三田誠広のレビュー一覧

  • 謎の空海 誰もがわかる空海入門

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    名前はよく知っているのに、実はあんまり良く知らない人物って多いですよね。そんなわけで、今度は空海について書かれた本を読んでみました。

    空海という人が、いかに飛び抜けた人であったのかが分かる本でした。空海の足跡だけではなく、当時の政治や宗教や、そして日本における仏教についてもざっと知ることができて、勉強になりました。


    実は、空海という人について知りたくて読んだというより、最近読んだ三田誠広さんの小説が面白かったので(菅原道真や在原業平の小説)、もう少し三田さんの本で平安時代を勉強しようと、この本を手に取ったというわけなんですが、さらにさらにいろいろと読みたくなりました。しばらく、私の平安ブ

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    2018年02月28日
  • 一冊でわかる! 「仏教」って何?

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    なんかよくわからないというか、
    仏教が魅力的に思えなかった。
    力作であることは間違いないんだけど・・・

    単行本で出してほしかった。
    というのも、分量を増やせば、
    もっとわかりやすかったように思うので。

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    2017年09月01日
  • 春のソナタ

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    裏表紙にあった「青春小説」の文字に期待して手に取ったけど、フタを開けてみたらいろいろと達観した17歳の高校生がいずれ自分も踏み込まなければならない大人の世界をかいま見るという、なかなかに壮絶なんだけどもどこかスッキリという、不思議な作品だった。
    文章は淡々としているようで情景や心の機微が濃厚に伝わってくるという不思議な感じ。作者名を見て、いちご同盟の人かーと思ったんだけど、あれを読んだのはだいぶ前の話なので、機会があったらどっかで読み直したいな……。

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    2016年12月06日
  • 実存と構造

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    ネタバレ

    20世紀文学を実存と構造という概念で読み取いている。選ばれたのが大江健三郎と中上健次だ。大江健三郎は実存主義文学の旗手である。その彼が万延元年のフットボールでは構造主義を取り入れているという解説はなるほどと思えるほど鮮やかな解説だ。同時に中上健次の文学作品を解析して実はこういう構造となっているのだという論旨も鮮やかである。
    三田を見直した。その彼があとがきでこう書いている。
    「文学はただのひまつぶしでもなければ、気晴らしの娯楽でもない。時として文学は、読者を悲しませ、嘆かせ、思い課題を背負わせることもある。
     むしろ作者(および主人公)と読者とが、苦悩を共有するために、文学というものは存在して

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    2016年10月18日
  • 僕って何

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    主人公の「僕」は、大学入学後まもなく、学生運動組織である「B派」のオルグに何となく応じてしまい、そのままB派の一員に収まります。やがて彼は同じ組織の戸川レイ子という女子学生と、やはり成りゆきで同棲することになり、その後も主体的な個の連帯を謳う全共闘に、括弧たる思想的根拠を持たないまま、乗り換えていきます。そんなある日、母親が彼のアパートを訪れて彼の知らないうちにレイ子と会い、いつの間にか彼女と結婚する道筋が引かれていることを知らされます。

    組織の中で主体性を喪失するのではなく、最初から主体性を持たないままに行動し続ける若者の姿を描いたのが評価された作品ということですが、本書の延長線をずっと進

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    2016年01月06日
  • 愛の行方

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    題名の「愛の・・・」とは想像も出来ないストーリー。私の大学時代は学生運動が下火になった時。でも何と無く分かる気がする。恋愛もストイックだったよな。
    本当は「僕って何」のような、ちょっと甘くて切ないストーリーをイメージしてたけど、昔の虚しさが蘇るような作品。

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    2015年07月14日
  • 永遠の放課後

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    高校生とも違う、大人とも違う『大学生』のもやもやを描いた物語。

