【感想・ネタバレ】アリさんとキリギリスのレビュー

あらすじ

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アリ社会の限界、キリギリス社会の希望!

『地頭力を鍛える』でデビューした思考系ビジネス書の著者の新境地。「キリギリスの復権」が本書に通底するテーマ。「アリとキリギリス」は、世界的に知られたイソップ寓話の一つ。冬の食糧ために夏の間も働いて溜め込んだアリ、対してバイオリンを弾きながら歌って過ごしたキリギリス。冬になってキリギリスがアリに食糧を分けてほしいと乞うが、断られて死んでしまう。この話は紀元前に作られたものであり、「今の時代の教訓にはならない。これからはキリギリスの時代がやってくる」「アリに変革はできない。世の中を変えられるのはキリギリスである」と著者は説く。

アリとキリギリスの違いを小見出し50本+1コマ漫画で端的に表現し、「アリ社会・日本」の限界と突破口を見つけるヒントを示す。

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Posted by ブクログ

堅苦しいビジネス本ではなく、細かく簡潔に刻まれた章立て、アリさんとキリギリスさんの会話風のテンポ良い文章構成で、サクサクと一気に読めた。(流し読みになってしまったけど)

「川上と川下」という考え方が印象的だった。川上では創造性重視、抽象的思考、属人的、非分業の”質”勝負。川下では効率性重視、具体的行動、組織、分業の”量”勝負。
企業で研究職に就いている私は、どちらかというか川上で働いている。創造性や抽象的思考が求められているけど、それが難しくて、うまく物事を前に進められなくて、もどかしい。それはきっと、わたしがアリ的思考をしているからだ、と感じた。

出来ない理由を連発する・他と違うことを非難するのではなく、
どうしたら出来るか考える・他と違うところを探し際立たせる・面白いし自由でいいじゃん!と捉えてみる。
そんなマインドセットで仕事に向かいたいと思った。

人事評価を気にして人と比べて、わかりやすい具体的な成果を出そうと意識すると、創造的な・抽象的な、型にハマらない仕事ができなくなっている自分に気づいた。仕事を楽しめない自分に気づいた。
でも、いい評価をもらって給料上げたい気持ちは真だし…。サラリーマン、世知辛いなあ。

大多数の人は、年齢を重ねるにしたがってキリギリス→アリへと不可逆変態をする。あるいは、アリと協力するためにアリの仮面を被ってアリ集団に潜入したキリギリスがいつの間にか本物のアリになって一生を終える。という文章、ゾッとした。
そして、このアリがこれからはAIに置き換わり、どんどん川上側へ侵食してくる…
こわすぎ。

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2023年12月16日

Posted by ブクログ

世の中のアリとキリギリス的な人のキャラの違いを知り、憎まずに適材適所を考えるきっかけになる。視野を広げて人間関係を考えたり、自分のキャラに応じた戦略を考える情報として有益。

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2019年07月05日

Posted by ブクログ

とても読みやすくて、それでいて著者の考え方を押し付けてこない感じに好感が持てました。具体と抽象、無理の構造に続く三部作の三作目という位置付けのようなので、前の二冊も読んでみたいです。
読む前は生真面目で融通が効かない自分は典型的な働きアリだと思って自虐的な気持ちで読み始めましたが、自分の中にあるキリギリス的要素に気づいたり、また多様性が大切にされる昨今、自分のことも許容して、また自分が理解し得ない人を排除するのではなく受け入れる懐の深さが一番大事だなと思いました。

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

これまでの伝統的な働き方・生き方をアリさんとし、社会環境の変化により必要な価値観がシフトする中で、その価値観を持つキャラクターをキリギリスとして、価値基準の違いを明らかにしてく。選択肢は与えられるvs自分で創り出す、ナンバーワン指向vsオンリーワン指向、新しい価値観を否定するvs活用する、具体を好むvs抽象を好む、ばらつきは不快vsばらつきを面白がる、失敗は敗北vs失敗は勲章、といったお題単位でアリとキリギリスの考え方を解説していく。

「マインドセット:「やればできる!」の研究」で解説されている硬直マインドセットと柔軟マインドセットの違いに、著者が常々説く具体・抽象の構造化のエッセンスを加えて、キャラクターを通じて分かりやすく端的にまとめたものというのが個人的な印象。苦なく楽しく読めました。

