三橋貴明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
三橋氏の著作は主にマクロ経済を扱ったものが多いですが、本書ではテーマを道路一本に絞っているやや異色の本と言えます。
マスコミや民主党の主張する道路不要論のどこが間違っているのか、経済成長や安全保障のためになぜ道路が必要なのかが詳しく解説されていて、この本1冊で道路をめぐる問題をすべて…とは言わないものの、網羅的に理解できるようになっています。
「可住地面積辺りの道路延長距離」を道路不要論の根拠とする欺瞞については他の本でも触れられていましたが、B/C分析の問題点や震災等で道路が分断された時にも対応できる構造など始めて知った情報も多く、大変勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
サブプライム問題発端の金融危機・・・いんちきマネーの終わり, 2008/9/28
今起きているサブプライム問題を発端とした金融危機。栄華を誇ったリーマン・ブラザーズが倒産し、メリルリンチは救済合併、格付けAAAを売り物に大々的に日本でCMを打つAIG(アリコなどの保険が有名)のアメリカ政府の救済措置。
なんで、たかだか、アメリカの住宅ローンの焦げ付き問題でここまで、大騒動になるのか。
いろいろ、記事や雑誌を見てもわかりにくかったけど、この本はとてもわかりやすく解説してくれる。
タイトルは「ドル崩壊」であり,話はそこに行き着くのだが、現状のサブプライム問題と、金融工学の最先端、デリバティブ(金融派生商品)、特に、リスクの証券化(CDSなど)がいかにイ自分のリスクを取らずに、他人を騙して金儲けするのか。
その関係者(売り側、買い側)の強欲が、レバレッジという方法で肥大化し、未曾有の金融危機を起こしていることがよく分かる。
「最新の金融工学を駆使し、リスクをヘッジする」その美名の元に、ようは単なるババ抜きゲーム(ババ=デフォルト)をしているだけじゃん・・・
という感じがしました。
また、一番印象に残ったのは、FRBっていうのが、民間企業で、しかも倒産する可能性があるという話でした。
いずれにせよ、金融で儲けるということ自体が大きく間違っているのでは無いか、儲けるのは「地道に汗を流して稼ぐ」これが王道のような気がしてきました -
Posted by ブクログ
ビックリしながら勉強になった。メモ/ ● 韓国の国際収支は全ての数字が悪化している。● 現状の韓国は直接投資収支、証券投資収支の赤字化が進んでいるにも関わらず海外からの短期借入金が巨額であるため資本収支全体では今のところ黒字。 ● 外貨建て融資ブームなどが重なりその他投資収支の巨額黒字、短期外債の72%増(2006)。 ● 円キャリー巻き戻し→ウォン安→外債頼みの韓国はその為替が下落した分増加→輸出企業不振の原因はウォン高ではないのでウォン安が輸出産業に好影響を与えない。 ● 財閥を中心とする韓国輸出企業のためウォン高介入を続ける韓国銀行はドル買いをするための原資として海外から借り入れ。(外平債)(通貨安定証券)→韓国銀行赤字→通貨安定証券は政府ではなく韓銀が発行しているという理由で韓国の国家債務にカウントされていない。 その他 ● 国内では利益を上乗せして販売し海外で安価に販売、海外市場のシェアを伸ばし規模の経済を追求する輸出企業。 ● 貴族労組、人件費高騰。 ● 全教祖、標準化教育から逃れるため海外へ。 ● 金融機関と主要企業の株主の過半は外国人。 ● 中小企業の設備投資が減少を続けている。 海外への直接投資は急増(ウォン高を逃れるためだが解決になっていない)。 ● 企業は自社株買いで株価を支えている。 ● 数百万の信用不良者。ジニ係数は米国レベル(国民所得は半分程度で)。 ● 海外移民者の資産持ち出し。
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Posted by ブクログ
【書名と著者】
日本経済失敗の本質
三橋貴明
【目的】
貨幣観というキーワードで日本の経済政策を読み解く点に興味をもった。
経済が伸びないのはプライマリバランス黒字化嗜好と(お小遣い帳の発想)政と消費税を財源にした輸出企業への還付金、個人消費の冷え込み、なのかなと思っていたが、
そもそもの主義主張によるものであるなら、それはなんなんだろうと疑問を持った。
【読後感】
【印象に残ったポイント】
・大殺戮のなかった災害史観の日本と、紛争史観のユーラシア大陸の対比
戦争に適さない抽象的で曖昧な日本語と、戦争に適した意味が明瞭なユーラシアの言語。
災害で人が死んできた日本と、紛争により人が死んで来たユーラシア。(ついでに、拷問も多様なのが後者)
日本の扉は外開きだが、その他の扉は防御しやすい内開き。
・大東亜戦争といまの日本政府がそっくり、一部の日本の会社ともそっくり
