを理解しちゃんと伝え合うことが大切なのだと気付かせてもらいました。
Posted by ブクログ
割と自然に身についている考えであると同時に、自分の業務においては結構具体で動いているなと、思う部分もあり、それが必ずしも悪いとは限らないとも感じた。要は使い分け。
Posted by ブクログ
私はこれまで「話が抽象的でわかりづらい」と指摘を受けることがあり、この本を読んでみた。
読み終えて、"抽象(的)"の捉え方が変わった。本にも記載があったが、これまで私は 具体=わかりやすい(善)、抽象=わかりにくい(悪)という捉え方をしていた。しかしあくまで具体と抽象の尺度は相対的なモノであり、またどちらかが良い悪いではなく、抽象と具体を往復する思考が大事であるようだ。
関係性や構造の共通項を導き出して単純化するのが抽象化であり、私が指摘を受けていた"抽象(的)"というのは単なる短絡的思考だったのだと気付かされた。
じゃあ具体的にどうやって鍛えるの?という点については、トレーニングの本があるようなのでそちらを読んでみたい(目標設定時に、具合レベルと抽象レベルを階層化させて繋がった目標にする事はさっそくトライしてみよう!と思った)
その他面白かった点
・人によって抽象的思考と具体的思考のどちらが快適に感じるのか?があり、それによって適する仕事が異なる(解釈の自由度が高い抽象的な考えの方が個人的には好き)
・具体は実務家の世界で抽象は学者の世界
・理論や法則のように抽象化されたものは一見"高尚に見える"けれども、あくまで具体的に起こっている事象の"後追い"の知識であり、後付けだったはずの理論や法則に現実を合わせようとするのは完全な本末転倒といえる(例えば文法というのは元々人々が話している言葉の共通ルールを明示的に言語化してまとめたもの、文法に合っていない表現は果たして"間違った使い方"なのか?)
Posted by ブクログ
ビジネスパーソン必読の書だと感じた。
具体的なものは善、抽象的なものは悪という一般的に広まっている考えを覆す本。コンサルや商社のように、中抜き商売をしている仕事ほど何故高給なのかが分かる。分かるからといって好きになった訳では無い笑
Posted by ブクログ
いわゆる解像度を上げるのが苦手なので読みました。
自分は具体化、抽象化できてるような、できてないような…
参考になったと思いつつ、自分の中でまだ落とし込めてないなかも。まずは、意識して日常で具体化、抽象化する練習を積んでみようかな
Posted by ブクログ
すごくわかりやすい説明で「具体と抽象」を行き来してくれる。
効用や大切さ、弊害などいろいろな視点で「具体と抽象」について知ることができた。
ネットにあふれるコメントの対立も、具体と抽象の理解がお互いにあれば、相手に優しくなれそう。
社会人になってから、会社、上司、部下の間で言ってることが伝わらない、対立する、変わる
みたいな問題にも、効きそうです。
本を読んでて思い出したのが、プレゼン資料へのレビューコメント。
上司やそのまた上司で言ってることが違う。
具体〜抽象までごちゃ混ぜで指摘される。
そんなことを思い出しました。
犬の言葉が翻訳てきても、抽象概念を理解できるレベルが違いすぎて、意思疎通できない、という例は面白かった。
「あのエサは美味しい?」と聞いても、エサの抽象概念がない。
自分も猫を飼っているので、言ってることがわかったらなと思っていたが、会話はできそうにないですねー。
Posted by ブクログ
具体と抽象を読み取っていくことが説明文を理解する上で重要になってくることを学んだ。
そして、この本に出会った。うん。難しい。でも、それをできるだけわかりやすくしてあるのもわかった。どちらかだけではダメだということも。
Posted by ブクログ
著者の経験の中で感じた、具体に囚われたままの人と仕事をする苦労が滲み出ているようでした笑
教養としても、仕事のコミュニケーションでもたいへん使える内容でした。話が噛み合わないときはもちろん、自分の思考整理の中でも、今が抽象と具体のどれくらいの階層にいるのか考えることができる、良い知見を獲得できました
Posted by ブクログ
私はこれまで、職場や所属する団体をたくさん渡り歩いてきました。その度に人間関係をゼロから作るのですが、どうにも上手くいかない馴染めない集団や、話の噛み合わない相手がいます。その度に、自身のコミュニケーション能力のなさが故かと落ち込んだものですが、この本を読んで光が差しました。立ち位置が違うと、見える景色が違う。だから自分の見える景色を話しても通じないんだな。自分の経験と照らし合わせて、すごくスッキリしました。今後、どうしていくかは、これから考えます。
Posted by ブクログ