    音楽やバンドの話をスパイスにいわゆる三角関係の恋愛を描いていた話なんだけど出てくる人が抱える悩みや劣等感がリアルだなって感じた。

    中学時代はアコースティックギターと歌を共通の話題として仲良くしていた3人。だが、大学生になり各々が違う道を歩み出すとお互いに距離感が生まていく。
    「僕」は音楽を続け、親友の2人は国際ボランティアに精を出す。「僕」は社会に対して何も生み出していない自分をどこか下に見て2人の世界の邪魔をしないように気遣うし、2人は音楽の道を歩み始めた「僕」を遠い目で見始める。

    大学生は自由だ。そして大人でなければ子供

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    2015年07月03日
  • 永遠の放課後

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    この人の小説はみな説明ゼリフみたいな抑揚のない言葉を登場人物たちに喋らせる。リアリティに欠ける一方で、なぜかその言葉だけに集中出来て逆に胸をうつ表現に鳴っている気がする。親友の彼女が好きなことを寸でのところで留まっている自分が好きなだけだった。納得できる

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    2015年05月11日
  • 空は終日曇らず

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    ネタバレ

    上司の不祥事により自分も
    片田舎に左遷された。それならそれで、ここで結果を出そう。
    自分も頑張った。他の人も巻き込んだ。このままいけば、売上前年比200%増も可能だ……。

    勝気な主人公は周囲の人間を
    能力のない、つまらない人間と決めてかかり、そのなかで最大限努力する。俺はここから抜け出すと。

    しかし、不幸にも大きな挫折がふりかかる。
    「こんなに頑張っているのに…なぜうまくいかない…」

    所長にさとされた。
    「お前は若い。焦るな、といってもわからないだろう。
    頑張りすぎたお前に言うのは酷だが、
    やはりやり過ぎた。無理しすぎたんだ…。」

    ここで主人公は今までの生き方を振り返る。つらい作業だ。

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    2013年12月03日
  • 西行 月に恋する

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    権力争いの時代に違うところで生きた西行法師の物語。中宮への言いようのない思慕を全面に押し出すことなく、理性的に彼女とその彼女の大切なものを憂え支えた姿が印象的だった。ただし妻子を捨てたのはちょっと残念。
    三田誠広の世界。大変読みやすい。

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    2012年02月25日
  • 実存と構造

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    実存主義と構造主義について、文学的な観点から分かりやすく説明してくれる本です。
    個の存在として、世界(神)と一対一で対峙する実存主義の概念は理解しやすかったのですが、その実存の苦悩を、綿々と繰り返される歴史(構造)の中に組み込んで癒すという構造主義の説明はぴんときませんでした。
    しかし、これからの読書体験が一味違ってくるような、分析のツールを学べたことは大変貴重でした。

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    2012年01月15日
  • 一冊でわかる! 「仏教」って何?

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    「親鸞」を読んで仏教に興味を持ったので、わかりやすい解説本はないかと探していたら題名が目についたので買って読んでみました。なぜ三田誠広が仏教なのか? はよくわかりませんが、冒頭の「大乗仏典は楽しい、面白い!」ということから始まり、かなり楽しく面白く、またわかりやすく読めます。仏教の歴史からいろいろなお経の意味(描いている世界)まで、へーっと思うことが筆者独特の親しみやすい語り口で書かれていて、難しく感じる部分はありません。最後の章が「超解明『般若心経』早わかり解説」となっていて、わずか262文字のお経の意味を少しずつ順に解き明かしてくれて、何となく般若心経を唱えたり写経したりしてみたくなります

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    2012年01月10日
  • ワセダ大学小説教室 書く前に読もう超明解文学史

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    読書好きな人全般にオススメできる本。文学史を様々な国の背景を絡めてテンポのよい説明を展開しているので非情に分かりやすく、読み進めるうちに読むべき、または読みたい小説がどんどん蓄積されていく。作家のために書かれているが、これを読むだけで文学史っておもしろいんだと思うことができ、それだけでも収穫。個人的には作者の私情が入ってこない近代文学の解説が一番心躍った気がする。

