三橋貴明のレビュー一覧
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著者の三橋貴明と言えば、激痩せ、DV、MMT、成田悠輔というキーワードが並び、経済評論家とある。メディアを通じて印象だけ追うと、為人も論説もよく分からない人、というのが本音だ。しかし、自信満々に力説する経済論には興味があり、著作を手に取る。
私の浅はかな知識で読んでも、別に変な事を言っているわけではない気がする。経団連の欺瞞とあるのは、法人税減税の要求に関してだろうが、これと消費増税をセットで考える誤りについて説く。逆に、法人税を増税することによって、企業からの支出、従業員の給与や投資を膨らませるというようなインセンティブを与えることになるという。従い、法人税を減税するとデフレが加速する。こ -
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ユーラシアステップを中心に帝国と民主国家に分ける考え方は非常に腑に落ちる点があり、「なぜロシアや中国は帝国の歴史なのか、なぜ共産主義国家がそこで生まれたのか」など様々な歴史的事実が繋がってきた。
特に「羊飼いという文化が一神教を産んだ」など、考えつかない角度から歴史を説明していく流れは「サピエンス全史」に近い面白さがあった。
ただ一点、封建主義国が自分の土地を守るモチベーションでモンゴル帝国を食い止めたとある。
しかしヨーロッパはたまたまモンゴル皇帝が死んで軍が引き上げただけだ。
実際、ヨーロッパ軍は敗戦を繰り返していた。
その知識もあり、ヨーロッパが必死の抵抗をしたからモンゴル軍を食い止め -
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今年(2017)も順調に執筆・講演をされている、この本の著者である三橋氏は、中小企業診断士であることを積極的に表明して活躍されている、数少ない経済評論家です。実際に入手できる一次データをもとに数多くの図表とともに開設される内容はどのようなテーマのものであっても、理解しやすく説得力のあるものであると感じられます。
さて、今回のテーマは私達が毎日使用している「お金」についてです。お金とは道具であると頭では理解しているつもりでも、生活するために必要な物品・サービスを得るために、「お金」を通して得ている私は、お金を貯め込む=貯金、することが大切であると頭の中に染みこんでいます。
この考え方は、個人 -
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勉強になった。●誰かの黒字は誰かの黒字,再分配機能がうまく働かなければグローバル化で国家間や個人間で格差が広がるのは当然。●消費者保護ばかりを叫ぶが消費者は生産者でもある,結局自分で自分の首を絞めていることに気づくべき。●現在の社会的経済的混乱の元凶は「グローバリズム」と「ナショナリズム」の対立。●投資過小は問題だが拡大すればいいというわけではない。●日本企業と日本国民の利益が衝突するようになってしまったのは公益資本主義と株主資本主義の対立。●世界屈指の内需大国である日本がなぜグローバル市場を意識し国民を貧乏にする政策を推進しなければならないのか。