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2021年11月12日

Posted by ブクログ

コンサルで10年、その後事業会社(大手企業)に転職して5年になる。周りを見ても、コンサルから大手企業に転職した人(特に責任者以外のポジションで転職した人)があまり活躍できずに、比較的早期に辞めてしまう理由の1つが「アリの巣では跳べないキリギリス」なのだと腹落ちした。
大企業がコンサル頼みをやめられない理由の1つも、川上と川下が不逆性であることと、アリとキリギリスの特性で説明がつくし、コンサルが去った後、うまくいかなくなるのも、アリとキリギリスのバトンを渡すのは難しい、ということで説明がつく。
社会には両方必要で、お互いがお互いの特性を理解し、補完し合うのが良いと理解はしたが、難易度はかなり高いなと。
まずは自分からアリとキリギリスの両方の価値観を理解し、うまく役割分担できるように努めてみようと思った。

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2021年09月05日

Posted by ブクログ

20200826
・シェアエコノミー
 Uber(配車サービス)
 Airbnb(エアビーアンドビー)
・アリは自分がコントロールできないことに嘆く
 キリギリスは自分がコントロールできることに目を向ける
・地方に飛ばされることをチャンスであると考える
・履歴書には経歴ではなく、自分が成果を上げてきたことをかく
・制約があると不満となり愚痴になる
・どうすればいいかなんて事情のしらないひとにはわからない
 アドバイスをもらうのではなく自分で考えろ
・専門家が集まればいい意見はでない、人が集まれば集まるほどレベルが下がる
・イマジネーション(想像力)
・コミュニケーションにおいては「相手がおかしい」より「何か自分が理解できないことがあるようだ」という気づきにつなげる
・アリの閉じ込められたエリアでキリギリスは戦う
・人は産まれた時はみんなキリギリス、成長するにつれアリに成長する

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2021年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

来るべき時代の生き方や価値観について論考。

従来の価値観と今これからの価値観の違いを、アリとキリギリスのアナロジーを通じてわかりやすく語られており、さすがというところ。
もう3年前の本ではあるが、本質をついている良著。
未来志向のキリギリスと過去志向のアリ、
証券会社的発想と銀行的発想ともいえる。


メモ
・善悪ではなく前提となる価値観の違い。

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2020年02月01日

Posted by ブクログ

【文章】
とても読み易い
【ハマり】
 ★★★★★
【共感度】
 ★★★★★
【気付き】
 ★★★・・

・抽象的にものを考える人をキリギリス、具体的にものを考える人をアリに例えて、「具体と抽象」、「無理の構造」をなぞった内容
・今後、AIの発達によって、アリ型のニーズは減ってくる

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2019年10月06日

Posted by ブクログ

ものごとの価値観は人それぞれであって、自分の価値観だけで判断するのは危険である。ものごとを善悪や正誤で論じることは難しく、「長所は短所になる」「条件や状況によって正しくも謝りにもなる」ということをアリとキリギリスに例えて解説しており、その切り口が非常に面白く、一気に読み進めることができた。

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2018年07月19日

Posted by ブクログ

【もう、その眼鏡を変えませんか?】

「お金は汗水垂らして稼がなくてはいけない」 とか「せっかく見つけた仕事なんだから、どんなに辛くても定年まで働かなくてはいけない」とか、そんな古めかしい眼鏡をかけていませんか?決して、その考え方を否定するわけじゃないけど、「この考え方が正しくて、これ以外は間違い」みたいに考えるのはどうだろう?

もう「正解か間違いか」、「右か左か」という二元論の時代は終わってます。
大切なのは「Aくんはこうだけど、自分はこうする」と考え、できること。だって、あなたの人生の主人公はあなたなのだから。

そこで気が付いて欲しいのは古い眼鏡をかけていないか?ということ。誰だって自分の過去の経験から無意識に「これはこうだろう」という眼鏡を通して見てしまう。だから、その眼鏡を外し、初めてそれを見るように見て欲しい。きっと新しい発見がたくさんある。そうやって新しい眼鏡をたくさん手に入れられると人生がどんどん豊かになっていくのです。

人生をもっと豊かにしたい人は是非お読みください。

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2018年06月23日

Posted by ブクログ

世の中に溢れてる価値観、意見の違いを大胆に二分して解明しようとした本。自分が幸福を感じるのは「キリギリス」的だが、キャリアにおいては「アリさん」的だということが分かった。育ってきた環境、培ってきた経験によって左右されそう。
「好き」か「正しい」か、二項対立に悩んでる人は読むと楽になるかも。

