三橋貴明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
外資系製造業に勤めているのですが、中国支社の売上は好調で私の勤務している会社では中国ビジネスのお陰で良い収益を出していると行っても過言ではありません。また日本のマスコミの報道を見ている限りでは、日本は輸出立国、中国は今や世界最大の市場で日本のビジネスは中国無くして成り立たない!と言われていて、それを信じていたのがこの本を読むまでの私でした。
この本において三橋氏は、中国の経済成長をささえてき要因(p100)が、今後成長を考える上では逆に足かせになってしまい、袋小路に入っていると解説しています。彼の論調は、基本的には誰でも手に入る一次データをベースに展開していることもあり、私は納得感があると思います。
特に問題になっているレアメタルの件ですが、中国の埋蔵量が3割程度であり他の国からの輸入も可能なこと、どうして現在の供給がメインなのかのカラクリは参考になりました。
以下は気になったポイントです。
・北京で百人程度が反日デモを実施すると報じるマスコミは、2010年10月2日に渋谷で開催された中国への抗議デモ(警察発表で2600人参加)に対しては無視した(p13)
・中国が日本にレアアースを売らないのであれば、アメリカ、豪州、南米、中央アジアが鉱山を開いてくれるだろう(p14)
・輸出総額がGDPの10%強しかない日本で「我が国の経済は輸出に依存している」と言われている、この割合は高度経済成長期から変わらない(p20)
・中国および香港との貿易が途絶した場合、日本経済のフローであるGDPは、約0.35%減少する(p28)
・2009年末時点における日本の対外直接投資残高は7404億ドルで、中国への投資分は7.4%で550億ドル(p33)
・中国のレアアース禁輸に対して、「レアアースを使用した資本財の、中国への禁輸措置」を講じるべき(p38)
・輸出依存度が日本より低い主要国は、アメリカとブラジル程度(p42)
・日本の評論家やマスコミは、「相対化」を行わず、自らの絶対的な価値観に基づいた情報を垂れ流す(p47)
・家計が住宅ローンを返済すると、ストック上では、家計のお金が銀行にウチり、同時に銀行から「住宅ローンという資産」が、家計から「同名の負債」が同額分消滅する。なのでGDPは直接的には増減しない(p63)
・原資が借金でも何でも、それが消費や投資として支出されれば、GDPは増える、これは中国経済を理解する上で重要なポイント(p63)・バブルが崩壊するとストック上で資産価格が崩壊するが、負債残高は消えないというのが、あらゆるバブルに共通している(p66)
・中国は高度成長しているが、2000年に45%あった個人消費支出は、2009年には30%程度に落ち込んだ、日本は1955年から基本的に60%程度(p73、84)
・グローバルインバランス拡大が続いた理由は、1)アメリカの不動産バブル、2)ユーロの存在、3)中国の人民元安政策、である(p100)
・中国の膨大な輸出の担い手の過半が外資系企業でその割合は、2001年以降は常に50%(p119)
・国家の金持ち度を計る指標である「対外純資産」は、日本が248兆円であるのに対して、中国は129兆円、外貨準備高は中国は日本の2倍以上、89対204兆円(p131)
・中国で不動産価格が上昇続けているのは、1998年の法改正まで、中国人民が不動産を取得できなかったという特殊面が大きい(p159)
・中国では、月収2.1万円、年収25万円の人が、60平米のマンションを買う場合、年収30倍を超える、住宅価格は年収の5倍程度が限度(p162)
・中国で最高の上海の可処分所得は月:2万円(1600元)程度、病院の平均医療費は1回診療で、500元(6000円以上)、これでは個人消費は無理(p185)
・3億人を超える都市部の労働者のうち、年金(養老保険)への加入者は、1.6億人、農村部は4.7億人のうち、5000万人程度(p187)
・中国には、「富裕地と貧困地」「都市部と農村部」「富裕層と貧困層」という3つの格差問題が混在している、中国では上位10%が全所得の50%、日本では20%程度(p192、194)
・中国人民にストライキ権は認められていない、それなのに外資系企業に対してストライキが続いたというのは、共産党の意思が込められている(p196)
・現在の中国でコストが高いのは、電気代、次は関税、人件費(労働者を10年以上雇うと終身雇用)、法人税率の15%への引き上げがある(p251)
2011/1/2作成 -
Posted by ブクログ
サブプライムについての説明は分かりやすい。
大体分かっていたけど、これでスッキリとインプットされた。
ドルの価値がドンドン落ちているということに驚いた。
あの国を信用することは出来ない。昔から自国の利益しか考えていない。
金融危機について考えた。
金融バブルでウハウハな時代ですら、失業者がゼロということはなかった。
仮想経済が存在していた時代ですら、だ。
不景気というけれど、仮想経済が泡になっただけで、
実体経済(もちろん反動で収縮するだろうが)に戻るだけであって、
今までおいしい思いをしていたのが普通に戻りましたねってだけだと思った。
それを考えると失業率0%というのは夢物語なのかもしれない。
--気になった言葉--
