小椋ムクのレビュー一覧
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ネタバレ編集者・岩崎数真×CGオペレーター・仁科縁
子どもの頃、目が見えなかった数馬と再会した縁には、ごく限られた関係者しか知らない事情がある。
ごく平凡で一般的な日々を歩んでいる私には、少数の人が経験している様々なことを知ると、自分の世界の狭さを感じます。
BLという娯楽性の高いジャンルで、大きなことは言えませんが、こういった設定の本で、思いもよらないことが世の中にあって、苦しい思いをしている人がいるってことを振りかえらせてくれます。
で、切なかったりするんですが。
だからって、聖人君子ではなく、諦めの上に立つものであっても下世話だったりする日常もあるし。その辺が綺麗事でなくて、こちらの低俗な意識に罪悪感を持たなくてすむんですよね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ記憶喪失モノです。『あめの帰るところ』や『コールド・シリーズ』を思い出すと読むのがツラい気がしたけど、全然大丈夫だった。むしろ心暖まるエンディング。
既読の鳩村さん作品はどれもコメディ色が強かったので、大人な受の落ち着いた語り口が新鮮で、すごく好感が持てた。
メーカー勤務の諒一は、宅配便の誤配送をきっかけに、同じマンションのご近所同士だった司と出会う。
すぐに打ち解けて、こんな兄がいればいいのに…と司への信頼を深めていく諒一。
ある日、司が男とキスしてるところを目撃して動揺してしまう。
それ以来ぎこちなさを隠せない諒一に司は自分がゲイだと告白する。
司に抱いていた憧憬のような気持ちが次第に恋愛なのかもしれないと自覚することへの諒一の戸惑い、恐れみたいなモノを司は暖かく包み込む。
ところが、お互いに気持ちを通わせ合い幸せな時間を過ごしていた矢先に、司が事故が原因記憶を失ってしまう。自分がゲイだったことすら忘れてしまった。
諒一が嘆き悲しんで追いすがるのではなく、司への変わらぬ想いを胸に秘めながら、日々の自分の生活に邁進するところが、とても男らしくて、だからこそ淡々と過ぎていく日常が切なさを増幅させる。
逆の立場になって初めて、司が一体どんな気持ちでノンケの自分と対峙してきたか理解する諒一。あふれだしそうな自分の気持ちを押さえて、相手を追いこまず、包み込むように見守ることの誠実。それはまさにリフレイン。司が諒一に与えてくれた全てを追体験することだった。
恋人だった記憶をなくした自分と真摯に向き合おうとする諒一に司は再び惹きつけられる。
“電信柱”や“ドラえもん”など誰もが身に覚えのあるような身近なエピソードもいい。
記憶をなくす前に司が書き綴っていた日記を諒一が読むくだりにはちょっと涙ぐんだ。
本作は書き下ろしを加えた新装版なのですが、この書き下ろしは必須だと思う。
司が記憶を失った後、再び付き合い始めて1年が経過したふたりのお話。
司目線で、少しぶっきらぼうなくらいの語り口に不器用な愛情を感じる。
ふたりで過ごした時間は失った時間よりも長くなった。
取り戻せない時間の価値は測れないけれど、前に進みたい。目の前にある時間を大切に生きていきたいっていうラストは幸せ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初に電子コミックのサイトで見て、あまりにも絵が綺麗なので
紙の本を探して購入しました。
探し回った甲斐はあったと思います。
絵柄はほわっとしてて可愛らしいんだけど
万くんも十亀さんもいろんなもの背負ってて、お話としては割と重たい感じ。
お兄ちゃんだからってんで必死に頑張ってた万くんが
十亀さんと出逢って変わってく(本来の自分が解放された、って方が近いか)
しかも自分が変わってくことを認めたくない葛藤が見え隠れして
キュンキュンしながら読んでました。
しっかしよく泣くよなぁこの子(笑)。
最初と比べてふたりの気持ちのパワーバランスが変化した感じなので
それが2巻でどう動くのかが読みどころなのかな、という気がします。 -
Posted by ブクログ
攻め:沖野司
受け:吉永諒一
諒一は宅配便の誤配から知り合った同じマンションに住む沖野と急速に仲良くなる。しかし沖野がゲイと知りノンケの諒一はビミョーな気持ちになり…。
ノンケの諒一が沖野を好ましいと思っているものの、それは恋愛感情ではない、と逡巡しながらそれでも徐々に惹かれていくさま、そして気持ちが通じ合ってもまだ踏み込めない戸惑いを丁寧に書かれていた。
でも話はそこで終わる訳ではなく、沖野が事故で記憶を無くしてしまい、諒一を忘れてしまったこと。その中で改めて自分の気持ちに向き合い、沖野に向き合い、自分のことを忘れた沖野を受け止めていく、それはあたかもかつてゲイである沖野が諒一がそれを受け入れるまで急かさず辛抱強く待ってあげたことをなぞらえるように…。
切なくて、切なくて、でも辛いとか重いとかじゃない、多分諒一の“好き”の気持ちが前向きだからなのかな、その切なさに涙しながら読みました。
結局沖野は思い出さないのだけれど、改めて諒一に恋をして(記憶を無くした沖野にとってはいわば初恋)新しい恋人同士として生きていく。
最初の記憶が無くても二人寄り添って生きていくのだなぁって思いました。
幸せになって欲しい。
続き読みたいです。
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