失敗を顧みない、手段が目的化、雰囲気と人間関係、責任は現場(現場の兵隊、平社員、国民)が取れ。
組織内のヒエラルキーが特権化、偉い人が貴族か何かにでもなってしまうのって不思議だがとても再現性があるなと感じた。
・過去の誤りを認めてはならないカルチャー
自分の会社にも、過去の○○が誤っていたことにしてはならないカルチャーがある。
ミスがあったことが判明したら、ミスを総点検せねばならなくなる。そんな余力はないから、ミスとしてはならない、等。
ただ、本当にあるべきは目的やリスクレベルに即して踏みとどまることなんじゃないの?って思う。
・経済の目的は経世済民、という目的志向
経済って難しい、と思いがちだがコレって経世済民的なのか?という目的間でジャッジすると、専門知識や細かいことがわからなくても、自律的に判断できそうだなと感じた。
ただ、なにかオペレーションに突入してしまうと「これをやるのだ脳」になってしまう。なので、ふと立ち返る仕組みないし自分へのストッパーをどうセットするのか、が難しく感じる。
【要点】
1.なぜ戦争が起きるのか
生存のために共同体を作り、生活のために分業する。この共同体間で生存のためにリソースを獲得するための紛争が発生する。
騎兵中心→銃→ミサイルに至る。国家=国民が戦争主体となる、だから総力戦になる。そこで、決め手は物資(戦争継続のためのリソースすべて)。
2.大東亜戦争期と酷似する現在の日本政府
世界にべき論を唱えるリベラリズムに対し、世界はこうなっていると現状認識からはじまるリアリズム。
たとえば、金本位制は金の総量との裏付けが貨幣に必要というリベラリズム。昭和恐慌のトリガーは1929年の世界大恐慌のあとの経済政策である金本位制、ではなぜ導入したのかというと当時の世界標準だったから。
戦争に際しては、相手が昔とは異なるリアリズムでの認識ではなく、リベラリズムで望んでしまっていた。ついでに、日本語的な抽象で解釈を現場にゆだねる指示が混乱を招いた。だから、ノモンハン事件でも日本の対応は杜撰となった。
大東亜戦争にしても、GDPが5倍のアメリカとまともに総力戦したら勝てるわけがないというのが、当時の日本の現状認識だったらしい。
とはいえ、石油を絶たれてどうするか、でアメリカに勝つには全面戦争せず西出してイギリスを叩きつつ、インドネシアで石油確保し継戦能力を維持するのだ。石油がないから待ち構えて、戦える海軍で応戦し早期講和に持ち込むのだ、というプランがあったそう。
ところが、山本五十六が暴走して、大方針から大きく外れる思い切ったパールハーバー奇襲に出てしまったのと、曖昧な指示で現場が混乱し、艦隊が損傷した。
作戦の前提が変わってしまったのに、現状を認識せず決めた通りの戦術を繰り出し、悲惨な結果に至った。
陸軍は銃剣突撃!海軍は艦隊決戦!というべき論が先に立ち、目的合理なリアリズムがなかった。失敗を顧みず、手段が目的化し、雰囲気と人間関係で重大なことが決まってしまい、責任者が免責される。
これって、今の日本と酷似してる。
3.狂った貨幣観と大本営と化した財務省
経済政策の目的は、経世済民。国民が安全に豊かに暮らせること。
生産者が財サービスを作り、家計・企業・政府・外国へ提供して対価をもらう。で、稼いだ所得は銀行へ。
生産・消費・所得の金額はすべて一致する。だから、わたしたちが豊かに暮らすためには誰かの支出が必要。
だから、政府の支出を増やさないと国民の所得が増えないし、増税したら当然に経済が伸びない。
銀行預金の発祥は、金の預かり証?金を保管してあげるサービスから派生し、現物の金を携行したくないニースから預かり証が金の代わりに流通した。しかも、実際に保管している全部が一気に引き出されることはないので、預かり証自体も実際の保管料より出してしまえと、現物資産の担保を超えた量が流通したしたのだとか。
つまり、貨幣の正体って極論、単に帳簿上の数字を水増ししただけ。
これを日本政府に置き換えると、日銀が国債を市中銀行を経由して買い取って、代わりに銀行の預金を増やす。
これだけの話なのに、なぜか世界的に見ておかしな60年償還ルールが日本にあり、償還する前提だから本来計上しなくていいはずの償還費が一般会計に積まれてしまってる。
だから、国債発行の分だけ債務償還費が積み込みされて、国民のための支出ができなくなってしまってる。
加えて、プライマリーバランス黒字化という(世界で唯一の)手段が目的化したことで、金を使わないし経済を縮小させるオペレーションになっている。
ここと密接に関連する財務省の評価の仕組みは増税や支出減らしなので、東大法学部のエリートを集めて真面目に事業として増税と支出減らしに取り組ませて今に至る。
本来は経世済民のために政府が赤字を出して国民を豊かにすべきところ、目的間のないオペレーションで民間の黒字を増やさない構造がある。