三田誠広のレビュー一覧

  • 高校時代

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    三田さんの実体験に近い物語。自分があの時代に生まれてきても,きっと学生運動からは一歩ひくだろう。一歩ひいた自分を正当化する理屈を考えて,哲学した気分になっているだろう。小市民的な生き方しかできない自分が歯がゆくもあり,誇りでもあり,まあ微妙なところだ。社会運動をすることよりも,自分の心の平安の方をきっと選択する。

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    2019年01月05日
  • 十七歳で考えたこと

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    三田誠広さんの『僕って何?』が芥川賞を受賞したのは私が大学の時だった。それ以来,ほとんど彼の本を読んでいなかったが,『十七歳で考えたこと』というタイトルにひかれて読んでみた。
    彼は高校時代一年間学校を休んだ。今でいう不登校だ。彼は文学の世界にのめり込み,本を読んで読んで読みあさった。ドストエフスキー・ツルゲーネフ・キュルケゴール・パスカル・・・。彼は文学ばかりでなく哲学書も耽読していった。
    十七歳の頃,自分も不安定だった。いつも「いかに生きるか」ということと「恋愛」や「友情」について悩み,苦悶していた。だからこそ,音楽や文学そして哲学にのめりこんでいった。レベルは全然ちかうけど・・・。今,あの

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    2019年01月04日
  • 西行 月に恋する

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    途中に区切りがないので、読んでいて疲れてしまいました。
    時代背景が難しかったですが、そのわりに読みやすかったです。
    確かに恋愛小説という感じですが、もう少し二人のからみが欲しかったように思いました。
    西行がどんなことをした人なのか、知りたくなったので他の話も読んでみたくなりました。

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    2018年12月08日
  • 西行 月に恋する

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    恋愛小説といえばいえるのかもしれないが、自分的には流転小説、もしくは説得小説のような印象をもった。政治を肝の部分を動かすのが、後白河帝や平清盛のような有名な人物ではなく、説得に長けた情報感度の高い信西入道というところが興味深い。全体的に読みにくいのは、背景と情景と心象の説明のバランスが、自分の好みと合わないからか。

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    2018年11月23日
  • 実存と構造

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    20世紀の思想界を席巻した実存主義と構造主義の考え方を平易に紹介するとともに、戦後の日本文学のなかでこれらの思想がどのように受容されているのかを論じた本です。

    著者は、実存の病に苦しんでいる人間にとって、みずからの抱えている問題がこれまでいくどとなく繰り返されてきた構造の反復であることが「救済」になりうると主張します。そのうえで、大江健三郎と中上健次の作品をとりあげ、彼らが戦後の日本文学にもたらしたものについて考察が展開されています。とくに著者は、大江の『万延元年のフットボール』や中上の『枯木灘』『千年の愉楽』に注目し、そこで反復する物語の構造を自覚的に作品のうちに取り入れることで、戦後の日

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    2017年12月14日
  • 白村江の戦い 天智天皇の野望

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    好きな時代なんですが
    読み進めるのに時間がかかってしまいました。
    …自分の中のイメージと違ったからかな…

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    2017年09月09日
  • 僕って何

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    むりやり誘われて参加した左翼の集会
    なりゆきでセックスして同棲に到った女
    党派性を帯びた集団行動のうち、みんなが同じひとつの方向を向いて
    川の流れのように液状化する心
    そういった体験どもに、はたして自分の主体性があったのか
    という疑問を抱いて、また別の流れに乗り換える「僕」
    そして気づけば結婚の話が持ち上がっている
    主体性のない人生は不安だ、いつ梯子をはずされるかわからないから
    だがなにもかも裏切り、また裏切られて、孤独になったとき
    彼はひとつの秘密を抱え込むことで
    「僕」の実態をつかんだような気持ちになるのだった
    しかしそんなものは
    川の流れと「僕」の秘密を相対化させることで得られた錯覚にす

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    2017年04月11日
  • 三田誠広の法華経入門

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    三田誠広さんの文章は読みやすくて好きだ。その三田さんが書いた法華経の本。法華経は日蓮や宮沢賢治を初め多くの人を魅了してきたお経、たぶんすごいんだろう、と思って昔から興味を持ち本など読んできたが、なんだかとらえどころがなくよくわからないので読んでみた。が、やはりよくわからなかった....。

    法華経は映画のようにめくるめく素晴らしいものだ、とのこと。この点は三田さんも、「私は法華経を文学作品だととらえています」といっており、宗教書だと思って読んでしまうとあれ?、と思ってしまうのかもしれません。

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    2016年02月14日
  • 釈迦とイエス 真理は一つ

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    帯に、「意外な共通点が!」とか書いてありましたが、まったく意外な事は書いてありませんでした。