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2018年03月22日

Posted by ブクログ

今まで、自分の中でモヤモヤしてた事がスッキリ見えた。自分が、キリギリスだったことを。自分を知る事が出来た一冊。

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2017年07月01日

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アリ、キリギリスの思考を定義する内容。
お互いの良い所を活かし足りない部分を補うのが組織、社会である事をイメージさせてくれた。
大規模な組織にいるとアリ思考になり、起業家・フリーランスはキリギリス思考が多い。一部、バランス感覚があり使い分けができる人がいる。
この先は他人の価値観を理解する柔軟さが、生きやすさ、
仕事の成果につながってくると感じた。

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2017年02月09日

Posted by ブクログ

タイトルがおもしろく、つい読んでしまいましたが、童話「アリとキリギリス」をモチーフとしたビジネス書ということでした。
それを「地頭力」の著者が書いているのですから、余計にです。
童話では勤勉なアリを尊ぶ内容でしたが、今後もそれでいいのか、時代の変化に対応できているのかを疑い、キリギリスが活躍できる時代になっている、と指摘します。
時代の変化を解説の後、両者が共存についても表しています。人間を単純に2タイプに分けることは難しいのですが、それぞれの良さ、価値観を互いに認識し、今後役割分担していくことが必要です。
童話の良さを踏まえつつ、現実もしっかり認識していきたいと感じます。


▼キリギリスが活躍できる社会
①「貯める」から「使う」へ
②シェアエコノミーの拡大
③クラウドコンピューティングの発展
④変化の加速
⑤知識から思考へ
⑥AIやロボットの発展
⑦組織から個人へ
⑧グローバル化と多様性
⑨資本主義への疑問

▼アリとキリギリスの違い
・ストックとフロー
・閉じた系と開いた系
・固定次元と可変次元

▼アリとキリギリスの思考回路の相違
 →どちらが正しいというわけではなく、置かれた環境や与えられたミッションによって活躍できる場面が異なる
→互いの違いを認識したうえで上手に役割分担さえできれば、両社の長所を生かしながら共存が可能
<アリ>
・世の中を動かす
・大組織を動かす
・全員に配慮する
・規則を守らせる
・「あるもの」を守る
<キリギリス>
・世の中を変える
・個人を楽しくする
・ニッチに応える
・規則を見直す
・「ないもの」を見つける

<この本から得られた気づきとアクション>
・時代によって求められる人材は異なる。自分がその人材になっているか常に考える
・組織においては、単一の人材だけでは発展はない。状況に応じ、どのタイプがどの程度必要か、それは時期や組織目的によって異なるはず。それを見極める
・一方で与えられた人員の中で、理想的な組織とするためには何が必要か、研修なのか、コミュニケーションなのか。自分ができることは何か

<目次>
第1章 キリギリスの復権
第2章 ストックとフロー 貯めるアリ、使うキリギリス
第3章 閉じた系と開いた系 巣があるアリ、巣がないキリギリス
第4章 二次元と三次元 地に足が着いているアリ、飛ぶキリギリス
第5章 川下と川上 決定論のアリ、確率論のキリギリス
第6章 アリとキリギリスの共存は可能か

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2017年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2016年、62冊目です。

前々作「具体と抽象」に続き、納得感のある程度あった本でした。
すごく斬新な概念が示されているわけではないですが、”みんな”がうすうす分かっていることを認識していることを改めて整理し、擬人化して表現している本です。
”みんな”と表現しましたが、内容からすれば、この本が書けるのは、「キリギリス」のほうということになります。
川上から川下は見えるが、川下から川上は、見えないということ。
人間がすべて「キリギリス」となり、AIやロボットが「アリ」になるのが、究極の
世界なのか?

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2016年11月23日

Posted by ブクログ

アリとキリギリスの童話に例え、それぞれの思考をタイプ別に説明してくれている。まさに、抽象を具体化していくことだ。今の現代人には、両方の思考を使い分けていくことが必要だ。二者対立ではなく、二者共存。

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

抽象と具体が面白かったので、追加購入。抽象と具体ほど面白くはなかったものの、これからはキリギリス的な生き方をしつつ、所属できるコミュニティがゆるくそれをつなげていくみたいな形が生き方として理想だなと感じた。

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2019年03月15日

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