三田誠広のレビュー一覧
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読んでいて楽しくて、それでいて印象に残るような小説とはどんなものか、実際にかつて早稲田で行われた授業の内容らしい。
テクニック云々ではなくて、もっと根本的な小説とは何か,文学のみならず哲学なども引っ張り出して説明している。
*深い小説を書くならば、深く読まねばならぬ。
→歴史を知らなければならないし、主人公以外の登場人物にも焦点を当てて読む。
*小説を書くには理論も知らねばならぬ。
→実存主義についてわかりやすく説明している。
*小説には「型」が用意されている。
構造主義について。
*ドストエフスキー「罪と罰」からみる、深さとおいしさ。
*いかに現代社会にコミットするか。
*登場人物の「対立」が必要。
うーん、一番印象的だったのはやっぱり構造と実存のバランスのあたりかなぁ。
「人々に望まれている小説の型というものがある」ような台詞が、恩田陸の小説に出てきたのを思い出す。
「愛は障害があると燃える」から、「ロミオとジュリエット」のような話がうまれたわけで。
この「型」を現代風に味付けすると「愛の流刑地」みたいに不倫の話になどになるんだろうなぁ。
あとやっぱり必要なのは「多面性」だよね。主人公以外の登場人物を生き生きと描いてほしい。
そして同じ人間でも、片一方は天使、片一方は悪魔…じゃないけれど、矛盾する思いを抱えていて、それをうまく書いていると「深く」なる…納得!
エリート街道まっしぐらの男が、女におぼれるとかいいよね(「舞姫」思い出した)
ドストエフスキーの「罪と罰」を読んでから読むとさらにわかりやすいとおもわれます。
小説好きなら読んで損はない本! -
Posted by ブクログ
タイトルに惚れた。そして、久しぶりに面白いな〜と思う新書でした。
昨年から資本主義の限界が見え始めた今の時代についにマルクスの逆襲が始まる!
ということで、前から少し興味のあった「まるくす」君についての本を読んでみました!
とか言ってホントに全く知らなかったのですが、マルクスについて、マルクス主義の歴史について、マルクス主義の日本での影響、そして今後の影響について詳しく書かれており、マルクス入門としては(あくまで新書レベルですが)かなり良いのではないかなと思いました。
マルクス経済について細かく語るのではなく、その概要と影響について書かれているので非常に一般向けで良いと思いました。学術的に学ぶ人にはたぶん物足りないのではないでしょうか?
前から気になってた全共闘とか革マル派とか、ワードだけ知ってて中身を全然知らないワードの理解や流れが把握できたので満足でした。
「宗教は麻薬」と唱えたマルクスそのものが宗教のようになってしまった皮肉、なぜ人があそこまでマルクスにはまったのか、その時代を経験した筆者ならではの視点でかなり詳しく書かれているので面白かったです。
しかしやっぱり資本主義を生きてきた僕からすると、ちょっと理想的すぎやしないかと思ってしまいます。実現への道は本当に遠い気がしますが、なんか筆者がうまいこと言ってた気が・・・忘れたけど(笑)
あと、やっぱりこういう本を書くだけあって筆者は共産よりの人で、小泉首相を批判しまくってたのが面白かったです。インチキカリスマ政治家の郵政民営化が気に入らないそうです。結構良い政策だと思いましたが、今となってはどうなのでしょうかね?
これをきっかけに、ちょっと政治チックな本を読んでいけたらいいな〜と思いました。
非常に勉強になった一冊でした。 -
Posted by ブクログ
《本当の自分》を見付ける手がかりに「十牛図」を用いましょうという内容です。
「実用書」にカテゴライズしたけれど、良かったかしら。
「十牛図」とは禅(特に臨済宗)の教科書のようなものです。
《本当の自分》を探す様を、牛を追い求める若者の姿に例えています。
仏教の話だけでなく、物理学や生物学の話も出てきて面白かったです。
ちなみに、この本を借りた動機は、『こんなツレでゴメンナサイ。』という本で、
ツレさんが十牛図の本が役に立ったと書いておられて興味を持ったからです。
【心に残った言葉】
・空(くう)。
・諦観。
・ほどほどの距離を保つ。
・この世界はテレビの空きチャンネルみたいなもの。
何も映っていない訳でもないが、何か映っている訳でもない。
・苦行に心が囚われてしまう。 -
Posted by ブクログ
積読書棚にひっそりと隠れていた一冊。「空海の夢」を読んだ後、もののついでといった感じで手を出したが、その難易度の落差よ。「空海~」には数ヶ月を要したが、こちらは2日で読み終えた。それくらいの差。
すべての章のサブタイトルと、すべての節のタイトルが、疑問形「~とは何か」「~なのか」といった形になっている。自分で問いを立て、自分で解説を書いていく形式。200ページほどの新書を52の節(「52の謎」と帯で謳っている)で割れば、1節あたり約4ページ。読みやすいわけだ。
初期仏教から大乗仏教の成立を経て、日本伝来の後には日本の中で変容していく。今から振り返れば「どうしてこうなった?」という感覚を覚える日本仏教の不可解さを約4ページずつのQ&Aの連なりで概観する本。
「国柱会」と「山岳信仰」の扱いが唐突に目だって見えるのが気になるが、新書全体としては日本仏教に関するインデックスとして手許においておくのに良い一冊だったと思う。
(現在、紙版は「品切れ重版未定」とのことだけど) -
Posted by ブクログ
ネタバレ作者の名前と『いちご○○』から、学生運動の話かと思っていました。
なんと、1990年という比較的最近の中学生の話でした。(でも30年以上前)
でもね、やっぱりちょっと古いと思いました。
まず、難病感動系というのが、今でも人気コンテンツなのかもしれないけれど、古い。
主人公は中学生だというのに、愛読している本が『二十歳のエチュード』とはまた、古い。
1990年代の中学生が実際はどうだったのかはわからんけど、同じ学校の女子生徒のことを女生徒と言うかね。
太宰かって思ったわ。
「女子たち」とかじゃないのかなあ。
あと、コンビニのことをコンビニエンスストアって、あの当時の大人は言ってたけど、そろそろ若い世代からコンビニと言ってたんじゃなかったかな。
まあ、時代が変わろうと、中学生は自分の将来に悩み、「僕って何?」って悩むもの。
そういう意味では、じれったいほどに主人公の良一はこじらせ中学生でした。
でも、だからこそ、難病感動系は不要と思う。
作者の腕があれば、そんな設定がなくても小説が書けると思うがなあ。
ちなみにタイトルの『いちご同盟』とは、15歳男子二人の同盟のこと。