    しかし、宗教に対する理解はかなり良質な方で、仏教やキリスト教、ユダヤ教について概論を知るという用途では役に立つのではないかと思います。

    実際私は仏教方面に暗いのですが、わかりやすくキチンとした知識が得られたと思います。
    また、ユダヤ教やキリスト教方面については明るいのですが、よくある浅い入門のような内容ではありませんでした。

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    2016年01月16日
  • 高校時代

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    進学校に入学した目立たない高校生の真(まこと)が主人公の物語です。彼は、高校生でありながら学生運動にもコミットして学校の規則に戦いを挑もうとする鳳(おおとり)や熊沢(くまざわ)といった早熟な仲間たちに出会い、刺激を受け、やがて高校を中退して小説を書くことを決意します。

    受験雑誌として有名な『蛍雪時代』に連載された小説ということもあるのかもしれませんが、精一杯の背伸びをしながら自分自身の内面についての理解を少しずつ深めていく高校生の心情が描かれており、微笑ましく感じました。

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    2016年01月07日
  • 実存と構造

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    構造主義と実存主義のからみについて。実存の”孤独”を断ち切る手段は構造によって孤独を一般化することである。
    ...であれば構造の”不毛さ”を脱却するのにも実存によって夢を与えることが効くのか?


    この二つの分け方ではちょっと納得いかないところもあるけど、面白い。そして今の自分の趣味としては....いや、昔からあまり実存の方が得意でない。どの自分以外の実存にも完全には共感しきれないからである。わかり合えない、というところのみがわかり合える部分というか...

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    2014年02月21日
  • 道鏡 悪業は仏道の精華なり

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    歴史の中では悪者となっている道鏡を純粋な人として描いている。説明的な文章のため物語の中にいまいち入り込むことが出来なかった。

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    2014年01月13日
  • 永遠の放課後

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    恩師にプレゼントされた本。

    五年ほどあけて二度読んだ。

    最初に読み終えた時は、良かったなと思ったが、

    二度目に読み終えた時は、なんだかやるせない気持ちが残った。

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    2013年12月01日
  • 十七歳で考えたこと

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    著者は17歳のころ、高校を一年間休学し、処女作を書き上げた。その頃どっぷりと浸かった読書生活の中で得たものについて、非常に読みやすく書き綴っている。それはタイトルと同じ年頃の読者を想定してのことか。
    パスカル、キルケゴール、イエス・キリスト、釈迦といった思想的なものから、ドストエフスキー、梶井基次郎、埴谷雄高の物語へ。

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    2013年10月27日
  • 実存と構造

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    実存主義や構造主義を論じた本ではなく、それらが文学作品の中でどのような役割を担っているか、分かりやすく解説した文学論。平易で読みやすく面白い。個人的な感想として、実存と構造の結合という点では、実存を包み込む構造という結論で終わらせるには少々物足りない感もあり、ひとつの疑問提起になった。

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    2013年09月28日
  • 永遠の放課後

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    大学生の「ぼく」は、中学生の頃から親友の恋人・紗英に想いを寄せていた。しかし、親友を傷つけたくなくて、気持ちを告げることができない。そんな中、プロの歌手だった父譲りの才能を買われ、活動休止中の人気バンドのボーカルにスカウトされる。そして、ライブに紗英を招待した夜、恋は思わぬ方向へと動き始めた。友情と恋。「ぼく」が最後に選んだものは?

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    2013年09月17日
  • 高校時代

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    「蛍雪時代」に掲載されていた、昭和39年に高校に入学した著者の学生経験をもとにした小説。

    あの時代の高校生は、政治的に早熟な気がしていたが、僕の時代と同じように、将来が不安であり、自分は何物にもなれないと思い、大学進学とそのための勉強の意義に疑問を抱いていた。

    解説によれば、「ジュニア小説」としてこれを書いたらしいのだが、大人の読書にも十分耐えうると思う。

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    2013年06月25日
  • 永遠の放課後

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    ヒカルと杉田と紗英。それぞれが思い悩んでた。なんで相手の気持ちをはっきり訊かないんだろうってもどかしかった。綿貫さん、いい人だな。

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    2019年05月26日
  • パパは塾長さん 父と子の中学受験

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    作家、三田 誠広さんが次男の中学受験を塾長さんとなって支援するお話。
    印象的なのは、三田さんが中学受験を決して否定的に捉えていないこと。受験勉強を否定する人は、現実の入試問題を見たことがないのではないか、とのこと。そして、三田さんは、実際の入試問題は単なる暗記力や計算力を問うのではない良問が多いことを主張しています。

    私もある程度同感です。受験を外から眺めている人に限って、受験戦争だ、とか、無意味だ、とかいいがちな気がします。実際は受験問題に良問も多く、決して無意味ではないでしょう。

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    2015年03月01日
  • 僕って何

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    新刊で並んでたので。

    と思ったら30年前の芥川賞らしいです。

    そんな時代背景でした。

    僕って何ってずっと人生の疑問だわ。

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    2013年03月12日