三橋貴明のレビュー一覧
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デフレ下で政府を始め、経団連をはじめとする利益団体がいかに逆効果のことをやってきた(経済自虐主義)、もしくはやろうとしているかをまとめた一冊(特に戦争犯罪と重ねてる点に完全にその主張に乗れるわけではないけど)
当然ながら企業と国家は違う訳で財政再建の方針の下、コストカットにばかり躍起になっていては景気浮揚の源になる国民の需要拡大はなされないし、共通する部分としては国(企業)が国民を殺すことになる。
97年の5%への増税や今回のような震災直後の見てて思うのは、デフレ下の増税のように逆効果のことをするのは「自らの利益拡大」と共に「(先人や自分達の間違いを認めたくない)意地」みたいなつまらないも -
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久方ぶりに読み返してみることにしました。
発行年の前後で仕事で韓国に滞在し、韓国でも高い教育を受けてかつ外資系に努めている人から、「私も負け組かも?」といった内容の発言を聞いて、「マジですか?」と思って購入したのがきっかけです。
当時はなかなか面白い指摘だと思いました。また実際、リーマンショックの時にはウォンも急激にウォン安にもなりました。あの時は、米国救済の為に全世界で急激に金融緩和(資金供給)をして何とか危機を回避した訳で、言っちゃ悪いが「韓国どこれではない」状態で、ウォンの全面安とは成らなかった。
なので、本書の内容が全て実現しなかったから「ウソ」と決めつける事無かれ。非常に読み易 -
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最近のネットを中心とした著者の大活躍には瞠目するが、よくまあ次々と本を出せるものだとも感嘆した。
本書は「メディアの大罪」と名うっているが、その内容は著者が繰り返し主張している「反TPP」についての政治キャンペーンとも思えるものである。
「メディア」についての言及はごく一部であることに別に違和感は感じないが、「TPP戦争」について次々と説得力のある言説をこうも多くの著書やネットで繰り返し展開されると、「まさにそうだ」とうなずいてしまう。
しかし、これは本書の論理が「正しい」からなのか、それとも著者のキャンペーンに「洗脳」されてしまったのかと思うのは、著者が扇動的ともいえるような内容を戦 -
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TPPや消費税増税について新聞やテレビが抽象論ばかりを述べて一斉に賛成していることに対し、著者は具体的にデータに基づき反論を述べています。
どちらが正しい主張をしているかは、明らかです。
にもかかわらず、この正しい主張は大手マスメディアには掲載されません。TPPに関しては、関税が撤廃されれば農家は厳しくなるが内向きになってはならない、消費税増税に関しては、景気に悪影響を与えるかもしれないが将来世代に負担を先送りしてはならない、といった自分たちに都合の良い反論しか登場しません。
できれば以上のような記事しか知らない人に読んでほしい本ではありますが、おそらく、そのような人はこの本に出会わないと思わ -
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日本や世界の経済問題について、三橋氏がデータを駆使して簡潔に説明してくれています。
一項目の説明に2~4ページと読みやすく、自分の気になる部分だけピックアップして読んで行っても良いかと。
本の体裁はちょっと教科書風なので、教科書と聞いて拒否反応を起こすような方には、とっつき難いかもしれません。
2009年末の出版なので、時事性が重要な要素の現代経済の入門書としては少々古いですが、今読んでも十分に参考になると思います。
ただ、著者である三橋氏は最近やたらと本を出されている(一時の勝間さんみたいかな)ので、この本でなくてはいけない、というような事は無く、最近出版された他の著作が入手できるの -
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最近良く読んでいる、ネットエコノミストの三橋貴明氏が日下氏と対談。というか主は日下氏で従が三橋氏。
数字を使わず説明する日下氏と数字を駆使して説明する三橋氏のコントラストが印象的。また、所々(特に後半)議論が噛み合わないまま進行する感じは面白かったです。
本書の中で、三橋氏が世間(政府)が無策だから今の若者は苦労しているんだ、というような論を展開していました。それに対し、日下氏はそもそも政府なんかに策を期待するのが間違いで、まずは若者自身が自ら努力し、切り拓いていかなければダメなんだ。他人に頼ろうということ自体に問題があるのだと語っていました。
この点は日下氏に全く賛成。
何かをしよう -
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約1年前に出版されたものですが、昨年来ずっと燻り続けている欧州問題について、原因や問題点が説かれていて、非常に分かりやすかったです。
また、巨額の財政赤字を抱えている日本についても触れられています。日本の場合とギリシャやアイルランドなどのものとは何が違うのかが説かれており、この点も勉強になりました。(ちなみに著者は日本の財政破たんについては一笑に付しています。)