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    2011年12月29日
  • 実存と構造

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    人生とは何かという難問を解明するための思考モデルとして、実存と構造という概念を紹介した本。生きづらい時代にも関わらず、人生航路の指針となる思考モデルが用意されていない。現代の若者こそ知的ツールとしての思考モデルが必要ではないか、と述べられている。

    二つの世界大戦、社会主義革命や軍事政権による独裁体制によって、素朴に国家や社会体制が信じられなくなった時代にわたしたちは生きている。あるいは、急速な産業の発達、都市の拡大により、共同体の崩壊が起こり、生きて行く為に必要な親族社会や郷土を失った多くの人々が、自ら異邦人と感じ、虫けらのように生きていると感じずにはいられなくなった。それが20世紀という時

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    2012年07月09日
  • 永遠の放課後

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    ネタバレ

    なんとなく本屋で手に取った1冊。
    作者の三田誠広が高校の先輩なので読んでみました。

    今まで読んだ小説の中で1番感情移入できたように思います。

    泣かしにかからないのがよかったです。

    久々に本を読んで鳥肌がたちました。

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    2011年07月10日
  • ワセダ大学小説教室 深くておいしい小説の書き方

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    別に小説を書く気はないのですが、三田さんの天気のよい日は小説を書こうが面白かったので読んでみました。小説家を志している人の世界が垣間見えました。へ~!!(古・・・)というような指摘されないとわからない、小説家にとって大事な観点が提示されていて、この観点は読者として持っていても損はないな~
    そんなこんなで星4つ☆☆☆☆★

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    2011年07月03日
  • ワセダ大学小説教室 書く前に読もう超明解文学史

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    創作のために文学史を効率よく整理した書。
    ①ロマン主義(物語的、記号的)から自然主義へ
    近代小説(リアリズム)のはしり
    <イギリス>
    ・「ドンキホーテ」(ロマンス批判)
    ・「高慢と偏見」(個性的な人物)
    ・「嵐が丘」(ロマンス風だが同上)
    <フランス>
    ・バルザック「人間喜劇」
    ・デュマ「モンテクリスト伯」
    ・フロベール「ボヴァリー夫人」
    ・ゾラ「居酒屋」
    ↓ロシアは仏語圏だったため影響
    <ロシア>
    ・ツルゲーネフ「猟人日記」(ハムレット型、少年的、無能者)
    ・ドストエフスキー「罪と罰」(哲学青年系)
    ・トルストイ「戦争と平和」(したり顔の大人的)
    ↓経済、文化、思想状況がロシアと似ていたため

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    2011年03月14日
  • 永遠の放課後

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    難しいよね、人間って。
    恋愛だけでもなく、親子だけでもなく、音楽だけでもなく・・・
    大学生青春記。
    いちご同盟(中学)⇒春のソナタ(高校)⇒永遠の放課後(大学)ね。
    もちろん主人公や境遇はみんな違うけど。
    繋がっているのは音楽。音楽はひとつ。
    各章のタイトルが、その章の最初の文だった。
    それがなんだかとっても素敵に思えて、とても気に入った。
    一言なんだけど、だけど、その一文に詰まってるって感じ。素敵。

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    2011年02月27日
  • マルクスの逆襲

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    唯物史観のリポートに役に立つかなと読んでみた。
    噛み砕いて、体験をもとに(著者がこちこちのマルクス主義者だったわけじゃないが)書かれてるだけあって、読みやすいし中立的。
    八十年代後半生まれとしては、マルクスというだけでなんか怖いような、キワもののような気がしていたのだが、…そんな人間むけの本かも。
    タイトルはこんなだけど、「今こそマルクス!」という本ではない。今私たちができること・すべきこととして述べていることも、極めて穏健。
    面白かった。

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    2011年03月28日
  • 永遠の放課後

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    登場人物たちの会話が、説明口用で不自然でおかしい。僕は笑っちゃいました。
    でも、主人公の心情がしっかり描かれていて結構サクサク読めました。

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    2010年08月16日