だが、現実の日本はといえば、アメリカに次ぎ世界でもっとも外需依存度が「小さい」国である。(P260) ←でも、これは調べたらウソだそうです。 -
Posted by ブクログ
最近読んだ、日本のグランドデザインとの主張が一致している為、少しは理解できた。(復習の下地なしでは、理解できなかったかも)。作者が言っている事は数字ベースのデータによるものだから、かなり説得力があり、大いに納得できる。しかし、世間のマスコミや世論と余りの真逆ぶりに正直、どこまで信用していいのか…と疑心暗鬼は否めません。年金は大丈夫!日本の経済は破綻などしない!等、言いきる所とその論拠は信じるに足るのだけど…。問題はこのデータを信用していいのかって、事にもならないかな。しかし、それを言っちゃ何も信用できなくなるからな…。ヒトラーの言葉で「大衆を騙すには小さなウソではだめだ。途方もないような大ウソをつくべきである。大きな嘘をつけば、全てを信じられなくても、最低限ここはホントだろうと一部を信用させる事ができる」そんな言葉があった気が…。その言葉を今思い出すのは、何故だろう…
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Posted by ブクログ
2009/6/23出版の本ですが、まさか作者さんも2009/09にしてこんな事態が起こるとは思いもしなかったことでしょう。前半の描写はリアル世界を風刺したスパイシーながらもコミカルな描写だったのですが、第一部後半あたりから一気に小説としてのリアル感が増して色々考えさせられました。現段階でも官僚や政治家を悪人と断罪するか無謬の存在とするかの極端な論調に走りがちな日本ではありますが、足もとが崩れ、信じていた未来が崩れかける今だからこそ「助けてくれる誰か」ではない自分が何を考え、どう行動するかを試され始めた様に思います。そして、2009/09/05現在、この本がSF、風刺、問題提起の書であり続け、まかり間違っても「よげんのしょ(20世紀少年風に)」にならないことを切に願います…。
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Posted by ブクログ
著者は2ちゃんねる発の経済に精通したコテハンの人の本。
中小企業診断士の目で韓国経済をみて、マスコミなどが決して報じない韓国の経済の脆弱性を指摘している。
この本がでた2007年といえば、TVなどのメディアマスコミが猫も杓子も韓国万歳、韓流ヨイショの真っ盛りだったとき。
韓国に見習えとTVで連呼していたときに、この逆の評価の本がでたことが驚きだった。
さらにTVなどのコメンテーターがなんの資料の裏づけもない印象論で韓国を持ち上げていたのに対して(ちなみに同じような手法でいまは中国経済ヨイショしているコメンテーター多いよね)この本は各国政府の統計、国際機関の発表する数字などをちゃんと出して、表にして「見える」かたちで自論を展開している。
これだけでも信頼性は嫌が応にも上がるというもの。
これは2年前の韓国経済本であり、今現在はさらに深刻になっているようで
つい先日、さらに過激なタイトル「完全にヤバイ韓国経済」というのが発売されています。 -
Posted by ブクログ
通貨危機について調べていたら見つけました。
経済の勉強のモデルケースとして教科書系より面白いです。初心者にはやはり少し難しかったですが、それでも、国際収支についてずいぶん理解できます。
私は嫌韓でも親韓でもありませんが、日本も影響を受けるわけですし心配になります。内容がかなり嫌韓的なので逆に信頼性に不安になることもありますが、公式数値を基にしていますし、すぐに鵜呑みにせず自分で確認すればいいことですね。
むしろ、日本の経済ニュースでもよく使われる用語が分かりやすく解説されてるのが良かったです。
外貨準備高=貯蓄のイメージ(高いほど良い)とは全く違ったとは!(たぶん日本人の多くは間違った認識)他にも、借金大国と悪評高い日本政府の債務残高の内訳とか。
日本の報道は、情報が偏っている上に表現も信頼できないのは知っていましたが…。
経済リテラシー(読み取り能力)を高めてもらいたいとの著者の弁ですが、単語を正しく理解するだけでニュースが全く変わってしまいます。ぜひ日本やアジア、欧米についても書いて欲しい。 -
Posted by 読むコレ
今の日本経済を好転させるために、何が必要なのか。二人の論客が一致して唱えているのは、デフレ脱却。デフレさえ解消すれば、あらゆる経済問題は解決するとの立場。
では、デフレ脱却するには何をすべきかといえば、大規模な金融緩和と財政出動、二つセットでやることで始めて効果があり、どちらか一方ではいけないとしている。
この結論には大いに納得。これまでメディアで見聞きした二人の意見は、金融緩和しろ、ということが強調されていた。一方、デフレには需要創出が必要なのに、肝心の部分が聞こえてこなかったので、ものすごく違和感があった。需要は財政出動でつくるのだ。民間にないのだから、止むを得ない。
官僚機構の腐敗、ザルのような予算執行、ものすごく効率の悪い環境下ではあるが、やるしかない。インフレになって、所得が改善しないことには、いつまでたっても一般国民に恩恵はもたらされない。国民が広く潤ってから、一気に統治機構改革を進め、これまで損した分を取り戻すしかない。