あらすじ
日本のメディアは報じないが、韓国は今、大変なことになっている。
第一部 悪循環にもがく韓国経済
第1章 六つ子の赤字
第2章 泥沼の国際収支
第3章 円キャリーの逆襲
第4章 通貨危機再来の悪夢
第二部 崩壊する韓国社会
第5章 韓国輸出企業の実態
第6章 恐るべし全教組と平準化教育
第7章 植民地経済大国
第8章 逆単身赴任の悲惨な現実
第9章 深刻な国内空洞化
第10章 KOSPI最高値の疑惑
第11章 崩壊する韓国社会
第12章 急増する脱南者
第13章 GDP5.0%成長の謎
第14章 報道の信頼性
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Posted by ブクログ
ビックリしながら勉強になった。メモ/ ● 韓国の国際収支は全ての数字が悪化している。● 現状の韓国は直接投資収支、証券投資収支の赤字化が進んでいるにも関わらず海外からの短期借入金が巨額であるため資本収支全体では今のところ黒字。 ● 外貨建て融資ブームなどが重なりその他投資収支の巨額黒字、短期外債の72%増(2006)。 ● 円キャリー巻き戻し→ウォン安→外債頼みの韓国はその為替が下落した分増加→輸出企業不振の原因はウォン高ではないのでウォン安が輸出産業に好影響を与えない。 ● 財閥を中心とする韓国輸出企業のためウォン高介入を続ける韓国銀行はドル買いをするための原資として海外から借り入れ。(外平債)(通貨安定証券)→韓国銀行赤字→通貨安定証券は政府ではなく韓銀が発行しているという理由で韓国の国家債務にカウントされていない。 その他 ● 国内では利益を上乗せして販売し海外で安価に販売、海外市場のシェアを伸ばし規模の経済を追求する輸出企業。 ● 貴族労組、人件費高騰。 ● 全教祖、標準化教育から逃れるため海外へ。 ● 金融機関と主要企業の株主の過半は外国人。 ● 中小企業の設備投資が減少を続けている。 海外への直接投資は急増(ウォン高を逃れるためだが解決になっていない)。 ● 企業は自社株買いで株価を支えている。 ● 数百万の信用不良者。ジニ係数は米国レベル(国民所得は半分程度で)。 ● 海外移民者の資産持ち出し。
Posted by ブクログ
この本は2007年当時の韓国経済の状況を解説した本ですので、経済を学ぶ書籍としては情報が古く最適ではないかもしれません。
しかし著者の持つ「中小企業診断士」のスキルを駆使して、韓国という国家の経営状況を解説するプロセスは「国家の経済を読み解く」という点で非常に勉強になります。
国家経済がどういう構成で成り立っていて、どのように読み解けば良いかを本書を読み進めていくことで理解できますので、本書が訴える「韓国経済のトンでも度」はさておき、経済の入門書としては良書です。
Posted by ブクログ
久方ぶりに読み返してみることにしました。
発行年の前後で仕事で韓国に滞在し、韓国でも高い教育を受けてかつ外資系に努めている人から、「私も負け組かも?」といった内容の発言を聞いて、「マジですか?」と思って購入したのがきっかけです。
当時はなかなか面白い指摘だと思いました。また実際、リーマンショックの時にはウォンも急激にウォン安にもなりました。あの時は、米国救済の為に全世界で急激に金融緩和(資金供給)をして何とか危機を回避した訳で、言っちゃ悪いが「韓国どこれではない」状態で、ウォンの全面安とは成らなかった。
なので、本書の内容が全て実現しなかったから「ウソ」と決めつける事無かれ。非常に読み易い一冊です。確か専門書も買ったのですが、そちらは未読です(難しい割に内容が古い)。
Posted by ブクログ
著者は2ちゃんねる発の経済に精通したコテハンの人の本。
中小企業診断士の目で韓国経済をみて、マスコミなどが決して報じない韓国の経済の脆弱性を指摘している。
この本がでた2007年といえば、TVなどのメディアマスコミが猫も杓子も韓国万歳、韓流ヨイショの真っ盛りだったとき。
韓国に見習えとTVで連呼していたときに、この逆の評価の本がでたことが驚きだった。
さらにTVなどのコメンテーターがなんの資料の裏づけもない印象論で韓国を持ち上げていたのに対して(ちなみに同じような手法でいまは中国経済ヨイショしているコメンテーター多いよね)この本は各国政府の統計、国際機関の発表する数字などをちゃんと出して、表にして「見える」かたちで自論を展開している。
これだけでも信頼性は嫌が応にも上がるというもの。
これは2年前の韓国経済本であり、今現在はさらに深刻になっているようで
つい先日、さらに過激なタイトル「完全にヤバイ韓国経済」というのが発売されています。
Posted by ブクログ
通貨危機について調べていたら見つけました。
経済の勉強のモデルケースとして教科書系より面白いです。初心者にはやはり少し難しかったですが、それでも、国際収支についてずいぶん理解できます。
私は嫌韓でも親韓でもありませんが、日本も影響を受けるわけですし心配になります。内容がかなり嫌韓的なので逆に信頼性に不安になることもありますが、公式数値を基にしていますし、すぐに鵜呑みにせず自分で確認すればいいことですね。
むしろ、日本の経済ニュースでもよく使われる用語が分かりやすく解説されてるのが良かったです。
外貨準備高=貯蓄のイメージ(高いほど良い)とは全く違ったとは!(たぶん日本人の多くは間違った認識)他にも、借金大国と悪評高い日本政府の債務残高の内訳とか。
日本の報道は、情報が偏っている上に表現も信頼できないのは知っていましたが…。
経済リテラシー(読み取り能力)を高めてもらいたいとの著者の弁ですが、単語を正しく理解するだけでニュースが全く変わってしまいます。ぜひ日本やアジア、欧米についても書いて欲しい。