本書の難点は同じことが何回も何回も書かれていたので、『作品』としての出来は今一つなのかもしれません。(ただ、自分としては同じような内容の記事を何回も読むことによってより理解が深まったという、思わぬ効果があったんですけどね。) -
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以前より中国経済は北京オリンピックまでもつとか、上海万博まで大丈夫と言われてきましたが、あと1年余りとなりました。多くの人口を抱えて大きな市場を持った国ではありますが、ソ連が10年程に失敗した共産党がいまだに国をリードしていていつまで年率10%と言われる成長をと続けられるのでしょうか。
動物も市場もいずれは成長が止まるときが来るのですが、それを無理に引き伸ばしたり隠していたりすると、そのツケは何倍にもなって返ってくることは日本が経験済みです。
この本は三橋氏による中国経済の現状が解説されていますが、現在では経済的にも結びつきが強くなってきているので、クラッシュが起きるにしても覚悟をして -
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私は仕事で韓国を担当しているので個人的には韓国にはこれから益々栄えて欲しいと思っており、三橋氏の書かれているこの本の内容が少しでも外れて欲しいと願っています。
但し、実際に手に入るデータから解析を行っている点、同じ解析の方法で他の国(特に日本)とのデータを比較、解析している点を読み込むと気分が滅入ってきます。
外見は日本人と韓国人は似ているのですが、考え方はかなり異なっていると思いますし、日本に対する対抗意識も強いものがあると思います。この本に書かれている内容が正しいか否かは5年もすれば明らかになると思いますが、各国の指導者達は自分達の幸せだけを考えるのではなく、国民の8割程度が幸せを実 -
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テレビや新聞には毎日多くのニュースが流れています、ニュースだけ見たり読んだりしても理解できなかったことが多かったので、ニュースをネタにしたトーク番組等を見た時期もありましたが、お笑い番組と差が見られないことも多く、逆にストレスが溜まる事が多くなり始めたので見るのを止めてしまいました。
その時間を利用して代わりに行ったのが、それらをテーマにした本を読むことでした、昨年後半から読み始めた三橋氏の本のその一つです。一人の著者の意見を鵜呑みするのは危険だと思うので、なるべくそれと異なった考え方、結論を導いている本と併せて読書することで、面白みが湧いてきました。
この本に紹介されている、マスコミ -
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先日新型iPhoneの発売が予告されましたが、果敢にも(?)サムスン電子がアップルに対して、知的所有権侵害の訴えを起していたというニュースを見て驚きました。
逆襲されると大変な知的所有権裁判に打って出たのですから、ついに韓国企業の技術レベルもかなり上がってきたことの証左なのでしょうか。
今も円高(結果としてウォン安)が続いていますが、震災前には韓国にいくと多くの日本人(母娘、女性グループ)が買い物や食事をしていて、韓国経済も潤っているのかなと個人的には思っています。
韓国が経済危機を迎える前(20世紀後半)までは、韓国企業はとても日本に似たようなところがありましたが、その後、すっかり欧米 -
- カート
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試し読み
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参議院議員選挙に立候補して惜しくも落選してしまいまった三橋氏が選挙活動を始める前頃に書かれた本で、その趣旨は、国家破綻を迎えそうだと悲観論が出回っている中で日本の魅力について書き続けている彼の著作には注目しています。彼が本の中で説明しているように、世界最大の債権国が国家破綻するなら、他の国々はどうなるのでしょうか。
特に日本国家のバランスシート(金融資産のみ)で、確かに政府負債はあるものの、合計では263兆円の純資産がある(2009年末)のは衝撃的(p66)でした。悲観論を語る人の意見は、この点をどのように考えているのかを注目していきたいと思います。
以下は気になったポイントです。
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Posted by ブクログ
外資系製造業に勤めているのですが、中国支社の売上は好調で私の勤務している会社では中国ビジネスのお陰で良い収益を出していると行っても過言ではありません。また日本のマスコミの報道を見ている限りでは、日本は輸出立国、中国は今や世界最大の市場で日本のビジネスは中国無くして成り立たない!と言われていて、それを信じていたのがこの本を読むまでの私でした。
この本において三橋氏は、中国の経済成長をささえてき要因(p100)が、今後成長を考える上では逆に足かせになってしまい、袋小路に入っていると解説しています。彼の論調は、基本的には誰でも手に入る一次データをベースに展開していることもあり、私は納得感があると