具体・抽象レベルが異なると、話が噛み合わなくなる。
自分は具体の世界にまだいるなと感じました。仕事をしていても細かい指示が欲しいし、自由にやっていいとなると動けなくなります。能力がないのではなく抽象で考えられていないだけと捉えなおし、具体→抽象化する訓練をすること。それで"見える人"になりたいと思いました。
Posted by ブクログ
何冊か読んだことのある著者で、『具体と抽象』というなかなか興味のわくタイトルに惹かれて購入。
内容はビジネス路線というか(カンタン系の)自己啓発といった感じでそれほど深みなくあっという間に読み終えてしまえるのだけど、具体と抽象ということについてあまり考えてこなかったのでいろいろと考えるところがあったのは確か。
世の中の「具体的には?」系の困ったちゃんへの理解が深まった感じか。
Posted by ブクログ
「具体」と「抽象」とは何かをあらためて解説するような内容。なのでわかっている人は「今更当たり前のことを」と物足りなく思うだろう。この内容を理解した上で思考に生かせるかどうかは読者次第。なので万人向けかもしれないけれど、how to的な本ではなくヒント的な本だと思った方がいいかも。
Posted by ブクログ
「具体」と「抽象」を行き来することの大切さについて語られた一冊。読んでみて、改めて「たしかに」と腑に落ちた。特に印象に残ったのは、誰かと話が噛み合わないと感じたとき、「この人とは分かり合えない」とすぐに切り捨てるのではなく、もしかしたら具体レベルと抽象レベルのズレがあるだけかもしれない、と立ち止まって考える姿勢が大事だという点。そうした視点がもっと多くの人に共有されれば、SNS上の言い争いもずいぶん減るのではないかと思った。
また、「具体の真似はNGだけど、抽象の真似はOK」という話に、わたしが今もっとも敬愛している漫才師・令和ロマンのことを思い出した。彼らが何かのインタビューで、若手の頃、M-1グランプリの歴代優勝ネタと同じ“モチーフ”のネタをいくつも作っていた、という話をしていた記憶がある(どこで言っていたかは曖昧)。
たとえば、2023年のM-1決勝で披露された「町工場」のネタは、クッキー工場が車を作るというストーリーだったが、元は「煎餅屋が冷蔵庫を作る」ネタだった。その“冷蔵庫”というモチーフは、チュートリアルが2006年のM-1で披露した冷蔵庫のネタから着想を得たものだと語っていた。
もちろん、漫才において他人のネタの枝葉――つまり具体的なボケや展開――を真似するのはご法度だが、抽象的なアイデアやテーマから発想することは、まったく問題ない。むしろ、冷蔵庫から町工場、そして車へと発展させていく柔軟さは、「抽象→具体」のプロセスそのものだなあと感じた。
Posted by ブクログ
具体と抽象という概念をまさに、要点を押さえつつ具体例と合わせて教えてくれた本。
抽象化をすることが大切とのことだが、この本で最も伝えたいのは、具体と抽象を行き来すること。
具体的には、物事の共通点を見つけ共通化することを通して抽象で物事を見れる目を養うこと。また、そのために物事一つひとつの具体を観察して、考えることが必要になってくる。
そして、具体↔︎抽象の異なる階層で物事を眺めてアウトプットできるようになると良い。
Posted by ブクログ
話が抽象的すぎる。
犬が話せても多分人とは意思疎通できない、おそらくこんな感じ。
根拠のない内容すぎてイライラする。
エネルギー保存の法則が発電を作った?いや、そんな事無いだろ。
作ったのは原子爆弾で、それを応用して原子力発電を作ったんやろ?
他の発電が発明された時にエネルギー保存の法則か念頭にあったとは到底思えない。
エネルギー保存の法則は1847年で発電(誘電効果)は1831年ですね。
「俳句は具体的な中に深い抽象的なメッセージがある」……例えばどれだよ!
なんで例え話の途中で俳句が出てくるんだ!?著者の中では繋がっている内容かもしれないけど、読者に納得させるだけの説明がない。
リーダーが変えてはいけないのは意見ではなくて、目標だろ。
半分ぐらいは「あーそうだね」だけど、全体的にツッコミどころが多すぎる。編集者とかに内容変ですよって言ってもらえなかったんか?
ごちゃごちゃ言うてるけど、ほとんど「自分と相手は違うから気をつけようね」で片付く話。
しかし、仕事の抽象度、経営者目線や現場目線の話はわかりやすく、社会人3年目ぐらいの人に読んでほしい内容になっている。
Posted by ブクログ
具体と抽象、それぞれ色々な観点で違いが書かれている。
抽象のレベルが上がっていくとある所で理解できなくなる、というのが面白かった。
仕事で時々会話が噛み合わないことがあるけど、あれは抽象と具体の認識がずれていたからなんだな。
新しい視点が手に入れられてよかった。